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Z 8402-4 : 1999 (ISO 5725-4 : 1994)
ある。
4.2.1.4 標準物質の不確かさによって表示される,認証値と真の値との起こり得る差異(JIS Q 0035参照)
は,ここで与える方法では考慮していない。
4.2.2 標準物質のチェックと配布
試料の配布に先立って,標準物質の単位を分割する場合,何らかの誤差が付随しないように注意深く行
わなければならない。試料分割に関する国際規格を参考にすることが望ましい。分配のための単位は,ラ
ンダムな選択によることが望ましい。測定プロセスが非破壊的ならば,共同実験のすべての試験室に同じ
標準物質を順に使用させることが可能であるが,こうすると実験の期間は長引くであろう。
4.3 測定方法のかたよりの推定に際しての実験計画上の検討事項
4.3.1 実験の目的は,測定方法のかたよりの大きさを推定すること,及び,この大きさが統計的に有意か
否かを判定することである。もし,かたよりが統計的に有意でないと分かれば,目的は,ある確率でこの
実験結果からは検出されない最大のかたよりの大きさを決定することとなる。
4.3.2 実験の計画は,JIS Z 8402-2 : 1999の4.1に示した精度評価実験の場合とほとんど同じである。相
違点は,
a) 参照値を用いるための付加的な要求事項があることと,
b) 参加試験室数及び,測定結果の数が4.5に示す要求事項を満たさなくてはならないこと
である。
4.4 JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2との相互参照
JIS Z 8402-1 : 1999の6.,JIS Z 8402-2の5.及び6.を適用する。この第4部に関連して第1部,第2部を
読む際には,“精度”または“併行精度と再現精度”のところに必要に応じて“真度”を挿入することが望
ましい。
4.5 必要な試験室数
試験室数及び各測定水準毎で必要な測定結果の数は互いに関連する。試験室の数については,JIS Z
8402-1 : 1999の6.3で論じられている。その数を決める指針を次に示す。
事前に定めたかたよりの大きさを,高い確率で(附属書C参照)検出することができる実験結果を得る
ためには,試験室数の最小値p,及び,測定結果の数nは,次の式を満たさなければならない。
m
A R (5)
.184
ここで,
実験者が測定結果から検出したい事前に定めたかたよりの大
きさ,
到 測定方法の再現標準偏差,
で,Aはpとnの関数であり,次式で与えられる。
2
n 1 1
A=.196 2
(pdf 一覧ページ番号 )
pn
ここで,
柿 刀 (7)
である。Aの値を表1に示す。
理想的には,試験室数と一試験室当たりの測定結果の繰り返し数は,事前に実験者が 鉛騰彎
で,式(5)に記述された条件を満たすことが望ましい。しかしながら,現実的な理由によって,通常,試験
――――― [JIS Z 8402-4 pdf 6] ―――――
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Z 8402-4 : 1999 (ISO 5725-4 : 1994)
室数の選択は,資源の利用可能性と な程度まで減少したいという希望との間の妥協点となる。
測定方法の再現性が乏しければ,かたよりの推定を高い確かさをもって達成することはできないであろう。
到 爰 すなわち, ことはよくあるが,このときは1試験室1測定水準
たりn=2より多くの測定結果を測定しても,得るものはほとんどない。
表1 測定方法のかたよりの推定値の不確かさを示す数値
p 柿 1 柿 2 柿 5
n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4
5 0,62 0,51 0,44 0,82 0,80 0,79 0,87 0,86 0,86
10 0,44 0,36 0,31 0,58 0,57 0,56 0,61 0,61 0,61
15 0,36 0,29 0,25 0,47 0,46 0,46 0,50 0,50 0,50
20 0,31 0,25 0,22 0,41 0,40 0,40 0,43 0,43 0,43
25 0,28 0,23 0,20 0,37 0,36 0,35 0,39 0,39 0,39
30 0,25 0,21 0,18 0,33 0,33 0,32 0,35 0,35 0,35
35 0,23 0,19 0,17 0,31 0,30 0,30 0,33 0,33 0,33
40 0,22 0,18 0,15 0,29 0,28 0,28 0,31 0,31 0,31
参考 表の中では小数点としてコンマ (, ) を用いている。
4.6 統計的評価
測定結果はJIS Z 8402-2に記されているように扱わなければならない。特に,外れ値が検出された場合
には,なぜそのような値が得られたのかを検討するために,参照値の適切さの見直しを含め,必要なすべ
ての手続きが実行されなければならない。
4.7 統計的評価の結果の解釈
4.7.1 精度のチェック
測定方法の精度は,sr(併行標準偏差の推定値)とsR(再現標準偏差の推定値)で表現される。式(8)
(10)では,各試験室ごとの測定結果の数 (n) が等しいことを仮定している。これが成立しない場合は,JIS
Z 8402-2に与えた対応する式を用いて,srとsRを算出するのがよい。
4.7.1.1 p試験室が参加した場合の併行分散の推定値sr2は,次のように計算される。
p
2 1 2
sr = si (8)
pi1
n
2 1 2
si = yik yi (9)
n 1k 1
n
1
yi= yik (10)
nk 1
ここで,si2,iyは,それぞれ,第i試験室で得られたn個の測定結果yikの分散
及び平均である。
試験室内分散に有意な差がないことを示すために,分散si2に対してJIS Z 8402-2に記載したコクランの
検定を適用しなくてはならない。外れ値の可能性をより徹底的に検討するために,JIS Z 8402-2に記載し
たマンデルのhプロット,kプロットも描かれることが望ましい。
標準測定方法の併行標準偏差がJIS Z 8402-2に準拠して事前に求められていないときには,srは,その
最良推定値と考えることができる。JIS Z 8402-2に準拠して,標準測定方法の併行標準偏差 爰
――――― [JIS Z 8402-4 pdf 7] ―――――
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ていた場合には,sr2は,比
C=sr2/ (11)
を計算して評価できる。検定統計量Cは,棄却限界値
Ccrit= 1− 愀 v) /v
と比較される。ただし, 1− 愀 v) は自由度v [=p−1) ] の 布の (1− 愀 位点である。特に
限り 桎 定する。
a) ≦Ccritならば,sr2は 意には大きくない。
b) >Ccritならば,sr2は 意に大きい。
前者の場合,併行標準偏差 爰潮 定方法のかたよりの評価に用いられる。後者の場合に,不一致の原因
を調べ,次の段階に進む前に可能ならば実験を繰り返すことが必要である。
4.7.1.2 p試験室が参加した場合の再現分散の推定値sR2は,次のように計算される。
p 2
2 1 1 2
sR = yi y 1 sr (12)
p 1i1 n
ここで,
p
1 iy
y= (13)
pi 1
である。
標準測定方法の再現標準偏差がJIS Z 8402-2に準拠して事前に求められていない場合,sRは,その最良
推定値と考えられよう。JIS Z 8402-2に準拠して再現標準偏差 び,併行標準偏差 爰
場合には,sRは次の比を計算することで間接的に評価できる。
2 2
C =sR 1 /1 n sr
(pdf 一覧ページ番号 )
2 2
R 1 /1 n r
検定統計量Cは棄却限界値
Ccrit= 1− 愀 v) / v
と比較される。ただし, 1− 愀 v) は自由度v [=p (n−1) ] の 布の (1− 愀 位点である。特
い限り 桎 定する。
a) ≦Ccritならば,sR2− (1−1/n) r2は, 刀 (1−1/n) 意には大きくない。
b) >Ccritならば,sR2− (1−1/n) r2は 刀 (1−1/n) 意に大きい。
前者の場合,併行標準偏差 び再現標準偏差 到 定方法の真度を評価するのに用いられる。後者の
場合,標準測定方法のかたよりの評価に先立って各試験室の測定状況の注意深い精査を行わなければなら
ない。ある試験室が要求されている装置を使わなかった場合もあれば,指定された条件に従わずに測定し
た場合もある。化学分析では,十分な管理がなされてないことによって,例えば,温度,湿度,不純物の
存在といった管理上の問題が生じる場合もある。結果として,期待される精度が実現するまで,実験を繰
り返さなければならないこともある。
4.7.2 標準測定方法のかたよりの推定
評価実験に参加した試験室によるかたよりの推定値は
=y μ (15)
――――― [JIS Z 8402-4 pdf 8] ―――――
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で与えられる。ただし, は,正にも負にもなり得る。推定されたかたよりの絶対値がJIS Q 0035で定義
された不確かさの区間の幅の半分以下ならば,かたよりの証拠はない。
測定方法のかたよりの推定値の変動は,測定プロセスの結果として生じる変動に起因する。また,その
変動は,次のように計算される標準偏差によって次のように表現される。精度の値が既知の場合には,
2 2
R 1 /1 n r
= (16)
p
精度の値が未知の場合には,
2 2
sR 1 /1 n sr
s = (17)
p
となる。
測定方法のかたよりの近似95%信頼区間は次のように計算することができる。
=A 曰曰 +A 刀 (18)
ただし,Aは式(6)で与えられている。 到 知の場合には,その推定値sRを代わりに用いなければならな
い。また,Aは, 柿 sR/srを用いて計算しなくてはならない。
この信頼区間が0を含むならば,測定方法のかたよりは有意水準5%で有意ではないこととなり,0を含
まないならば有意ということになる。
5. 標準測定方法による,一つの試験室の試験室かたよりの求め方
以下で述べるように,試験室のかたよりを推定するために一つの試験室内で実験が行われることがある。
ここで,JIS Z 8402-2に準拠した精度評価実験によって,方法の併行標準偏差は確定しているものとする。
5.1 実験の遂行
実験は標準化された測定方法に厳密に従って行われなければならないし,測定は併行条件の下で行われ
なければならない。真度評価実施に先立って,当該試験室によって適用された標準測定方法の精度チェッ
クがなされていなければならない。このことは,標準測定方法の試験室内標準偏差と,公表されている併
行標準偏差とを比較することを意味する。
実験の計画は,JIS Z 8402-2に記述された精度評価実験において一つの試験室に要求された測定から構
成される。単一試験室に限定されている点を除いて,本質的な相違は参照値を用いることだけである。
試験室のかたよりを測ろうと試みる際,多くの労力をそのような実験に注ぐのは意味のない場合もある。
おそらく,定期的にJIS Z 8402-6に記述されたチェックを行う方が良いであろう。測定方法の併行精度が
良くなければ,試験室のかたよりの推定値が高い確かさを達成することは現実にはない。
5.2 JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2との相互参照
この第4部の内容に関連してJIS Z 8402-1及びJIS Z 8402-2を読む際には,“精度”または“併行精度及
び再現精度”のところに必要に応じて“真度”を挿入することが望ましい。JIS Z 8402-2における試験室
数はp=1となる。また,一人の人間が“実施責任者”と“監督者”の役割を兼ねるのが便利かもしれない。
5.3 測定結果の数
試験室のかたよりの推定値の不確かさは測定方法の併行精度と得られた測定結果の数に依存している。
実験結果によって,事前に設定したかたよりの大きさを高い確率(附属書C参照)で検出することを可能
にするためには,次の式が満たされなければならない。
――――― [JIS Z 8402-4 pdf 9] ―――――
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Z 8402-4 : 1999 (ISO 5725-4 : 1994)
Aw m
r≦ (19)
.184
ここで,
実験者が事前に設定する実験結果から検出したい試験室のか
たよりの大きさ,
爰 測定方法の併行標準偏差であり,
.196
Aw= (20)
n
である。
5.4 標準物質の選択
標準物質を用いる場合には,ここでも4.2.1に記述した要求事項が適用される。
5.5 統計的解析
5.5.1 試験室内標準偏差のチェック
wyと試験室内標準偏差 定値swは次のように計算される。
n個の測定結果の平均値
n
1
yw= yk (21)
nk 1
n
1 2
sw= yk yw (22)
n 1k 1
測定結果は,JIS Z 8402-2 : 1999の7.3.4に示されたグラッブズ検定により,外れ値が吟味されなければ
ならない。
標準測定方法の併行標準偏差 爰 知の場合には,swは,比
C”= (Sw/ (23)
を計算して評価できる。C”の値は,棄却限界値
C”crit= 1− 愀 v) /v
と比較される。ただし, 1− 愀 v) は自由度v= [=n−1] の 布の (1− 愀 位点である。特
い限り 桎 定する。
a) ”≦C”critならば,swは 爰 意には大きくない。
b) ”>C”critならば,swは 爰 意に大きい。
前者の場合,併行標準偏差 爰 室のかたよりの評価に用いられる。
後者の場合には,実験を繰り返して,全段階で標準測定方法が正しく行われていることを検証するかど
うかを,検討するのがよい。
5.5.2 試験室のかたよりの推定
試験室のかたより 定値 は,次式で与えられる。
=y μ (24)
w
試験室のかたよりの推定値の変動は測定プロセスの結果として生じる変動に起因する。その変動は次の
ように計算される標準偏差によって表現される。併行標準偏差が既知の場合には,
r
(pdf 一覧ページ番号 )
n
――――― [JIS Z 8402-4 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8402-4:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5725-4:1994(IDT)
JIS Z 8402-4:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.020 : 度量衡及び測定一般
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
JIS Z 8402-4:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8101-2:2015
- 統計―用語及び記号―第2部:統計の応用