この規格ページの目次
- 4. 不適合の表現
- 4.1 一般
- 4.2 不適合のクラス分け
- 5. 合格品質限界 (AQL)
- 5.1 使用及び適用
- 5.2 AQLの指定
- 5.3 AQLの優先値
- 6. 抜取りのための製品の提出
- 6.1 ロットの構成
- 6.2 ロットの提出
- 7. 合格及び不合格
- 7.1 ロットの合否
- 7.2 不合格ロットの処置
- 7.3 不適合品
- 7.4 不適合又は不適合品のクラス
- 7.5 致命的クラスの不適合に対する特別留保
- 7.6 再提出ロット
- 8. サンプルの抜取り
- 8.1 サンプルの選択
- 8.3 2回又は多回抜取方式
- 9. なみ検査,きつい検査及びゆるい検査
- 9.1 検査の開始
- 9.2 検査の継続
- 9.3 切替えルール及び手順
- 9.4 検査の停止
- 9.5 スキップロット抜取検査
- 10. 抜取検査方式
- 10.1 検査水準
- JIS Z 9010:1999の国際規格 ICS 分類一覧
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Z 9015-1 : 2006 (ISO 2859-1 : 1999)
d : ロットから抜き取ったサンプル中に発見された不適合品(不適合アイテム)の数
D : ロット中の不適合品の数
LQ : 限界品質(パーセント不適合品率又は100単位当たりの不適合数,limiting quality)
N : ロットサイズ(ロットの大きさ)
n : サンプルサイズ(サンプルの大きさ)
p : 工程平均不適合品率,工程平均不適合数(又はロットの不適合品率,ロットのアイテム当たり
の不適合数としても用いられる。)
Px : 合格の確率がx(xは小数値)であるときの品質水準
Pa : 合格の確率(パーセント)
Re : 不合格判定数
備考 記号nには添字を付けることがある。添字1,2,···,5は,それぞれ第1,第2,···,第5サン
プルを意味する。一般的に,2回抜取方式又は多回抜取方式において,niは第iサンプルのサン
プルサイズを示す。
4. 不適合の表現
4.1 一般
不適合の程度は,パーセント不適合品率(3.1.8及び3.1.9参照)又は100アイテム当たりの不
適合数(3.1.10及び3.1.11参照)で表す。付表7,付表8及び付表10では,不適合は統計的に独立でラン
ダムに発生すると仮定している。もし,あるアイテム中の一つの不適合の原因となる条件が他の不適合の
原因となりそうだということが分かっていれば,アイテム中の複数の不適合は無視して,アイテムが適合
品か不適合品かだけを考える。
4.2 不適合のクラス分け
多くの合否判定抜取検査では,二つ以上の品質特性値を評価する場合が多い
し,またそれらの重要度が品質及び/又は経済的効果の観点から異なる場合があるので,3.1.5に示すよう
に不適合のタイプを合意されたクラスに分けることが望ましい場合が多い。クラスの数,不適合の各クラ
スへの割当て,各クラスのAQLの選択に当たっては個々の状況に応じた品質要求事項に適切に対応させ
ることが望ましい。
5. 合格品質限界 (AQL)
5.1 使用及び適用
AQL(合格品質限界)は,サンプル文字(10.2参照)とともに,この規格で与えら
れる抜取検査方式及び抜取検査スキームの指標として使用する。ある不適合項目又は不適合項目のグルー
プに対して特定のAQLの値が指定されると,提出されたロットの品質水準(パーセント不適合品率又は
100アイテム当たりの不適合数)がAQLの設定値より大きくなければ,提出されたロットの大多数がこの
抜取検査スキームで合格することになる。与えられる抜取検査方式では,AQLの品質のロットの合格する
確率は,与えられたAQLに対するサンプルサイズによって変わるが,一般にサンプルが大きければ小さ
いものよりも,高くなる。
AQLは抜取検査スキームのパラメータであり,生産プロセスの管理レベルを述べたものと混同してはな
らない。工程平均はこのシステムのもとで過度の不合格を避けるためAQLよりもよいものであることが
期待される。
注意 : AQLを指定することは,供給者が不適合アイテムを知りながらそれを供給する権利を意味しな
い。
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5.2 AQLの指定
使用するAQLは,契約で(若しくは事前に用意された規定に従い)又は所管権限者に
よって設定される。
3.1.5の定義に従って,それぞれの不適合及び集団と考える不適合のグループに対して異なったAQLを
設定することができる。
グループに対するクラス分けは,規定された品質要求事項に対して適切であるようにする。
それぞれのグループ内の不適合又はサブグループに対するAQLを合わせて,一つのAQLを不適合のグ
ループに対して設定できる。
品質水準がパーセント不適合品率(3.1.8及び3.1.9参照)で表されている場合には,AQLの値は10を
超えてはならない。品質水準が100アイテム当たりの不適合数(3.1.10及び3.1.11)で表されている場合に
は,1 000までのAQLの値を使用できる。
5.3 AQLの優先値
付表中に与えられる一連のAQLの値は,AQLの優先値である。もしある製品に対
して,これらの優先値以外のAQLを設定する場合には,これらの付表は適用できない。
6. 抜取りのための製品の提出
6.1 ロットの構成
製品はロット,サブロット又は場合によって規定された他の方法によって識別可能
でなければならない(6.2参照)。
それぞれのロットは,実際的な範囲で,本質的に同じ時間の均一な条件で生産された,単一の型,グレ
ード,クラス,サイズ及び構成で成り立たなければならない。
6.2 ロットの提出
ロットの構成,ロットサイズ及び供給者によるロットの提出及び識別の方法は,所
管権限者によって設定又は承認され,又は所管権限者の判断による。
供給者は必要に応じて,各ロットに対する適切,かつ,十分な貯蔵スペース,適切な識別及び提示のた
めの設備,及び製品からサンプルを抜き取るのに必要な取扱い要員を用意する。
7. 合格及び不合格
7.1 ロットの合否
ロットの合否は,一つ又は複数の抜取検査方式を用いて決める。
備考 不合格に対応する英語は,従来の“rejection”の代わりに“non-acceptance”を使用することに
なった。ただし“rejection number”などの用語は残っている。
7.2 不合格ロットの処置
不合格になったロットの処置は所管権限者が決める。不合格ロットの処置に
は,廃棄,選別(不適合品は除去又は置換する。),手直し,再評価(追加情報を得たうえで,特定の使用
性についての判定基準に対して行う。)などがある。
7.3 不適合品
ロットが合格になったときでも,検査の途中で不適合品と分かったアイテムは,サンプ
ルの一部であってもなくても,そのアイテムを不合格とする権利を留保する。不適合品と分かったアイテ
ムは,手直しのうえ,所管権限者の承認の下に,所管権限者の指定した方法で検査に再提出できる。
7.4 不適合又は不適合品のクラス
不適合品又は不適合品を二つ以上のクラスに割り付けると,抜取検
査方式の組合せを使用することが必要になる。通常は,付表2,付表3及び付表4に示すように,その抜
取検査方式の組合せはサンプルサイズは共通であるが,AQLの異なる各クラスごとに合格判定数が異なる。
7.5 致命的クラスの不適合に対する特別留保
ある種の不適合は致命的重要度をもっていることがある。
この項ではそのような種類の特定の不適合項目に対する特別条項を規定する。
所管権限者の判断によって,そのような特定のクラスの不適合項目について,ロット中の全アイテムを
検査するよう要求することがある。もし特定のクラスの不適合が一つでも発見された場合には,提出され
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た全アイテムをこのクラスの不適合に対して検査し,又はそのロットを直ちに不合格にする権利を留保す
る。また,特定のクラスの不適合に対して,供給者から提出された各ロットからサンプルをとり,そのク
ラスの不適合が一つ以上発見されたロットはどのロットでも不合格にする権利を留保する。
7.6 再提出ロット
もしロットが不合格になったならば,各当事者には速やかに通知する。不合格ロッ
トは,全アイテムを再点検又は再試験し,すべての不適合品が除去され又は適合品と置換され,又はすべ
ての不適合が修正されたと供給者が確信するまで,再検査のために再提出してはならない。再検査のとき
になみ検査ときつい検査のどちらを使うか,また,再検査にすべてのタイプ若しくはクラスの不適合を含
めるか,若しくは最初の不合格の原因となった特定のタイプ若しくはクラスの不適合だけを含めるかにつ
いては,所管権限者が決める。
8. サンプルの抜取り
8.1 サンプルの選択
サンプルとして選ぶアイテムは単純ランダムサンプリング(JIS Z 8101-2の3.12
参照)によって選ぶ。
しかし,ロットが何らかの合理的な基準によるサブロット又は層に分かれているときには,層別サンプ
リングを使用するが,その場合サンプル中のアイテムの数を,各サブロット又は層に比例するように選ぶ
(詳細な内容は,JIS Z 9015-0の2.25参照)。
8.2 サンプルの抜取りの時期 サンプルの抜取りは,全アイテムをロットにまとめた後でもよいし,ロ
ットの生産の途中でもよい。いずれの場合でもサンプルは8.1によって選ぶ。
8.3 2回又は多回抜取方式
2回又は多回抜取方式を使用するときには,引き続く各サンプルは(検査済
みのサンプルを戻さずに)残ったロットから選ぶ。
9. なみ検査,きつい検査及びゆるい検査
9.1 検査の開始
検査の開始時点ではなみ検査を実施する。ただし,所管権限者が他の指定をした場合
を除く。
9.2 検査の継続
切替え手順(9.3参照)で検査の切替えが必要になった場合を除き,使用中のなみ検査,
きつい検査又はゆるい検査を引き続き次のロットに対しても使用する。切替え手順は不適合又は不適合品
の各クラスに対して独立に適用する。
9.3 切替えルール及び手順
(図1参照)9.3.1 なみ検査からきつい検査へ なみ検査が実施されているとき,連続5ロット以内の初検査で(すなわち再提出ロットはこの手順では無視して)2ロットが不合格になった場合はきつい検査に移行する。
9.3.2 きつい検査からなみ検査へ きつい検査が実施されているとき,連続5ロットが初検査で合格にな
った場合はなみ検査に復帰する。
9.3.3 なみ検査からゆるい検査へ
9.3.3.1 総論 なみ検査が実施されているとき,次の条件がすべて満足された場合はゆるい検査に移行す
る。
a) 切替えスコア(9.3.3.2参照)の最新の値が30以上である,及び
b) 生産が安定している,及び
c) ゆるい検査が望ましいと所管権限者が考えた。
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開始
・ 切替えスコアの現状値
が30以上である。 連続5ロット以内 きつい検査での不合
・ 生産が安定している, に2ロットが不合 格ロットの累計が5
及び 格になった。 に達した。
・ 所管権限者が承諾した。
ゆるい なみ きつい 検査
検査 検査 検査 停止
・ 1ロットが不合格になっ
た,又は
・ 生産が不規則になった,
又は 連続5ロットが 供給者が品質を
・ 他の条件からなみ検査に 合格した。 改善した。
復帰する必要が生じた。
図 1 切替えルールの概略(9.3参照)
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9.3.3.2 切替えスコア 切替えスコアの計算は,所管権限者が他の指定をしない限り,なみ検査の開始時
点から始めるほうがよい。切替えスコアは,引き続くロットのなみ検査の初検査の後にその都度更新する。
a) 1回抜取方式
1) 合格判定数が2以上のとき,もしAQLが1段きびしかったとしてもロットが合格になっていたな
らば切替えスコアに3を加え,そうでなければ切替えスコアを0に戻す。
参考 “1段きびしいAQL”とは,表においてAQLの値が小さい方のAQLである。1段きびしいAQL
の抜取検査方式では,nは同じであり,Ac,Reが小さくなる。
2) 合格判定数が0又は1のとき,ロットが合格ならば切替えスコアに2を加え,そうでなければ切替
えスコアを0に戻す。
b) 2回又は多回抜取方式
1) 2回抜取方式を用いているとき,第1サンプルでロットが合格になったならば切替えスコアに3を
加え,そうでなければ切替えスコアを0に戻す。
2) 多回抜取方式を用いているとき,第3サンプルまでにロットが合格になったならば切替えスコアに
3を加え,そうでなければ切替えスコアを0に戻す。
備考 切替えスコアの適用例を,附属書Aに示す。
9.3.4 ゆるい検査からなみ検査へ ゆるい検査が実施されているとき,次の条件のどれかが起こった場合
はなみ検査に復帰する。
a) 1ロットでも不合格になった,又は
b) 生産が不規則になったり停滞した,又は
c) これ以外の条件からなみ検査に復帰することが正当となった。
9.4 検査の停止
一連のきつい検査のもとで,初検査での不合格ロットの累計が5に達したら,この規
格による合否判定検査は停止し,提出される製品又はサービスの品質を改善する是正処置が供給者によっ
てとられ,この是正処置が効果的であろうと所管権限者が同意するまで,再開してはならない。再開の場
合には,9.3.1が適用された場合と同様に,きつい検査を使用する。
9.5 スキップロット抜取検査
JIS Z 9015-3の条件を満足すれば,この規格のロットごとの検査をスキッ
プロット抜取検査に置き換えることができる。
備考 JIS Z 9015-3のスキップロット抜取検査手順を,この規格のゆるい検査の手順の代わりに使用
するときには適用できるAQLの範囲,検査水準など幾つかの制限がある。
10. 抜取検査方式
10.1 検査水準
検査水準は,相対的な検査量を決めるものである。一般的用途に対して,I,II及びIII
という三つの検査水準が付表1に与えてある。他の指定がなければ検査水準IIを使用する。水準Iは判別
力が小さくてもよい場合に使用でき,また,水準IIIはより大きい判別力を必要とする場合に使用できる。
これ以外に,S−1,S−2,S−3及びS−4という四つの特別検査水準が付表1に与えてあり,比較的小さ
いサンプルサイズでの検査が必要で,抜取りのリスクが大きくなることが許容できるか許容せざるを得な
い場合に使用できる。
個別の適用のときに必要になる検査水準は,所管権限者が指定する。こうすることによって,所管権限
者は目的に応じて判別力の増大又は減少を要求することができる。
なみ検査,きつい検査及びゆるい検査の切替えは,各検査水準ごとに,9.に規定した切替えルールを別々
に適用する。検査水準の選択はこれらの3種類の検査の選択とは全く異なる。したがって,なみ検査,き
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JIS Z 9010:1999の国際規格 ICS 分類一覧
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