JIS Z 7152:2013 バーチャルインパクタによる排ガス中のPM10/PM2.5質量濃度測定方法 | ページ 5

18
Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
附属書A
(参考)
試料ガス体積流量計算のための物性値推算
A.1 ガス粘度(温度の関数)
操作条件下のガス粘度を算出するためには,ガス成分の体積分率を求め,それと操作条件における構成
ガス成分の粘度から混合ガス粘度を算出する。
操作条件における試料ガス中の個々のガス成分の粘度は,式(A.1)によって算出する。
Sj
1+
T TN
j(T)= N, j (A.1)
TN Sj
1+
T
ここに, j : 試料ガスの個々の成分を特定するインデックス
(j=CO2,O2,N2,空気及び水蒸気)
ηj(T ) : 操作条件下の成分jの粘度(Pa・s)
ηN,j : 標準温度TNの成分jの粘度(Pa・s)
T : ガス温度(K)
TN : 標準温度(273.15 K)
Sj : 成分jのサザーランド定数(K)
試料ガス中の成分jの体積分率rj及び水蒸気体積分率rWVは,式(A.2)及び式(A.3)によって算出する。
− j=CO2,O2,N2,及び空気に対して :
1
rj=r' N , j (A.2)
f 'N
1+
N, WV
− j=水蒸気に対して :
f'N 1
rWV= (A.3)
N, WV
f 'N
1+
N, WV
ここに, rWV : 水蒸気体積分率
rj : 試料ガス中の成分jの体積分率
r'N,j : 標準状態における乾きガスの中の成分jの体積分率
f 'N : 水分量,ただし標準状態における乾きガスに対する水蒸
気質量濃度(kg/m3)
ρN,WV : 標準状態における水蒸気密度(0.804 kg/m3)
操作条件下のガス粘度(温度の関数)η(T)は,式(A.4)によって算出する。
rjj (T) M jTcrit , j
j
(T) (A.4)
rj M jTcrit , j
j
ここに, j : 試料ガスの個々の成分を特定するインデックス
(j=CO2,O2,N2,空気及び水蒸気)
η(T) : 操作条件下のガス粘度(温度の関数)(Pa・s)
ηj(T ) : 操作条件下の成分jの粘度(温度の関数)(Pa・s)
rj : 試料ガス中の成分jの体積分率

――――― [JIS Z 7152 pdf 21] ―――――

                                                                                             19
Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
Tcrit,j : 成分jの臨界温度(K)
Mj : 成分jの分子量
A.2 カニンガム補正係数
カニンガム補正係数を算出するには,気体の平均自由行程及び平均分子量が必要である。平均自由行程
λは,式(A.5)で算出する。
2 (T) πRT
(A.5)
p 8M
ここに, λ : 平均自由行程(m)
η(T ) : 操作条件下のガス粘度(温度の関数)(Pa・s)
p : 圧力(絶対圧)(Pa)
M : 試料ガスの平均分子量
R : 気体定数[J/(mol・K)]
試料ガスの平均分子量 Mは,式(A.6)によって算出する。
M= rjM j (A.6)
j
ここに, rj : 試料ガス中の成分jの体積分率
Mj : 成分jの分子量
粒径iのカニンガム補正係数Cm,iは,式(A.7)によって算出する。
2 d50 ,i
Cm,i=1+ .123+.041 exp −.088 (A.7)
d50 ,i 2
ここに, M : 試料ガスの平均分子量
Cm,i : 粒径iのカニンガム補正係数
i : 粒径を特定するインデックス(i=2.5 m又は10 μm)
λ : 平均自由行程(m)
d50,i : i分粒部の分粒径(m)
A.3 ガス密度
操作条件での湿りガス密度ρp,t,h(kg/m3)は,式(A.8)で算出する。
N+f ' N )
( pamb+pst ) TN (
p, t, h= (A.8)
f 'N
pNT 1+
N, WV
標準状態における乾き混合ガスの密度ρ'N(kg/m3)は,式(A.9)で算出する。
N' jr
N, j (A.9)
j
ここに, ρp,t,h : 操作条件での湿りガス密度(kg/m3)
ρN,WV : 標準状態における水蒸気密度(0.804 kg/m3)
ρ'N : 乾き混合ガスの密度(kg/m3)
ρN,j : 標準状態における成分jの密度(kg/m3)
TN : 標準温度(273.15 K)
T : 操作条件のガス温度(K)
pamb : 測定場所の大気圧(気圧計圧力)(Pa)
pN : 標準圧力(101.32 kPa)

――――― [JIS Z 7152 pdf 22] ―――――

20
Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
pst : 測定断面の静圧と測定場所の大気圧(気圧計圧力)との
差(Pa)
f 'N : 水分量,ただし標準状態における乾きガスに対する水蒸
気質量濃度(kg/m3)
rj : 試料ガス中の成分jの体積分率
A.4 定数
表A.1−計算に必要な定数
定数 記号 値 単位
気体定数 R 8.314 51 J/(mol/K)
標準温度 TN 273.15 K
標準圧力 pN 101.32 kPa
標準状態におけるCO2の密度 ρN,CO2 1.977 kg/m3
標準状態におけるO2の密度 ρN,O2 1.429 kg/m3
標準状態におけるN2の密度 ρN,N2 1.251 kg/m3
標準状態における乾燥空気の密度 ρN,air 1.293 kg/m3
標準状態における水蒸気の密度 ρN,WV 0.804 kg/m3
粒子単位密度 ρ0,P 1 000 kg/m3
標準状態におけるCO2の粘度 ηN,CO2 1.370×10−5 Pa・s
標準状態におけるO2の粘度 ηN,O2 1.928×10−5 Pa・s
標準状態におけるN2の粘度 ηN,N2 1.652×10−5 Pa・s
標準状態における空気の粘度 ηN,air 1.717×10−5 Pa・s
標準状態における水蒸気の粘度 ηN,WV 8.660×10−6 Pa・s
CO2の分子量 MCO2 44.01
O2の分子量 MO2 32.00
N2の分子量 MN2 28.02
乾燥空気の平均の分子量 Mair 28.97
水蒸気の分子量 MWV 18.02
CO2のサザーランド定数 SCO2 273 K
O2のサザーランド定数 SO2 125 K
N2のサザーランド定数 SN2 104 K
空気のサザーランド定数 Sair 113 K
水蒸気のサザーランド定数 SWV 650 K
CO2T
− M crit ,CO2 115.7 g mol−1 K
− MO2Tcrit ,O2 70.4 g mol−1 K
− MN2Tcrit, N2 59.5 g mol−1 K
− MTcrit,air 61.9 g mol−1 K
− MH2OTcrit ,H2O,v 107.9 g mol−1 K

――――― [JIS Z 7152 pdf 23] ―――――

                                                                                             21
Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
附属書B
(参考)
等速吸引からのずれによる誤差
繰返し性,再現性などの複数回の測定による不確かさに加え,測定断面の1点による測定又は,等速吸
引からのずれなども不確かさに起因する。測定点については,ダクト断面において,その状態を代表する
点を取るため,これによる不確かさは無視することができる。しかし,試料採取で等速吸引からのずれは,
測定誤差を生じる。
バーチャルインパクタの試料ガス体積流量は測定に先立ち計算して決まり,試料採取の間一定に保つ必
要がある。このため,等速吸引に近い条件を達成するのに必要な吸引ノズルの内径が見積もられる。ただ
し,吸引ノズルは,幾つかの内径が違うものから選ぶ必要があるため,等速吸引からのずれによる試料採
取誤差を考慮して決める。等速吸引からのずれの寄与は,粒径ごとに理論的に見積もることができる。
異なる空気動力学径をもつ粒子について,等速吸引比(吸引ノズルのガス速度に対するダクト内での排
ガス速度との比)から試料採取システムの捕集効率が計算できる[14]。図B.1は,等速吸引比の関数とし
て異なる粒径について,等速吸引からの誤差の計算例を示している。 計算は,ガス流速10 m/sの常温常
圧空気中の粒子を内径10 mmの吸引ノズルで採取する場合について行った。
注記1 捕集効率は,ある等速吸引比で採取された粒子濃度に対する等速吸引比が1.0の等速吸引条
件で採取された粒子濃度の比である。
50 %分粒径が10 μm及び2.5 μmとなるために,バーチャルインパクタはあらかじめ決定した一定の試料
体積流量で操作する必要がある。体積流量は,排ガス条件だけによって計算できる。 等速吸引は,吸引ノ
ズルの内径を適切に選択することで達成できる。これが不可能な場合,図B.1に示されているDavisの式
(B.1,B.2) 14] による値に基づき,等速吸引比が90130 %の範囲で試料採取を行わなければならない(等
速吸引比は吸引ノズルのガス速度ventryに対する排ガス速度vfgの比である)。吸引ノズルの内径は,それに
従って選択する。
Ca vfg 1 vfg
E= = − −1 (B.1)
Ci 1+2Stkentry
ventry ventry
2
dae v
P,0fg
Stkentry= (B.2)
9dentry
ここに, Ci : 標準状態における等速吸引試料採取のダスト濃度(g/m3)
Ca : 標準状態における非等速吸引試料採取のダスト濃度
(g/m3)
vfg : 排ガス速度(m/s)
ventry : 吸引ノズルのガス速度(m/s)
η : ガス粘度(Pa・s)
dentry : 吸引ノズルの内径(m)
ρ0,P : 粒子単位密度(1 000 kg/m3)
Stkentry : ストークス数
dae : 空気動力学径(m)
注記2 図B.1に示すように,高速吸引試料採取は,低速吸引試料採取に比べて捕集効率の誤差が小
さいため望ましい。

――――― [JIS Z 7152 pdf 24] ―――――

22
Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
粒径(空気動力学径) 1: 2.5 μm,2: 5.0 μm,3: 7.5 μm,4: 10 μm
E : 非等速吸引試料採取による濃度誤差
ventry : 吸引ノズルのガス速度
vfg : 排ガス速度
図B.1−吸引ノズルのガス速度に対する排ガス速度の比によるダスト濃度誤差の理論的依存性
粒径が10 μmの粒子(全ての粒径が10 μmで,PM10と異なる)を1.5倍の高速吸引で試料採取すると,
測定された濃度は,真の濃度より約15 %減少する。粒径が小さくなるに従って,この誤差は減少し,2.5 μm
でほとんど無視できる。
浄化された排ガスを測定する場合,粒子は通常粒径分布をもつため,等速吸引からのずれによる誤差は,
上記の値より十分小さい値となる。

――――― [JIS Z 7152 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS Z 7152:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13271:2012(IDT)

JIS Z 7152:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 7152:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8808:2013
排ガス中のダスト濃度の測定方法