JIS Z 8754:1999 真空技術―質量分析計形リークディテクター校正方法

JIS Z 8754:1999 規格概要

この規格 Z8754は、質量分析計形リークディテクターの校正の手順について規定。分析管を低圧力下に保持するための高真空排気系をもつリークディテクターだけを扱う。

JISZ8754 規格全文情報

規格番号
JIS Z8754 
規格名称
真空技術―質量分析計形リークディテクター校正方法
規格名称英語訳
Vacuum technology -- Mass-spectrometer-type leak-detector calibration
制定年月日
1988年3月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 3530:1979(IDT)
国際規格分類

ICS

23.160
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1988-03-01 制定日, 1993-05-01 確認日, 1999-02-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS Z 8754:1999 PDF [15]
Z 8754 : 1999 (ISO 3530 : 1979)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS Z 8754 : 1988は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正によって,JIS Z 8754はISO 3530, Vacuum technology−Mass-spectrometer-type leak-detector
calibrationに一致した規格となる。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS Z 8754 pdf 1] ―――――

                                                                    Z 8754 : 1999 (ISO 3530 : 1979)

pdf 目次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 定義・・・・[2]
  •  2.1 バックグラウンド,又は残留信号・・・・[2]
  •  2.2 コンポーネント・・・・[2]
  •  2.3 サーチガス・・・・[3]
  •  2.4 リーク・・・・[3]
  •  2.5 リーク量・・・・[3]
  •  2.6 リークディテクターの操作・・・・[3]
  •  2.7 相対気体濃度・・・・[4]
  •  2.8 感度の用語・・・・[4]
  •  2.9 時間の要因・・・・[4]
  •  3. 試験条件・・・・[4]
  •  3.1 雰囲気温度・・・・[5]
  •  3.2 雰囲気圧力・・・・[5]
  •  3.3 リーク・・・・[5]
  •  3.4 ヘリウム・・・・[5]
  •  3.5 ヘリウム混合気体・・・・[5]
  •  4. 装置・・・・[5]
  •  4.1 説明・・・・[5]
  •  4.2 試験の下準備・・・・[6]
  •  4.3 試験の準備・・・・[7]
  •  5. 試験の手順・・・・[7]
  •  5.1 一般・・・・[7]
  •  5.2 最小可検リーク(量)・・・・[7]
  •  5.3 最小可検濃度比・・・・[9]
  •  6. 試験結果の表現・・・・[11]
  •  6.1 最小可検リーク(量)決定の手順・・・・[11]
  •  6.2 最小可検濃度比決定の手順・・・・[12]
  •  7. 試験報告・・・・[12]
  •  7.1 試験結果・・・・[12]
  •  7.2 試験条件・・・・[12]

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS Z 8754 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8754 : 1999
(ISO 3530 : 1979)

真空技術−質量分析計形リークディテクター校正方法

Vacuum technology−Mass-spectrometer-type leak-detector calibration

序文

 この規格は,1979年に第1版として発行されたISO 3530,Vacuum technology−Mass-spectrometer-type
leak-detector calibrationを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)
である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,質量分析計形リークディテクターを校正するために,すなわち,リークディテクターの感度
を決定するために使用される手順を詳しく記述している。この手順では,校正リークを使用すること及び
標準混合気体を使用することを要求しているが,これらの準備及び規格化に関してはこの規格の範囲外で
ある。これ以後“リークディテクター”という名称は,質量分析計形のディテクターを表す。
リークディテクターは,ピンホールのような機械的なすき間によるリーク及び多くの有機材料からの透過
によるリークの検出を可能にする。表面脱離,吸着,蒸発,(材料中の)気体のポケットに起因する仮想リ
ークは,一般的にリークディテクターでは検出できない。
リーク量の校正範囲は大きなリークに対しては重要でない要因が,10−12 Pa・m3・s−1より小さなリークに対
しては重要になることが考えられるので,ある特定されたレベルに限定される。
リークディテクターで検査される試験体は,高真空下に置かれるか,又はその反対に大気圧よりも高い圧
力下に置かれる。リーク検出技術は一般的にこれら二つのケースで異なる。第一のケースでは通常リーク
ディテクターは到達圧力に近いところで動作し,第二のケースではしばしば最大動作圧力,又はその付近
の圧力下で動作する。これら二つの動作状態に対応して感度に関する二つの用語が定義される。一つは最
小可検リーク量,もう一つは最小可検濃度比である(2.参照)。
このように定義された二つの値の間には相関があるが,計算によって一方から他方を導き出すことは実用
的ではない。したがって,両方の値を決定するために,二つの方法が詳細に記述されている。
この規格は,真空技術の分野で利用するために作られたもので,リークテストの手順及び装置についての
一連の規格化の一つである。
同じカテゴリに入る規格の応用としては,気密性,(質量分析計形以外の)リークディテクターの校正,リ
ークの校正,気体の混合,リーク検査機器の受入仕様,真空プラントの気密試験に対する一般的手順があ
るが,これらは将来の課題となる。

1. 適用範囲

 この規格は,質量分析計形リークディテクターの校正の手順について規定する。
この規格は,分析管を低圧力下に保持するための高真空排気系をもつリークディテクターだけを扱う。

――――― [JIS Z 8754 pdf 3] ―――――

2
Z 8754 : 1999 (ISO 3530 : 1979)
そのような真空排気系のない分析管をもつリークディテクターは,取扱いから除外する。
この規格は,ヘリウム−4を使用するリークディテクターに関するものである。規定する手順は,適当
な措置を講じていればアルゴン−40のようなサーチガスについても適用できる。
この規格は,10−12 Pa・m3・s−1よりも大きなリークを検出するリークディテクターに適用する。
手順には二つあり,一つは真空法で利用される最小可検リーク量の決定についてであり,ほかの一つは
スニッファー法で利用される最小可検濃度比の決定についてである。これらはそれぞれ試験体が高真空で
ある場合に使用するリークディテクターと,試験体が大気圧を超える圧力である場合に使用するリークデ
ィテクターに対して適用できる。
備考 この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 3530 : 1979, Vacuum technology−Mass-spectrometer-type leak-detector calibration

2. 定義

 真空技術関連の用語集は存在するが,記載されていない用語もあるのでここで定義する。
参考 JISの真空用語はJIS Z 8126(真空用語)がある。

2.1 バックグラウンド,又は残留信号

 [Background (or residual signal)   
2.1.1 バックグラウンド (background) 一般的に,サーチガスを注入しないときにリークディテクター
が示す見掛けの表示。バックグラウンドは分析管,若しくは関係する電気・電子回路のどちらか一方,又
は両方の原因によって発生する(この言葉は注入されるサーチガスから生成されるイオン以外のイオンに
よる表示として明確に言及するときによく使用される。)。
2.1.2 ドリフト (drift) バックグラウンド中の比較的にゆっくりとした変化。重要なパラメーターは,
定められた時間内に測定されるドリフトの最大値である。
2.1.3 ノイズ (noise) バックグラウンド中の比較的に速い変化。重要なパラメーターは,定められた時
間内に測定されるノイズの値である。
2.1.4 ヘリウムバックグラウンド (helium background) リークディテクター又は漏れ検出システムの壁
から放出されるヘリウムに起因するバックグラウンド。

2.2 コンポーネント

 (Components)
2.2.1 導入配管又はサンプル導入配管 (inlet line or sample inlet line) 試験体からリークディテクターま
での間のサーチガスが通過する配管。
2.2.2 導入バルブ (inlet valve) サンプル導入配管の端に置かれ,かつ,リークディテクターの近傍にあ
るバルブ(図1参照)。多くの場合,導入バルブはリークディテクターの構成要素の一部となっている。
2.2.3 リーク遮断バルブ (leak isolation valve) リークディテクターを試験するために使用されるリーク
とサンプル導入配管の間に置かれるバルブ(図1参照)。
2.2.4 ポンプバルブ (pump valve) サンプル導入配管を排気するために使用される粗引きポンプとその
配管との間に置かれるバルブ(図1参照)。
2.2.5 ベントバルブ (vent valve) 圧力を大気圧まで上昇させるために,排気した空間に空気又はほかの
気体を導入するために使用するバルブ(図1参照)。
2.2.6 バッキングオフ調節系,ゼロ調節系 (backing-off control, zero control) ほとんどのリークディテク
ターに備えられている出力表示をシフトさせるための電気的な調節系。バッキングオフ調節系は,しばし
ば出力表示を目盛のゼロ点に戻すために使用されるのでゼロ調節系とも呼ぶ。
2.2.7 フィラメント (filament) 分析管の中で気体をイオン化するための(熱)電子源。フィラメントは
分析管の中に置かれる。

――――― [JIS Z 8754 pdf 4] ―――――

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Z 8754 : 1999 (ISO 3530 : 1979)
2.2.8 分析管 (mass spectrometer tube) サーチガスをイオン化し検出するリークディテクターの構成部
品。

2.3 サーチガス

 (Search gas) 真空法の場合には,リークテストをする試験体の外表面に吹き付け,リー
ク箇所を通して試験体に入る気体をいい,加圧テストの場合にはリークテストをする試験体の中に導入し,
リーク箇所から外部に放出された後,検出される気体をいう。

2.4 リーク

 (Leaks)
2.4.1 リーク (leak) 真空技術において,壁の両側に存在する圧力差又は濃度差の作用によって,壁の一
方から他方へ気体を通過させ得る容器の壁の中に存在するあな(孔),多孔質構造,透過性構造又はほかの
構造をいう。また,真空排気された系の中に気体を導入するために使用される素子のこともいう。
2.4.2 チャネルリーク (channel leak) 長いキャピラリーとして概念的に扱われる一つ又は複数の分離し
た経路をもつリーク。
2.4.3 メンブレンリーク (membrane leak) 気体が透過することによって気体の流れをつくるリーク。ヘ
リウムの場合,この壁はガラス,石英,又はほかの適した材料によって構成される。
2.4.4 分子リーク (molecular leak) 通過する気体の質量流量が分子質量の平方根の逆数に実質的に比例
するリーク。
2.4.5 粘性リーク (viscous leak) 通過する気体の質量流量が粘性係数の逆数に実質的に比例するリーク。
2.4.6 校正リーク (calibrated leak) 定められた気体を定められた条件下で既知の質量流量を供給するリ
ークの素子。
2.4.7 標準リーク (standard leak) 標準条件の下でリーク量を知るための校正リーク。標準条件とは,23
±7℃の温度で,リークの一端の圧力が100kPa±5%で,他端の圧力はリーク量に影響を及ぼさないほど低
い圧力になっている条件のことをいう。
2.4.8 仮想リーク (virtual leak) 系内の気体又は蒸気の放出による見掛けのリーク。

2.5 リーク量

 (Leak rates)
2.5.1 リーク量 (leak rate) ある条件下で,あるリークを通過する定められた気体のスループット(1)であ
り,Pa・m3・s−1の単位で表す。
注(1) “排気速度”と呼ばれる体積流量と区別される。スループットは温度及び気体の分子量が定め
られたときは,質量流量と等価である。
2.5.2 標準空気リーク量 (standard air leak rate) 標準条件の下で−25℃よりも低い露点をもつ空気がリ
ークを通過するスループット。標準条件とは,入口側の圧力は100kPa±5%,出口側の圧力は1kPa未満,
温度は23±7℃と規定する。
2.5.3 標準空気換算リーク量 (equivalent standard air leak rate) 10−810−7 Pa・m3・s−1未満の小さな標準空
気リーク量の経路の短いリークは分子流形である(2.4.4参照)。したがって,ヘリウム(分子量4)は空気
(分子量29.0)よりも速くそのリークを通過するので,ヘリウムの流量はより小さな空気流量に相当する。
この規格では,“標準空気換算リーク量”として標準条件下において測定されたヘリウムリーク量の
/4 290. =0.37倍の値を採用する(2.5.2参照)。

2.6 リークディテクターの操作

 (Operation of the leak detector)
2.6.1 ピーク (peak) (n) リークディテクターで質量走査したときにチャート記録計上で最大値を示す
軌跡で,一般的にはサーチガスの軌跡である。
2.6.2 ピークを得る (peak) (v) サーチガスによる出力が最大となるように走査制御系を調節すること
をいう(2.6.3参照)。同調の一つの形である。

――――― [JIS Z 8754 pdf 5] ―――――

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