JIS Z 4333:2014 X線,γ線及びβ線用線量当量(率)サーベイメータ | ページ 3

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は線量率測定の場合0.7H0以下,線量測定の場合0.7H0以下とする。

4.16 電源周波数磁界イミュニティ特性

  電源周波数磁界イミュニティ特性は,6.2.17によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は線量率

測定の場合0.7H0以下,線量測定の場合0.7H0以下とする。
サーベイメータの指示値が電源周波数磁界イミュニティ試験に影響される場合は,取扱説明書に記載し
なければならない。

4.17 静電気放電特性

                                                                                             
静電気放電特性は,6.2.18によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は線量率測定の場合0.7H0
以下,線量測定の場合0.7H0以下とする。

4.18 無線周波電磁界によって誘導された伝導妨害に対するイミュニティ特性

  無線周波電磁界によって誘導された伝導妨害に対するイミュニティ特性は,6.2.19によって試験したと

き,指示値の変化の許容範囲は線量率測定の場合0.7H0以下,線量測定の場合0.7H0以下とする。

4.19 こん(梱)包落下特性

  こん(梱)包落下特性は,6.2.20によって試験した後,外観及び接合部分に異常がなく,電源が入り,
正常に動作しなければならない。

4.20 耐微小振動特性

  耐微小振動特性は,6.2.21によって試験したとき,次による。
a) 1形 指示値の変化は,0.7H0以下とする。また,試験後に外観及び動作に異常があってはならない。
b) 2形 指示値の変化は,0.7H0以下とする。また,試験後に外観及び動作に異常があってはならない。

5 構造

5.1 構造一般

  構造一般は,次による。
a) 検出器,指示計器及び電源が一体に構成されるか,又はケーブルで接続され,操作及び持ち運びに便
利で,かつ,転倒しにくく,堅ろうな構造とする。
b) 周辺線量当量(率)及び/又は方向性線量当量(率)が直接指示できるものとする。
c) 振動,衝撃,電磁界環境などの影響を受けにくい構造とする。
d) 必要に応じて,記録計用出力端子,警報信号出力回路などを備えてもよい。
e) 中性子に対する感度が低くなるように考慮する。
f) 検出器の基準点を表示しなければならない。

5.2 指示計器

  指示計器は,直線目盛若しくは対数目盛又はデジタル表示をもつものとする。

5.3 警報

  警報機能をもつサーベイメータは,次による。
a) 警報設定値は,サーベイメータの有効測定範囲にわたって任意の値に設定が可能か,又は各デカード
について少なくとも一点のレベル設定が可能でなければならない。
b) 警報音の周波数は,1 000 Hz3 000 Hzが望ましい。断続警報音のときは,警報音間隔が2秒を超え
てはならない。
c) サーベイメータの警報音量は,距離30 cmで75 dB(A)100 dB(A)とする。

――――― [JIS Z 4333 pdf 11] ―――――

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5.4 電源

  電源は,次による。
a) 電源は,一次電池又は二次電池とする。
b) 使用する電池は,製造業者が指定する。
c) サーベイメータが正常に動作しない電圧に低下したとき,表示又は光によって知らせる機能をもたな
ければならない。
d) 一次電池は,正しい極性で接続されるように明示しなければならない。
e) 二次電池は,充電時間を取扱説明書に明示しなければならない。

5.5 測定範囲

  測定範囲は,次による。
*(10) μSv/hを含む3デカード以上とする。
表示のサーベイメータは,10
a) H
'(0.07) μSv/hを含む3デカード以上とする。
表示のサーベイメータは,100
b) H
c) 線量測定のサーベイメータは,0.1 mSvを含む3デカード以上とする。

6 試験

6.1 試験条件

6.1.1  共通試験条件
基準条件は,表5による。特に指定のある場合を除き,この規格における試験条件は,表5による。
表5−共通試験条件
項目 基準条件 標準試験条件
(製造業者が指定しないとき) (製造業者が指定しないとき)
基準X線,基準γ線
*(10)
137Cs(最小定格範囲80 keV1.5 MeVの137Cs(最小定格範囲80 keV1.5 MeVの場
H
場合) 合)
実効エネルギー80 keV付近のX線(最 実効エネルギー80 keV付近のX線(最小定

小定格範囲20 keV150 keVの場合) 格範囲20 keV150 keVの場合)
H'(0.07) 実効エネルギー65 keV付近のX線又は 実効エネルギー65 keV付近のX線又は
241Am 241Am
90Sr/90Y 90Sr/90Y
基準β線
線量率
*(10)
H 10 μSv/h 3 μSv/h100 μSv/h a)
'(0.07)
H 100 μSv/h 10 μSv/h1 mSv/h a)
線量
H*(10) 100 μSv 10 μSv1 mSv a)
H'(0.07) 100 μSv 10 μSv1 mSv a)
予熱時間 15分 15分以上
環境温度 20 ℃ 18 ℃22 ℃a)
相対湿度 65 % 50 %75 % a)
気圧 101.3 kPa 86.0 kPa106.6 kPa a)
電池電圧 公称電圧 公称電圧±1 %
放射線の入射角度 製造業者によって指定された校正方向入射角度±5°
外部電磁波 無視できるレベル 影響の認められるレベル以下
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以内
サーベイメータを置く方向製造業者が指定 ±5°

――――― [JIS Z 4333 pdf 12] ―――――

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表5−共通試験条件(続き)
項目 基準条件 標準試験条件
(製造業者が指定しないとき) (製造業者が指定しないとき)
バックグラウンド線量率 周辺線量当量率 周辺線量当量率
0.1 μSv/h以下 0.25 μSv/h以下
放射性物質による汚染 無視できるレベル 無視できるレベル
注a) 試験時の実際の値を明示する。
6.1.2 基準放射線
個々の試験方法で特に指定のない限り,放射線による試験は,次の放射線で行う。
a) SO 4037-1ISO 4037-4又はJIS Z 4511に規定されたX線及びγ線
b) IS Z 4514に規定されたβ線
試験に用いるX線,γ線及びβ線は,JIS Q 17025に基づき認定されたJCSS 2)登録事業者などにより供
給され,国家標準3)とのトレーサビリティが明確なものとする。また,その不確かさは,10 %以内である
ことが明示されていることが望ましい。
注2) 計量法第143条に基づく校正事業者登録制度でJapan Calibration Service Systemの略称である。
3) IS Z 8103に規定された国が認める計量標準。

6.2 試験方法

6.2.1  試験方法一般
試験方法一般は,次による。
a) 全ての試験は,15分間の予熱時間が経過した後に実施するものとする。
b) 試験条件のうちのある項目の条件を変化させて試験する場合には,その項目以外の条件は,表5に示
す標準試験条件の範囲内にあるものとする。
c) 必要に応じて指示値は,バックグラウンドを考慮する。
d) 指示値の変動が放射線の統計的変動によるのであれば,十分な測定回数の平均値をとって,特性が性
能規定を満たすかどうか確認する。統計的変動に関する測定回数は,参考として附属書Bを参照。
6.2.2 直線性試験
標準試験条件で製造業者が定める手順に従って,基準となる線量(率)に対する基準レスポンス(R0)
がほぼ1になるように調整したサーベイメータを用いる。試験は,X線,γ線及びβ線のそれぞれについ
て行うが,異なる線種に対して検出方法及び検出器構造が同じならば,個別に行わなくてもよい。
高線量率のγ線,β線などで,対象とする線種で試験することが困難な場合は,X線など他の線種を用
いてもよい。
a) 直線目盛の場合には,有効測定範囲の各レンジについて最大目盛値の20 %,40 %及び80 %近辺の指
示値Gについて,Gと線量(率)の取決め真値HtからレスポンスRを求める。RとR0とから相対レ
スポンスrを求める。
b) 対数目盛及びデジタル方式の場合には,有効測定範囲の各デカードの20 %,40 %及び80 %近辺の指
示値Gについて,Gと線量(率)の取決め真値HtからレスポンスRを求める。RとR0とから相対レ
スポンスrを求める。
6.2.3 変動係数試験
この試験は,6.2.2で実施した全試験点において変動係数を求める。このとき,附属書Aに従った測定回
数でそれぞれの指示値を読み取る。全試験点において,20回程度繰返し指示値を読み取り,変動係数を求

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めてもよい。
6.2.4 エネルギー・方向特性試験
6.2.4.1 一般
基準の向きを0°とし,サーベイメータの基準点を通る垂直方向及び水平方向の両方向について実施す
る。
*(10)及びH*(10)
6.2.4.2 X線及びγ線のH
試験は,ISO 4037-1ISO 4037-4又はJIS Z 4511に規定する次のX線及びγ線を照射する。各エネルギ
ーにおける基準線量(率)の決定のために用いる線量当量換算係数は,附属書JCによる。
a) 1形及び2形 表JC.1に規定する実効エネルギー付近のX線及び表JC.2に規定するγ線のうち定格
範囲のエネルギーについて,入射角度(α)を0°,±30°,±45°,±60°,±75°及び±90°で照射
する。定格角度範囲の最大値がこれらの角度と異なる場合は,その角度についても照射する。表5に
示す基準X線又は基準γ線の入射角度α=0°のときのレスポンスを基準値として,各エネルギー及び
各角度に対する相対レスポンスを求める。
なお,入射角度による相対レスポンスの変化が小さいか単調であると考えられる場合については,
試験点数を減らしてもよい。
注記 試験点の低減方法を,参考として附属書JBに示す。
b) 3形及び4形 表JC.1に規定する実効エネルギー付近のX線及び表JC.2に規定するγ線のうち定格
範囲のエネルギーについて,入射角度0°で照射する。さらに,137Csのγ線を,それぞれ入射角度0°
から±30°ごとに±180°まで,各方向から放射線を照射する。入射方向がケーブル側となるときには,
この方向を除いてもよい。137Csのγ線を入射角度0°で照射したときのレスポンスを基準値として,
各エネルギー及び各角度に対する相対レスポンスを求める。
また,実効エネルギー80 keV近辺のX線又は241Amのγ線についても,それぞれ入射角度0°から
±30°ステップで±180°まで,各方向から放射線を照射する。入射方向がケーブル側となるときには,
この方向を除いてもよい。実効エネルギー80 keV近辺のX線又は241Amのγ線を入射角度0°で照射
したときのレスポンスを基準値として,各角度に対する相対レスポンスを求める。
なお,57Co及び133Ba標準γ線源で十分な指示値が得られる場合には,X線の代わりにこれらの線
源からのγ線を用いてもよい。また,検出器が円筒形で,製造業者が指定する方向が中心軸方向の場
合には,中心軸を含む任意の1平面でもよい。
及びH'(0.07)
'(0.07)
6.2.4.3 X線及びγ線のH
試験は,ISO 4037-1ISO 4037-4,又はJIS Z 4511に規定する次のX線及びγ線を照射する。各エネル
ギー及び各角度における基準線量(率)の決定のために用いる,線量当量換算係数は附属書JCによる。
表JC.3に規定する実効エネルギー付近のX線及び表JC.4に規定するγ線のうち定格範囲のエネルギー
について,入射角度(α)を0°,±30°,±45°,±60°,±75°及び±90°で照射する。定格角度範囲の
最大値がこれらの角度と異なる場合は,その角度についても照射する。
表5に示す基準X線又は基準γ線の入射角度α=0°のときのレスポンスを基準として,各エネルギー及
び各角度に対する相対レスポンスを求める。
なお,入射角度による相対レスポンスの変化が小さいか単調であると考えられる場合については,試験
点数を減らしてもよい。
注記 試験点数を減らす方法として,附属書JBが参考となる。

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及びH'(0.07)
'(0.07)
6.2.4.4 β線のH
試験は,JIS Z 4514に規定する次のβ線を照射する。
147Pm(平均エネルギー0.06 MeV)

204Tl(平均エネルギー0.24 MeV)又は85Kr(平均エネルギー0.24 MeV)

90Sr/90Y(平均エネルギー0.8 MeV)

147Pm,204Tl又は85Kr,及び90Sr/90Yからのβ線を,それぞれ入射角度(α)0°,±45°及び±60°で照
射する。定格角度範囲の最大値がこれらの角度と異なる場合は,その角度についても照射する。90Sr/90Yか
らのβ線を入射角度α=0°で照射したときのレスポンスを基準として,各エネルギー及び各角度に対する
相対レスポンスを求める。
なお,入射角度による相対レスポンスの変化が小さいか単調であると考えられる場合については,試験
点数を減らしてもよい。
6.2.5 線量測定における線量率特性試験
製造業者が指定する線量に対する基準レスポンスを求める。線量測定における有効測定範囲の各デカー
ドの80 %付近の線量になるよう照射を行い,それぞれの試験点における相対レスポンスを求める。このと
きの線量率は,サーベイメータの定格線量率範囲の各デカード1点ずつとし,照射時間が10秒以上10時
間以内になるような線量率で照射を行う。
なお,計数の積算によって線量を求めるサーベイメータの場合は,線量率の1点当たり100秒間の照射
による線量だけでレスポンスを求める。
6.2.6 応答時間試験
6.2.6.1 線量率測定
線量率測定は,次による。
a) サーベイメータに照射する線量率又は検出器からの信号を模擬した電気信号を変化させ,指示値がGi
からGfになるとき,指示値がGiから次の式で示される値になるまでに要する時間を測定する。
Gi+0.9(Gf−Gi)
測定は,指示値を増加させる場合及び減少させる場合の両方について行い,増加の場合にはGf/Gi
を,減少の場合にはGi/Gfを10以上にする。
b) ) と同じ条件で指示値がGiからGfになるとき,60秒後の指示値からGfを減じた値のGfに対する百
分率を求める。
注記 検出器からの出力信号に近似した波形の信号を用いてこの試験を行う場合には,製造業者は取
扱説明書にその旨を示さなければならない。
6.2.6.2 線量測定
線量測定は,次による。
)(μSv/h)で10秒間照射し,指示値を
a) バックグラウンド及び数え落としが十分無視できる線量率(H
読み取る。

b) 定格線量率範囲の上限値近辺の線量率(Hlim)(μSv/h)で10秒間照射し,指示値を読み取る。
6.2.7 オーバロード特性試験
6.2.7.1 一般
オーバロード特性試験は,次による。
高線量率のγ線,β線などで,対象とする放射線で試験することが困難な場合は,X線など他の放射線
を用いてもよい。また,高線量の場合には,4.4の規定を満足する線量率に相当する模擬信号を用いてもよ

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JIS Z 4333:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60846-1:2009(MOD)

JIS Z 4333:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4333:2014の関連規格と引用規格一覧