2
Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
含めた事例が示されている。
この規格の附属書Aは,すべて参考である。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,計数値合否判定抜取検査手順について規定する。この規格では,品質指標としてAQL
(合格品質限界)を使用する。
この規格の目的は,供給者に対しては,ロット不合格という経済的,かつ,精神的な圧力を通じて,工
程平均を少なくともAQLの規定値と同程度に保持するように誘導し,同時に消費者に対しては,ときお
り起きる品質の悪いロットを合格させる危険の上限を与える。供給者は,工程の継続的改善によって,パ
ーセント不適合品率0を目標に努力することが期待される。
この規格で設定された抜取検査方式は,次のようなものの検査に適用できる。ただし,これらに限定さ
れるものではない。
a) 最終アイテム,
b) 部分品及び原材料,
c) 操作(オペレーション),
d) 工程中の資材,
e) 保管中の補給品,
f) 保全操作,
g) データ又は記録,及び
h) 管理手続
1.2 これらの抜取検査方式は,本来は連続的シリーズのロット,すなわち,十分長いシリーズで切替え
ルール(9.3)が適用できる場合に使用することを意図している。この切替えルールによって得られるもの
は,次による。
a) 品質低下が検出された場合には,消費者に対する自動的保護(きつい検査への切替え又は検査停止と
いう手段による。)。
b) 一貫してよい品質が達成された場合には,(所管権限者の判断によるが)検査コストの減少の刺激(ゆ
るい検査への切替えという手段による。)。
1.3 これらの抜取検査方式は,孤立状態のロットに対しても使用することができる。しかしこの場合に
は,使用者は適切な保護が得られるような抜取検査方式を選ぶ必要がある(12.6参照)。また,この場合に
は,使用者はこの規格群の第2部にあるLQ(限界品質)を品質指標とする抜取検査システムの抜取検査
方式に留意するとよい。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 2859-1:1999,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1: Sampling schemes
indexed by acceptance quality limit (AQL) or lot-by-lot inspection (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
――――― [JIS Z 9015-1 pdf 6] ―――――
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Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
JIS Z 8101-1:1999 統計−用語と記号−第1部 : 確率及び一般統計用語
備考 ISO 3534-1:1993,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1: Probability and general statistical
termsからの引用事項は,この規格の当該事項と同等である。
JIS Z 8101-2:1999 統計−用語と記号−第2部 : 統計的品質管理用語
備考 ISO 3534-2:1993,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 2: Statistical quality controlからの引
用事項は,この規格の当該事項と同等である。
JIS Z 9015-3:1999 計数値検査に対する抜取検査手順−第3部 : スキップロット抜取検査手順
備考 ISO 2859-3:1991,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 3: Skip-lot sampling
proceduresが,この規格と一致している。
3. 定義及び記号
3.1 定義 この規格で用いる主な用語及び記号は,JIS Z 8101-1及びJIS Z 8101-2によるほか,次による。
備考 引用の便宜のため,幾つかの用語をJIS Z 8101-1及びJIS Z 8101-2から引用している。引用し
たもの以外の用語は,再定義したり又は新たに定義したものである。
3.1.1 検査 (inspection) 品物又はサービスの一つ以上の特性値について,測定,試験,検定,ゲージ合
わせなどを行って,その結果を規定要求事項と比較して,適合しているかどうかを判定する活動。
3.1.2 初検査 (original inspection) IS Z 9015-1で検査しようとするロットの最初の検査。
備考 以前の検査で不合格になって再提出されたロットの検査と区別される。
3.1.3 計数値検査 (inspection by attributes) 一つ又は一そろいの規定要求事項に関して,あるアイテム
を単に適合品か不適合品に分類する,又はアイテム中の不適合数を数えて行う検査。
備考 計数値検査には,アイテムの適合性についてのものと,100単位当たりの不適合数のものとが
ある。
3.1.4 アイテム (item) 個数で数えることができるように分かれているもの。
例 − 物理的アイテム
− 規定量の原材料
− サービス,活動,又は工程
− 組織又は人間又は
− これらのある組合せ
3.1.5 不適合 (nonconformity) 規定要求事項を満たしていないこと。
備考1. ある場合には,規定要求事項は顧客の使用上の要求事項と一致する(3.1.6,欠陥参照)。しか
しある場合には,ゆるすぎたりきびしすぎたり,又は両者の関係が十分には分かっていない
場合など,両者は一致しないこともある。
2. 不適合項目は,その重大さの程度によって次のようにクラス分けすることがある。
クラスA : 最高の関心をもたれるようなタイプの不適合。合否判定抜取検査では,このタ
イプの不適合には十分低いAQLの値を割り当てる。
クラスB : 前者に次ぐ程度の関心をもたれるようなタイプの不適合。したがって,このタ
イプの不適合に割り当てるAQLの値はクラスAより大きくする。もし第3クラスが存在
するなどのときはクラスCより小さくする。
3. 特性の数又は不適合のクラスの数を増やすと,製品の合格の総合確率に影響することが多い
ことに留意する必要がある。
――――― [JIS Z 9015-1 pdf 7] ―――――
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Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
4. クラスの数,各クラスヘの割当て,各クラスのAQLの選択に当たっては,個々の状況に応
じた品質要求事項に適切に対応させる必要がある。
3.1.6 欠陥 (defect) 意図した使用条件に関する要求事項からの外れ。
備考1. “欠陥”という用語は,製品又はサービスの品質特性を使用性の観点から評価するときに使
用するのが適切である(規格に適合することとは別である。)。
2. “欠陥”という用語は法律用語として特定の意味をもっているので,一般用語として使用し
ないほうがよい。
3.1.7 不適合品 (nonconforming item) 一つ以上の不適合を含むアイテム。
備考 不適合品はその重大さの程度によって次のようにクラス分けすることがある。
クラスA : クラスAの不適合を一つ以上含むアイテムで,クラスB及び/又はクラスC以下
の不適合も含むことがある。
クラスB : クラスBの不適合を一つ以上含むアイテムで,クラスC以下の不適合も含むこと
があるが,クラスAの不適合は含まない。
3.1.8 パーセント不適合品率(サンプルに関して) (percent nonconforming) サンプル中の不適合品の
数をサンプルサイズで除したものを100倍したもの。すなわち,
d
100
n
ここに, d : サンプル中の不適合品の数
n : サンプルサイズ(サンプルの大きさ)
3.1.9 パーセント不適合品率(母集団又はロットに関して)(percent nonconforming) 母集団又はロット
中の不適合品の数を母集団のサイズ又はロットサイズで除したものを100倍したもの。すなわち,
D
100 p100
N
ここに, p : 不適合品率
D : 母集団又はロット中の不適合品の数
N : 母集団のサイズ又はロットサイズ
備考1. この規格では,パーセント不適合品率(3.1.8及び3.1.9)及び,100単位(アイテム)当たり
の不適合数(3.1.10及び3.1.11)は,主に“不適合品率”及び“単位当たりの不適合数”の代
わりに用いられる。それは,先の用語の方がより広く用いられているからである。
2. この定義は,JIS Z 8101-2の定義とは異なる。
3.1.10 100単位(アイテム)当たりの不適合数(サンプルに関して)(nonconformities per 100 items) サ
ンプル中の不適合の数をサンプルサイズで除したものを100倍したもの。すなわち,
d
100
n
ここに, d : サンプル中の不適合の数
n : サンプルサイズ
3.1.11 100単位(アイテム)当たりの不適合数(母集団又はロットに関して)(nonconformities per 100 items)
母集団又はサンプル中の不適合の数を母集団のサイズ又はサンプルサイズで除したものを100倍したもの。
すなわち,
D
100 p100
N
――――― [JIS Z 9015-1 pdf 8] ―――――
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Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
ここに, p : アイテム当たりの不適合数
D : 母集団又はロット中の不適合品の数
N : 母集団のサイズ又はロットサイズ
備考 1個のアイテムは1個以上の不適合を含むことがある。
3.1.12 所管権限者 (responsible authority) この規格の中立性を保つための(主として規定の目的で使用
される)概念で,事前に決まっている場合と,第一者,第二者及び第三者に割り当てられる場合とがある。
備考1. 所管権限者は,次のような場合がある。
a) 供給者の品質部門(第一者)
b) 購入者又は調達機関(第二者)
c) 独立の検査又は認証機関(第三者)
d) ),b)又はc)のいずれかで機能ごとに異なり(備考2.参照),両当事者間(例えば,供給
者と購入者との間で)の合意書面で記述する。
2. 所管権限者の義務及び機能については,この規格に概略を示してある(5.2,6.2,7.2,7.3,
7.5,7.6,9.1,9.3.3,9.4,10.1,10.3及び13.1参照)。
3.1.13 ロット (lot) 製品,原材料又はサービスの有限の集合。
備考 検査ロットは幾つかのバッチ又はバッチの一部から成ることがある。
3.1.14 ロットサイズ (lot size) ロット中のアイテムの数。
3.1.15 サンプル (sample) ロットから抜き取った一つ以上のアイテムで,ロットについての情報を供給
することを意図したもの。
3.1.16 サンプルサイズ (sample size) サンプル中のアイテムの数。
3.1.17 抜取検査方式 (sampling plan) サンプルサイズとロットの合否判定基準との組合せ。
備考1. 1回抜取方式は,サンプルサイズと合格判定数及び不合格判定数の組合せである。2回抜取方
式は二つのサンプルサイズと第1サンプルに対する合格判定数・不合格判定数,及び第1第
2のサンプルを合わせたものに対する合格判定数・不合格判定数の組合せである。
2. 抜取検査方式には,サンプルの抜取り方は含まない。
3. この規格を使用するためには,抜取検査方式(3.1.17),抜取検査スキーム(3.1.18)及び抜取検査
システム(3.1.19)を区別することが望ましい。
参考 抜取検査方式のことを単に抜取方式ということがある。
3.1.18 抜取検査スキーム (sampling scheme) 複数の抜取検査方式と,一つの抜取検査方式から他の抜取
検査方式へ変更するための切替えルールとの組合せ。
備考 9.3参照。
3.1.19 抜取検査システム (sampling system) 抜取検査方式又は抜取検査スキームを集めたもの。それら
は抜取検査方式を切り換えるルール,適切な抜取検査方式や抜取検査スキームを選択するかの基準及びサ
ンプリング手順を含む。
備考 この規格は,ロットサイズの範囲,検査水準及びAQLを指標とした抜取検査システムである。
LQ方式の抜取検査システムは,この規格群の第2部で与えられる。
3.1.20 なみ検査 (normal inspection) ロットの工程平均(3.1.25)がAQL (3.1.26)よりよい場合に,生産者に
高い合格の確率を保証するようにした抜取検査方式(3.1.17)を使用する検査。
備考 なみ検査は,工程平均(3.1.25)が合格水準と異なっていることを疑う理由がない場合に使用する。
3.1.21 きつい検査 (tightened inspection) 対応するなみ検査(3.1.20)よりも,きびしい合否判定基準をもつ
――――― [JIS Z 9015-1 pdf 9] ―――――
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Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
抜取検査方式(3.1.17)を使用する検査。
備考 きつい検査は,あらかじめ定めた数の連続ロットの検査結果が,工程平均(3.1.25)がAQL (3.1.26)
よりも悪いということを示したときに使用する。
3.1.22 ゆるい検査 (reduced inspection) 対応するなみ検査(3.1.20)よりは小さいサンプルサイズ(3.1.16)を
もつ抜取検査方式(3.1.17)を使用する検査。
備考1. ゆるい検査における判別力は,なみ検査の場合より劣る。
2. ゆるい検査は,あらかじめ決めた数の連続ロットの検査結果によって,工程平均(3.1.25)が
AQL (3.1.26)よりもよいことを示されたときに使用できる。
参考 ゆるい検査という用語は普及してきているので変更しないが,本来は“減らした検査”という
意味である。
3.1.23 切替えスコア (switching score) なみ検査で使用する標識で,現状の検査結果がゆるい検査への切
替えを許すほど満足かどうかを決定するのに使用する。
備考 9.3.3参照。
3.1.24 合否判定スコア (acceptance score) 分数表示合格判定数の抜取検査方式で使用する標識で,ロッ
トの合否判定に使用する。
備考 13.2.1.2参照。
3.1.25 工程平均 (process average) 規定された期間又は生産量に対する平均的工程水準。
備考 この規格では,工程平均はパーセント不適合品率又は100アイテム当たりの不適合数で表した
品質水準で,工程が統計的管理状態(JIS Z 8101-2の3.1.5参照)にあるような期間に対するも
のである。
3.1.26 合格品質限界,AQL (acceptance quality limit) 継続して連続のロットが抜取検査に提出されると
きに,許容される工程平均の上限の品質水準。
備考1. この概念は,この規格及び,JIS Z 8101-1などのきびしさ調整及び検査中止のルールをもつ
抜取検査スキームにだけ適用する。
2. AQLよりも悪い品質のロットもかなり高い確率で合格となるが,AQLの明示はこれが望ま
しい品質水準であることを意味しない。きびしさ調整,抜取検査の中止のルールを含むこの
規格で規定する抜取検査スキームは,供給者が常にAQLよりもよい工程平均を維持するよ
うに考慮して設計されている。
3.1.27 消費者危険品質,CRQ (consumers risk quality) 抜取検査方式で,規定された消費者危険に対応
するロット又は工程の品質水準。
備考 消費者危険は,通常10 %が用いられる。
3.1.28 限界品質,LQ (limiting quality) ロットが孤立状態にあると考えられるとき,抜取検査で合格の確
率が低く抑えられる品質水準。
3.2 記号及び略号 この規格で用いる記号及び略号を,次に示す。
Ac : 合格判定数 (acceptance number)
AQL : 合格品質限界(パーセント不適合品率又は100単位当たりの不適合数,acceptance quality limit)
AOQ : 平均出検品質(パーセント不適合品率又は100単位当たりの不適合数,average outgoing quality)
AOQL : 平均出検品質限界(パーセント不適合品率又は100単位当たりの不適合数,average outgoing
quality limit)
CRQ : 消費者危険品質(パーセント不適合品率又は100単位当たりの不適合数,consumers risk quality)
――――― [JIS Z 9015-1 pdf 10] ―――――
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JIS Z 9010:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用