JIS Z 8402-2:1999 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法 | ページ 5

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Z 8402-2 : 1999 (ISO 5725-2 : 1994)
p
p nij2
1 i 1
nj= nij p

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                             p  1 i 1
nij
i 1
である。
これらの計算手順は附属書BのB.1及びB.3に例で説明される。
7.4.5.3 すべてのnijについて,nij=n=2が成立する特別な場合は,より簡単な式,
p
2 1
srj
= yij2 ) 2
( yij1
2p i 1
p 2
1 srj
s2Lj= ( yijyj ) 2
p 1i 1 2
を用いてよい。
これらはB.2の例で説明される。
7.4.5.4 確率変数であるために,この計算で得られる2Lj
sが負の値になる場合には,それを0とすること
が望ましい。
7.4.5.5 (室間)再現精度は,
2
s2Lj
s2Rj=srj (24)
である。
7.4.6 分散のmへの従属性
次に,精度がmに従属しているかを検討することが望ましい。従属している場合には関係を表す関数を
求めることが望ましい。

7.5 精度の値と測定水準mの関数関係の検討

7.5.1  精度とmとの間に規則的な関数関係が存在するとは限らない。試料の不均質性が測定結果の変動
の不可分な要素になっている場合には,この不均質性が,測定水準mの規則的な関数である場合にのみ,
関数関係が存在することになる。組成が異なり,かつ異なる生産プロセスによる固体試料の場合,規則的
な関数関係の成立は全く不確かである。以下の手順を適用する前に,この点を解決しておくことが望まし
い。そうでない場合は,実験の対象となった個々の試料について,精度の値を別々に推定しなければなら
ないであろう。
7.5.2 7.5.37.5.9では,論拠と手順を,簡潔さのために併行標準偏差についてのみ記述するが,これは
併行標準偏差と(室間)再現標準偏差の両者に適用される。ここで考察する関数関係は3種類だけである。
I : sr=bm (原点を通る直線)
II : sr=a+bm (正の切片をもつ直線)
III: lgsr=c+dlgm(又はsr=Cmd);d≦1 (指数的な関数関係)
たいていの場合,この関数関係の一つが満足なあてはめをもたらすことが期待できる。そうでない場合
には,統計解析者は,これに代わる解を求めることが望ましい。混乱を避けるためには,式中に現れるa,
b,c,C及びdには,併行条件の場合ならばar,br,···,再現条件ならばaR,bR···と添え字をつけて区別す

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るが,ここでは表記の簡略化のために省略している。srも測定水準jを表す添え字だけを残して簡単にs
とした。
7.5.3 関数関係IとIIIはm=0のときs=0となるため,一般にd>0である。これは実験上の観点からは
受容できないように見える。報告するときには,精度のデータは試験室間共同実験を行った測定水準の範
囲内でのみ適用できることを明示しておくことが望ましい。
7.5.4 a=0かつd=1のとき,3種類の関数はすべて同じになる。したがって,aが0の近傍にあり,ま
たdが1の近傍にあるときには,これらの関数のうちの二つまたは三つとも実用上同程度に適合する。そ
のような場合には,以下の単純な原則を満たすので,関数Iを選ぶことが好ましい。
“二つの測定結果が (100b) %以上異なるときは,疑わしいと考えられる。”
統計的に表現すると,これは変動係数 (100s/m) が,あらゆる測定水準で一定であることを意味してい
る。
^に対するsjのプロット,またはlg ^に対するlg sjのプロットで,その点の組が無理なく直線近
7.5.5 mj mj
傍に存在することがわかる場合には,手で引いた線で十分な解となり得る;しかし,別な理由で,数値的
なあてはめが好ましいときは,関数関係IとIIは7.5.6の手順による,関数IIIは7.5.8の手順によることを
推奨する。
^及びsjが推定値であるため誤差を伴うという事実により
7.5.6 統計学的には,直線へのあてはめは, mj
^の誤差はほとんど
複雑になる。しかし,傾きbは通常小さい(0.1のオーダー,又はそれ以下)ので, mj
影響せずsjの推定の誤差が支配的である。
7.5.6.1 sの標準誤差はsjの予測値 (j) に比例するため,回帰直線の良好な推定には加重回帰が必要であ
る。
重みは1/(j)2に比例する。ここではj測定水準jにおける併行標準偏差の予測値である。しかし,jは計
算されているパラメータに依存している。
残差の重み付き最小二乗法で推定値を求める数学的に正しい手順は複雑になるであろう。実用的には十
分であることが証明されている手順を以下に推奨する。
7.5.6.2 1/(Nj)2に等しい重みWjを用いる。ここでN=0,1,2,···は逐次反復の回を表す。計算式は,
T=
1 Wj
j
^
T2= Wjmj
j
^
T3= Wjm2 j
j
T=
4 Wjsj
j
である。このとき,関数関係I (s=bm) の場合,bの値はT5/T3で与えられる。関数関係II (S=a+bm) の
場合,
T3T4 T2T5
a= 2

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                             T1T3 T2

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T1T5 T2T4
b= 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                             T1T3 T2
となる。
7.5.6.3 関数関係Iの場合,重みWj=1/(j)2にj=b^j
mを代入すると,次のように表現は簡単になる :
^
(sj / mj)
j
b= (27)
q
しかも反復は不要である。
7.5.6.4 関数関係IIの場合,7.4で得られたsの最初の値が初期値ojである。これを計算に用いると
W0j=1/(0j)2 (j=1, 2,···,q)
であり,7.5.6.2に従ってa1及びb1を計算する。
これから
1j=a1+b1^j
m
が求められる。次にW1j=1/(1j)2として計算を繰り返すと
m^
2j=a2+b2 j
となる。
これらの式から得られるW2j=1/(2j)2を用いて,再度,同じ手順を繰り返すこともできるが,意味のない
変化が生じるだけである。W0jからW1へステップは重みのなかの大きな誤差を排除するのに有効であり,
2jに関する式は,最終のものと考えることが望ましい。
^
mに対するlg sの重みなしの回帰が適当である。
7.5.7 lg sの標準誤差はsに依存せず,lg j
7.5.8 関数関係IIIの場合,計算式は
^
T1= lgmj
j
^
T2= (lgmj ) 2
j
T3= lg js
j
4 ^
T= (lgmj ) 2 (lg js)
j
となる。したがって,
T2T3 T1T4
c= 21

(pdf 一覧ページ番号 )

                             qT2  T
qT4 T1T3
d= 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                             qT2  T1
である。

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7.5.9 同じデータについて,関数関係I,II及びIIIをあてはめた例を7.5.9.17.5.9.3に示す。データは計
算手順を説明する目的だけのためにB.3の事例から取ったものである。このデータはB.3でさらに議論す
る。
7.5.9.1 関数関係Iをあてはめた例を表1に示す。
表1 関数関係I : s=bm
mj
3,94 8,28 14,18 15,59 20,41
sj 0,092 0,179 0,127 0,337 0,393
^
s /
jm
j 0,023 4 0,021 6 0,008 90,021 60,019 3
^)
(sj / mj ,00094 8
j =,0019
b= 5
q
s=bm 0,075 0,157 0,269 0,296 0,388
参考 表の中では小数点としてコンマ
^
(, ) を用いている。
7.5.9.2 関数関係IIをあてはめた例を表2に示す( m,sjは7.5.9.1に示したものである)。
j
表2 関数関係II : s=a+bm
W0j 118 31 62 8,8 6,5
s1=0,058+0,009 0m
1j 0,093 0,132 0,185 0,197 0,240
W1j 116 57 29 26 17
s2=0,030+0,0156m
2j 0,092 0,159 0,251 0,273 0,348
W2j 118 40 16 13 8
s3=0,032+0,0154m
3j1) 0,093 0,160 0,251 0,273 0,348
備考 重みの値は有意ではない;有効数字は2桁で十分である。
1) 2からの差は無視できる。
参考 表の中では小数点としてコンマ (, ) を用いている。
7.5.9.3 関数関係IIIをあてはめた例を表3に示す。
表3 関数関係III : lgs=c+dlgm
^
lg mj +0,595+0,918+1,152 +1,193+1,310
lgs0j −1,036−0,747−0,896 −0,472−0,406
lgs=−1,506 5+0,772 lgm
又はs=0,031m0.77
s 0,089 0,158 0,239 0,257 0,316
参考 表の中では小数点としてコンマ(, )を用いている。

7.6 統計解析の段階的な手順

    備考5. 7.6に記述する手順を図3に段階的に示す。
7.6.1 得られたすべての測定結果を一つの書式,図2の書式A(7.2参照)に集める。i=1,2,···,p(デ
ータを提供したp個所の試験室を表す。)のp行,j=1,2,···,q(昇順に並べたq個の測定水準を表す)
のq列の配列にしてあるこの書式を推奨する。
一様水準の実験では,書式Aのセル内の測定結果を区別する必要はないので,いかなる順に並べても差
し支えない。

――――― [JIS Z 8402-2 pdf 24] ―――――

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7.6.2 書式Aについて明らかな異常を調査し,必要ならば,誤りが明らかなデータ(例えば,装置の測
定範囲を越えたデータや技術的理由であり得ないデータ)を除去し,パネルに報告する。ある特定の試験
室,または特定のセルの測定結果が,他のデータと整合してないことが一見して明らかな場合がよくある。
このような明らかに不整合なデータは,即座に除去することが望ましく,このことを,将来の考察のため
にパネルに報告されねばならない(7.7.1参照)。
7.6.3 必要ならば7.6.2にしたがって訂正の後,書式Aから,セル平均値の書式Bとセル内ばらつきの尺
度の書式Cを計算する。
書式Aで測定結果が一つだけのセルがあれば,7.4.3の選択肢の一つを採用する。
7.6.4 7.3.1に記述したマンデルのhとkのプロットを作成し,データの一致性を調べる。これらのプロ
ットは以後のデータ解析のために,データの妥当性や外れ値,外れ試験室の可能性を示唆するであろう。
しかし,この段階ではいかなる決定的な処置をとらずに,7.6.57.6.9の手順が完了するまで保留とする。
7.6.5 書式B及び書式Cについて(図2参照),測定水準ごとに外れ値の有無を点検する[7.3.2.1のa)
を参照]。7.3で述べた統計的検定をすべての疑わしい値に適用し,5%外れ値にアスタリスク一つ,1%外
れ値にはアスタリスク二つを付ける。外れ値がない場合には,7.6.67.6.10の手順を無視し,直ちに7.6.11
の手順に進む。
7.6.6 外れ値について,何か技術的な説明があるか,又は説明がありそうかを調べ,可能ならば,その説
明を実証する。十分に説明が付いた外れ値は,必要に応じ,訂正または除去し,これに応じた訂正を書式
BとCに適用する。説明が付けられない外れ値が残らなければ,7.6.77.6.10の手順を無視し,直ちに7.6.11
の手順に進む。
備考6. 外れ値が数多く存在する場合,これは分散の非一様性や試験室間の差異が大きいことを
示しているかもしれず,測定方法の適切さに問題があるかもしれない。このことはパネ
ルに報告することが望ましい。
7.6.7 書式Bまたは書式Cの中の,説明されていない外れ値の発生のようすが,外れ試験室(7.2.5参照)
の存在を示唆していないならば,7.6.8の手順を無視して,直ちに7.6.9の手順に進む。
7.6.8 その試験室が外れ試験室であるという疑いに対する根拠が,その試験室のデータの全部あるいは一
部を除外することを十分に正当化するに足ると考えられるならば,それらのデータを除外し,パネルに報
告する。
試験室のデータの全部あるいは一部を除外するかどうかの決定は解析を行っている統計解析者の責任で
あるが,将来の検討のために必ずパネルに報告しなければならない。
7.6.9 説明がつかず,又は外れ試験室に帰因しない外れ値が残る場合には,1%外れ値は除外するが,5%
外れ値は正しいものとしてそのまま残す。

――――― [JIS Z 8402-2 pdf 25] ―――――

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JIS Z 8402-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5725-2:1994(IDT)

JIS Z 8402-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8402-2:1999の関連規格と引用規格一覧