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Z 8527 : 2002 (ISO 9241-17 : 1998)
3.2 欄 (field)データを入力するための,又はデータを提示するための表示画面上の領域。
3.3 書式 (form) ユーザーが読み取ったり,記入したり,項目を選んだり(例えば,チョイスボタン又
はラジオボタンにより),修正したりする,見出し付きの欄から構成された表示。
参考 ここでいう“書式”は記入用紙の概念に近いもので,証書・願書・届け書などの,決まった書
き方を意味する。一方,情報処理系の規格でも“書式”が使用されているが,情報処理関係で
は“書式”はformatの意味で使用されることが多いので注意を要する。例えば,文書作成プロ
グラムなどでは“書式”は入力や表示の形式を指定するもので,文字のフォント,段落,字下
げなどを指定する際に使用される。
3.4 見出し (label) 入力欄,保護欄,表,コントロール又はオブジェクトに付ける短い説明的な標題。
参考 アプリケーションによっては,見出しを保護欄に分類することもある。
3.5 書式中の各欄の間,書式の前後及び各書式間を行き来する働き。
ナビゲーション (navigation)
3.6 必ずしもユーザーが入力,又は修正する必要のない欄。
任意欄 (optional field)
3.7 保護欄 (protected field) ユーザーが書き換えることができないデータを含む欄。読取り専用欄とも
いう。
3.8 必す(須)欄 (required field)あらかじめ値が入っていないときには,ユーザーが完結しなければ
ならない欄。
4. この規格の適用
4.1 書式記入対話が適切な場合
参考1. 書式記入対話は,多数のデータ項目を入力,又は修正する必要のあるデータ入力作業に適し
ている。書式記入対話が主に用いられるのは,紙の書類からコンピュータへ情報を入力する
場合である。例えば,所得税申告,履修登録,運転免許証申請,注文伝票の起票などがある。
書式記入対話は,アプリケーションソフトのオプション及び媒介変数をダイアログボックス
内で指定するのにも通常用いる。その他の使われ方には,電話を受けながらのコンピュータ
への情報(例えば,注文,予約)入力がある。書式記入対話は,また,コマンド言語で媒介
変数を入力するよりも,必要な媒介変数情報を記入していくほうが容易であるとユーザーが
感じるような複雑なデータ検索要求にも適している。以上あげた種類の仕事は,単調な反復
作業の元と成りかねないことを重視して,しすぎることはない。空欄記入を用いる対話シス
テムのユーザー,購入者及び製作者は,この点を考慮に入れるのがよい。空欄記入を繰り返
して行うような仕事の悪影響を減らす一つの方法は,その対話システムの中に他の仕事をも
取り入れることである(JIS Z 8512参照)。書式中の欄は,必す(須)のものも随意のものも
あり,及び/又は既定値を表示するものもある。
2. 書式記入対話は,次の条件に該当する場合,特に適している,より多数の条件に該当するほ
ど適用可能性は増大する。条件は,ユーザー及び仕事に関して分類してある。
a) ユーザー特性
1) ユーザーは,紙書類の書式はよく使うが,コンピュータの経験は少ない。
2) ユーザーは,キーボードを使うことに慣れている。
3) ユーザーは,中程度以上のタイプ技能をもっている(データの入力に書式記入対話を多用
する場合)。
b) 仕事の要求事項
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1) 多数の代替事項を示す必要がない。
2) 紙書類からデータを入力する必要がある。
3) 入力するデータは,顧客から口頭で得られる。
4) 入力の仕方は,ある程度制約できる。
5) ユーザーが,媒介変数を多く指定するコマンドを使用する。
6) 既定値,又は現在の入力値/選択を表示することが重要である。
4.2 推奨事項の適用
参考1. 全般的な人間工学設計目標を,5.の空欄記入の構造から8.のナビゲーションにそれぞれ掲げて
ある。この目標を達成するための各推奨事項には,それが該当する具体的な状況(例えば,
ユーザー,仕事,環境,技術の種類)がある。各推奨事項の記述形式は,推奨事項,備考,
例及び参考とする。
備考,例,及び参考は,必ずしもすべての推奨事項にはない。
2. 推奨事項に対し与えている例は,大体はその推奨事項を具体的に実現した例であるが,ある
ものは望ましい解決法を示している。
個々の推奨事項が,適用可能かを評価し,適用可能であれば,該当する書式記入対話中にその推奨事項
を実現するのがよい。ただし,結果として設計目標に外れたり,全体としての使いやすさを低下させない
という確証があれば,必ずしも推奨事項に従い実現しなくともよい。適用可能かを決定する際,推奨事項
は,一般には該当する箇条における記載順で評価するとよい。適用可能な推奨事項に従っているかを判定
する場合,評価者は,ユーザーが書式記入対話システムを使って仕事を行う状況で製品を評価する,又は
製品の代表的なユーザーを観察するのがよい。
参考 適用可能性を決定する上での,及び推奨事項に従っているかを判定する上での助けとなる見本
の手順を附属書Aに掲げる。
4.3 製品の評価 ある製品を,この規格中の適用可能な推奨事項に適合していると主張するには,その
書式記入対話の要求事項を設定する際に用いた手順,並びにその書式記入対話を開発する及び/又は評価
する際に用いた手順を明確に指定しなければならない。手順指定の詳細度は,関係者間の協議事項とする。
この規格を使用する者は,附属書Aに与える手順を活用してもよいし,それぞれの開発及び/又は評価
環境に合わせて同様な別の手順を作り上げてもよい。
5. 書式記入対話の構造
コンピュータがそのデータや情報をどう処理するかにかかわりなく,ユーザー
にとって自然なやり方で,情報やデータをユーザーが入力できるように,書式記入対話を設計するのがよ
い。書式記入対話は,コンピュータによる処理の仕方よりはユーザーの必要性を反映するのがよいし,対
話の組み立てが,ユーザーの期待,仕事の要求事項及び入力媒体と調和しているのがよい。また,コンピ
ュータによって提示させる書式の全体構造は,ユーザーが容易に理解できるのがよい。
5.1 一般
5.1.1 標題 書式,ダイアログボックスなどの入力画面には,その入力画面の目的を分かりやすく示すた
めの,及び他の書式と区別するための,標題を(通常上部に)付けるのがよい。入力画面の表示をもたら
したコマンド,又は選択項目と,標題とが対応しているのがよい。
5.1.2 視覚的符号化 仕事上必要とするか,又はユーザーの入力したもの,既定値及びあらかじめ入力し
たデータを区別することが仕事上必要か,又はそうすることによって仕事が促進される場合,見分けやす
い視覚的符号化を施すのがよい。
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5.1.3 書式の表示密度 書式記入対話では,表示する文字情報の表示密度(画面に表示可能な総文字数に
対する表示文字数の割合)を限定するのがよい。ほとんどの場合,上限値40%を推奨する(ISO 9241-12
の5.4.2を参照)。
5.1.4 教示 たまたま,又は時折利用するユーザーが,書式上にデータを入力する場合,書式中を移動す
る,書式を完成させる,保存する,及び送信するについての教示を表示する(又はヘルプ機能を介して容
易に参照できる)のがよい。
5.1.5 構造の概観 書式の構造が複雑な場合,書式構造の概観又は構造の視覚提示をユーザーに与えるの
がよい。
5.2 配置
5.2.1 紙の書類 コンピュータへの入力の元データとして紙の書類が使われる場合,書式記入対話の画面
は,項目の順序,項目の組分け方,入力値の単位(例えば,mmかmか)その他の点で書類の構造と食い
違わないように設計するのがよい。
参考 元書類構造との一貫性は,配置上考慮すべき重要事項である。しかし,書類に採用されている
配置が能率的な仕事の遂行と両立しない場合,元書類の設計し直しは検討に値する。紙への記
入書式と,コンピュータへの記入書式とをそろえられない事情があれば,コンピュータへ入力
する際の都合を犠牲にしても,紙の書式への記入を能率よく行えるようにする方がより重要と
なることがある。
5.2.2 元書類がない場合 書式記入対話が元書類に従って行うものでない場合,入力欄は機能,重要度な
どでまとめるか(ISO 9241-12の5.6Groupsを参照),又はユーザーの観点から最適な入力順序とするのが
よい。
参考 データが顧客から与えられる場合,データの入力順序は顧客の必要性に依存する(例えば,電
話による販売活動)。ときによっては,ユーザーを誘導するために,書式を入力に応じて動的に
変更しながら提示してもよい。
5.2.3 必す(須)欄及び任意欄 書式が,ある機能的な,又は論理的な欄のまとまり内で,必す(須)欄
と任意欄の両方を含む場合,ユーザーの仕事にとって不適切でない限り(例えば,元書類と一致しないな
ど),必す(須)欄を前に置くのがよい。
参考 必す(須)欄を任意欄より先に扱わせるようにタブ順序を設定しておくことが適切な場合もあ
る。
5.2.4 英数字欄の並べ方 使用言語にかなって(適って)いれば,英数字入力欄は縦に並べて,各列内で
は左寄せとするのがよい。
参考 これは目による走査を向上させ,しばしば欄から欄へと移動するのに必要な打鍵数を最小化す
る。
5.2.5 数値欄の並べ方 入力欄の,あるまとまりのすべての欄が,数値入力用であり,各欄の長さがそろ
っていない場合,これらの欄は右寄せに表示するのがよい。数値欄が小数点をもつ場合には,小数点位置
でそろえるのがよい。
5.2.6 欄に許される値 その欄で許される値についての情報を与えるのがよい(すなわち,書式上に,又
は求めに応じてその情報を表示する。)。
5.2.7 見出しの長さが不ぞろい 文字欄又は英数字欄が縦に並んでいて,見出しの長さがかなりまちまち
であり,仕事上順次にデータ入力を行う場合,見出しを右寄せに,欄を左寄せにするのがよい。
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例
氏名 :
生年月日 : / /
職業 :
性 : (男/女)
5.2.8 見出しの長さがほほ同一 文字欄又は英数字欄が縦に並んでいて,見出しの長さがそれほどまちま
ちでない場合,見出し,欄とも左寄せにしてもよい。
例
氏名 :
年齢 :
性別 : (男/女)
学校名 :
5.2.9 多数の同種欄 一つの見出しを多数の同種欄(例えば,表)に対して用いる場合,見出しは列に対
してはその上方に,行に対してはその左方に置くのがよい。
5.2.10 複数ページ
a) 複数ページの書式を使う場合,書式中の,又はウィンドウ標題領域中の一貫した場所で,各ページを
識別できるのがよい,及びそのページの書式全体の中での位置が明らかになるような形式とするのが
よい。
例 書式上部の標題近くに,“ページ1/3”と示す。
b) 書式が列から成っているのであれば,各ページに各列の見出しを表示する。
5.3 欄及び見出し
備考 次に述べる推奨事項の多くは,ISO 9241-12でも通論的に扱われていることに留意するとよい。
5.3.1 固定長欄 文字入力欄が固定長である場合,その長さを明示的に示すのがよい。
例1. 一定幅の字体を用いる場合は,ユーザーが入力すべき字数だけ下線を引いた欄を提示する。
例2. 比例幅の字体を用いる場合は,欄の長さを正確に示すような一連の文字を提示する。
5.3.2 必す(須)欄への入力と任意欄への入力 必す(須)欄及び任意欄は,ユーザーがどちらの種類か
を直ちに見て分かるように提示するのがよい。
例1. 必す(須)欄を示すのに下線を,任意欄を示すのにピリオドを用いる。
例2. 必す(須)欄は枠で囲み,任意欄は囲まない。
例3. 必す(須)欄と任意欄を区別するのに色や濃淡を変える。色を用いる場合には,単色の表示装
置上でも見分けのつく色を用いる。
備考 必す(須)欄,任意欄の区別表示は,読取り専用の欄と区別の付くこと。
5.3.3 修正可能欄と修正不可能欄 修正できる欄と修正できない欄(読取り専用欄)とをユーザーが容易
に見分けられる適切な表現(例えば,字体,色など)が望ましい(ISO 9241-12の5.10.1を参照)。
5.3.4 説明的な欄見出し 各欄の見出しは,入力すべき内容を明りょうに,及びあいまいさなく説明して
いることが望ましい。
5.3.5 区別の付きやすい見出し 区別の付きやすい言葉及び/又は表現法(例えば,位置,境界,字体,
色)を入力欄の見出しとして使用することが望ましい。そして入力欄とデータ,教示などとを混同するこ
とのないように,採用した方式を一貫して書式全体に適用することが望ましい(ISO 9241-12の5.9.2を参
照)。
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Z 8527 : 2002 (ISO 9241-17 : 1998)
5.3.6 記号又は単位 ユーザーが入力欄の値を解釈するのに必要がある場合,記号や単位($,f,%,mph,
cm,lなど)を見出しに添えるのがよい(ISO 9241-12の5.9.9を参照)。
備考 欄を縦配置にする場合は,列の見出しに記号や単位を加えてもよい。
5.3.7 手がかり データを入力する形式についての手がかり(例えば,時間の場合の “hh : mm : ss”)を,
入力欄中に,又は欄の見出し中に表示することが望ましい。入力に略記号を用いる場合,その意味がユー
ザーに明らかなことが望ましい(例えば,Yes又はNoを表すのに,Y/Nのような手がかりを与える)。
5.3.8 欄見出しの先頭文字は大文字に 読みやすさを高めるため,欄の文字見出しの先頭文字は大文字と
することが望ましい。見出しがロゴ又は頭字語(例えば,JIS)の場合,又は慣用的に各単語の先頭を大文
字にする必要がある場合を除いて,先頭文字以外はすべて小文字とするのがよい。
6. 入力の考慮事項
ユーザー入力について配慮すべき事項には,対話を常時ユーザーに制御させること,
ユーザーが誤りから容易に復旧できること,及び十分な仕事の遂行に必す(須)ではない情報,又はシス
テムから入手できる情報の入力をユーザーに対して要求しないことなどがある。
6.1 一般
6.1.1 カーソル移動 ある入力欄から次の入力欄へとカーソルを移すために必要なユーザーの動作は,最
小限にとどめることが望ましい。
例 ある入力欄から次の入力欄へ移るためにタブキーを用いる。
6.1.2 欄を埋め切らない入力 入力する必要のある文字数が欄の途中までであっても,ユーザーは直ちに
次の欄に移ることができるのがよい(すなわち,欄を最後まで埋めるために空白を入力する必要はない。)。
6.1.3 既定値
a) 既定値が得られ,既定値を与えることが仕事上適していれば,既定値を欄中に含ませることが望まし
い(5.1.2参照)。
b) 文字入力欄中の既定値は,一般に使われている編集コマンドで編集できることが望ましい。
6.1.4 入力装置の切換え 仕事に適していれば,書式記入作業中でユーザーが入力装置を切り換える必要
性は最小限にとどめることが望ましい。
例1. ある書式の中で,文字の入力を必要とする欄と,ポインティングデバイスを用いても入力でき
る欄とは別々に組分けする。
例2. 適切であれば,ある一つの欄で複数のデータ入力方法が使えるようにする。
例3. 書式の各欄へ,どの入力装置を用いても行き来できる。
6.1.5 ポインティングデバイス ある書式において,入力にポインティングデバイスを使うこともできる
場合,欄の間を行き来するのにも,それを利用できることが望ましい。
6.2 英数字文字入力
6.2.1 入力の端寄せ 欄中に左又は右寄せに入力する必要がある場合,端寄せをユーザーでなくシステム
に行わせるのがよい。
6.2.2 先頭のゼロ 数値入力で先頭にゼロ記号を幾つか入れる必要がある場合,ユーザーではなくシステ
ムに先頭のゼロ記号を補わせるのがよい。
6.2.3 複数行 欄が複数行のテキスト(すなわち,文又は段落)を含む場合には,次による。
a) 入力領域の大きさ 複数行入力する入力領域の大きさを明示するのがよい。
例 下に示すように入力領域の周りを枠で囲む。
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- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
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- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8512:1995
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―仕事の要求事項についての指針
- JISZ8521:2020
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―ユーザビリティの定義及び概念
- JISZ8524:1999
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―メニュー対話