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Z 4120 : 2008 (IEC 60336 : 2005)
6.2.4 特別なX線条件
表2によるX線条件が当該X線管の撮影定格内に入らない場合,又はX線管に指定された正常な使用
での標準的なX線条件を含まない場合には,適切なX線条件を別途選択しなければならない。この場合,
焦点スリットX線像又は焦点ピンホールX線像を得たX線条件を,特性と一緒に附属文書に記載しなけ
ればならない。
特別な場合(可変焦点など)は,焦点の特性を異なった負荷ごとに記載したほうが適している。
6.2.5 特別な配置
適切な焦点X線像の作成を目的に,スリットカメラ,及び/又はX線管装置の両方又はどちらかを特別
に配置した場合,又は特別な電気的条件若しくは負荷の条件を用いた場合は,適合の表明に特性と一緒に
附属文書に詳細を記載しなければならない。
6.3 焦点スリットX線像又は焦点ピンホールX線像の作成
6.3.1 焦点スリットX線像の作成
一組の焦点スリットX線像は,6.2に規定した作動条件で作成しなければならない。
6.3.2 焦点ピンホールX線像の作成
焦点ピンホールX線像は,6.2に規定した作動条件で作成しなければならない。
6.3.3 撮影用フィルムの露出
撮影用フィルムは,現像後に最大黒化領域内の光学濃度が1.01.4に入るように撮影しなければならな
い。かぶり込みベース濃度は,0.25を超えてはならない。
6.4 適合性の表明
一組の焦点スリットX線像又は焦点ピンホールX線像が,この規格に適合していることを表明する場合
には,次のように表示する。
JIS Z 4120に準じた拡大率1)··· の焦点スリットX線像
又は,
JIS Z 4120に準じた拡大率2)··· の焦点ピンホールX線像
必要に応じて,次の条件を追加記載する。
−基準軸(4.3参照)
−X線条件(6.2.3参照)
−特別な配置(6.2.5参照)
−X線管装置の長軸(4.2参照)
注1) 箇条5によって採用及び決定した拡大率
2) 箇条5によって採用及び決定した拡大率
7 線広がり関数(LSF)の測定法
7.1 概要
この箇条は,箇条8の焦点寸法の決定,及び箇条9のMTFの決定に使用する一組のLSFの測定法につ
いて規定する。これらのLSFは,焦点スリットX線像から得なければならない。一組のLSFがこの規格
に適合していることを示す方法を含む。
――――― [JIS Z 4120 pdf 11] ―――――
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7.2 測定器及び測定の配置
箇条5及び箇条6によって得られた焦点スリットX線像は,マイクロデンシトメータによって走査しな
ければならない。マイクロデンシトメータのスリット幅(b)は,焦点スリットX線像の作成に用いたスリッ
トの幅を超えてはならない。図5で示すように,X線像上に投影されたスリットの長手方向と垂直なマイ
クロデンシトメータのスリットの有効幅(beff)が,マイクロデンシトメータのスリット幅(b)の2倍より小さ
くなるように,マイクロデンシトメータのスリットの長さを調整しなければならない。
図5−マイクロデンシトメータのスリット調整
7.3 濃度分布の測定
各焦点スリットX線像の濃度分布は,長手方向の中心位置で長手方向に垂直に走査する。走査方向は,
スリットの方向と90±2°以内に設定しなければならない。
走査する範囲は,求める公称焦点値の最大許容値の少なくとも4倍の値に,焦点スリットX線像を作成
するのに用いた拡大率(E)を乗じた値より大きくなるようにしなければならない。
この測定結果は,X線像の幅全域の濃度を示す曲線として表す。
7.4 LSFの決定
正味濃度を,照射強度と濃度との関係を示すフィルム特性曲線によって,X線像の幅全域にわたって照
射強度の線形分布を示す曲線に変換しなければならない。
フィルム特性曲線は,焦点スリットX線像用に用いたものと,同じ条件で現像された同一の撮影用フィ
ルムによらなければならない。
LSFは,スキャン方向軸の値を焦点スリットX線像を得るのに用いた拡大率(E)で除した,X線像の幅
全域にわたる放射強度の線形分布を表す曲線から推定しなければならない。
7.5 適合性の表明
LSFがこの規格と適合することを表明する場合は,次のように表示する。
JIS Z 4120に準じたLSFの値
必要に応じて,次の条件を追加記載する。
−基準軸(4.3参照)
−X線条件(6.2.3参照)
−特別な配置(6.2.5参照)
−X線管装置の長軸(4.2参照)
――――― [JIS Z 4120 pdf 12] ―――――
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8 焦点寸法の決定
8.1 概要
この箇条は,一組のLSFに基づいた焦点寸法の決定について規定する。これらの関数は,箇条6に規定
した一組の焦点スリットX線像から得なければならない。
この規格への適合基準及びこの規格に適合した公称焦点値を表示する方法を含む。
8.2 測定及び決定
焦点の実寸法は,図6で示すように箇条7によって決定したLSFのピーク値の15 %位置で測定した寸
法で決定する。
放射線強度分布
図6−LSF
8.3 指定の公称焦点値
8.3.1 公称値
各形式のX線管装置の焦点は,公称焦点値を次の数値から割り当てる。
− 0.1 0.25 は 0.05 ステップ
− 0.3 2.0 は 0.1 ステップ
− 2.2 以上 は 0.2 ステップ
特定用途用(CT用など)に指定されたX線管装置の焦点は,一組の数値からなる公称焦点値で記載す
る。例えば1.0×1.6については,最初の数値は実効焦点の幅で基準軸又はX線管装置の軸に垂直な方向の
値を,2番目の数値は実効焦点の長さで基準軸に平行な方向の値を表す。この一組の値は前述と同じステ
ップで記載しなければならない。
8.3.2 実測値
公称焦点値は,8.2によって決定した焦点の幅及び長さの実測値が,表3で与えられた幅及び長さの最大
許容値より小さくなるように求めた数値を,2方向の寸法とする。
CT用のような特定用途用の一組の焦点値は,それぞれの値に幅方向の最大許容値の列だけを用いて表3
――――― [JIS Z 4120 pdf 13] ―――――
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の中の公称焦点値を適用しなければならない。
これらの決定に測定誤差の補正は必要ない。
表3−公称焦点に対する焦点寸法の最大許容値
公称焦点値 焦点寸法の最大許容値 mm
f 幅 長さ
0.1 0.15 0.15
0.15 0.23 0.23
0.2 0.30 0.30
0.25 0.38 0.38
0.3 0.45 0.65
0.4 0.60 0.85
0.5 0.75 1.10
0.6 0.90 1.30
0.7 1.10 1.50
0.8 1.20 1.60
0.9 1.30 1.80
1.0 1.40 2.00
1.1 1.50 2.20
1.2 1.70 2.40
1.3 1.80 2.60
1.4 1.90 2.80
1.5 2.00 3.00
1.6 2.10 3.10
1.7 2.20 3.20
1.8 2.30 3.30
1.9 2.40 3.50
2.0 2.60 3.70
2.2 2.90 4.00
2.4 3.10 4.40
2.6 3.40 4.80
2.8 3.60 5.20
3.0 3.90 5.60
注記 公称焦点値0.33.0の長さの最大許容値は,係数0.7で補正されている
(附属書C参照)。
注記 焦点ピンホールX線像から焦点寸法を決定する場合は,表3の許容値を適用してもよい。
8.4 適合性の表明
一つ以上の公称焦点値がこの規格と適合することを表明する場合は,次のように表示する。
− ミリメートル(mm)単位で表した無名数
例 公称焦点値(JIS Z 4120) : 0.6
− 特定の用途用X線管装置(8.3.1参照)用に一組の無名数
例 公称焦点値(JIS Z 4120) : 1.0 × 0.6
必要に応じて,次の細分箇条の条件を追加記載する。
− 基準軸(4.3参照)
――――― [JIS Z 4120 pdf 14] ―――――
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Z 4120 : 2008 (IEC 60336 : 2005)
−X線条件(6.2.3参照)
−特別な配置(6.2.5参照)
−X線管装置の長軸(4.2参照)
8.5 適合の表示
1個以上の指定された公称焦点値におけるこの規格への適合を,X線管装置に表示する場合には(簡略
化した表示も含む。),JIS Z 4004の図記号を使用して,次のように行う。例えば;
記号 JIS Z 4004 04-04 記号JIS Z 4004 04-05 記号JIS Z 4004 04-06
[DB3):2002-10] (DB:2002-10) (DB:2002-10)
0.6 JIS Z 4120 1.0×1.6 JIS Z 4120 1.8×1.2 JIS Z 4120
注3) B : IECオンラインデータベース
9 変調伝達関数(MTF)の決定
9.1 概要
この箇条は,一組のLSFに基づいてX線管装置の焦点と関連するMTFの決定について規定する。
この規格への適合基準及びこの規格に適合したMTFの表示方法を含む。
9.2 指定のMTF
MTFの記載が要求される場合には,各焦点の幾何学寸法によって決まる一組のMTFを各形式のX線管
装置ごとに指定しなければならない。
個々のX線管装置がこの規格に適合することを表明する場合には,9.4によって評価しなければならな
い。
9.3 MTFの計算
9.3.1 無限大に近い理論的拡大率での計算
焦点の幾何学的構造のMTFは,フーリエ変換の手法で計算する。
フーリエ変換を行う入力値は,箇条7で得られた焦点寸法の少なくとも3倍以上の範囲を走査して得た
LSFを数値化したものでなければならない。
横座標に沿った測定点間の距離は,焦点全体の放射強度の線形分布の大きさ及び形を考慮して選択しな
ければならない。測定点間の距離を縮めることによって結果に大きな影響を与えてはならない。
例 測定点間の距離の50 %短縮がどの点において算出されたMTFでも5 %以上変化しないような
測定点間の距離を選択する。
注記 多くの場合,2点の測定間距離を焦点スリットX線像を得るのに用いた拡大率(E)で除した値が,
公称焦点値が0.15以下であれば公称焦点値の10 %未満,公称焦点値が0.15より大きければ公
称焦点値の5 %未満であれば十分である。
9.3.2 標準拡大率での計算
9.3.1に従って得られた空間周波数の値は,次の式によって変換する。
――――― [JIS Z 4120 pdf 15] ―――――
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JIS Z 4120:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60336:2005(IDT)
JIS Z 4120:2008の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4120:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4004:1989
- 医用放射線機器図記号
- JISZ4005:2012
- 医用放射線機器―定義した用語