JIS Z 8732:2021 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―無響室及び半無響室における精密測定方法

JIS Z 8732:2021 規格概要

この規格 Z8732は、自由音場の条件を満たす無響室又は半自由音場の条件を満たす半無響室を用いて,機械類,装置類などの騒音源が発生する1/3オクターブバンドの周波数帯域ごと及びA特性周波数重み付けをした音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定方法について規定。

JISZ8732 規格全文情報

規格番号
JIS Z8732 
規格名称
音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―無響室及び半無響室における精密測定方法
規格名称英語訳
Acoustics -- Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using sound pressure -- Precision methods for anechoic rooms and hemi-anechoic rooms
制定年月日
1986年2月1日
最新改正日
2021年3月22日
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対応国際規格

ISO

ISO 3745:2012(MOD), ISO 3745:2012/AMENDMENT 1:2017(MOD)
国際規格分類

ICS

17.140.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1986-02-01 制定日, 1991-06-01 確認日, 2000-05-20 改正日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認日, 2021-03-22 改正
                                                                                   Z 8732 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 基準気象条件・・・・[7]
  •  5 試験室・・・・[8]
  •  5.1 試験室の適性に関する音響的基準・・・・[8]
  •  5.2 暗騒音に関する基準・・・・[8]
  •  5.3 気温に関する基準・・・・[8]
  •  6 測定装置・・・・[8]
  •  6.1 音響測定のための測定器・・・・[8]
  •  6.2 気象観測のための測定器・・・・[9]
  •  7 測定対象騒音源の特定,配置,設置及び作動・・・・[9]
  •  7.1 一般事項・・・・[9]
  •  7.2 補助装置・・・・[9]
  •  7.3 騒音源の配置・・・・[10]
  •  7.4 騒音源の据付け・・・・[10]
  •  7.5 測定中の騒音源の作動・・・・[10]
  •  8 測定面・・・・[11]
  •  8.1 無響室における球測定面・・・・[11]
  •  8.2 半無響室における半球測定面・・・・[11]
  •  9 音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの算出・・・・[12]
  •  9.1 試験室内における測定・・・・[12]
  •  9.2 気象条件の測定・・・・[12]
  •  9.3 マイクロホン位置・・・・[12]
  •  9.4 定常騒音又は非定常騒音を放射する騒音源の音響パワーレベルの算出・・・・[14]
  •  9.5 単発性の騒音を放射する騒音源の音響エネルギーレベルの算出・・・・[17]
  •  9.6 指向性指数の計算・・・・[19]
  •  9.7 面上音圧レベル不均一指数の計算・・・・[19]
  •  9.8 周波数重み付きの音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの計算・・・・[19]
  •  10 測定不確かさ・・・・[20]
  •  10.1 評価の方法・・・・[20]
10.2 σomcの算定 20
10.3 σR0の算定 21
10.4 σR0の代表的な上限値 22

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Z 8732 : 2021

pdf 目次

ページ

10.5 全標準偏差σtot及び拡張測定不確かさU 23
  •  11 記録事項・・・・[23]
  •  11.1 一般事項・・・・[23]
  •  11.2 測定対象騒音源・・・・[23]
  •  11.3 試験室・・・・[23]
  •  11.4 測定器・・・・[23]
  •  11.5 音響データ・・・・[23]
  •  12 試験報告書・・・・[24]
  •  附属書A(規定)無響室及び半無響室の適性評価の一般的方法・・・・[25]
  •  附属書B(規定)特定の騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベル測定用試験室の適性試験方法・・・・[29]
  •  附属書C(規定)1/3オクターブバンドレベルからA特性音響パワーレベル及びA特性音響エネルギーレベルを計算する方法・・・・[31]
  •  附属書D(規定)自由音場における球測定面上のマイクロホン位置の配列・・・・[33]
  •  附属書E(規定)半自由音場における半球測定面上のマイクロホン位置の配列・・・・[35]
  •  附属書F(規定)半自由音場における半球測定面上のマイクロホンの同心円トラバース経路・・・・[40]
  •  附属書G(規定)半自由音場における半球測定面上のマイクロホンの子午線トラバース経路・・・・[41]
  •  附属書H(規定)半自由音場における半球測定面上のマイクロホンのらせんトラバース経路・・・・[43]
  •  附属書I(参考)測定不確かさに関する情報の開発のための手引・・・・[44]
  •  附属書JA(規定)自由音場特性の試験及びそれに用いる音源の指向特性の測定・・・・[53]
  •  附属書JB(参考)ISO 3745:2012における試験室の暗騒音に関する記載・・・・[58]
  •  附属書JC(参考)自由音場における音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定の原理並びに気象補正・・・・[62]
  •  参考文献・・・・[65]
  •  附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[68]

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                                                                                   Z 8732 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本音響学会(ASJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を
改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で
ある。これによって,JIS Z 8732:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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                                       日本産業規格                             JIS
                                                                              Z 8732 : 2021

音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定−無響室及び半無響室における精密測定方法

Acoustics-Determination of sound power levels andsound energy levels of noise sources using sound pressure-Precision methods for anechoic rooms and hemi-anechoic rooms

序文

  この規格は, 2012年に第3版として発行されたISO 3745及びAmendment 1:2017を基とし,技術的内
容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。
  音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルを測定する際の測定対象騒音源の設置条件,負荷条件及び
作動条件に関する要求事項並びにこの規格で規定している測定面及びマイクロホン配列のうちのいずれを
選択するかは,個別の機械・装置類の騒音試験規準で規定する。
  この規格で規定する音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定では,一定の音響的条件を満た
した無響室又は半無響室に測定対象騒音源を設置する。測定の原理としては,騒音源が放射する音響パワ
ー又は音響エネルギーは,騒音源を取り囲む測定面上の音圧の2乗の時間平均値又は時間積分値に比例す
ることに基づいている。これらの音圧に関する量は,測定時の気象条件に依存する。
  この規格で規定する方法によれば,機械・装置類の周波数帯域ごと及び/又はA特性周波数重み付けを
した音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルを,ISO 12001に規定するグレード1(精密級)の精度で
測定することが可能である。測定結果は,測定時の気象条件における値をこの規格で規定する基準気象条
件における値に換算して表示する。測定対象騒音源の作動条件の不確かさが大きい場合,又は精密級の測
定精度が要求されない場合には,実用的な方法を規定したISO 3744[6]又はISO 3746[7]によってもよい。
測定不確かさについては,評価の方法を附属書Iに示す。

1 適用範囲

  この規格は,自由音場の条件を満たす無響室又は半自由音場の条件を満たす半無響室を用いて,機械類,
装置類などの騒音源が発生する1/3オクターブバンドの周波数帯域ごと及びA特性周波数重み付けをした
音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定方法について規定する。
  この規格に規定する方法は,ISO 12001:1996に規定されている全ての騒音の種類(定常性,非定常性,
変動性,単発性など)に適用可能である。
  この規格による測定の対象とする周波数範囲は,一般的な測定では中心周波数が100 Hzから10 000 Hz

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Z 8732 : 2021
までの1/3オクターブバンドの範囲である(3.11参照)。
    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          ISO 3745:2012,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise
              sources using sound pressure−Precision methods for anechoic rooms and hemi-anechoic rooms及
              びAmendment 1:2017(MOD)
            なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
          ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS C 1508 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
      注記 対応国際規格 : IEC 61183,Electroacoustics−Random-incidence and diffuse-field calibration of
             sound level meters
    JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部 : 仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications
    JIS C 1513-1 電気音響−オクターブバンド及び1/Nオクターブバンドフィルタ(分析器)−第1部 : 
        仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61260-1,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters−
             Part 1: Specifications
    JIS C 1515 電気音響−音響校正器
      注記 対応国際規格 : IEC 60942,Electroacoustics−Sound calibrators
    JIS Z 8402(規格群) 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)
      注記 対応国際規格 : ISO 5725 (all parts),Accuracy (trueness and precision)   f measurement methods and
             results
    JIS Z 8738:1999 屋外の音の伝搬における空気吸収の計算
      注記 対応国際規格 : ISO 9613-1:1993,Acoustics−Attenuation of sound during propagation outdoors
             −Part 1: Calculation of the absorption of sound by the atmosphere
    ISO 12001:1996,Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Rules for the drafting and
        presentation of a noise test code
    ISO 26101:2017,Acoustics−Test methods for the qualification of free-field environments
    ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
        measurement (GUM:1995)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
音圧,p(sound pressure)
  瞬時圧力と静圧との差。

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    注記1 音圧は,パスカル(Pa)で表す。
    注記2 この定義は,JIS Z 8000-8:2014(対応国際規格 : ISO 80000-8:2007[21])の8-9.2と技術的に
            一致している。
3.2
音圧レベル,Lp(sound pressure level)
  音圧の実効値peffの2乗を,基準音圧p0の2乗で除した値の常用対数を10倍した値。
                                     2
                                   peff
                         Lp  10log10 2
                                         (1)
                                    p0
                      ここに,   peff :  音圧pの実効値(Pa)
                                  p0 :  基準音圧(20 μPa)
    注記1 音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性及び時間重み付け特性又は特定の周波数帯
            域に適用する場合には,適切な添字を付ける。例えば,A特性音圧レベルを表す場合には,
            LpAと表記する。
3.3
時間平均音圧レベル,Lp,T(time-averaged sound pressure level)
  ある一定時間T(t1に始まり,t2で終わる)の音圧pの2乗の時間平均値を,基準音圧p0の2乗で除し
た値の常用対数を10倍した値。
                                     1  t2
                                           2
                                            ()   d
                                          ptt
                         LpT  10log10T  t1
                                                   (2)
                           ,               2
                                         p0
                      ここに,    p0 :  基準音圧(20 μPa)
    注記1 時間平均音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 時間平均音圧レベルは,必ずある測定時間長にわたって測定するので,添字Tは省略するこ
            とが多い。
    注記3 時間平均音圧レベルは,しばしばA特性周波数重み付けがされ,その場合の記号としてLpA,T
            が用いられる。
    注記4 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.3と技術的に一致している。時間平均音圧レベルは,
            デシベル(dB)で表す。
3.4
時間積分音圧レベル,LE,T(time-integrated sound pressure level)
  ある一定時間T(t1に始まり,t2で終わる)の音圧pの2乗の時間積分値を,基準値E0で除した値の常
用対数を10倍した値。
                                      t2
                                         2
                                          ()   d
                                        ptt
                                      t1
                         LET
                           ,  10log10            (3)
                                        E0
                      ここに,   E0 :  (20 μPa)2 s=4×10−10 Pa2s
    注記1 時間積分音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。

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Z 8732 : 2021
    注記2 この量は,Lp,T+10log10(T/T0)(ただし,T0=1 s)で表される。
    注記3 この量を,音の暴露(ISO 11690-1[19]参照)の測定に用いる場合には,“音圧暴露レベル(sound
            exposure level)”と呼ばれている(ISO/TR 25417:2007[20]の2.7参照)。
3.5
測定時間,T(measurement time interval)
  時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルを算出するための,測定対象騒音源の作動時間又は作動周
期の一部又は何倍かの時間。
    注記 測定時間は,秒(s)で表す。
3.6
自由音場(free sound field)
  境界がなく,均質で等方性の媒質で満たされた音場。
    注記1 対象とする周波数範囲で,室境界及び他の障害物からの反射が無視できる音場は,自由音場
            とみなせる。
    注記2 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.17によっている。
3.7
無響室(anechoic room),無響試験室(anechoic test room),自由音場試験室(free-field test room)
  自由音場の条件が成り立つ試験室。
3.8
反射面上の自由音場(free sound field over a reflecting plane)
  無限大の面積の反射面の上で,障害物がなく,自由音場の条件が成り立つ半空間。
    注記 反射面上の自由音場は,半自由音場ともいう。
3.9
反射面(reflecting plane)
  測定対象騒音源を載せる音響的に反射性で平たんな面。
3.10
半無響室(hemi-anechoic room),半無響試験室(hemi-anechoic test room),半自由音場試験室(hemi-free-field
test room)
  半自由音場の条件が成り立つ試験室。
3.11
対象周波数範囲(frequency range of interest)
  一般には,1/3オクターブバンド中心周波数が100 Hzから10 000 Hzまでの周波数範囲。
    注記 測定環境及び測定機器がこの規格の要求事項を満たした上で,対象周波数範囲を拡張又は縮小
          することもある。A特性音響パワーレベル又はA特性音響エネルギーレベルが極端に高い又は
          低い周波数で決まるような場合には,それらの周波数を含むように周波数範囲を拡張して測定
          が行われる。
3.12
測定半径,r(measurement radius)
  球又は半球の測定面の半径。
    注記 測定半径は,メートル(m)で表す。

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                                                                                   Z 8732 : 2021
3.13
測定面(measurement surface)
  時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルを測定するマイクロホンの位置が決められた測定対象騒音
源を取り囲む面積Sの仮想面。
    注記1 測定面の面積は,平方メートル(m2)で表す。
    注記2 半無響室では,測定対象騒音源が置かれている反射面が境界となる。
3.14
特性音源寸法,d0(characteristic source dimension)
  座標系の原点から基準箱の最も遠い隅までの距離(図1参照)。
    注記1 特性音源寸法は,メートル(m)で表す。
    注記2 基準箱とは,騒音源の音を放射する全ての部分及び騒音源を搭載するための試験台を取り囲
            む仮想的な直方体をいう。半無響室の測定では,反射面が基準箱を構成する一つの面となる。
3.15
暗騒音(background noise)
  測定対象騒音源以外の全ての音源からの騒音。
    注記 暗騒音には,空気伝搬音,固体伝搬振動による放射音,及び測定装置内部の電気的ノイズも含
          まれる。
3.16
暗騒音補正値,K1(background noise correction)
  暗騒音の影響を考慮するために,測定対象騒音源について測定した時間平均音圧レベル又は時間積分音
圧レベルを補正する値。
    注記1 暗騒音補正値は,デシベル(dB)で表す。
    注記2 暗騒音補正値は,周波数に依存する。一つの周波数帯域の暗騒音補正値を,K1fと表す。ただ
            し,fは周波数帯域の中心周波数。A特性周波数重み付けをする場合には,K1Aと表記する。
3.17
                                 time-averaged sound pressure level)
面上時間平均音圧レベル,L(surface
                         p
  測定面上の全てのマイクロホン位置又はトラバース経路における暗騒音補正をした時間平均音圧レベル
のエネルギー平均値。
                                    NM
                                         0.1Lpi (ST)
                                       10
                                    i 1
                         Lp  10log10              (4)
                                        NM
                      ここに,    Lpi(ST) :  測定対象騒音源が作動している間の,測定面上のi番目の
                                           マイクロホン位置又はトラバース経路における暗騒音補
                                           正をした時間平均音圧レベル(dB)
                                    NM :  マイクロホン位置又はトラバース経路の数
    注記 面上時間平均音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
3.18
                        L(surface time-integrated sound pressure level)
面上時間積分音圧レベル,E,T
  測定面上の全てのマイクロホン位置における暗騒音補正をした時間積分音圧レベルのエネルギー平均値。

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                                      NM
                                          0.1LETi
                                             ,,(ST)
                                        10
                                      i 1
                         LET
                           ,  10log10              (5)
                                          NM
                      ここに, LE,T,i (ST) :  測定対象騒音源が作動している間の,測定面上のi番目の
                                          マイクロホン位置における暗騒音補正をした時間積分音
                                          圧レベル(dB)
                                    NM :  マイクロホン位置の数
    注記 面上時間積分音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
3.19
音響パワー,P(sound power)
  ある面上の1点における音圧pと粒子速度のその面に直交する成分unとの積の時間平均値を,その面全
体にわたって積分した量。
    注記1 音響パワーは,ワット(W)で表す。
    注記2 この量は,ある面を通して音源が空気中に放射する音響エネルギー(J)の時間率(J/s)に相
            当する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.8と技術的に一致している。
    注記4 積分面を音源を取り囲む閉曲面全体とした場合,この量を音源の音響パワーという。
3.20
音響パワーレベル,LW(sound power level)
  音響パワーPを,基準音響パワーP0で除した値の常用対数を10倍した値。
                                   P
                         LW  10log10   (6)
                                   P0
                      ここに,   P0 :  基準音響パワー(1 pW)
    注記1 音響パワーレベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性又は特定の周波数帯域を適用する場合には,
            適切な添字を付ける。例えば,A特性音響パワーレベルを表す場合には,LWAと表記する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.9と技術的に一致している。
    注記4 音源の音響パワーを式(6)で表した値を,音源の音響パワーレベルという。
3.21
音響エネルギー,J(sound energy)
  ある一定の時間T(t1に始まり,t2で終わる)にわたって音響パワーの瞬時値P(t)を積分した量。
                             t2
                         J     ()   d
                              Ptt    (7)
                             t1
    注記1 音響エネルギーは,ジュール(J)で表す。
    注記2 この量は,非定常で過渡的な音響現象に用いる。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.10によっている。
    注記4 音源を取り囲む閉曲面全体についてこの量を積分した場合,音源の音響エネルギーという。
3.22
音響エネルギーレベル,LJ(sound energy level)
  音響エネルギーJを,基準音響エネルギーJ0で除した値の常用対数を10倍した値。

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                                                                                   Z 8732 : 2021
                                   J
                         LJ  10log10    (8)
                                   J0
                      ここに,    J0 :  基準音響エネルギー(1 pJ)
    注記1 音響エネルギーレベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性又は特定の周波数帯域を適用する場合には,
            適切な添字を付ける。例えば,A特性音響エネルギーレベルを表す場合には,LJAと表記する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[20]の2.11によっている。
    注記4 音源の音響エネルギーを式(8)で表した値を,音源の音響エネルギーレベルという。
3.23
指向性指数,DIi(directivity index)
  測定対象騒音源が測定面上のi番目のマイクロホンの方向に放射する音の音圧レベルと測定面全体に放
射する音の音圧レベルの平均値との差。
                         DIi  Lpi Lp  (9)
                      ここに,   Lpi :  測定対象騒音源が作動している間の,測定面上のi番目のマイ
                                       クロホン位置における暗騒音補正をした時間平均音圧レベル
                                       又は時間積分音圧レベル(dB)
                                 L : 
                                  p 面上時間平均音圧レベル又は面上時間積分音圧レベル(dB)
    注記 指向性指数は,デシベル(dB)で表す。
3.24
面上音圧レベル不均一指数,VI(surface sound pressure level non-uniformity index)
  測定面上で測定される音圧レベルのばらつきの程度を示す指数。
                                     NM
                                 1               2
                        VI              (Lpi Lpav ) (10)
                              (NM  1)   i 1
                      ここに,   Lpi :  測定対象騒音源が作動している間の,測定面上のi番目のマイ
                                       クロホン位置における暗騒音補正をした時間平均音圧レベル
                                       又は時間積分音圧レベル(dB)
                                Lpav :  測定面上の全てのマイクロホン位置における暗騒音補正をし
                                       た時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルの算術平均値
                                       (dB)
                                NM :  マイクロホン位置の数
    注記1 面上音圧レベル不均一指数は,デシベル(dB)で表す。
    注記2 特定の測定半径でVIを求める場合には,VIrと表記する。

4 基準気象条件

  音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルを求める際の基準気象条件は,次のとおりで,この状態に
おける空気の特性音響インピーダンスρc(ただし,ρは空気の密度,cは音速)は,411.5 N s/m3である。
a) 気温 : 23.0 ℃
b) 静圧 : 101.325 kPa
c) 相対湿度 : 50 %

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5 試験室

5.1 試験室の適性に関する音響的基準

  この規格によって測定を行うための無響室又は半無響室は,次の条件のいずれかを満たす必要がある。
a) 一般的な目的のための測定では,対象周波数範囲全体にわたって附属書Aに規定する条件。
b) 特定の騒音源の音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルを測定する場合には,対象周波数範囲全
    体にわたって附属書Bに規定する条件。
  附属書A,附属書JA及び附属書Bでは,理想的な自由音場又は半自由音場の条件からの偏差の程度を
評価する手順を規定し,試験室の適性を評価するための基準を示す。
  A特性音圧レベルが,3.11に規定した対象周波数範囲外の高い又は低い周波数帯域の成分で決まってい
る騒音源については,それらの周波数帯域を含むように周波数範囲を広げなければならない。また,その
旨を,試験報告書に記載する。

5.2 暗騒音に関する基準

  対象周波数範囲(3.11参照)の1/3オクターブバンドごとに,測定面上の固定マイクロホン又はマイク
ロホントラバースで測定対象騒音源が作動している間に測定した時間平均音圧レベルと暗騒音の時間平均
音圧レベルとの差ΔLpが20 dB以上の場合は,暗騒音の影響は無視することが可能である。
  ΔLpが20 dBより小さい場合は,9.4.2によって暗騒音の補正を行う(図2参照)。
  単発性の騒音の時間積分音圧レベルについても,同じ規定を適用する。その場合,暗騒音の時間積分音
圧レベルは,単発性の騒音の測定時間と同じ時間にわたって測定する(9.5.1参照)。暗騒音の補正は,9.5.2
による。
  A特性周波数重み付けによる測定にも,この規定を適用する。
  マイクロホントラバースによる測定では,それによって発生する騒音が暗騒音となるので,トラバース
装置を作動しながら暗騒音を測定する。
  なお,ISO 3745:2012における試験室の暗騒音に関する規定を,附属書JBに参考として示す。この附属
書によった場合には,その旨を試験報告書(箇条12参照)に記載する。

5.3 気温に関する基準

  試験室内の気温は,15 ℃30 ℃の間でなければならない。
    注記 箇条9に示す音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの計算式には,多種類の騒音源を対
          象とするために,多様な音響発生機構(モノポール,ダイポール,四極子など)を包含するた
          めの近似による係数が含まれており,計算結果の偏差を0.2 dB以下に保つために,気温の範囲
          を限定している。

6 測定装置

6.1 音響測定のための測定器

6.1.1  一般事項
  音圧レベルの測定に用いる機器は,マイクロホン,ケーブル,ウインドスクリーン,録音装置及びその
他の附属品を用いる場合には,それらを含めてJIS C 1509-1のクラス1の要求事項に適合するものを用い
る。周波数分析に用いる機器は,JIS C 1513-1のクラス1の要求事項に適合するものを用いる。
  マイクロホンは,その基準方向(JIS C 1509-1に規定)が測定面に垂直になるように設置する。
6.1.2  校正
  測定に先立って,JIS C 1515のクラス1の要求事項に適合する音響校正器を用いて,一つ又はそれ以上

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                                                                                   Z 8732 : 2021
の周波数で音圧レベルの測定システム全体の感度を校正する。測定の後にも感度を点検し,調整をしない
で読み値の変化が0.3 dB以下であることを確認する。読み値の変化がこの値を超えている場合には,測定
データは破棄する。
6.1.3  検証
  音圧レベルの測定器,周波数分析機器,フィルタ及び音響校正器の要求事項に対する適合性は,有効な
適合証明書によって検証する。必要な場合,マイクロホンのランダム入射応答は,JIS C 1508の規定によ
って検証する。全ての適合性試験は,関連する試験及び校正の実施を認定されているか,又は国の認可を
受けた機関で,かつ,適切な測定標準に対して計量的なトレーサビリティを保証することができる機関に
よって実施する。
  国が別の規定をしていない限り,音響校正器は1年を超えない期間で校正することを推奨する。また,
測定システムのJIS C 1509-1の要求事項に対する適合性,及び周波数分析器のJIS C 1513-1の要求事項に
対する適合性は,2年を超えない期間で検証することが望ましい。

6.2 気象観測のための測定器

6.2.1  一般事項
  気象条件に関する測定器の最大許容誤差は,次のとおりとする。
a) 温度の測定器 : ±1 ℃
b) 相対湿度の測定器 : ±10 %
c) 静圧の測定器 : ±2 kPa
6.2.2  検証
  気象条件を測定するために用いる測定器に関しては,測定量が規定の範囲内であることを,製造業者の
仕様によって検証する。
  気象条件のいずれかの測定量が測定結果に直接影響を及ぼす場合には,測定器の要求事項に対する適合
性は,関連する校正の実施を認定されているか,又は国の認可を受けている機関で,かつ,適切な測定標
準に対して計量的なトレーサビリティを保証することができる機関が発行する有効な校正証明書によって
検証する。

7 測定対象騒音源の特定,配置,設置及び作動

7.1 一般事項

  測定対象騒音源の設置及び作動の仕方は,騒音源からの音響パワー又は音響エネルギーの放射に大きな
影響を与える可能性がある。この箇条では,測定対象騒音源の設置及び作動条件による騒音の放射の変化
を最小限にするための条件を規定する。測定対象騒音源が属する機械類及び装置類について騒音試験規程
がある場合には,それによる。測定対象騒音源の音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定では,
設置,据付け及び作動条件は,同一とする。
  特に,機械が大型の場合には,どの構成部品,組立部品,補助装置,駆動源などの組合せが測定対象の
騒音源に入るかを決める必要がある。

7.2 補助装置

  測定対象騒音源に接続された電気配線,配管,空気ダクトなどが,試験室内に大きな音を出していない
ことを確認する。
  可能な場合には,測定対象騒音源の作動に必要な全ての補助装置で本体の一部でないものは,試験室の
外に置く。それが不可能な場合には,それらから試験室内に放射する音を最小限にするように注意を払う。

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取り外すことが不可能,又は発生音を小さくすることが不可能な補助装置などがあれば,それらも含めて
測定対象騒音源とする。

7.3 騒音源の配置

  騒音源を試験室内に設置する場合,測定面が箇条8の要求事項に適合する形で騒音源を取り囲むことが
できるように,騒音源の周囲に十分な空間を取ることが重要である。
  設置条件の詳細は,この規格の一般的要求事項によるが,関連する騒音試験規程に具体的な要求事項が
規定されている場合には,それによる。

7.4 騒音源の据付け

7.4.1  一般事項
  多くの場合,測定対象騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,騒音源の支持又は据付け条
件によって変化する。騒音源の据付け条件が決まっている場合には,それに従うか,又はそれに近い条件
とする。
  騒音試験規程に特に指定がない限り,騒音源となる機器の製造業者が指定又は推奨する据付け条件に従
う。特に据付け条件が指定されていない場合,指定されていても測定では不可能な場合,又は多様な据付
け方がある場合には,据付け方によって騒音源からの音の放射が変化しないように注意する。騒音源を載
せる構造物からの音の放射が少なくなるように注意する。
  寸法が小さな騒音源では,それ自体からの低周波数の音の放射が小さくても,据付け方によっては騒音
源からの振動が大きな面に伝わって,音の放射が大きくなる場合もある。支持面への振動の伝達を防ぐと
ともに,支持面から騒音源に対する反動を防ぐために,可能ならば測定対象騒音源を弾性支持する。その
場合,据え付けるベースが振動して音を放射しないように,硬くて十分に大きな機械インピーダンスをも
っている必要がある。ただし,このような弾性支持は,測定対象騒音源が実際に弾性支持して用いられる
場合に限る。
  主要な駆動部分とそれによって作動する機械との結合条件が,測定対象騒音源からの音の放射に大きな
影響を与えることもある。
7.4.2  手持ち形の機械及び装置
  手持ち形の騒音源は,手で持って測定するか,何かで支持するとしてもそれに振動が伝わって音が放射
されないように注意する。騒音源を作動するために何らかの支持が必要な場合には,支持器具は,測定対
象騒音源の一部とみなせるようになるべく小さくし,騒音試験規程がある場合には,その条件に合わせる。
7.4.3  床置き形,壁付け形及び卓上形の機械及び装置
  床置き形,壁付け形及び卓上形の機械及び装置は,反射性(音響的に剛)の面(床又は壁)に設置する。
床置き形で壁に面して設置する機械・装置類は,音響的に剛な壁に面して音響的に剛な面上に設置する。
卓上形の機械・装置類は,騒音試験規程でテーブル又はスタンドへ設置することが規定されていない限り,
試験室の壁から少なくとも1.5 m以上離れた床上に設置する。テーブル又はスタンドは,試験室の吸音性
の面から少なくとも1.5 m離して置く。この種の機械・装置類は,標準試験卓の面上の中心に置く。
    注記 標準試験卓の一例が,JIS Z 8737-1(対応国際規格 : ISO 11201[18])に示されている。

7.5 測定中の騒音源の作動

  固定されたものでも動くものでも,騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,負荷,運転速
度及び運転条件によって変化する。可能な限り,騒音源は再現性が保たれ,代表的な使用条件で最も騒音
が大きい状態で測定する。騒音試験規程がある場合には,それによるが,それがない場合には,次のa)
g) の運転モードのうち,一つ又はそれ以上を選んで,測定を行う。

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                                                                                   Z 8732 : 2021
a) 騒音源に特定の負荷と条件を与えた場合。
b) 騒音源に最大負荷を与えた場合[a) の条件と異なる場合]。
c) 騒音源に負荷をかけない場合(アイドリングの状態)。
d) 騒音源を決められた条件内で最高の運転速度にした場合。
e) 騒音源を通常の使用状態で発生音が最大になるように作動した場合。
f)  騒音源に決められた条件内で模擬的な負荷をかけた場合。
g) 騒音源を決められた条件内で特定のサイクルで作動した場合。
  音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定の前に,安定した温度の条件で駆動源及び伝達系を
動かし,騒音源を適正な作動条件に安定させておく。負荷,速度及び運転条件のいずれも,測定中は一定
に保つ,又は定められた作動サイクルに従って変化させる。
  加工する材料の種類及び切断道具の設計などの二次的な条件によって,音響パワー又は音響エネルギー
の放射が変化する場合には,その変化をなるべく小さくし,通常の使用条件を代表するように,これらの
条件を実際的な範囲で調整する。模擬的な負荷の条件とする場合には,測定対象騒音源の音響パワーレベ
ル又は音響エネルギーレベルが通常の使用状態を代表するように,条件を設定する。

8 測定面

8.1 無響室における球測定面

  球測定面は,その中心を測定対象騒音源の音響中心に一致させる。その場合,真の音響中心が分かって
いる場合はその点とし,それが分からなければ,騒音源の幾何学的な中心のような仮想的な音響中心とす
る。測定半径r(m)は,次の全ての条件を満たさなければならない。
a)   ≧2d0,ただし,d0は,測定対象騒音源の特性音源寸法(m)(3.14及び図1参照)
b)   ≧λ/4,ただし,λは,測定対象の最低周波数の音の波長(m)
c)   ≧1 m
  測定面は,附属書A又は附属書Bの規定を満たした無響室の中に全体が入るように設定する。
  寸法が小さく,発生音も小さい騒音源で,対象周波数範囲が限られている場合には,測定半径が1 m未
満になることもあるが,0.5 m未満にはしない。ただし,a) 及びb) の条件から,測定半径を1 m未満に
すると,測定が可能な周波数に限界が生じる。
  球測定面の全面積は,S1=4πr2(m2)である(9.4.4.1及び9.5.4.1参照)。

8.2 半無響室における半球測定面

  半球測定面は,その中心が試験室の床面上で測定対象騒音源の仮想的な音響中心の直下の点になるよう
に設定する。音響中心は,真の音響中心が分かっている場合はその点とし,それが分からなければ,騒音
源の幾何学的な中心とする。測定半径r(m)は,次の全ての条件を満たさなければならない。
a)   ≧2d0又はr≧3h0のうちで,大きい方とする。ただし,d0は測定対象騒音源の特性音源寸法(m)(3.14
    及び図1参照),h0は床から騒音源の音響中心までの高さ(m)。
b)   ≧λ/4,ただし,λは測定対象の最低周波数の音の波長(m)。
c)   ≧1 m
  測定面は,附属書A又は附属書Bの規定を満たした半無響室の中に全体が入るように設定する。
  寸法が小さく,発生音も小さい騒音源で,測定周波数範囲が限られている場合には,測定半径が1 m未
満になることもあるが,0.5 m未満にはしない。ただし,a) 及びb) の条件から,測定半径を1 m未満に
すると,測定が可能な周波数に限界が生じる。

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  半球測定面の全面積は,S2=2πr2(m2)である(9.4.4.2及び9.5.4.2参照)。
                                                  2      2      2
                              a) 無響室 :  d0  l1
                                              (/2)   l2
                                                     (/2)   l3
                                                            (/2)
                                                     2      2  2
                               b) 半無響室 :  d0 l1
                                                (/2)   (l2 /2)   l3
                    図1−無響室及び半無響室内に設定する基準箱,測定面の中心
                     (騒音源の幾何学的中心とした場合)及び特性音源寸法 : d0

9 音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの算出

9.1 試験室内における測定

  無響室及び半無響室における測定の両方について,測定の手順が決められている。これらの試験室が附
属書A又は附属書Bの規定(5.1参照)を満たしていれば,これらの手順を適用してよい。
  A特性音圧レベルが3.11に規定した対象周波数範囲外の高い又は低い周波数帯域の成分で決まっている
騒音源を対象とする場合には,対象周波数範囲を広げて,それらの周波数帯域を含めてA特性音響パワー
レベルLWA又はA特性音響エネルギーレベルLJAを算出し,その旨を試験報告書に記載する。

9.2 気象条件の測定

  測定時には,騒音源の周囲の気象条件(気温,静圧及び相対湿度)を測定する。

9.3 マイクロホン位置

9.3.1  一般事項
  環境条件が,測定用マイクロホンに有害な影響を与えることがある。このような影響(例えば,測定対
象騒音源による強い電磁場,空気の排出による気流の衝突など)は,マイクロホンの適切な選択及び配置
によって避ける必要がある。
  球又は半球の測定面上の時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルを求めるために,次の4種類のマ
イクロホン配列のいずれか,又は9.3.7の規定を満たすように測定者が考えた配列を設定する。
a) 固定マイクロホンの配列で,位置は測定面上に分布させる(9.3.2及び9.3.3参照)。この方法による場
    合,一つのマイクロホンを順次移動させる方法によってもよいし,多くの固定マイクロホンを用いて,
    順次又は同時に測定する方法をとってもよい。
b) 一つのマイクロホンを,測定面上に等間隔に設定した多数の円経路に沿って移動する,又はマイクロ
    ホンを固定しておいて,騒音源を360°又はその倍数の角度にわたって回転する(9.3.4参照)。

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c) 一つのマイクロホンを,測定面上に均等に設定した多数の子午線の円弧に沿って移動する(9.3.5参照)。
d) 一つのマイクロホンを,測定面の垂直軸の周りでらせん状に移動する(9.3.6参照)。
9.3.2  無響室内の球測定面上の固定測定点
  附属書Dに示すマイクロホン位置で,120の番号を付けた20点のマイクロホン位置の配列を用いる。
一般に,対象周波数範囲全体にわたって,時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルの測定値の最大値
と最小値との差(dBでの数値)が,マイクロホン位置の数の1/2未満であれば,マイクロホン位置の数は
十分と考えてよい。附属書Dに示す120の番号の測定点で行った測定でこの条件を満たさない場合には,
更に附属書Dに示す2140の番号を付けた20点の配列を用いる。2種類の配列における20点又は40点
の位置は,附属書Dの球測定面を等面積に分割するように配列されている。
  二つの配列の合計40点の測定点をとってもマイクロホン位置の数に関する条件を満たさない場合には,
鋭い指向性による音圧の集中(ビーミング)が生じていると見られる球面の限定された部分の時間平均音
圧レベル又は時間積分音圧レベルについて,詳細な検討が必要である。このような詳細な検討は,対象周
波数範囲における時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルの最大値及び最小値を決めるために必要で
ある。このような手順を取る場合には,それぞれのマイクロホン位置が代表する測定面上の面積は等しく
なくなるので,それを考慮する必要がある(9.4.3.2参照)。
9.3.3  半無響室内の半球測定面上の固定測定点
  附属書Eに示すマイクロホン位置で,120の番号を付けた20点のマイクロホン位置の配列を用いる。
一般に,対象周波数範囲全体にわたって,時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルの測定値の最大値
と最小値との差(dBでの数値)がマイクロホン位置の数の1/2未満であれば,マイクロホン位置の数は十
分と考えてよい。附属書Eに示す120の番号の測定点で行った測定でこの条件を満たさない場合には,
更に附属書Eに示す2140の番号を付けた20点の配列を用いる。2種類の配列における20点又は40点
の位置は,附属書Eの半球測定面を等面積に分割するように配列されている。
  二つの配列の合計40点の測定点をとってもマイクロホン位置の数に関する条件を満たさない場合には,
鋭い指向性による音圧の集中(ビーミング)が生じていると見られる半球面の限定された部分の時間平均
音圧レベル又は時間積分音圧レベルについて詳細な検討が必要である。このような詳細な検討は,対象周
波数範囲における時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルの最大値及び最小値を決めるために必要で
ある。このような手順を取る場合には,それぞれのマイクロホン位置が代表する測定面上の面積は等しく
なくなるので,それを考慮する必要がある(9.4.3.2参照)。
9.3.4  半球面上の平行な同軸円経路(半無響室における測定)
  附属書Fに示すように,最少10本の円経路に沿ってマイクロホンを移動することによって,音圧レベ
ルの空間的・時間的な平均値を求める。それらの経路の高さは,表D.1に示す球測定面の上部の半球面上
のマイクロホン位置の高さとする。離散的な周波数の音を放射する騒音源については,音圧レベルは,表
E.1に示す高さの少なくとも20本の円経路に沿ってマイクロホンを移動させながら平均する必要がある。
  円経路上の移動は,マイクロホン又は騒音源のいずれかを均一な速度で360°回転することによって行
う。騒音源の回転にターンテーブルを用いる場合には,その上面はできるだけ反射面に近い高さとし,で
きれば反射面と同じ高さにすることが望ましい。同軸円経路上の音圧は,一つ又は複数のマイクロホンを
用いて同時又は順次に測定してもよい。
9.3.5  半球面上の子午線経路(半無響室における測定)
  附属書Gに示すように,一つのマイクロホンを,騒音源の中心を通る水平軸の周りの半円弧上で移動さ
せる(図G.1参照)。縦方向の速度(dz/dt)は一定,すなわち,マイクロホン支持具の角速度は,1/cos γ(γ

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は,水平面上の角度)に比例するように加速する。マイクロホン出力は,電気的に2乗平均して半球面の
面積の重み付けを行う。角速度を一定として,電気的にcos γに相当する重み付けをする方法もある(図
G.3参照)。
  騒音源の周りの方位角を一定の割合で大きくしながら,マイクロホンを最低8回トラバースする。騒音
源を回転する方法をとってもよい。
9.3.6  半球面上のらせん経路(半無響室における測定)
  一つのマイクロホンを,9.3.5と同様に1本の子午線の経路に沿って移動すると同時に,少なくとも5本
の整数の円経路に沿って移動することによって,測定面の縦軸の周りにらせん状の経路を作る。測定対象
騒音源を,一定の回転速度で少なくとも5回ゆっくり回転させ,その間に子午線経路に沿ってマイクロホ
ンを移動する方法をとってもよい。らせんトラバース経路の一例を,附属書Hに示す。角度の重み付けに
ついては,9.3.5と同様である。
9.3.7  その他のマイクロホンの設置方法
  音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定精度を向上させることができれば,その他のマイク
ロホン配列及び測定面を適用してもよい。その場合,対象周波数範囲全体にわたって,1/3オクターブバ
ンドごとの音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルと,9.3.29.3.6のいずれかで測定したレベルとの
偏差は,±0.5 dBを超えてはならない。
    注記 代替となる方法は,精度を向上させるためのものであって,単にマイクロホン位置の数を少な
          くしたり,9.3.29.3.6に示した方法を緩和するものではない。一つの代替的な方法として,円
          筒状の測定面でマイクロホンを配置する方法が参考文献[22]に示されている。

9.4 定常騒音又は非定常騒音を放射する騒音源の音響パワーレベルの算出

9.4.1  時間平均音圧レベルの測定
  測定対象騒音源が放射する音の時間平均音圧レベルL′pi(ST)(1/3オクターブバンド又はA特性周波数重み
付けをした値)を,マイクロホン位置ごとに,又はマイクロホンのトラバースごとに求める。ただし,i
はi=1, 2 ··· NMで,設定した作動モードごとに,騒音源が作動している間の代表的な時間について測定す
る(7.5参照)。時間平均音圧レベルがマイクロホン位置ごとに時間的に変化する場合には,測定時間を注
意深く設定し,その時間を試験報告書に記載する。中心周波数が160 Hz以下の1/3オクターブバンドにつ
いては,測定時間は30秒以上とする。中心周波数が200 Hz以上の周波数帯域については,10秒以上とす
る。マイクロホントラバースの方法による場合には,積算した測定時間は,整数回(2回以上)のトラバ
ースに要する時間とする。
  さらに,騒音源による時間平均音圧レベルの測定の直前又は直後に,暗騒音の時間平均音圧レベルLpi(B)
を,各マイクロホン位置において,又はマイクロホントラバースの間に,騒音源の時間平均音圧レベルの
測定と同じ時間にわたって測定する。
9.4.2  暗騒音の補正
  i番目のマイクロホン位置又はi番目のマイクロホントラバースで測定した測定対象騒音源が作動してい
る間の時間平均音圧レベルL    pi(ST)と暗騒音の時間平均音圧レベルLpi(B)との差ΔLpiから,a)   c) によって暗
騒音補正値K1i(dB)を1/3オクターブバンドごとに算定する(図2参照)。
a) ΔLpi≧20 dBの場合は,K1iは0 dBとする。
b) 10 dB≦ΔLpi<20 dBの場合は,式(11)によってK1iを計算する。
                                          ΔLpi /10
                         K1i  10log(110
                                   10          ) (11)

JIS Z 8732:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3745:2012(MOD)
  • ISO 3745:2012/AMENDMENT 1:2017(MOD)

JIS Z 8732:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8732:2021の関連規格と引用規格一覧