JIS Z 4560:2018 工業用γ線装置 | ページ 3

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超えてはならない。
表1−周辺線量当量率の限度値
周辺線量当量率の限度値
形式 線源容器表面付近(mSv/h) 線源容器表面から1 m
線源容器表面 線源容器表面から50 mm (μSv/h)
P形 2 0.5 20
M形 2 1 50
F形 2 1 100

5.4 シャッタ

  シャッタが設けられているγ線装置では,開閉の状態を安全に確認できる機能を備えたものとする。

5.5 保安装置

5.5.1  固定装置
5.5.1.1 施錠装置
γ線装置の線源容器には,次に示すいずれかの施錠のための装置を備える。
a) 線源容器に,鍵操作の施錠装置を設けない場合。
1) 線源容器には,線源アセンブリを固定する装置を設ける。
2) 使用中は,遠隔操作装置によって線源アセンブリの位置を表示するとともにそれを固定できる装置
を設ける。
3) 保管時及び輸送時に使用する輸送容器に施錠装置を設ける。
b) 線源容器に,鍵操作の施錠装置を設ける場合。
1) 施錠装置は,鍵なしでも施錠できるか又は線源容器が格納位置にあるときだけ鍵を引き抜くことが
できるようにする。
2) 施錠装置は,線源容器及び線源アセンブリを格納位置に保持し,線源アセンブリが格納位置以外に
あるときに,施錠装置が損傷した場合,施錠装置が,線源アセンブリを格納位置に戻すことを妨げ
ない構造とする。
3) 施錠装置は,5.11.4.2の規定に適合する。
5.5.1.2 自動固定装置の動作
線源容器に,鍵操作の施錠装置を設ける場合の設計条件は,次による。
a) 線源アセンブリを遠隔で移動する線源容器は,線源容器での意図的な操作によってだけ自動固定装置
を解除できる設計とする。
b) 線源アセンブリが格納位置に復帰するとき,線源容器及び線源アセンブリは自動的に施錠位置になる。
c) 線源アセンブリが格納位置にない場合は,線源容器を施錠できない構造とする。
d) カテゴリIIの線源容器において,固定金具がレリーズワイヤから線源アセンブリの間,操作管から線
源容器の間及び伝送管から線源容器の間に設けられない場合は,線源アセンブリを格納位置から解除
することができない構造とする。
e) 遠隔操作装置を使用する線源容器において,線源アセンブリが線源容器の格納位置にない場合には,
遠隔操作装置を完全に取り外すことができない構造とする。
5.5.2 格納位置の状態表示
γ線装置の構造は,操作者が線源ホルダの位置を5 m以上の距離から格納位置にあるか否かを認識でき,

――――― [JIS Z 4560 pdf 11] ―――――

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これらの表示が線源容器上にある場合は,通常の使用条件で操作者が遠隔操作装置の接続方向5 mの距離
から明瞭に認識できるものとする。
もし色による識別を用いる場合は,緑は線源ホルダが格納位置にあることを示し,赤は線源ホルダが格
納位置にないことを示すものとする。
色による表示を唯一の手段としない。全ての表示は,明瞭で,かつ,信頼できるものとする。
製造業者は,γ線装置の取扱説明書の中で,γ線源の位置を明らかにするためにX線及びγ線用サーベ
イメータを使用することを明記する。
X線及びγ線用サーベイメータの要求事項である校正及び保守については,JIS Z 4333を参照。
5.5.3 通常使用における遠隔操作装置の故障対応
手動操作によらない遠隔操作装置は,次のいずれかとする。
a) 遠隔操作装置に故障が発生しても,線源アセンブリ及び線源容器を格納位置に戻せる設計とする。
b) 緊急装置(手動を推奨)及び緊急手順に従って線源アセンブリ及び線源容器を格納位置に復帰できる
構造とする。

5.6 取扱設備

  取扱設備は,次による。
a) 形線源容器は,一つ以上の運搬用取っ手を備える。
b) 形線源容器は,移動回転半径3 m以下の車輪,固定装置及びつり金具を備える。
M形線源容器を動かすために台車を使用する場合,安全のための使用条件を取扱説明書に記載する。
台車を使用する場合,その固定装置は,10 %の傾斜をもつ平滑な鋼板の上で,ずり落ちたり,倒れな
い構造とする。
c) 形線源容器は,機械的手段によって移動できるつり金具又は補助具を備えることが望ましい。

5.7 線源ホルダの安全

  線源ホルダの安全については,次による。
a) 線源ホルダは,通常,使用条件でγ線源を脱落しないように設計し,かつ,十分な保持力を備える。
繰り返し使用する線源ホルダは,二つ以上の異なる組合せの機械的動作によってγ線源を線源ホルダ
内に固定する(例えば,ねじ及びクリップ,ねじ及びピン)。
b) レリーズワイヤに分離できないように取り付けられている線源アセンブリを除いて,線源アセンブリ
をレリーズワイヤの端部から道具を使用しないで着脱ができる構造とする。
c) 線源容器は,γ線源又は線源アセンブリが不用意に脱落しない構造とする。
カテゴリIの線源容器の中のγ線源又は線源アセンブリは,二つ以上の異なる組合せの機械的動作
(例えば,ねじ及びクリップ)によって通常の着脱をできる構造とする。
カテゴリIIの線源容器の線源アセンブリの取出しは,特別の専用移送容器への移動でない場合は,
上記のカテゴリIの線源容器の要求事項を適用する。

5.8 遠隔操作装置の安全

  遠隔操作装置の安全については,次による。
a) 遠隔操作装置は,制御不能及び遠隔操作装置からのレリーズワイヤの離脱を防止するために,レリー
ズワイヤの終端にストッパを取り付ける。
b) 遠隔操作装置の操作機構は,線源アセンブリの操作方向を明確に表示する。
c) 遠隔操作装置は,電磁両立性(電磁波による障害を受けない特性)のためのJIS C 61000-6-1,JIS C
61000-6-2及びIEC 61000-6-4の要求事項に適合することを確認する。

――――― [JIS Z 4560 pdf 12] ―――――

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5.9 先端棒又はコリメータの取付け

  γ線装置は,伝送管の先端に先端棒又はコリメータが取り付けられる構造とする。

5.10 操作管の長さ

  操作管の長さは,通常,5 m以上とする。ただし,使用施設の構造によって安全が確保される場合はこ
の限りでない。

5.11 通常の動作条件の耐性

5.11.1 一般
γ線装置の設計は,通常の使用状態の下で継続的な動作を確実にする。これは,5.11で示す試験によっ
て満足する性能であることを証明する。
5.15.10に規定した設計要件に基づいて製造されたプロトタイプ(A)及びプロトタイプ(B)に区分
して,表2の試験の欄に示す試験対象項目の試験を実施する。
5.11.2 γ線装置の耐久性試験(6.2参照)
この試験は,模擬線源アセンブリを装備したプロトタイプ(B)について行う。
6.2に規定する耐久性試験を行った後,γ線装置は疲労が進んだ徴候がなく使用できる状態であり,次に
よる。
a) 自動固定機構が作動する状態にある。
b) 施錠装置の作動が有効な状態にあり,かつ,5.5.1.1の要求事項に適合する。
5.11.3 カテゴリIIのγ線装置の伝送試験(6.3参照)
この試験は,次のa) d)に示す機器によって構成されるγ線装置を用いて試験開始前及び試験終了後に
実施する。
a) 遮蔽性能試験,振動試験及び衝撃試験を受けた線源容器(B)
b) 振動試験及び引張試験を受けた模擬線源アセンブリ(B)
c) 踏みつけ試験,曲げ試験及びよじり引張試験を受けた遠隔操作装置(B)
d) 踏みつけ試験,曲げ試験及びよじり引張試験を受けた伝送管(B)
線源アセンブリを格納位置から使用位置に移動して格納位置に復帰させるために遠隔操作装置のレバー
に加える最大の負荷は,これらの試験の開始前に同じ構成配置で線源アセンブリを移動するために加える
必要があった最大の負荷の125 %以上とならないものとする。

――――― [JIS Z 4560 pdf 13] ―――――

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表2−試験
装置 試験
カテゴ
形式 参照する 参照する
機器a) リ 各機器に要求される試験項目
項 項
I II P M F
(B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.2 耐久性試験 6.2
γ線装置
(B) − ○ ○ ○ ○ 5.11.3 伝送試験(耐久性試験の前後で実施) 6.3
(A)(B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.3 遮蔽性能試験 6.4.1
(B) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.2 施錠試験 6.4.2
(B) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.3 取っ手,附属部品,つり金具試験 6.4.3
(A) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.4 振動試験 6.4.5
線源容器
(B) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.5 衝撃試験 6.4.6
(B) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.6 落下試験 6.4.4
(A) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.7 貫通試験 6.4.7
(A) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.8 シャッタ開閉試験 6.4.8
線源アセンブ
リ及び接続金 (B) − ○ − − − 5.11.4.9 引張試験 6.5

(B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.10 踏みつけ及び曲げ試験 6.6.1
遠隔操作装置 (B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.10 よじり試験 6.6.2
(B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.10 引張試験 6.6.3
伝送管及び先 (B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.11 踏みつけ及び曲げ試験 6.7.2
端棒又はコリ (B) ○ ○ ○ ○ ○ 5.11.4.11 よじり試験b) 6.7.3
メータ (B) ○ ○ ○ ○ − 5.11.4.11 引張試験 6.7.4
注a) 試験は,(A)及び(B)で示す二つの異なるプロトタイプで実施する。
b) 可とう(撓)性の伝送管だけ試験を実施する。
5.11.4 線源容器の試験
5.11.4.1 適用
5.11.4.2,5.11.4.3,5.11.4.5及び5.11.4.6で規定する試験は,6.2に規定する耐久性試験を既に行った同じ
P形及びM形の線源容器(B)において記載の順序で実施する。
5.11.4.4,5.11.4.7及び5.11.4.8で規定する試験は,6.4.1に規定する遮蔽性能試験を既に受けたP形及び
M形の線源容器(A)において実施する。
線源容器は作動できる状態(線源アセンブリを使用位置に移動し,又は格納位置に復帰することができ
る。)であって,落下試験を除く5.11.4.25.11.4.8の試験をそれぞれ行った後,5.35.7の該当する要求事
項に適合していることを確認する。
5.11.4.2 施錠装置の完全性
施錠装置は,施錠試験(6.4.2参照),振動試験(6.4.5参照)及び水平方向の衝撃試験(6.4.6参照)を行
った後,動作して有効な状態であることを確認する。
5.11.4.3 取っ手,附属部品,つり金具試験
6.4.3によって試験したとき,P形線源容器を固定するのに使用できる各取っ手,附属部品若しくはつり
金具,又はM形線源容器の各つり金具は,線源容器の全質量の25倍に等しい負荷に耐えるように設計さ
れ,取っ手又はつり金具は,線源容器に取り付けられたままであることを確認する。
5.11.4.4 振動試験

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6.4.5に規定する振動試験は,遮蔽性能試験(6.4.1参照)を行った線源容器(A)で実施する。
試験手順を完了した後,γ線装置は,完全に動作する(γ線装置の全ての機能は継続して正しく働く。)
状態であることを確認する。
5.11.4.5 衝撃試験
6.4.6に規定する衝撃試験を行った後,γ線装置は,完全に動作する(γ線装置の全ての機能は継続して
正しく働く。)状態であることを確認する。
5.11.4.6 落下試験
6.4.4に規定する落下試験を受けた線源容器は,γ線源は線源容器内に保持されており,周辺線量当量率
は,表1に規定する線源容器表面から1 mの限度値を超えないことを確認する。
適合性基準の仕様によって,測定方法及び測定器具の検出限界に対して,有意である結果を得るために
必要な放射能のγ線源を用いて行った試験によって確認する。
5.11.4.7 貫通試験
6.4.7に規定する貫通試験は,P形及びM形の線源容器について実施する。
6.4.7の貫通試験を受けた線源容器は,著しい変形がなく,γ線源は線源容器内に保持されており,周辺
線量当量率は,表1に規定する線源容器表面から1 mの限度値を超えないことを確認する。
5.11.4.8 シャッタ開閉試験
6.4.8に規定するシャッタ開閉試験は,シャッタ構造をもつγ線装置について実施する。
線源容器が6.4.8のシャッタ開閉試験終了後にシャッタ開閉が作動可能な状態であり,周辺線量当量率は,
表1に規定する線源容器表面から1 mの限度値を超えないことを確認する。
5.11.4.9 カテゴリIIの線源容器の線源アセンブリ及び接続金具に対する引張試験(6.5参照)
この試験は,線源アセンブリ(B)の各個別部品に負荷をかける。
線源アセンブリは,引張試験を受けた後,作動し,その構造的な損傷を受けていないことを確認する。
この試験の結果において,γ線装置が作動可能な状態であることを確認する。
5.11.4.10 遠隔操作装置の踏みつけ及び曲げ試験(6.6.1参照),よじり試験(6.6.2参照)並びに引張試験(6.6.3
参照)
これらの試験は,規定された順序で遠隔操作装置(B)において実施する。
これらの試験を受けた後,遠隔操作装置は機能及び動作を維持することを確認する。
さらに,遠隔操作装置は作動可能な状態を維持し,かつ,線源容器は表2の要求事項に適合することを
確認する。
遠隔操作装置を図4に示すように配置にして試験を実施する。
操作管は,添付文書に記載される長さ及び最小半径とする。また,収納管が遠隔操作装置を通過して折
り返される場合は,操作管及び収納管は,一体として取り扱う。
線源容器(操作管は直線に進む位置にある。)を通してレリーズワイヤを完全に引き出し又は引き戻すた
めに加える最大の負荷は,遠隔操作装置が試験の前と同じ配置であったとき,試験の前に加えた最大の負
荷の125 %を超えないことを確認する。
これらの試験の結果において,全システムが作動可能な状態であることを確認する。

――――― [JIS Z 4560 pdf 15] ―――――

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JIS Z 4560:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3999:2004(MOD)

JIS Z 4560:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4560:2018の関連規格と引用規格一覧