JIS Z 8105:2022 色に関する用語 | ページ 5

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Z 8105 : 2022
番号 用語 定義 参考
IEC 60050 対応英語
-845番号
1073 (光学)フィ 24-113
それを通過する放射の(放射束又は光束の)絶対値又は相対 filter,
ルタ 分光分布,若しくはその両方を修正するために用いる正透過 optical filter
性の素子
注釈1 放射の相対分光分布を変えるか,又は変えないか
に従って,選択性フィルタと,非選択性フィルタ
又は中性フィルタとを区別する。放射の色度を顕
著に変える選択性フィルタは色フィルタと呼ば
れる。分光分布は変えてもメタメリズムのために
入射する放射の色度をほとんど変えないものは,
灰色フィルタと呼ぶことがある。
1074 透明媒質(透 24-119
透過は主として正透過で,通常,注目するスペクトル領域で transparent
明体) 高い正透過率をもつ媒質 medium
注釈1 この媒質はその形が適当であれば,可視域で透明
であって,それを通して物体がはっきり見える。
1075 拡散透光媒質 24-120
可視放射をほとんど拡散透過によって透過するため,それを translucent
(半透明 通して物体がはっきりとは見えない媒質 medium
体)
1076 不透光媒質 24-121
入射する放射束の吸収又は拡散によって,注目するスペクト opaque medium
(不透明 ル領域ではっきり見える放射を透過しない媒質
体)
b) 主に測色に関する用語
番号 用語 定義 参考
IEC 60050 対応英語
-845番号
2001 色, 22-040
<知覚色(ちかくしょく),色感覚(いろかんかく)>色相, (perceived)
色彩 明るさ(又は明度),カラフルネス(又は飽和度,クロマ)の colour
特性で記載できる視知覚特性
注釈1 知覚色は,色刺激の分光分布,大きさ,形,刺激
領域の構造及び周囲,観測者の視覚系の順応状
態,並びに観測者の類似の状況での経験に依存す
る。
注釈2 知覚色は,幾つかの色の見えのモードで見える。
見えの様々なモードの名称は,色知覚の質的及び
幾何的な違いを区別するためにある。幾つかの比
較的重要な色の見えのモードの用語は,物体色,
表面色,開口色である。他の色の見えのモードは,
面色,空間色,光源色である。これらの色の見え
のモードは,色の組合せ,空間的,時間的関係で
記述できる形容詞で分類される。様々な色の見え
のモード間の質的違いに関係した別の用語は,発
光色,非発光色,関係色,非関係色である。
2002 色, <心理物理色(しんりぶつりしょく)> 23-001 (psychophysical)
色彩 三刺激値のように,算出手法が規定された3個の数値による colour
色刺激の表示
注釈1 知覚色,心理物理色とも,文脈から意味が明確な
場合に限って,用語“色”又は“色彩”だけを用
いてよい。

――――― [JIS Z 8105 pdf 21] ―――――

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Z 8105 : 2022
番号 用語 定義 参考
IEC 60050 対応英語
-845番号
2003 色の表示, 色を,その心理的特性又は心理物理的特性によって主として specification of
表色 定量的に,場合によっては定性的に表示すること colour
注釈1 一般に,心理物理的特性は三色表色系の色刺激値
によって,心理的特性はカラーオーダシステムに
よって表す。
2004 色刺激 目に入って,有彩又は無彩の色感覚を生じさせる可視放射23-002 colour stimulus
2005 色刺激関数 23-003
放射輝度,放射束などの放射量の分光分布による波長関数と colour stimulus
しての色刺激の表記 function

注釈1 量記号 :
2006 相対色刺激関 色刺激関数の相対分光分布 23-004 relative colour
数 注釈1 量記号 : stimulus
function
2007 最明色刺激 23-005
分光放射輝度率がどの波長でも1を超えないで,輝度率が, optimal colour
各々の色度に対して可能な最大値をもつ色刺激 stimuli
注釈1 最明色刺激は,一般に,分光放射輝度率が1か0
かであって,その値の変換点は2個以内である。
注釈2 最明色刺激の輝度率及び色度座標は,非蛍光物体
による色立体の限界を定める。
注釈3 与えられた輝度率に対して,最明色刺激は非蛍光
物体で可能な最高純度を定める。
注釈4 物体色,色刺激を参照。
2008 条件等色刺 等しい三刺激値をもっていて,分光分布は異なる色刺激 23-008 metameric colour
激, 注釈1 このような性質を条件等色(性)metamerismとい stimuli,
メタマー う。 metamers
2009 無彩色刺激 23-009
一般的な順応条件の下で,無彩(知覚)色を生じさせる色刺 achromatic
(むさいし 激 stimulus
ょくしげ 注釈1 物体色の測色においては,完全拡散反射面(体)
き) 又は完全拡散透過面(体)の色は,それを照明す
る光源が高い彩度に見える場合を除いて,全ての
光源に対して通常,無彩色刺激とみなされる。
2010 有彩色刺激 23-010
一般的な順応条件の下で,有彩(知覚)色を生じさせる刺激 chromatic
注釈1 物体色の測定においては,0より大きい純度をも stimulus
つ刺激は,通常,有彩色刺激とみなされる。
2011 単色光刺激, 可視波長域での,ある波長だけの放射からなる(色)刺激23-011 monochromatic
スペクトル刺 stimulus,
激 spectral stimulus
2012 対応色刺激 23-012
一方が一つの順応条件で観察され,他方が異なった順応条件 corresponding
で観察されるときに,同じ色の見えをもつ色刺激の対 colour stimuli
2013 補色刺激 二つの刺激を適当な比率で加法混色して特定の無彩色刺激23-013 complementary
の三刺激値を生じさせることができる二つの色刺激の対 colour stimuli
注釈1 残像として知覚される色と,事前に提示されてい
る色刺激の関係は,補色関係にあり,残像補色と
呼ばれる。
2014 色境界 直線で区分される限定された色度図の領域の境界 23-014 colour boundaries
注釈1 領域は,直線の式又は色度座標同士を結ぶか,ス
ペクトル軌跡と結んで交差する色度座標によっ
て与えられる。

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-845番号
2015 イルミナン 物体の色知覚に影響を及ぼす波長域全体で定義された相対23-18 illuminant
ト, 強度分布をもつ刺激
測色用の光 注釈1 日常英語では,この用語はこの意味に限らず,身
体又はある場所に降りそそぐ光の種類に対して
も用いる。
2016 CIEイルミナ CIEによって定義されたイルミナント 23-019 CIE illuminant
ント 注釈1 CIEイルミナントA及びCIEイルミナントD65
は,CIE標準イルミナントである。
2017 昼光イルミナ 昼光のある様子とほぼ等しいか近似した放射束の相対分光23-020 daylight
ント, 分布をもつイルミナント illuminant,
Dイルミナン D illuminant

2018 CIE標準イル 国際標準のためにCIEによって標準化されたイルミナント 23-021 CIE standard
ミナント, 例1 CIE標準イルミナントA : 色温度(いろおんど)が illuminant
標準の光 約2 855.5 Kのプランクの放射に基づいた放射束の
相対分光分布。
例2 CIE標準イルミナントD65 : 相関色温度(そうかん
いろおんど)がおおむね6 500 K(昼光の名目上の相
関色温度と呼ばれる)の昼光の様相を表す放射束の
相対分光分布。
注釈1 CIE標準イルミナントは,公表された結果の比較
を容易にする目的で用いられる。
注釈2 CIE 15測色を参照。
注釈3 CIE標準イルミナントの使用例が与えられている
ISO 11664-2/CIE S014-2測色 第2部 測色用
CIE標準イルミナントを参照。
注釈4 以前の標準イルミナントであるイルミナントB,
C及び他の昼光イルミナントは,CIEイルミナン
トと呼ばれる。
2019 補助標準イル CIE15.2によって相対分光分布が規定された,その相関色温 supplementary
ミナント, 度がケルビン(K)単位で,それぞれ, standard
補助標準の光 1.4388 1.4388 1.4388 illuminant
5000 , 5500 及び 75001.4380 である3
1.4380 1.4380
種類の昼光イルミナントD50,D55及びD75,並びに従来のCIE
標準イルミナントC
注釈1 この用語は,IEC 60050-845にはないが,JISで規
定したものである。Publ. CIE15.2では,A,C,
D65及びその他の昼光イルミナントD50,D55及び
D75を測色用のイルミナントとしてほぼ同格に扱
っている。
注釈2 補助標準イルミナントCは,主に過去のデータと
の関連を必要とする場合に用いる。

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番号 用語 定義 参考
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-845番号
2020 CIE標準光源 ほぼCIE標準イルミナント等しい放射をもつ,CIEによっ 23-022 CIE standard
て仕様が規定された人工光源 sources
注釈1 CIEイルミナントをCIE光源と呼ばれるように
した人工光源。
注釈2 CIE標準イルミナントを参照。
注釈3 標準光源Aの仕様は次による。
分布温度が約2 856 Kの透明バルブ−ガス入りタ
ングステンコイル電球。
注釈4 標準イルミナントD65を実現する人工光源は,ま
だ確定されていない(2016参照)。
注釈5 補助標準イルミナントCに対しては,以前は標準
光源Aに規定の溶液フィルタをかけて実現でき
る標準光源Cが定められていた。
2021 (イルミナン 等級Aが最も高い品質を表す記号A,B,C,D又はEによ 23-024 quality grade, (of
トシミュレ って,シミュレータによるCIEイルミナントの分光放射照 an illuminant
ータの)品 度のシミュレーションの程度を表す品質等級 simulator)
質等級 注釈1 その評価方法は,JIS Z 8720[測色用の標準イルミ
ナント(標準の光)及び標準光源]の附属書Aに
規定されている。
2022 常用光源 CIE昼光のある様子に近似した分光放射照度をもつ物質又 23-025 daylight
は表面の色の視感評価及び測定に用いる光源装置 simulator
2023 北空昼光 物体色の色比較を行う場合に,実用的に標準イルミナント north sky light
D65及びその他の昼光イルミナントDの代用として用いられ
る,北半球における北空からの自然昼光
注釈1 通常,日の出3時間後から日の入り3時間前まで
の太陽光の直射を避けた天空光をいう。
2024 (心理物理 照明及び観察環境を組み合わせた分光的特性に関しての視23-026 colour
的)色の見 刺激の特徴 appearance,
え (psychophysical)
2025 色の見えモデ 照明及び観察環境を組み合わせた色刺激の情報から作られ23-027 colour appearance
ル た色の見えを記載するモデル model
2026 等エネルギー 23-023
波長の関数として表した放射量の分光密度が,可視波長全域 equi-energy
白色光, にわたって一定である放射のスペクトル spectrum,
等エネルギー 注釈1 等エネルギー白色光は,ときにはイルミナントと equal energy
スペクトル して用いられて,その場合は記号Eで表す。 spectrum
2027 加法混色 23-030
色刺激が個々に知覚できないような方法で,複数の色刺激の additive mixture
網膜上の作用を結合させる混色 (of colour
注釈1 加法混色の混色方法には,複数の色刺激を網膜の stimuli)
同じ箇所に入射させる同時加法混色,フリッカを
生じない程度の高い周波数で交互に入射させる
継時加法混色(回転円盤を用いる場合は回転混色
という。),又は分解して見えない程度の細かいモ
ザイク状などの配置で結像させて行う併置加法
混色がある。
注釈2 継時加法混色及び併置加法混色を総称して中間
混色と呼ぶことがある。

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Z 8105 : 2022
番号 用語 定義 参考
IEC 60050 対応英語
-845番号
2028 加法混色の原 一般の加法混色に用いる基本の色刺激 additive colour
色 注釈1 任意の色を再現するには互いに独立な三つの色 primaries
刺激が必要であって,加法混色の色域(4069参照)
を広げるために,通常,適当な赤,緑及び青紫の
3色を用いる。
注釈2 三色表色系を定義するために正確に規定した加
法混色の3原色は,実在しない仮想の色刺激も含
んで,特に原刺激(2036参照)という。
2029 減法混色 色フィルタなどの選択性がある吸収媒質の重ね合わせによ subtractive colour
って,個々の吸収媒質とは異なった色を作る混合方法 mixture
2030 減法混色の原 減法混色に用いる基本の吸収媒質(の色) subtractive
色 注釈1 任意の色を再現するには互いに独立な3種の吸収 primaries
媒質が必要であって,減法混色の色域(4069参照)
を広げるために,通常,シアン(スペクトルの赤
部を吸収する),マゼンタ(スペクトルの緑部を吸
収する)及びイエロー(スペクトルの青紫部を吸
収する)の3媒質を用いる。
注釈2 減法混色の原色では,その色刺激値ではなくて,
分光吸収率曲線の形が問題である。その意味で
は,色に“媒質の性質”の意味を含まない用語の
体系の中では,原色の語は厳密さを欠く。
2031 等色(とうし 23-031
与えられた色刺激と,色が等しく見える別の色刺激を作る行 colour matching
ょく), 為
色合わせ(い 注釈1 この用語は,視感色彩計で二つの視野の色が等し
ろあわせ) くなるように調整すること,及びあるイルミナン
トの下で基準の物体と等しい知覚色をもつ別の
物体を調合,又は選出することに同じように用い
られる。日本語では,前者の意味には主に等色を,
後者の意味には主に色合わせを用いる。このよう
に二つの定義があることは英語及び独語共に同
様で,いずれも1種類の語を二つの意味に用いる
が,仏語及び露語では前者の意味だけに用いる。
2032 グラスマンの 加法混色における等色の性質を表す,次の三つの経験法則23-033 Grassmanns laws
法則 a) ある等色状態を詳述するには,互いに独立な3個の変数
が必要で,かつ,十分である。
b) 加法混色では,色刺激の分光組成ではなく,その三刺激
値だけが関係する。
c) 加法混色では,混色する一つ以上の成分が連続的に変化
するならば,結果の色の三刺激値も連続的に変化する。
注釈1 グラスマンの法則は,全ての観察条件に対して成
り立つものではない。
注釈2 例えば,視野の明るさレベルが低く明所視条件か
ら外れる,グレアを感じるほど高い,又は等色す
るそれぞれの視野の大きさが一定でないような
観測条件では成り立たない。

――――― [JIS Z 8105 pdf 25] ―――――

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