JIS Z 4752-2-9:2008 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-9部:不変性試験―間接透視及び間接撮影用X線装置 | ページ 2

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Z 4752-2-9 : 2008 (IEC 61223-2-9 : 1999)
の室内照明状態は,特に重要である。
− 2.の引用規格に適合する撮影用フィルムを用いて,現像,観察する。
− 試験機器の性能は,定期的に点検する。特に,X線装置に重大な変化があると推測されるときは,試
験機器を随時点検しなければならない。
備考 適切な日本工業規格(日本産業規格)がある場合,試験機器は日本工業規格(日本産業規格)によることが望ましい。

4.2 基礎値の設定

 新しくX線装置を使用するときは,受入試験によって性能が満足することを確認し
た後,直ちに最初の不変性試験を行わなければならない。最初の不変性試験の目的は,試験しているパラ
メータの基礎値を設定することである。

4.3 不変性試験の頻度

 不変性試験は,個々の箇条で示した頻度で行わなければならない。それに加え
て次の場合にも繰り返す。
− 誤動作の疑いがあるとき。
− X線装置の試験の対象になる性能パラメータに影響すると考えられる保守を行った直後。
− 試験の結果が基準から外れたとき。
基礎値の記録は,新たな基礎値が設定される不変性試験が実施されるまで保存しなければならない。
不変性試験の結果は,少なくとも2年間保存しなければならない。

4.4 X線装置,試験機器及び試験条件の同一性

 被試験X線装置及び試験に使用するすべての試験機器
は,明確に同一性を確認できなければならない。
X線装置の交換可能な構成品は,次による。
− 付加フィルタ
− 照射野限定器
− X線(放射線)ビーム内にある患者支持器又は他の減弱物。
− 散乱線除去グリッド
− 撮影用フィルムの形名及び乳剤番号
− ビデオ関連機器(カメラ,ビデオユニット及びモニタ)
− フィルム現像機
− ハードコピーカメラ
用いる試験機器は,次による。
− 増感紙付き撮影用カセッテ
− 試験器具
− 濃度計
設定の変動は,次による。
− 焦点受像器間距離
− 自動制御システムの濃度制御及び検出器の位置。
− デジタル画像システムのウィンドウレベル
− X線条件
− 該当する場合,公称焦点寸法
前述の事柄は,表示又は記録しなければならない。これは,最初の不変性試験で用いる試験機器及び器
具並びに設定を,X線装置の試験に用いるようにするためである。
備考1. 最初の不変性試験におけるすべての設定は,X線装置の臨床上の典型的な使い方を反映する
ことが望ましい。

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2. 試験に用いるすべての撮影用フィルムは,フィルム現像機の不変性試験に用いるフィルムと
同じ形名のものが基本である。フィルム現像機で,2種類以上の撮影材料(感光材料)を処
理するときは,それぞれの感度の違いを許容するために,各形名について不変性試験を実施
することが望ましい。

4.5 測定される機能パラメータ

 間接透視システムの画像性能は,次の機能パラメータの変化が適用判
定基準に合致していれば,不変であると考える。
− X線源装置からのX線出力(5.1参照)
− グレースケール画像及び自動線量率制御(5.2 参照)
− 低コントラストしきい(閾)値(5.3 参照)
− 高コントラスト解像度の限界(5.4 参照)
間接撮影システムの画像性能は,次の機能パラメータの変化が適用判定基準に合致していれば,不変で
あると考える。
− X線源装置からのX線出力(5.1参照)
− グレースケール画像及び自動線量率制御(5.2 参照)
− 低コントラストしきい値(5.3 参照)
− 高コントラスト解像度の限界(5.4 参照)

5. 性能試験

5.1 X線源装置からのX線出力

5.1.1  概要 X線源装置からのX線出力は,放射線測定器で測定する。測定は,X線装置の形式及び用
途に応じて,マニュアル制御及び/又は自動線量率制御で行う。
5.1.2 試験機器 測定は,長時間の安定性,計器ノイズ及び読取り限界を含む総合的な誤差が±5 %以内
の放射線測定器を用いる。自動線量率制御で試験するときには,患者の代わりとして減弱ファントムを用
いなければならない。これは,X線ビームの適度な減弱及び線質硬化のためである。減弱ファントムの詳
細は,附属書Dを参照する。
5.1.3 試験手順 放射線測定器の放射線検出器は,X線源装置から出てくるX線ビーム内に置く。
測定の位置関係は,次による。
− X線管焦点から放射線検出器までの距離は,最初の不変性試験で用いた距離の±1 %以内に再配置す
る。
− 放射線検出器の位置は,最初の不変性試験と同じX線照射野を用い,同じ位置に配置する。
可能であれば,この試験は,マニュアル制御と自動線量率制御との両方で行う。
5.1.3.1 マニュアル制御試験 最初の不変性試験で用いたものと同一の負荷条件を手動操作で設定し,X
線装置を操作する。
放射線測定器の読みを記録する。
5.1.3.2 自動線量率制御試験 通常の臨床で用いるように,X線源装置及びX線受像器を一列に配置する。
減弱ファントムをX線ビーム内で,放射線測定器の放射線検出器と自動制御システムの放射線検出器と
の間に配置する。
放射線測定器の放射線検出器は,自動制御システムの動作に影響しない位置に置く。
5.1.4 データの評価 X線出力の測定値を,設定した基礎値と比較する。

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5.1.5 適用基準
5.1.5.1 マニュアル制御試験 X線出力は,基礎値の±20 %以内であることが望ましい。
5.1.5.2 自動線量率制御試験 適用される基準は,減弱ファントムに用いる物質による。
低い原子番号(最大14)の物質[例えば,水,ポリメチルメタクリレイト(PMMA),アルミニウム]が
用いられる場合,X線出力は,基礎値の−20+25 %以内が望ましい。
高い原子番号の物質,例えば,銅又は鉛の場合,X線出力は基礎値の±25 %以内が望ましい。
5.1.6 取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合には,附属書Cの指針によることが望ま
しい。
備考 マニュアル制御の試験では,X線管の劣化によってX線出力は,徐々に減少することが予測さ
れる。このため,適時新しい基礎値を決めることが必要である。しかし,自動線量率制御では,
X線出力の減少が補償され,検知できない。
5.1.7 不変性試験の頻度 最初,出力測定値の平均の値を計算して基礎値を確定するために,少なくとも
1週間は,毎日不変性試験を実施することが望ましい。
続いて,X線源装置,高電圧装置及び自動制御システムの信頼性に関するデータを得るために,6か月
間は,2週間ごとに不変性試験を繰り返すことが望ましい。その後,不変性試験は,製造業者が提供した
取扱説明書に従って実施しなければならない。試験頻度に関する情報がない場合には,不変性試験は,少
なくとも3か月ごとに実施しなければならない。
参考 対応国際規格では年1回となっているが,5.5 と矛盾しているので,3か月ごとにと修正した。

5.2 グレースケール画像及び自動線量率制御

5.2.1  概要 X線画像装置の性能が一定であることを保証するために,X線に関する規定の低コントラス
トが得られる試験器具を画像化する。加えて,その試験器具を自動線量率制御下で画像化することによっ
て,自動線量率制御システムの性能の不変性が点検できる。
5.2.2 試験機器
減弱ファントム (附属書D参照)
グレースケール試験器具 (附属書D参照)
5.2.3 試験手順
a) グレースケール試験器具をX線イメージインテンシファイアの入力面に可能な限り近くに置く。
試験器具が,X線イメージインテンシファイアの視野の中心にあること,及びX線イメージインテン
シファイアに対する方向が最初の不変性試験と同じであることを確認する。必要なら,連続チェンジ
ャ又はX線イメージインテンシファイアに仮止めする。
b) 焦点とX線イメージインテンシファイアの入力面の距離を,最初の不変性試験で設定した値に合わせ
る。
c) 線イメージインテンシファイアの最も大きな視野サイズを選択し,試験体の外形にX線ビームを絞
る。
d) 減弱ファントムをX線管装置に可能な限り近づけてX線ビーム内に置く。
e) 透視装置の操作
− 最初の不変性試験で設定した管電圧及び管電流に手動で合わせる。
− 最初の不変性試験で設定したウィンドウレベル及び画像パラメータ(エッジ強調など)を用いる。
備考 通常,設定は,臨床上で用いられるのと同様のものが選ばれる。
− 自動線量率制御を用いる。

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f) 画像表示装置の正面に立ち,最初の不変性試験で用いた室内照明条件で,画像表示装置で識別できる
画像の細部を観察する。
5.2.4 データの評価
a) 画像表示装置上の白いスポット及び黒いスポットの見え方を調べる。
b) 自動線量率制御における透視時の管電圧及び管電流の指示値を記録する。
5.2.5 適用基準
a) 画像表示装置上で,白いスポット及び黒いスポットとも均等に見えなければならない。
b) 装置に管電圧の表示機能があるならば,指示値は基礎値の±5 kV以内でなければならない。
c) 装置に管電流の表示機能があるならば,指示値は基礎値の±20 %以内でなければならない。
5.2.6 取るべき処置 白いスポット及び黒いスポットが均等に見えない場合には,画像表示装置の明るさ
及びコントラストを見やすいように微調整してもよい。見えない場合又は被試験システムがその他の基準
を満たさない場合は,附属書Cの指針によることが望ましい。

5.3 低コントラストしきい値

5.3.1  概要 標準の試験条件で,識別可能なコントラストのしきい値の不変性は,一連の大きな減弱円盤
をもつ適切な試験器具を用いて決められる。臨床で用いるのと同じ適切なX線ビームの線質を用いるなら
ば,円盤によって適切な範囲のX線コントラストが作られる。
5.3.2 試験機器
減弱ファントム(附属書D参照)
低コントラスト試験器具(附属書D参照)
5.3.3 試験手順 5.2.3に規定した手順を繰り返す。ただし,グレースケール試験器具の代わりに低コン
トラスト試験器具を用いる。
可能ならば,最初の不変性試験と同じ設定で,画像記憶システムを用いて試験手順を繰り返す。
5.3.4 データの評価 識別できる円盤の数を,次によって数える。
− 透視中の画像表示装置
− 画像記憶装置使用時の画像表示装置
5.3.5 適用基準 識別できる円盤の数は,最初の不変性試験において記録された数より,1段階を超える
差があってはならない。
5.3.6 取るべき処置 被試験X線システムがその他の基準を満たさない場合には,附属書Cで参照され
た指針によることが望ましい。

5.4 高コントラスト解像度の限界

5.4.1  概要 システムの解像度の限界は,適切な空間周波数幅の鉛線試験パターンなどの試験器具の画像
で試験する。
5.4.2 試験機器
高コントラスト試験器具(附属書D参照)
要求される場合,補償フィルタ試験器具(附属書D参照)
参考 空間周波数範囲の公比1.25の線対群であるJIS Z 4916に規定するX線用解像力テストチャート
を用いてもよい。
5.4.3 試験手順
a) 工具を用いずに外せるならば散乱線除去グリッドを外す。高コントラスト試験器具を,X線イメージ
インテンシファイアの入力面にできる限り近づけて置く。試験パターンを,画像表示装置の走査線に

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対して約45°の角度になるように調整しなければならない。
b) 線管の焦点とX線イメージインテンシファイア入力面との距離を,最初の不変性試験で設定した値
にする。
c) 最初の不変性試験と同じX線イメージインテンシファイアの視野サイズを選択し,試験物の大きさに
X線ビームを絞る。
備考 この試験の目的のため,減弱ファントムは用いない。
d) 線透視装置をマニュアルで操作し,最初の不変性試験で設定した管電圧及び管電流に合わせる。X
線システムがマニュアルで操作できない場合には,自動線量率制御で試験する。管電圧を約70 kVに
設定し,画像表示装置の明るさ限度を超える(例えば,ハレーション)直前の設定可能な最大管電流
を設定する。ハレーションが起きる場合,X線ビーム内のX線源装置近くに,補償フィルタ試験器具
(附属書D参照)を置く。
e) 画像表示装置の正面に立ち,最初の不変性試験で用いた室内照明条件で,画像表示装置で識別できる
画像の細部を観察する。
f) 可能な場合,最初の不変性試験と同じ条件設定で画像記録システムを動作させて手順a) e)を繰り返
す。
5.4.4 データの評価 十分に解像された線対群の値を,次によって読み取る。
− 透視中の画像表示装置
− 画像記録装置を用いたとき,画像表示装置
− X線像
5.4.5 適用基準 識別できる線対群は,最初の不変性試験より劣化しても,2段階以上でないことが望ま
しく,3段階以上であってはならない。
5.4.6 取るべき処置 被試験システムが基準を満たさない場合,附属書Cの指針によることが望ましい。

5.5 不変性試験の頻度

 5.15.4に規定したすべての試験は,製造業者から提供された取扱説明書に従っ
て実施することが望ましい。試験頻度に関する情報がない場合には,少なくとも3か月ごとに実施しなけ
ればならない。

6. 適合に関する報告

 試験報告書の表題は,次のようにしなければならない。
報告書
間接透視及び間接撮影用X線装置の不変性試験
(JIS Z 4752-2-9:2008)
この規格との適合性を報告する場合には,次のようにしなければならない。
“間接透視及び間接撮影用X線装置(形名)は,JIS Z 4752-2-9:2008に適合する。”
関連規格 JIS Z 4916 X線用解像力テストチャート

――――― [JIS Z 4752-2-9 pdf 10] ―――――

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JIS Z 4752-2-9:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61223-2-9:1999(IDT)

JIS Z 4752-2-9:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4752-2-9:2008の関連規格と引用規格一覧