JIS Z 9107:2008 安全標識―性能の分類,性能基準及び試験方法 | ページ 2

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表1−安全標識の分類(続き)
項目 分類 分類記号 参照箇条
プラスチック P 4.3,5.3.1,5.3.2,6.2.5.2,6.4.2
主な構造材 金属 M
その他 O
外照式 E 3,4.4,5.4.1.3,6.5.1.3
照明方法 内照式 T
外照及び内照の両方 B
機械的 M 4.5,5.3.3,6.4.3
取付方法 感圧接着 P
その他 A
高 H 4.6,5.1.9,6.2.9
光沢 中 I
低 L
注記1 分類及び副分類の略記号は,箇条7に示す例のように製品の呼び方に用いられる。
注記2 分類項目の順序は,ISOの順序と異なる。

4.1 色材

  色材は,次による。
a) 安全標識に使用される色材は,測光特性によって分類し,“一般材料”,“蛍光材料”,“再帰性反射体”,
“りん光材料”及び“透過色光”の5種類とし,JIS Z 9101及びJIS Z 9103に定義されている。また,
色材による安全標識の種類は,一般安全標識,蛍光安全標識,再帰反射安全標識,蓄光安全標識及び
内照式安全標識である。
b) 色材の中で,再帰性反射体については,特定の測光特性として再帰反射係数があり,JIS Z 9101の定
義及びその値については,JIS Z 9103の表6(再帰性反射体の再帰反射係数の下限値)に規定されて
おり,その特性に従ってタイプ1(1)及びタイプ2(2)の副分類がある。
c) りん光材料については,特定の測光特性として表2及び表3にりん光輝度特性を規定している。
d) 透過色光については,輝度対比及び輝度の均一性の値が,JIS Z 9101の表6(内照式材料の輝度対比)
に規定している。
e) 再帰性反射体及びりん光材料は,一般材料及び蛍光材料のような単層の色材面ではなく,附属書JA
に示したような複雑な仕組みの多層構造をもっている。

4.2 使用環境

  使用環境は,次による。
a) 安全標識の予想される使用環境は,“屋内形”,“屋外形”及び“特殊形”に分類する。
b) 屋内形は,通常は周囲温度1030 ℃の範囲内で使用され,例えば, 衝撃,摩擦,周囲温度の範囲を
超える短期間の温度変化,紫外線への露出,刺激的雰囲気による質的劣化などの環境で使用される。
また,この安全標識は,非刺激性の洗剤などで定期的に洗浄されることが想定される。
c) 屋外形は,季節ごと並びに一日ごとの温度,湿度の変動及び日光,風雨などの気象条件の中で使用さ
れる。気象条件は,例えば“北半球”,“熱帯”などの具体的な指定ができ,個々の条件に対応する性
能上の配慮が要求されることもある。
d) 特殊形は,屋内形及び屋外形で説明した以外の使用環境又は,屋内形及び屋外形ではあるが,特殊形
の性能の特性を強調するために区別される状況で使用される。

――――― [JIS Z 9107 pdf 6] ―――――

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4.3 主な構造材

  主な構造材は,次による。
a) 安全標識の基板に使用される構造材は,“プラスチック”,“金属”及び“その他”の材質によって分類
し,それぞれにかかわる“剛性(R)”及び“軟性(F)”に副分類する。また,複合材としての性質を
もつ多層材及び表面に特別な保護措置としての構造材を用いる場合もある。
b) 再帰性反射体は,図JA.1に示した構造のように,反射層を保護するトップ層,ガラスビーズ,バイン
ダー層などの特殊構造材で構成する。
c) りん光材料は,図JA.2のように透明保護層,りん光材料を含む蓄光層,りん光を反射する白色反射層,
などの構造材で構成する。
d) その他,構造材にかかわる安全標識の大きさは,JIS Z 9101による。

4.4 照明方法

  照明方法は,次による。
a) 安全標識の照明方法は,“外照式”,“内照式”及び“外照及び内照の両方”に分類する。外照式は,自
然光及び各種の人工照明などで最も一般的な照明である。
なお,その照射照度は,安全標識の視認性の高低及びそれに関連する安全標識の大きさ(高さh)
との関連が深い(JIS Z 9101の10.参照)。
b) 蓄光安全標識の場合,外照式は一般的な照明であると同時に,りん光材料の励起光としての役割をも
つ。
c) 内照式は,透過色光を得るための照明方法で,その光源は,JIS Z 9103の表3(安全色及び対比色の
色度座標の範囲,輝度率及び基準色)に規定する白色蛍光ランプを用いる。また,常用電源が停電し
たとき,内蔵する蓄電池,又は外部からの非常用電源に自動的に切り替わる電気的機構をもたなけれ
ばならない。
d) この色材を用いる内照式安全標識は,通常何らかの外部照明を受けるので,分類は内外両方の照明と
なる。この場合,例えば内照式出口標識及び避難誘導標識では,対比色の輝度と観測距離との関係,
使用環境の明暗に対応する輝度の調整などを配慮しなければならない(JIS Z 9101の10.参照)。

4.5 取付方法

  取付方法は,次による。
a) 安全標識の取付方法は,“機械的”,“感圧接着”及び“その他”に分類する。
b) 感圧接着による方法については,その接着剤の機能的な種類として,次のような副分類がある。
− P=永久的 : 予想耐用年数の全期間にわたって取付けが持続する接着剤
− R=はく離可能 : 安全標識を取り付けた表面に目立った損傷を残すことなく,予想耐用年数の途中
で容易にはく離できる接着剤
− M=位置可変 : 目立った損傷を残すことなく,2回以上はく離及び再接着のできる位置変更可能
な接着剤
− S=特殊接着剤 : 粗い表面又は滑らかな下地に塗布できるように設計された接着剤
− L=低温性 : 4 ℃までの温度で塗布できる接着剤
− V=極低温性 : 4 ℃未満の温度で塗布できる接着剤
要求された場合は,温度限界を指定することができる。
c) 感圧接着剤の接着強さは,剛性構造材については表4に,軟性構造材については表5の副分類がある。

――――― [JIS Z 9107 pdf 7] ―――――

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4.6 光沢

  安全標識の光沢の分類は,光沢度によって次の3段階とする。
− H=高光沢 : >70ユニット
− I=中光沢 : 3070ユニット
− L=低光沢 : <30ユニット

4.7 任意仕様

  特殊形の使用環境,特殊な用途などに適応する安全標識の仕様は,極高温・極低温などの様々な気象条
件に対応するもの又は床面若しくは路面設置用など使用者が任意に要求できるものがある。

5 性能基準

  箇条4の,安全標識の分類に適用する性能項目について,それぞれに要求する性能基準は,次による。
注記 安全標識の分類に適用し,試験を行う性能項目の一覧表を附属書JCに示す。

5.1 すべての安全標識

  箇条4の分類にかかわる,すべての安全標識は,次の性能基準を満足しなければならない。
5.1.1 色材の色
a) 安全標識のりん光材料を除く各色材の色は,6.2.1 a)によって試験し,JIS Z 9103の表3の基準色に,
JIS Z 9101の表3の狭い色域の色度座標の範囲に準じる許容色差で等色しなければならない。また,
6.2.2以下変退色の有無を指摘している色に影響を及ぼす性能試験後も,JIS Z 9103の表3の色度座標
の範囲及び輝度率を保持しなければならない。
b) りん光材料の昼光照明下における対比色は,6.2.1 b)によって試験し,JIS Z 9101の表4の色度座標の
範囲及び輝度率に適合しなければならない。
なお,りん光材料の対比色には,基準色の規定はない。
5.1.2 耐候性
安全標識の耐候性は,6.2.2によって試験したとき,目視検査で対照見本と比較し,構造材及びデザイン
要素に,凹凸,はがれ,割れ,ひび,破れ,チョーキング,ゆがみ,大きなかききず,変退色などの目立
つ変化があってはならない。
5.1.3 耐衝撃性
安全標識の耐衝撃性は,6.2.3によって試験したとき,安全標識の表面にわずかなへこみしか生じず,ま
た,デザイン要素にはいかなる損傷も生じてはならない。
5.1.4 耐水性
安全標識の耐水性は,6.2.4によって試験したとき,目視検査で対照見本と比較し,構造材及びデザイン
要素に,凹凸,はがれ,割れ,ひび,破れ,チョーキング,ゆがみ,大きなかききず,変退色などの目立
つ変化があってはならない。
5.1.5 耐燃性
金属,ガラス及びセラミック以外の構造材で製造された安全標識の耐燃性は,6.2.5によって試験したと
き,選択した試験方法によってそれぞれ次の性能基準に適合しなければならない。
− 酸素指数が26以上(6.2.5.2による場合)
− 850 ℃でのグローワイヤ試験に適合する(6.2.5.3による場合)
− 難燃性試験に適合する(6.2.5.4による場合)
5.1.6 耐湿性

――――― [JIS Z 9107 pdf 8] ―――――

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安全標識の耐湿性は,6.2.6によって試験したとき,目視検査で対照見本と比較し,構造材及びデザイン
要素に,凹凸,はがれ,割れ,ひび,破れ,チョーキング,ゆがみ,大きなかききず,変退色などの目立
つ変化があってはならない。
5.1.7 耐ふ(拭)き取り性
安全標識の耐ふ(拭)き取り性は,6.2.7によって試験したとき,目視検査で対照見本と比較し,構造材
及びデザイン要素に,凹凸,はがれ,割れ,ひび,破れ,チョーキング,ゆがみ,大きなかききず,変退
色などの目立つ変化があってはならない。
5.1.8 表面印刷の付着性
安全標識の表面印刷の付着性は,6.2.8によって試験したとき,接着テープの方へ付着する印刷部分が目
立ってはならない。
5.1.9 光沢度
安全標識の光沢は,6.2.9によって試験し,安全標識の表面の光沢の分類は,4.6に適合しなければなら
ない。

5.2 特定の色材の測光特性

  色材が再帰性反射体,りん光材料及び照明方法が内照式の透過色光の測光特性は,次による。
5.2.1 再帰性反射体の再帰反射係数
再帰性反射体の再帰反射係数は,6.3.1によって試験したとき,JIS Z 9103の表6に規定された値以上で
なければならない。
5.2.2 りん光材料の最低りん光輝度
りん光材料の最低りん光輝度は,6.3.2によって測定したとき,表2又は表3に示す四つの副分類のいず
れか一つに該当しなければならない。
表2−常用光源蛍光ランプD65を用いたりん光材料の最低りん光輝度
単位 mcd/m2
最低りん光輝度
副分類
2分後 10分後 20分後 30分後 60分後
JA 210 50 24 15 7
JB 440 105 50 31 15
JC 880 210 100 62 30
JD 1 760 420 200 124 60
励起光条件 : 200 lxで照射して励起時間20分
表3−キセノンアーク灯を用いたりん光材料の最低りん光輝度
単位 mcd/m2
最低りん光輝度
副分類
2分後 10分後 20分後 30分後 60分後
A 108 23 11 7 3
B 210 50 24 15 7
C 690 140 68 45 20
D 1 100 260 130 85 35
励起光条件 : 1 000 lxで照射して励起時間5分

――――― [JIS Z 9107 pdf 9] ―――――

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5.2.3 透過色光の輝度対比及び輝度の均一性
透過色光の安全色と対比色との輝度対比及び対比色内の輝度の均一性は,6.3.3によって試験したとき,
JIS Z 9101の表6に適合しなければならない。

5.3 特定の分類の安全標識

  使用環境,主な構造材及び取付方法の特定の分類にかかわる安全標識の性能基準は,次による。
5.3.1 屋外用金属製安全標識の耐食性
使用環境が屋外用の金属製安全標識の耐食性は,6.4.1によって試験したとき,目視検査で対照見本と比
較し,構造材及びデザイン要素に腐食,凹凸,はがれ,割れ,ひび,破れ,チョーキング,ゆがみ,大き
なかききず,変退色などの目立つ変化があってはならない。
注記 この性能基準は,特殊形(S)の使用環境で用いるものとして分類する安全標識にも適用され
る。
5.3.2 主な構造材の剛性及び軟性
主な構造材は,剛性及び軟性によって副分類し,6.4.2によって試験したとき,自重によって下方へ傾く
角度が長さ200 mmのときに≦5°,300 mmのときに≦15°のものを剛性(R)とし,また,自重によっ
て下方へ傾く角度が長さ200 mmのときに>5°,300 mmのときに>15°のものを軟性(F)とする。
5.3.3 感圧接着剤の接着強さ
取付方法が感圧接着のものは,接着剤の接着強さによって副分類し,6.4.3によって試験したとき,剛性
構造材の場合は,せん断強さによって表4のとおりとし,軟性構造材の場合は,はく離強さによって表5
のとおりとする。
表4−剛性構造材のせん断強さ
副分類 おもりN 強さの判定基準
O 10 3個の試験見本のいずれかに接着不良あり
10 3個の試験見本のいずれにも接着不良なし
N
50 3個の試験見本のいずれかに接着不良あり
H 50 3個の試験見本のいずれにも接着不良なし
注記1 おもりNは,面積25 mm×25 mm当たりの力(N)
注記2 “O”は不適合である。
表5−軟性構造材のはく離強さ
副分類 幅25 mm当たりの力(N)
T ≧25
U ≧18
V ≧13
W ≧10
X ≧7
Y ≧4
Z ≧1

5.4 任意仕様の安全標識

5.4.1  耐気象性
5.4.1.1 気象条件による寸法収縮安定性

――――― [JIS Z 9107 pdf 10] ―――――

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JIS Z 9107:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17398:2004(MOD)

JIS Z 9107:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9107:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1609-1:2006
照度計 第1部:一般計量器
JISC60695-2-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第2-10部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―グローワイヤ試験装置及び一般試験方法
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISF8061:2005
船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
JISK5600-5-10:1999
塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第10節:耐摩耗性(試験片往復法)
JISK5600-5-3:1999
塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第3節:耐おもり落下性
JISK5600-5-6:1999
塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第6節:付着性(クロスカット法)
JISK7100:1999
プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
JISK7201-2:2007
プラスチック―酸素指数による燃焼性の試験方法―第2部:室温における試験
JISK7350-2:2008
プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第2部:キセノンアークランプ
JISL0849:2013
摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JISZ2371:2015
塩水噴霧試験方法
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態
JISZ8716:1991
表面色の比較に用いる常用光源蛍光ランプD65―形式及び性能
JISZ8741:1997
鏡面光沢度―測定方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則
JISZ9103:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全色の色度座標の範囲及び測定方法