JIS Z 8739:2021 音響―音響パワーレベルの測定に使用する基準音源の性能及び校正に関する要求事項

JIS Z 8739:2021 規格概要

この規格 Z8739は、基準音源の音響性能を表す音響パワーレベルの時間定常性(安定度),スペクトル特性及び指向特性に関する要求事項について規定。

JISZ8739 規格全文情報

規格番号
JIS Z8739 
規格名称
音響―音響パワーレベルの測定に使用する基準音源の性能及び校正に関する要求事項
規格名称英語訳
Acoustics -- Requirements for the performance and calibration of reference sound sources used for the determination of sound power levels
制定年月日
2001年3月20日
最新改正日
2021年3月22日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 6926:2016(MOD)
国際規格分類

ICS

17.140.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2001-03-20 制定日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認日, 2021-03-22 改正
                                                                                   Z 8739 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 基準気象条件・・・・[5]
  •  5 性能に関する要求事項・・・・[5]
  •  5.1 一般事項・・・・[5]
  •  5.2 音響パワーレベルの時間定常性(安定度)・・・・[5]
  •  5.3 広帯域総音響パワーレベル・・・・[6]
  •  5.4 スペクトル特性・・・・[6]
  •  5.5 指向特性・・・・[6]
  •  5.6 再校正・・・・[6]
  •  6 測定装置・・・・[7]
  •  6.1 一般事項・・・・[7]
  •  6.2 半無響室で使用するマイクロホン・・・・[8]
  •  6.3 残響室で使用するマイクロホン・・・・[8]
  •  6.4 マイクロホンの周波数応答の補正・・・・[8]
  •  6.5 検証・・・・[8]
  •  6.6 感度校正・・・・[8]
  •  7 校正時の基準音源の設置及び作動・・・・[9]
  •  7.1 一般事項・・・・[9]
  •  7.2 半無響室における要求事項・・・・[9]
  •  7.3 残響室における要求事項・・・・[9]
  •  8 半無響室における校正の手順・・・・[9]
  •  8.1 試験環境・・・・[9]
  •  8.2 マイクロホン位置・・・・[9]
  •  8.3 測定・・・・[10]
  •  8.4 計算・・・・[11]
  •  9 残響室における校正の手順・・・・[12]
  •  9.1 試験環境・・・・[12]
  •  9.2 マイクロホン位置・・・・[12]
  •  9.3 測定・・・・[12]
  •  9.4 計算・・・・[12]
  •  10 低周波数における校正の代替方法・・・・[13]
  •  11 測定不確かさ・・・・[13]

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Z 8739 : 2021

pdf 目次

ページ

  •  11.1 一般事項・・・・[13]
  •  11.2 再現性に関する標準偏差の代表的な値・・・・[13]
  •  12 記録事項・・・・[14]
  •  13 報告事項・・・・[14]
  •  附属書A(参考)気象補正項C2の算出の指針・・・・[16]
  •  附属書B(規定)低周波数における校正の代替方法・・・・[17]
  •  参考文献・・・・[18]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[20]

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                                                                                   Z 8739 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本音響学会(ASJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を
改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で
ある。これによって,JIS Z 8739:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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                                       日本産業規格                             JIS
                                                                              Z 8739 : 2021

音響−音響パワーレベルの測定に使用する基準音源の性能及び校正に関する要求事項

Acoustics-Requirements for the performance and calibration of reference sound sources used for the determination of sound power levels

序文

  この規格は,2016年に第3版として発行されたISO 6926を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
  なお,側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
  基準音源は,“比較法”によって騒音源の音響パワーレベルを測定する際に用いられる。この方法では,
基準音源の音響パワーレベルと,測定対象騒音源による室内の平均音圧レベル及び基準音源による同一の
室内の平均音圧レベルとの差から,測定対象騒音源の音響パワーレベルを算出する(JIS Z 8734:2021の
9.1.6参照)。
    注記 “比較法”は,単発性の音を放射する騒音源の音響エネルギーレベルの測定にも適用すること
          が可能である(JIS Z 8734:2021の9.2.6参照)。
  この規格では,基準音源の主要な物理的及び性能上の特性を規定し,校正の手順を示す。
  この規格は,機械類及び装置類の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルを測定する種々の方法を
規定したISO 3740シリーズの規格を補うものである。この一連の規格では,種々の試験環境における音響
に関する要求事項を規定している。
  ISO 3740シリーズの中で,ISO 3741:2010(対応国内規格 : JIS Z 8734:2021),ISO 3743-1:2010,ISO
3744:2010,ISO 3746:2010及びISO 3747:2010の五つの規格で,基準音源の使用を規定している。ISO
3740:2019は,これらの一連の規格の使い方の指針を示している。
  基準音源の音響パワーは,音源と近傍の反射面との距離によって,特に低周波数域で変化する。したが
って,基準音源の音響パワーのデータは,校正時と同じ位置に置いたときに限り,正確な値である。
  基準音源は,“比較法”による音響パワーレベルの測定だけでなく,種々の音環境の検証試験及び騒音源
によって生じる音圧レベルに対する環境条件の影響の検討などにも利用することが可能である。このよう
な基準音源の使用を規定した規格の例としては,ISO/TR 11690-3[13]及びISO 14257[14]がある。

1 適用範囲

  この規格は,基準音源の音響性能を表す音響パワーレベルの時間定常性(安定度),スペクトル特性及び
指向特性に関する要求事項について規定する。
  この規格では,基準音源の1/3オクターブバンド,オクターブバンド及びA特性周波数重み付けをした
音響パワーレベルを,箇条4に規定する基準気象条件における値で表示することを規定し,その不確かさ

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Z 8739 : 2021
についても評価の方法を示す。
    注記1 この規格は,試験所における基準音源の校正方法を規定している。JIS Q 17025:2018(対応国
            際規格 : ISO/IEC 17025:2017[15])では,試験所及び校正機関について,それぞれに必要とさ
            れる適性の条件を規定している。
  この規格では,基準音源の音響パワーレベルを校正する方法として,半無響室を用いる方法と残響室を
用いる方法との二つの方法を規定する。これらの方法は,中心周波数が200 Hz以上の周波数帯域では,等
価であるが,それより低い周波数帯域では,系統的な差が生じる可能性がある(参考文献[20]参照)。
  半無響室を用いる方法については,音響インテンシティ測定法を適用して,中心周波数が50 Hz,63 Hz
及び80 Hzの1/3オクターブバンド又は中心周波数が63 Hzのオクターブバンドまで対象周波数範囲を拡
張する代替的な方法を示す(箇条10及び附属書B参照)。
    注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
            ISO 6926:2016,Acoustics−Requirements for the performance and calibration of reference sound
                sources used for the determination of sound power levels(MOD)
              なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
            ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS C 1508 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
      注記 対応国際規格 : IEC 61183,Electroacoustics−Random-incidence and diffuse-field calibration of
             sound level meters
    JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部 : 仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications
    JIS C 1509-3 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第3部 : 定期試験
      注記 対応国際規格 : IEC 61672-3,Electroacoustics−Sound level meters−Part 3: Periodic tests
    JIS C 1513-1 電気音響−オクターブバンド及び1/Nオクターブバンドフィルタ(分析器)−第1部 : 
        仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61260-1,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters−
             Part 1: Specifications
    JIS C 1515 電気音響−音響校正器
      注記 対応国際規格 : IEC 60942,Electroacoustics−Sound calibrators
    JIS Z 8732:2021 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定−
        無響室及び半無響室における精密測定方法
      注記 対応国際規格 : ISO 3745:2012,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy
             levels of noise sources using sound pressure−Precision methods for anechoic rooms and
             hemi-anechoic rooms及びAmendment 1:2017
    JIS Z 8734:2021 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定−
        残響室における精密測定方法

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                                                                                   Z 8739 : 2021
      注記 対応国際規格 : ISO 3741:2010,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy
             levels of noise sources using sound pressure−Precision methods for reverberation test rooms
    JIS Z 8736-3 音響−音響インテンシティ法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第3部 : ス
        キャニングによる精密測定
      注記 対応国際規格 : ISO 9614-3,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using
             sound intensity−Part 3: Precision method for measurement by scanning
    JIS Z 8738 屋外の音の伝搬における空気吸収の計算
      注記 対応国際規格 : ISO 9613-1,Acoustics−Attenuation of sound during propagation outdoors−Part 1:
             Calculation of the absorption of sound by the atmosphere
    ISO 3744:2010,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources
        using sound pressure−Engineering methods for an essentially free field over a reflecting plane
    IEC 61094-1,Measurement microphones−Part 1: Specifications for laboratory standard microphones
    IEC 61094-4,Measurement microphones−Part 4: Specifications for working standard microphones
    IEC 62585,Electroacoustics−Methods to determine corrections to obtain the free-field response of a sound
        level meter
    ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
        measurement (GUM:1995)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
基準音源(reference sound source)
  この規格の箇条5に規定する要求事項に適合する音源。
    注記 一般的には,電気音響又は空気力学的な原理で音を放射する騒音発生器で,広帯域の安定した
          出力をもつ可搬形の音源をいう。
3.2
反射面上の自由音場(free sound field over a reflecting plane)
  無限大の面積の反射面の上で,障害物がなく,自由音場の条件が成り立つ半空間。
    注記 反射面上の自由音場は,半自由音場ともいう。
3.3
半無響室(hemi-anechoic room)
  半自由音場の条件が成り立つ試験室。
3.4
残響室(reverberation test room)
  JIS Z 8734:2021の箇条5に規定されている要求事項に適合する試験室。
3.5
測定面(measurement surface)
  音圧レベルを測定するマイクロホンの位置が決められた測定対象騒音源を取り囲む面積Sの仮想面。
    注記1 測定面の面積は,平方メートル(m2)で表す。
    注記2 半無響室では,測定対象騒音源が置かれている反射面が境界となる。

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Z 8739 : 2021
3.6
                 (surface
面上音圧レベル, Lp      sound pressure level)
  測定面上の全てのマイクロホン位置又はトラバース経路における暗騒音補正をした音圧レベルのエネル
ギー平均値。
    注記1 面上音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 暗騒音補正の計算方法は,JIS Z 8732:2021の9.4.2に示されている。
3.7
音響パワーレベル,LW(sound power level)
  音響パワーPを,基準音響パワーP0で除した値の常用対数を10倍した値。
                                   P
                         LW  10log10   (1)
                                   P0
                      ここに,         P0 :  基準音響パワー(1 pW)
    注記1 音響パワーレベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性又は特定の周波数帯域を適用する場合には,
            適切な添字を付ける。例えば,A特性音響パワーレベルを表す場合には,LWAと表記する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[16]の2.9と技術的に一致している。
    注記4 音源の音響パワーを式(1)で表した値を,音源の音響パワーレベルという。
3.8
測定半径,r(measurement radius)
  半球の測定面の半径。
    注記 測定半径は,メートル(m)で表す。
3.9
指向性指数,DIi(directivity index)
  音源が測定面上のi番目のマイクロホンの方向に放射する音の音圧レベルと測定面全体に放射する音の
音圧レベルの平均値との差。
    注記1 指向性指数は,デシベル(dB)で表す。
    注記2 i方向への指向性指数は,半無響室における測定から,式(2)によって表される。
                         DIi Lpi Lp   (2)
                      ここに,        Lpi :  固定マイクロホンによる場合には,測定面上のi番目の
                                             マイクロホンにおける1/3オクターブバンドごとの音圧
                                             レベル(dB)。
                                              マイクロホントラバースによる場合には,測定面上の
                                             i番目のマイクロホントラバース(8.2参照)の間に測定
                                             した1/3オクターブバンドごとの最大音圧レベル(dB)。
                                      L : 
                                       p  面上音圧レベル(dB)(3.6参照)
3.10
対象周波数範囲(frequency range of interest)
  一般には,1/3オクターブバンド中心周波数が100 Hzから10 000 Hzまでの周波数範囲。
    注記 測定環境及び測定機器がこの規格の要求事項を満たした上で,対象周波数範囲を高周波数域で
          中心周波数が20 000 Hzの1/3オクターブバンドまで,低周波数域で中心周波数が50 Hzの1/3

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                                                                                   Z 8739 : 2021
          オクターブバンドまで拡張することもある。
3.11
比較法(comparison method)
  同一の室内に置いた測定対象音源による音圧レベルと音響パワーレベルが既知の基準音源による音圧レ
ベルとを比較することによって,測定対象音源の音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルを算出する
方法。
    注記1 比較法による測定対象騒音源の音響パワーレベルの算出方法は,JIS Z 8734:2021の9.1.6参
            照。
    注記2 比較法による測定対象騒音源の音響エネルギーレベルの算出方法は,JIS Z 8734:2021の9.2.6
            参照。
3.12
直接法(direct method)
  残響室を用いる方法で,残響時間の測定から求められる残響室の等価吸音面積(JIS Z 8734:2021の3.10
参照)を用いて,音源の音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルを算出する方法。
3.13
残響時間,T60(reverberation time)
  室内で音源を停止した後,音響エネルギー密度の空間平均値が10−6に,すなわち,60 dB減衰するのに
要する時間。
    注記 残響時間は,秒(s)で表す。
3.14
繰返し性条件(repeatability condition)
  同一の測定対象について,短期間のうちに,同じ試験室で,同じ測定者が,同じ装置を用いて,同じ方
法で,独立した試験結果を得る条件。
    注記 “繰返し性”に対して,測定の条件を変えて同一の測定対象量を測定した場合の測定結果の間
          の一致の程度を,“再現性”(reproducibility)という(ISO/IEC Guide 98-3参照)。

4 基準気象条件

  音響パワーレベルを算出するための基準気象条件は,空気の特性音響インピーダンスρc(ただし,ρは
空気の密度,cは音速)が411.5 Ns/m3となる次の条件とする。
a) 気温 : 23.0 ℃
b) 静圧 : 101.325 kPa
c) 相対湿度 : 50 %

5 性能に関する要求事項

5.1 一般事項

  この箇条に示す全ての要求事項を満たせば,製造業者は,基準音源がこの規格に適合しているとしてよ
い。

5.2 音響パワーレベルの時間定常性(安定度)

  基準音源の音響パワーレベルは,時間的に安定していなければならず,繰返し性条件で測定した標準偏
差σr(8.3.3及び9.3.2参照)が,表1に示す値を超えてはならない。

――――― [pdf 6] ―――――

Z 8739 : 2021
  表1−この規格に適合した基準音源の繰返し性条件における音響パワーレベルの標準偏差σrの最大値
                1/3オクターブバンド中心周波数 繰返し性条件における標準偏差σrの最大値
                            Hz                                dB
                          5080                                0.8
                         100160                               0.4
                        20020 000                             0.2
    注記1 この規格の要求事項に適合する基準音源では,対象周波数範囲内の1/3オクターブバンドの
            いずれの帯域においても,音響パワーレベルの変動が±0.3 dBに収まる電気的又は機械的パ
            ワー(例えば,電源電圧)の変動の範囲も示す。
    注記2 基準音源の音響パワーレベルは,静圧及び気温によって変化する(8.4及び9.4参照)。異な
            る気温及び標高で用いる基準音源については,基準音源が放射する音響パワーに対する気温
            及び静圧の影響について,補正の方法及びその不確かさの情報を示すことが求められる。空
            気力学的なファン形の基準音源では,回転速度及び気象条件の変化による変動が見られる。

5.3 広帯域総音響パワーレベル

  基準音源が放射する広帯域総音響パワーレベルについては,特別の要求事項はない。ただし,広帯域総
音響パワーレベルを報告する場合には,周波数重み付けをする又はしないのいずれの場合にも,対象とし
た周波数範囲を報告する。

5.4 スペクトル特性

  基準音源は,広帯域の安定した音を放射するものでなければならず,少なくとも,3.10に定義した対象
周波数範囲を含むものとする。この周波数範囲全体にわたって,箇条8又は箇条9に示す手順で算出した
1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルは,12 dBの範囲に入っていなければならない。
  対象周波数範囲で,各1/3オクターブバンドの音響パワーレベルと,その周波数帯域に隣接する高周波
数側及び低周波数側の周波数帯域(中心周波数が100 Hzの帯域については高周波数側だけ,また,中心周
波数が10 000 Hzの帯域については低周波数側だけ)の音響パワーレベルとの差は,3 dB以下でなければ
ならない。
  周波数帯域を対象周波数範囲を超えて拡張する場合には,周波数範囲全体についてのレベル差の許容範
囲を16 dB,隣接する周波数帯域とのレベル差の許容範囲を4 dBとする。
  周波数範囲を対象周波数範囲よりも狭くした特別の基準音源があってもよい。その場合にも,全ての周
波数帯域で1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルが12 dBの範囲に入る条件,及び隣接する周波
数帯域の音響パワーレベルとの差が3 dB以下という条件を満たす必要がある。ただし,このような基準音
源については,この規格で規定する対象周波数範囲に適合していると表示又は公表してはならない。

5.5 指向特性

  箇条8に規定する方法によって半無響室で測定した基準音源の指向性指数(dB)の最大値は,対象周波
数範囲の全ての1/3オクターブバンドで,6 dBを超えてはならない。
  残響室における測定だけに用いられる基準音源については,この指向性指数に関する要求事項に適合す
る必要はないが,その場合には,“残響室における測定用基準音源”と表示しなければならない。

5.6 再校正

5.6.1  基準音源が機械的な損傷を受けた場合には,必ず再校正をしなければならない。空気力学的な基準
音源については,回転ファンの回転速度(RPM)を測定する。数分間かけて安定させた状態のRPMの値

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                                                                                   Z 8739 : 2021
が,最近の校正時の値に比べて1 %以内の変化であれば,基準音源は電気的な損傷は受けていないと判断
される。
5.6.2  基準音源の取扱説明書では,基準音源の音響パワーレベルの変化が表1に示す値の2.83倍を超え
ることがないように,次の校正を行うまでの最長期間を製造業者の過去の校正の履歴に基づいて推奨する
ことを記載する。このような校正の間の期間を示すことは,この規格の一つの要求事項である。この期間
が取扱説明書に示されていない場合には,2年を超えない期間とする。
    注記 連続した二回の校正の値の差が,表1に示す標準偏差の2.83倍を超えていなければ,95 %の確
          率で,基準音源の時間定常性は,表1に示す値に適合している[JIS Z 8402-2(対応国際規格 : 
          ISO 5725-2[7])参照]。
5.6.3  基準音源の再校正が必要であるかどうかを決めるために,特定の環境の特定の位置で基準音源を作
動させて1/3オクターブバンド音圧レベルを,一つ又はそれ以上の基準点で定期的に測定し,時間定常性
を調べる。このような定期的な測定の期間の長さを,基準音源の取扱説明書に記載する。このような校正
の時期を示すことは,この規格の一つの要求事項である。この期間が取扱説明書に示されていない場合に
は,6か月を超えない期間とする。測定した音圧レベルを製造業者が指定する方法で一定の環境条件下の
値に換算した値で,連続して行った測定の1/3オクターブバンドのいずれかの帯域における変化が,表1
に示す値の2.83倍を超えている場合には,再校正をしなければならない。
  再校正が必要となった場合には,それ以前にその基準音源を用いて行った試験データの信頼性は低い。
この点から,試験所は点検の間の期間を短くするか,又は実施する試験の頻度に応じて,点検の間の期間
を調整してもよい。
5.6.4  管理された試験室内の固定位置で基準音源を使用している試験所では,JIS Z 8732:2021の附属書A
によって広帯域音の音響パワーレベルの測定の適性が確認されている半無響室内に設定した半径1 m以上
の半球測定面上で,各周波数帯域の面上音圧レベルを測定する。その場合,測定点は,ISO 3744:2010の
表B.1に規定する110の位置とする。その測定結果の1年を超えない期間の変化が,表1に示す値の2.83
倍を超えていなければ,校正の期間は,5.6.2で規定した最長期間を超えてもよい。別の方法として,残響
室の特定の位置に基準音源を置き,JIS Z 8734:2021で規定する方法によって残響室内の音圧レベルを測定
する方法もある。この方法による場合,残響室内の気温,静圧及び相対湿度の変化は,JIS Z 8734:2021の
5.5で規定している許容範囲内でなければならない。
  ただし,期間の延長は最長10年とする。この期間を過ぎると,認定を受けている機関で,この規格の要
求事項を全て満たした条件で新たな校正をしなければならない。

6 測定装置

6.1 一般事項

  音圧レベルの測定に用いる機器は,マイクロホン,ケーブル,ウインドスクリーン,録音装置及びその
他の附属品(使用する場合)を含めて,JIS C 1509-1のクラス1の要求事項に適合しなければならない。
  コンピュータを用いたデータ取得システムを用いる場合には,ハードウェア及びソフトウェアを含む全
体のシステムは,JIS C 1509-3の定期試験に関する要求事項に適合しなければならない。その場合,JIS C
1509-3の箇条8箇条11,箇条14箇条18及び箇条20によって,測定を行う環境の代表的な条件で,適
合性を調べる。
  騒音計又はコンピュータを用いたデータ取得システムに用いるオクターブ及び1/Nオクターブバンドフ
ィルタは,JIS C 1513-1のクラス1の要求事項に適合したものを用いる。

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Z 8739 : 2021

6.2 半無響室で使用するマイクロホン

  振動膜に垂直な方向(軸方向)に音が入射した条件で平たんな周波数レスポンスをもつマイクロホンを,
半球測定面の中心に向けて設置する。振動膜に対して水平入射の条件で平たんな周波数レスポンスをもつ
マイクロホンを使用する場合には,その軸が半球測定面の中心に向かう線に対して垂直になるように設置
する。
  騒音計の一部であるマイクロホンは,JIS C 1509-1のクラス1の騒音計の要求事項に適合しなければな
らない。コンピュータを用いたデータ取得システムに接続して使用するマイクロホンは,タイプLS又は
WSで,IEC 61094-1及びIEC 61094-4でそれぞれ規定する自由音場(F),圧力(P)又は拡散音場(D)
の応答特性をもつものを使用する。マイクロホンは,JIS C 1509-3のクラス1の騒音計の定期試験の要求
事項に従って確認し,6.4によって周波数特性の補正を行う。

6.3 残響室で使用するマイクロホン

  騒音計の一部であるマイクロホンは,ランダム入射のタイプ(又はランダム入射に補正した特性をもつ
もの)で,JIS C 1508によって校正し,JIS C 1509-1のクラス1の騒音計の要求事項に適合するものを使
用する。コンピュータを用いたデータ取得システムに接続して使用するマイクロホンは,タイプWSで,
IEC 61094-4で規定する拡散音場(D)の応答特性をもつものを使用する。マイクロホンは,JIS C 1509-3
のクラス1の騒音計の定期試験の要求事項に従って確認し,6.4によって周波数特性の補正を行う。

6.4 マイクロホンの周波数応答の補正

  半無響室で使用するマイクロホンは,IEC 62585の規定に従って周波数応答の補正を行う。残響室で使
用するマイクロホンは,JIS C 1508の規定に従って周波数応答の補正を行う。
  マイクロホンの応答特性は,半無響室では垂直入射又は水平入射の条件で,残響室ではランダム入射の
条件で,対象周波数範囲全体にわたって0.1 dBの精度で平たんな周波数応答となるように補正する。
  中心周波数が10 000 Hzの1/3オクターブバンドを超えて周波数範囲を拡張する場合には,2種類のタイ
プのマイクロホンの間で周波数応答の精度に僅かな差が生じる可能性がある。表2に示す測定不確かさに
関するデータは,水平入射の条件で周波数応答が平たんとなるマイクロホンを用いて行った測定の結果に
基づいている。

6.5 検証

  音圧レベルの測定に用いる機器,フィルタ,マイクロホン及び音響校正器の6.16.4で規定した要求事
項に対する適合性は,有効な適合証明書によって検証する。
  適合証明書には,適合性の試験が,適切な測定標準に対して計量的なトレーサビリティを保証すること
ができる機関で実施されたことが記載されている必要がある。
  国が別の規定をしていない限り,次の事項を推奨する。
a) 音響校正器は,1年を超えない期間で校正する。
b) 測定システムの6.1の規定に対する適合性は,2年を超えない期間で検証する。
c) アナログフィルタは,JIS C 1513-1の要求事項に対する適合性は,2年を超えない期間で検証する。デ
    ィジタルフィルタは,JIS C 1513-1の要求事項に対する適合性の証明によって検証し,フィルタのア
    ルゴリズムの変更のたびに更新する。
  定期的な校正は,関連する試験及び校正の実施を認定されているか,又は国の認可を受けている機関で,
かつ,適切な測定標準に対して計量的なトレーサビリティを保証することができる機関で行う。

6.6 感度校正

  測定に先立って,JIS C 1515のクラス1の要求事項に適合する音響校正器を用いて,一つ又はそれ以上

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                                                                                   Z 8739 : 2021
の周波数で音圧レベルの測定システム全体の感度を校正する。測定の後にも感度を点検し,調整をしない
で二つの連続した読み値の差が0.2 dB以下であることを確認する。読み値の変化がこの値を超えている場
合には,測定データは破棄する。

7 校正時の基準音源の設置及び作動

7.1 一般事項

  試験対象の基準音源は,製造業者が指定する方法に従って作動させる。基準音源の電気的又は機械的パ
ワー源(例えば,電源の電圧及び周波数)及び作動条件(例えば,空気力学的な音源の回転速度)につい
て,主要な特性を記録する。
    注記 作動条件を測定するために,補助的な装置(例えば,回転速度を測定するためのストロボスコ
          ープ)を使用することが必要になることもある。
  測定に先立って,基準音源の作動条件を安定させ,安定した音響出力が得られるようにする。

7.2 半無響室における要求事項

  反射面上の自由音場の条件が成り立つ半無響室における測定では,床置き形の基準音源を対象とし,反
射面上で最も近い壁から1 m以上離れた位置に,通常の使用状態となるように置く。基準音源の縦方向の
寸法は0.5 m未満,横方向の寸法は0.8 m未満でなければならない。
  半無響室では,反射面から0.5 m以上離れた位置では,基準音源の校正をしてはならない。

7.3 残響室における要求事項

  残響室では,壁との関係が非対称になる位置の床上に,最も近い壁から1.5 m以上離して基準音源を置
く。その位置は4点とし,それぞれの間隔が2 m以上となるようにする。
  これとは別に,壁に近接して設置する種類の測定対象騒音源の音響パワーレベルを比較法によって測定
する場合には,基準音源を壁に近接した床上のような特定の場所に置いて音響パワーレベルの校正を行っ
てもよい。

8 半無響室における校正の手順

8.1 試験環境

  半無響室は,対象周波数範囲全体にわたって,JIS Z 8732:2021の附属書Aに規定している広帯域音の測
定に関する要求事項に適合していなければならない。

8.2 マイクロホン位置

8.2.1  一般事項
  半径2 mの半球測定面を設定する。その中心は,基準音源の上部の面の反射面への投影の幾何学的な中
心とする。8.2.2,8.2.3,8.2.4及び8.2.5に示すマイクロホンの設定方法の中のいずれか一つを用いる。
  マイクロホンの固定又はトラバースのための機構が,測定に影響しないように注意する。
8.2.2  固定点の配列
  半球測定面上に,JIS Z 8732:2021の9.3.3及び附属書Eに従って固定点を設定する。水平面上で軸対称
の形状をもつ音源については,120の番号の20点の固定マイクロホン位置を決める。その他の形状をも
つ音源については,2140の番号の20点を追加する。
8.2.3  同軸円経路
  JIS Z 8732:2021の9.3.4及び附属書Fに規定している手順による。ただし,半球測定面に設定する円ト
ラバース経路の数は20とする。マイクロホンの回転周期は,60秒以上とする。ターンテーブルを用いて

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Z 8739 : 2021
基準音源を回転する場合には,その表面は,15 mm以内で反射面と一致させる。JIS Z 8732:2021に規定し
ている高さの分割を一定として等面積ごとにトラバースする方法の代わりに,高さの分割数は同じとし,
個々のトラバースが不等面積となることに対する補正をJIS Z 8732:2021の9.4.3.2によって行えば,等角
度ごとにトラバースする方法を用いてもよい。
8.2.4  子午線経路
  JIS Z 8732:2021の9.3.5及び附属書Gに規定している手順による。軸対称の形状をもつ音源については,
測定面の垂直軸の周りに120°ごとの3本のトラバース経路を設定する。その他の形状をもつ音源につい
ては,最少8本のトラバース経路を設定する。
  JIS Z 8732:2021の9.4.3.3の条件を満たしていれば,JIS Z 8732:2021の9.3.5に規定している角速度とは
別に設定した角速度を用いてもよい。
    注記 垂直方向の速度を一定にすると,半球面の最上部で角速度が無限大になる。実際には,最上部
          になる少し前に平均化を停止することによって,この問題は解決することが可能である。
8.2.5  らせん経路
  JIS Z 8732:2021の9.3.6及び附属書Hに規定している手順による。測定面の垂直軸の周りに120°ごと
の3本のトラバース経路を設定する。

8.3 測定

8.3.1  一般事項
  それぞれのマイクロホン位置で,又はそれぞれのマイクロホントラバースによって,JIS Z 8732:2021の
規定に従って1/3オクターブバンドごとの音圧レベルを測定する。固定マイクロホン位置による測定では,
各測定点における測定時間は,30秒以上とする。マイクロホントラバースによる場合は,子午線経路によ
る測定では1/4円のトラバースの時間を200秒以上とし,らせん経路による測定では600秒以上とする。
同軸円経路による場合の測定時間は,マイクロホン又は音源の回転の整数倍の時間で,60秒以上とする。
  音響測定の開始前及び終了時に,基準音源の回転速度(空気力学的音源の場合)及び電源電圧を測定す
る。試験中に測定した電源の電圧及び周波数も記録しておく。
8.3.2  指向性指数
  使用目的が,JIS Z 8734:2021による残響室内における測定に限定されていない限り,基準音源の最初の
校正時に,指向性指数(3.9参照)を測定しなければならない。機械的な損傷を受けるなどの原因によって
基準音源の指向特性が変化することがなければ,再校正の際にこの測定は必ずしも行わなくてもよい。
  マイクロホントラバースによって指向性指数を測定する場合は,次のいずれかの方法による。
a) トラバースの間,1/3オクターブバンドごとに時間重み付け特性Sを用いて音圧レベルを連続的に測
    定し,最大値を記録してトラバースごとの指向性指数を計算する。
b) トラバースの間,1/3オクターブバンドごとの音圧レベルを,一定の間隔で少なくとも20回サンプリ
    ングし,その最大値を求めてトラバースごとの指向性指数を計算する。
  トラバースに沿って音圧レベルが最大値となる位置は,観測又は記録する必要はない。基準音源を回転
しながら固定マイクロホンで測定する方法によってもよい。
8.3.3  時間定常性
  基準音源の型式承認のための試験でなければ,この測定は必ずしも行わなくてもよい。
  音響パワーレベルの時間定常性(安定度)(5.2参照)を,次のいずれかの方法によって調べる。
a) この規格に規定する半無響室を用いる方法によって,基準音源の音響パワーレベルの測定を3回連続
    して繰り返す。

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                                                                                   Z 8739 : 2021
b) この規格に規定する半無響室を用いる方法によって,1点の固定マイクロホン又はマイクロホントラ
    バースで基準音源による音圧レベルを,5分以上の時間をあけて5回繰り返して測定する。
  このような繰返し性条件で測定した結果の標準偏差σrを式(3)によって計算し,表1に示す標準偏差の最
大値と比較する。
                                   N
                                1
                          r           LXj
                                        ,  LX     (3)
                              N  1 j 1
                      ここに,         N :  繰り返して測定を行った回数(音響パワーレベル測定の
                                             場合はN=3,音圧レベル測定の場合はN=5)
                                      LX,j :  規定の方法で繰り返して測定した音響パワーレベル又は
                                             音圧レベルのj回目の値(dB)
                                      L : 
                                       X
                                         N回繰り返して測定した音響パワーレベル又は音圧レベ
                                             ルの算術平均値(dB)

8.4 計算

  JIS Z 8732:2021によって,基準気象条件における1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルLW(RSS)
(dB)を,式(4)によって計算する。
                                              S
                         LW(RSS)   Lp(RSS)10log10    C1  C2  C3  (4)
                                              S0
                      ここに,     Lp(RSS)  :  基準音源による面上音圧レベルで,暗騒音の補正を行っ
                                             た値(dB)
                                        S :  半球測定面の全面積(m2)
                                       S0 :  基準面積(1 m2)
                                       C1 :  基準音響パワーP0(1 pW)及び基準音圧p0(20 μPa)に
                                             おける空気の特性音響インピーダンスρ0c0(400 Ns/m3)
                                             と測定時の空気の特性音響インピーダンスρcとの違い
                                             を考慮した補正値(dB)で,次の式によって計算する。
                                                         ps        (273 t)
                                             C1   10log10    5log10
                                                         ps,0         0
                                       ps :  試験の時間及び場所における静圧(Pa)
                                      ps,0 :  基準静圧(101.325 kPa)
                                        t :  試験の時間及び場所における気温(℃)
                                       θ0 :  =314 K : 静圧がps,0の状態で,平面波の音響インテンシ
                                             ティと音圧とのデシベル表示値が等しくなる気温(K)
                                       C2 :  ある気象条件で測定した音響パワーレベルを,基準気象
                                             条件における値に換算するための音響放射インピーダ
                                             ンスに関する補正値(dB)で,その値は基準音源の製造
                                             業者から示されるが,それがない場合には,附属書Aに
                                             示す指針を参考にするとよい。誤差を小さくするために
                                             は,校正機関が基準の気象条件におけるLWの値を求め
                                             る際に用いるC2の計算式は,使用者が実際の気象条件に
                                             おけるLWを計算する式と同じにするのがよい。
                                       C3 :  空気の音響吸収に関する補正で,周波数f(Hz)ごとの
                                             値(dB)で,次の式によって計算する。
                                            C3=A0(1.005 3−0.001 2A0)1.6
                                             ここに, A0  ()
                                                           fr     の値(dB)

――――― [pdf 12] ―――――

Z 8739 : 2021
                                              α(f) :  特定の気温,湿度及び静圧における空気によ
                                                     る減衰係数(dB/m,周波数に依存)で,JIS Z
                                                     8738の式(3)式(5)によって計算する。
                                                r :  測定半径(m)
  オクターブバンド及びA特性音響パワーレベルは,直接測定してもよいし,1/3オクターブバンドのデ
ータから,JIS Z 8732:2021の附属書Cによって計算してもよい。

9 残響室における校正の手順

9.1 試験環境

  試験環境は,JIS Z 8734:2021に規定している広帯域音の測定に関する要求事項に適合した残響室で,そ
の最短寸法は4.0 mとする。

9.2 マイクロホン位置

  JIS Z 8734:2021の規定に従って,最少6点の固定マイクロホン位置又は一つ以上のマイクロホントラバ
ースを用いる。周波数範囲を中心周波数が10 000 Hzを超える1/3オクターブバンドまで広げる場合には,
固定マイクロホンを残響室内でランダムな方向に向ける。

9.3 測定

9.3.1  一般事項
  残響室を用いる方法では,床置き形,スタンドに載せる形式のいずれの基準音源も対象とすることがで
き,音源の寸法に関する制限はない。
  音響パワーレベルの測定方法としては,JIS Z 8734:2021に規定する直接法を適用する。
  7.3に規定した4か所の音源位置について,1/3オクターブバンドごとの音圧レベルを,固定測定点ごと
に,又はマイクロホントラバースによって,64秒以上の時間をかけて測定する。マイクロホントラバース
による場合は,JIS Z 8734:2021の規定に従って,2回以上のトラバースの時間にわたって測定する。
  音源スピーカの位置を3か所以上として,固定マイクロホンによる場合は6点以上,マイクロホントラ
バースによる場合は10 m以上の長さの経路で残響時間を測定する。音源スピーカの位置ごとに,固定マ
イクロホンでは5回以上,マイクロホントラバースによる場合は30回以上の減衰を測定する。
  音響測定の前及び終了時に,基準音源の回転速度及び電源電圧を測定する。観測した変動を平均し,記
録する。試験中の電源の周波数及び測定した電源電圧も記録する。
9.3.2  時間定常性
  基準音源の型式承認のための試験でなければ,この測定は必ずしも行わなくてもよい。
  音響パワーレベルの時間定常性(安定度)(5.2参照)を,次のいずれかの方法によって調べる。
a) この規格に規定する残響室を用いる方法によって,基準音源の音響パワーレベルの測定を,3回連続
    して繰り返す。
b) この規格に規定する残響室を用いる方法によって,1点の固定マイクロホン位置で基準音源による音
    圧レベルを,5分以上の時間をあけて,5回繰り返して測定する。
  このような繰返し性条件で測定した結果の標準偏差σrを式(3)によって計算し,表1に示す標準偏差の最
大値と比較する。

9.4 計算

  JIS Z 8734:2021に規定する直接法によって,1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルLWを計算す
る。ただし,C2は,8.4及び附属書Aに示す値を用いる。

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                                                                                   Z 8739 : 2021
  JIS Z 8734:2021に規定する音源位置を複数にした場合の手順に従って,4か所の音源位置について測定
した音圧レベルのエネルギー平均値から,1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルを計算する。
  オクターブバンド及びA特性音響パワーレベルは,1/3オクターブバンドのデータからJIS Z 8734:2021
の附属書Fによって計算する。

10 低周波数における校正の代替方法

  箇条8による基準音源の校正では,対象周波数範囲全体にわたってJIS Z 8732:2021に規定する要求事項
に適合した半無響室を用いるが,その自由音場特性が1/3オクターブバンド中心周波数が100 Hzより低い
周波数帯域についてまで確認されていない場合には,附属書Bに規定する音響インテンシティ測定法を適
用する代替方法によって,中心周波数が63 Hzのオクターブバンド(又は中心周波数が50 Hz,63 Hz及び
80 Hzの1/3オクターブバンド)における校正を行う。

11 測定不確かさ

11.1 一般事項

  この規格に示す方法で測定した基準音源の音響パワーレベルは,測定不確かさの範囲で真の値と異なっ
ている可能性がある。音響パワーレベルの測定における不確かさは,試験室の環境条件に関する要因によ
るものと,実験技術に関する要因によるものとがある。
  測定不確かさの評価は,ISO/IEC Guide 98-3によって行う。測定不確かさを見積もるためのモデル化に
よる方法については,JIS Z 8732:2021の箇条10及び附属書I,又はJIS Z 8734:2021の箇条10及び附属書
Gが参考になる。
  モデル化による方法とラウンドロビン試験とを組み合わせた方法によってもよい。その場合,不確かさ
の要因群のうち,技術的知見が不十分なために,その寄与がモデル化による方法の数学的モデルでは定量
化できないものについては,ラウンドロビン試験を行う。その場合,試験所は,不確かさの全ての要因を
洗い出してそれらの合理的な推定値を求めるように努め,不確かさに対して誤解を与えないような形で結
果を報告する。

11.2 再現性に関する標準偏差の代表的な値

  ある特定の音源を多くの機関で持ち回り,その音源の音響パワーレベルをそれぞれの機関でこの規格に
規定する方法によって測定した場合,測定結果にはばらつきが見られる。測定値の標準偏差は,例えば,
ISO 7574-4:1985[11]の附属書Bによって計算することが可能で,一般に,その値は周波数によって異なる。
求められた標準偏差は,おそらく表2に示す値を超えることはない。
  表2に示す値は,JIS Z 8402-1(対応国際規格 : ISO 5725-1[6])で定義されている再現性の標準偏差σR
である。表2に示す値は,この規格で規定する方法によった場合の測定不確かさの累積的な効果も考慮さ
れているが,回転速度及び電源電圧などの作動条件の変化による音響パワーレベルの変動については考慮
されていない。
  ISO/IEC Guide 98-3を適用するための知見が十分でない場合には,測定不確かさを見積もる上で,表2
に示す再現性のデータを用いてもよい。必要とする信頼度で拡張測定不確かさを評価するには,これらの
データに包含係数を乗じる。一例として,音響パワーレベルが正規分布する場合,95 %の信頼度で,音源
の音響パワーレベルの真の値は,測定値±1.96 σR(=拡張測定不確かさ)の範囲に入る。

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Z 8739 : 2021
     表2−この規格によって測定した基準音源の音響パワーレベルの再現性の標準偏差σRの推定値
  オクターブバンド  1/3オクターブバンド                                       残響室に置いた基
                                         半無響室の床上に置いた基準音源の再現性
     中心周波数         中心周波数                 の標準偏差a) : σR          準音源の再現性の
        Hz                  Hz                           dB                    標準偏差a) : σR
                                        子午線又はらせん経 20の離散点又は同軸       dB
                                               路                円経路
         63               5080                 2.0                2.0               2.5
        125              100160                0.8                0.8               1.0
     2502 000            2003 150              0.3                0.5               0.3
     4 0008 000        4 00010 000             0.3                1.0               0.3
       16 000          12 50020 000            0.3               1.0                0.4
        −         A特性周波数重み付き        0.3 b)             0.5               0.2 b)
 注a) 音源の出力の変動を含む測定の時間及び場所の気象条件における値(C2=0 dB,8.4参照)で,実験的に求め
      られた。
    b)   特性周波数重み付きの値は,1/3オクターブバンドのデータから計算した。
    注記 表2に示す残響室に置いた基準音源の再現性の標準偏差σRは,室容積が197 m3238 m3の七つ
          の残響室で,タイプWS2(計測用1/2インチマイクロホン)を用いて行った測定の結果に基づ
          いている。

12 記録事項

  記録事項は,JIS Z 8732:2021の箇条11又はJIS Z 8734:2021の箇条11による。測定又は計算した値は,
小数点以下1桁の値に丸めて記録する。
  基準音源の回転速度,電源電圧及びそれらの試験中の変動を記録する。試験中の電源の電圧及び周波数
も記録する。

13 報告事項

  報告する事項は,JIS Z 8732:2021の箇条12又はJIS Z 8734:2021の箇条12によるほか,次の事項を含
める。
a) この規格で規定する手順を全て満たして校正が行われたかどうかの記載。違いがある場合には,それ
    を報告する。
b) 校正は,半無響室と残響室とのいずれで行われたかどうかの記載。半無響室で行った場合には,マイ
    クロホン配置を示す。残響室で基準音源を高い位置に設置した場合には,その保持の方法の詳細(寸
    法,材料など)を記載する。
c) 残響室における測定ではその容積,半無響室における測定ではその下限周波数。
d) 基準音源の対象周波数範囲の1/3オクターブバンドごと,オクターブバンドごと及びA特性周波数重
    み付けをした音響パワーレベル(dB)で,小数点以下1桁に丸めた数値。音響パワーレベルは,箇条
    4に規定した基準気象条件における値に換算した値で,基準値を1 pWとしてデシベル表示した値であ
    ることを付記する。測定を行った気象条件における音響パワーレベルも報告する。基準音源の回転速
    度及び電源電圧(試験中の変動も含む。)も報告する。報告する基準音源の音響パワーレベルは,試験
    を行った特定の条件(例えば,空気力学的音源では回転速度)における値であることを明記する。空
    気力学的な基準音源については,回転速度による変動を補正するチャートを付けるとよい。

JIS Z 8739:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6926:2016(MOD)

JIS Z 8739:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8739:2021の関連規格と引用規格一覧