JIS Z 4751-2-7:2008 診断用X線高電圧装置―安全 | ページ 5

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Z4751-2-7:2008(IEC 60601-2-7 : 1998)
50.101.1 一般
a) 操作者が適切な照射条件をあらかじめ選定し,次いで患者が受ける吸収線量を概算するのに必要なデ
ータを得ることができるように,X線管の負荷前,負荷中及び負荷後に固定,半固定若しくは事前選
定するX線条件又は作動モードの適切な情報を,操作者が利用できなければならない[50.101.2及び
50.101.3参照]。
表示するX線条件の個々の値は,発生するX線量,特に,管電流,負荷時間及び管電流時間積と比
例関係をもつので,少なくともISO 497に規定するR'10系列又はR'20系列から選ばなければならな
い。
R'10系列によって表示したX線条件のこの規格に対する適合性を,附属書BBの計算値を用いて決
定する場合には,その旨を附属文書に記載しなければならない。
b) プログラム制御を行うように設計した歯科用(口内法撮影用)のX線高電圧装置では,管電流又は照
射時間の制御によって,異なる感度の記録媒体への補正のために備えられた調整は,次に適合しなけ
ればならない。
1) 制御パラメータの調整の有効範囲は,1対4より少なくない。
2) 調整の相隣る設定値から得られる制御パラメータの値は,1.25倍又は1.6倍の間隔をもつR'10系列
による。
c) 表示の単位は,次による。
− 管電圧 kV
− 管電流 mA
− 負荷時間 s
− 照射時間 s
− 連続モード(透視)の照射時間は,minの単位で表示してもよい
− 管電流時間積 mAs
(試験)50.101.1 a) c)への適合性は,検査によって確認する。
50.101.2 短縮した表示
a) 一つ又は二つ以上の固定したX線条件の組合せによって作動するX線高電圧装置は,制御盤面におけ
る表示を,各組合せについてX線条件の一つの代表値(例えば,管電圧値)だけに限ってもよい。
この場合には,各組合せにおける他のX線条件の表示を,取扱説明書に記載する。
なお,これらのX線条件の組合せを,制御盤面か又はその近傍の目立つ場所に掲示するのに適した
様式で,表にする。
b) 線条件を半固定の決められた組合せで制御するX線高電圧装置の,制御盤面の表示は,間違いなく
各組合せができる事項だけにしてもよい。
この場合には,次の事項ができるようにする。
− 半固定のあらかじめ選定するX線条件の各組合せの値を,据付時に設定し取扱説明書に記録する。
− それらの値を,制御盤面か又はその近傍の目立つ場所に,掲示に適した様式で表にする。
50.101.3 可変X線条件の表示
透視時に自動線量率制御で作動するX線高電圧装置は,変化するX線条件を連続的に制御盤面に表示し
なければならない。
50.102 再現性,直線性及び安定性
注記 50.101及び50.102は,X線発生装置の構成部分としての,診断用X線高電圧装置の,誤った出

――――― [JIS Z 4751-2-7 pdf 21] ―――――

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力に対する保護のためには欠くことができない,作動データについての要求事項を規定する。
50.102.1 自動露出制御のない間欠モード(撮影)での放射線出力の再現性
空気カーマの測定値の変動係数は,X線条件のあらゆる組合せにおいて,0.05を超えてはならない。
(試験)適合性は,50.104及び50.105並びに表105による試験によって確認する(50.1参照)。
50.102.2 間欠モード(撮影)における直線性と安定性
a) 線条件の限定範囲全体にわたる空気カーマの直線性 間欠モード(撮影)では,空気カーマの測定
値の平均値を,次の条件を満たす二つの管電流時間積の事前設定値又は表示値若しくは管電流及び照
射時間の事前設定値又は表示値の積のどちらかで除した商の差が,これらの商の平均値の 0.2倍以下
でなければならない。
任意の相隣る照射時間,管電流若しくは管電流時間積を設定し,又は事前設定が連続値の場合には,
その比が2を超えないで,できるだけ2に近い前述のX線条件を二つ設定する。
K1 K2
K1 K2 Q1 Q2
≦ 2.0
Q1 Q2 2
K1 K2
K1 K2 I1t1 I2t2
≦ 2.0
I1t1 I2t2 2
ここに, K,
1
K :
2
50.105.3) による空気カーマの測定値の平均値
Q1,Q2 : 管電流時間積の表示値
I1,I2 : 管電流の表示値
t1,t2 : 照射時間の表示値
(試験)適合性は,適切な組合せにおいて,50.104及び50.105並びに表105による試験によって確認す
る(50.1参照)。
b) 自動露出制御の安定性 直接撮影の照射を制御する自動露出制御の作動で,X線フィルムの光学的濃
度の変化は,次の値を超えてはならない。歯科用パノラマ断層用に設計した自動露出制御には適用し
ない。
1) 被写体の厚さを一定にし,管電圧の変化に起因するのは0.15
2) 管電圧を一定にし,対象物の厚さの変化に起因するのは0.20
3) 管電圧及び被写体の厚さの両者の変化に起因するのは0.20
4) 管電圧及び被写体の厚さとも変化しない場合は0.10
(試験)適合性は,次の試験によって確認する。
aa) 方法
自動露出制御を作動させて,水又は他の組織等価物質でできたファントムを撮影したX線像の光学
的濃度を測定する。
異なるファントム厚さ及び異なる管電圧での濃度変化を測定する。
bb) 試験配置
次の試験配置を用いる(図102参照)。

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1) 焦点受像器間距離は 100 cmを用いる。一連のすべての試験で変化しないものとする。
2) 線受像器として,18 cm×24 cmの撮影用カセッテを用いる。一連のすべての試験で同じカセッテ
を用いる。
3) 試験は,高電圧発生装置とともに形式が特定されたX線源装置を用いる。X線照射野は,カセッテ
の入射表面に一直線とし18 cm×24 cmとなるように調整する。一連のすべての試験で変化しないも
のとする。
4) 自動露出制御の検出器は,通常使用する方法及び位置に設定する。
5) カセッテを完全に覆う大きさの,異なる三つの厚さ(10 cm,15 cm及び20 cm)のファントムを用
いる。特定の試験に用いるファントムは,カセッテの入射表面にできるだけ近づける。
6) 適切な使用距離限界をもつ集束グリッドを用いる。
7) 正確で,再現性のあるフィルム現像機を用いる。かつ,フィルムの光学的濃度測定のための濃度計
を用いる。
cc) 撮影用フィルム及び増感紙 階調度が2に近い撮影用フィルムと自動露出制御の正常な使用に適し
た増感紙との組合せを用いる。
1回の一連の試験では,特性の安定性が確認された同じ製造番号のフィルムを選択する。
dd) 自動露出制御の設定
1) 自動露出制御の検出器の中央の検出部を選択する。
2) 用いるフィルム−増感紙の組合せによっては,取扱説明書による濃度補正を行う。
管電圧80 kV,15 cmのファントムを用いたとき光学的濃度が1.11.3になるように調整する。
ee) 管電流の選択 固定した照射時間で自動露出制御を作動させる場合を除き,指定した最短照射時間の
3倍を超えるような照射時間となるように,管電流値を選択する。ただし,1 sを超えてはならない。
選択した値は記録する。適切な管電流値が選択できない場合には,有効な管電流値に最も近い値を
用いて,前記の照射時間が得られるように焦点受像器間距離を変更する。
ff) 試験負荷 表103に示した管電圧とファントム厚との組合せを用いて8回の試験負荷を行う。次に
15 cmファントム厚で80 kVの4回の追加負荷を行う。フィルムを現像し,それぞれの光学的濃度を
測定し記録する。

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表103−自動露出制御試験の負荷
管電圧a) ファントム厚さ 負荷の回数
kV cm
10 1
60 b)
15 1
15 1
80
20 1
15 1
100
20 1
10 1
120 b)
15 1
80 15 4
注a) これらの値が選択できない場合には,選択可能な最も近い値を用いる。
b) この値が指定範囲外の場合には,指定範囲内で最も近い値を用いる。
制限された範囲内でできるだけ均等になるよう他の値を選択する。
gg) 適合基準 次によって適合を確認する。
1) 15 cmファントムを用いた4回の負荷に対し,それぞれ光学的濃度の測定値は,4回の平均値との差
が0.15を超えない,また,隣接した管電圧での測定値の差が0.15を超えない。
2) 4種類の管電圧で行った,異なるファントム厚間の光学的濃度差は0.20を超えない。
3) 8回の負荷のすべてについて,8回の平均値との差が0.20 を超えない。
4) 80 kV,15 cmのファントム厚で行った5回の測定値は,それらの平均値との差が0.10を超えない。
50.103 X線条件の正確度
注記 50.101及び50.102は,X線発生装置の構成部分としての,診断用X線高電圧装置の,誤った出
力に対する保護のためには,欠くことができないと考えられる作動データについての要求事項
を規定するものである。診断能力の要求レベルを確実に達成するために,より高い性能のX線
高電圧装置が必要である。
照射中に管電圧,管電流又は両者を変化させる自動制御システムをもつX線発生装置は,意図的に変化
させたX線条件に50.103.1及び50.103.2に規定した正確度を適用しない。
X線高電圧装置は,この項の要求事項を,同じX線条件の測定値と比較した指示値,固定値及び事前設
定値のすべてのX線条件値の正確度にも適用する。
(試験)適合性は,50.104による試験によって確認する。
50.103.1管電圧の正確度
X線発生装置の単位機器及び部品のあらゆる指定の組合せにおけるX線高電圧装置の作動に関しては,
あらゆるX線条件の組合せにおいて,管電圧値の誤差は,10 %を超えてはならない。
いかなる二つの設定値の間の管電圧の増加又は減少も指示された変化の50150 %の間になければな
らない。
50.103.2管電流の正確度
X線発生装置の単位機器及び部品のあらゆる指定の組合せにおけるX線高電圧装置の作動に関しては,
あらゆるX線条件の組合せにおいて,管電流値の誤差は,20 %を超えてはならない。
50.103.3負荷時間の正確度

――――― [JIS Z 4751-2-7 pdf 24] ―――――

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Z4751-2-7:2008(IEC 60601-2-7 : 1998)
X線発生装置の単位機器及び部品のあらゆる指定の組合せにおけるX線高電圧装置の作動に関しては,
あらゆるX線条件の組合せにおいて,負荷時間値の誤差は,±(10 %+1 ms)を超えてはならない。
50.103.4管電流時間積の正確度
X線発生装置の単位機器及び部品のあらゆる指定の組合せにおけるX線高電圧装置の作動に関しては,
あらゆるX線条件の組合せにおいて,管電流時間積値の誤差は,±(10 %+0.2 mAs)を超えてはならない。
この要求事項は,管電流時間積が計算による場合にも適用する。

50.104 試験条件

  50.102及び50.103の要求事項に対するX線条件の適合性試験は,次の各項に示す条件で実施しなければ
ならない。
次の最低限要求されるX線条件の組合せの一覧を,附属書CCに示す。
50.104.1 管電圧
a) 間欠モード(撮影)
最低管電圧指示値,その管電圧で利用できる最大管電流,及び最短照射時間指示値。
最低管電圧指示値,その管電圧で利用できる最大管電流,及びおおよそ0.1 sの照射時間。
最高管電圧指示値,その管電圧で利用できる最大管電流,及びおおよそ0.1 sの照射時間。
b) 連続モード(透視)
利用できる最高管電圧の90 %,及び任意の管電流。
利用できる最高管電圧の60 %,及び任意の管電流。
50.104.2 管電流
a) 間欠モード(撮影)
最小管電流指示値,最高管電圧,及び最短照射時間指示値。
最小管電流指示値,最高管電圧,及びおおよそ0.1 sの照射時間。
最大管電流指示値,その管電流で使用できる最高管電圧,及びおおよそ0.1 sの照射時間。
b) 連続モード(透視)
使用できる最大管電流の20 %及び最低管電圧。
使用できる最大管電流の20 %及び最高管電圧。
50.104.3 照射時間
a) 照射時間の測定 最短照射時間指示値,最高管電圧指示値及び任意の管電流値。
最短照射時間指示値及び利用できる最大電力(P)。
b) 公称最短照射時間の測定 約80 kVの点で利用できるX線高電圧装置の出力の70 %以上で,自動露
出制御を作動させて照射する。平均の空気カーマを決定するため,0.1 sの照射時間に近づくようにX
線ビームの中の減弱(水ファントムが望ましい。)を調整する。
上記と同じ管電圧と出力を使い,ファントム厚さを減らして,何回か照射する。前後の照射間で照
射時間が大きく変化しないような方法で,ファントム厚さを変えなければならない。
公称最短照射時間は,次の照射時間とする。
− 50.105に従って測定したとき,少なくとも50倍大きな照射時間によって得られた平均の空気カーマ
から20 %を超えない平均の空気カーマが得られる照射時間
− 50.102.2 b) 2)に合致する安定性の要求事項の最短照射時間より短くない。
50.104.4 管電流時間積
− 最小管電流時間積指示値と利用できる最高管電圧とで行う。

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JIS Z 4751-2-7:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-7:1998(IDT)

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