JIS A 8304:2001 土工機械―運転員の座席の振動評価試験 | ページ 2

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A 8304 : 2001 (ISO 7096 : 2000)
すのに必要な全振幅をもつものとする。これを実現するためには,振動台の変位の全振幅を座席サスペン
ション機構のストロークのおよそ40%とすることとなる。
なお,ならし運転中はサスペンション機構のショックアブソーバの過熱に注意を払う必要があり,強制
冷却してもよい。
上記条件での垂直方向の振動伝達率の測定結果が3回続けて±5%以内に収まれば,座席のならし運転済
みとみなす。この測定は座席を定常的にならし運転しながら行い,測定間隔は30分又は1 000回おきのい
ずれか短い方とする。
座席は,製造業者の取扱説明書に従い運転員の体重に合わせて調節する。
座席の高さの調節又は運転員の体重によってサスペンションの有効ストロークが影響されない場合は,
座席をストロークの中心になるよう調節して試験を行う。
座席の高さの調節又は運転員の体重によってサスペンションの有効ストロークが影響される場合は,座
席の製造業者が指定する全ストロークがとれるよう座席を一番低い位置に調節して試験を行う。
背もたれの角度が調節できる場合は,おおよそ垂直でやや後方へ傾けた角度 (10°±5°) とする。
5.3 運転員及び姿勢 座席の模擬振動入力試験は,2人の運転員について行う。軽い方の運転員は腰のま
わりのベルトに5kg以内のおもりを付けてもよいが,全体の質量は52kg55kgとし,重い方の運転員は腰
のまわりのベルトに8kg以内のおもりを付けてもよいが全体の質量を98kg103kgとする。どちらの運転
員もきちんと座席に腰掛けた姿勢をとり,試験中ずっとこの姿勢を保つものとする(図1参照)。
運転員の姿勢の違いによって試験結果に10%もの差を生じ得る。このため,ひざ及び足首の推奨角度を
図1に規定する。
5.4 入力振動
5.4.1 SEAT値を評価するための模擬入力振動試験 この規格では,SEAT値を決定することを目的とし
て土工機械に関して9種の入力スペクトルクラス(EM 1からEM 9)の入力振動を規定する。ISO 10326-1 :
1992の9.1.2によってSEAT値は,次の式で定義する。
SEAT=awS12/awP12
SEAT値を決定するための模擬入力振動は,ISO 10326-1の8.1に従って定義されるが,振動感覚周波数
補正はTR Z 0006による。各クラスごとの試験用入力は,振動試験台の垂直(z軸)方向の振動加速度パ
ワースペクトル密度G*P (f) 及びその試験台の垂直方向の加速度の振動感覚補正前の実効値の目標値 (a*P12,
a*P34) によって定義される。
入力スペクトルクラスEM 1EM 9の振動(負荷)特性を,それぞれ図2図10に示す。図2図10
の加速度パワースペクトル密度曲線の方程式を表2に示す。これらの式によって定義される曲線は,5.5.2
の模擬入力振動試験で座席取付け部において発生させるべき振動の目標値である。入力振動は,f1とf2で
定義される周波数範囲外の振動成分を除外して決定(計算)する。
さらに,表4は,座席取付け部における実際の入力パワースペクトル密度の試験入力値を定義する。
各運転員及びISO 10326-1 : 1992の9.1による各入力振動に対し,連続3回試験を行う。各試験の有効な
継続時間は180s以上とする。
ある試験仕様に対して得られたSEAT値にその算術平均の±5%を超えるものがなければ,試験の再現性
という面からは上述の3回の測定試験は,有意とみなす。又は,この要求を満足するまで3回シリーズの
測定を続けなければならない。
測定時間Ts及び周波数分析帯域幅Beは,次の式を満足するものとする。
2×Be×Ts>140

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Be<0.5Hz
備考1. クラスEM 7はISO 5007 : 1990“ホイール式農業用トラクタ−運転員の座席−振動伝達の室内
試験”によるクラス1のホイール式農業用トラクタに用いる座席の試験にも用いる。
2. 模擬入力振動試験における座席取付け部での所要のPSD(入力パワースペクトル密度)及び
実効値を発生させるためには2重積分器,アナログ信号発生器とフィルタ,デジタルアナロ
グ変換器とデジタル信号発生器の組合せなどのような方法を用いてもよい。
5.4.2 ダンピング試験 座席に75kgの慣性質量を載荷し,サスペンション機構の想定される共振周波数
の0.5倍2倍の範囲の正弦波で加振する。慣性質量は,要すれば,運転員の座席の上で動いたり落下した
りしないようしっかり取り付ける。
共振周波数を決定するため周波数範囲内を連続掃引するか0.05Hz以内の間隔で段階的に調べる。いずれ
の方法でも,周波数は低い方(サスペンション機構の想定される共振周波数の0.5倍)から高い方(サス
ペンション機構の想定される共振周波数の2倍)まで変化させ,次に高い方から低い方に戻す。周波数掃
引は,座席の製造業者の指定するサスペンション機構の動作範囲(ストローク)の40%に等しい値又は
50mmのいずれか小さい値の定常的な加振台変位で行い,最低80sは継続する。
ダンピング試験及び共振点における振動伝達率H (fr) の計算はISO 10326-1 : 1992の9.2によって行う。
いずれにしても,ダンピング試験そのものは,サスペンション機構の動作範囲(ストローク)の40%が
たとえ50mmを超える場合でも,座席の取付け部の変位の振幅を,この40%として行う。
座席のサスペンションの共振周波数における測定試験は,1回だけ必要である。
5.5 入力振動の公差 ISO 10326-1 : 1992の8.1による。
5.4.1の運転員の座席に対する加振入力は,近似的な方法の模擬装置によってだけ発生し得る。試験入力
を有意とするためには,次の要求を満足しなければならない。
5.5.1 分布関数 試験台の加速度を1秒間に50個以上サンプリングするものとし,振動感覚補正前の実
効加速度の20%以下の振幅区間で分析して得られる確率密度関数は,真の加速度実効値の±200%の間では,
理想的なガウス分布の±20%以内になければならず,かつ,真の加速度実効値の±350%を超える測定値が
ないものとする。この要求の目的のための真の加速度実効値a*P12を表4に示す。
5.5.2 パワースペクトル密度及び実効値 試験台において測定された加速度のパワースペクトル密度は,
次の場合にだけ目標値G*P (f) で代表すると考えられる。
a) 1≦f≦f2に対して
G*PL (f) ≦GP (f) ≦G*PU (f)
ここに,
G*PL (f) =G*P (f) −0.1×max [G*P (f) ]
ただしG*P (f) −0.1×max [G*P (f) ] >0のとき
G*PL (f) =0
ただしG*P (f) −0.1×max [G*P (f) ] ≦0のとき
G*PU (f) =G*P (f) +0.1×max [G*P (f) ]
b) 0.95×a*P12≦aP12≦1.05×a*P12
c) 0.95×a*P34≦aP34≦1.05×a*P34
図2図10は,GP (f) の許容値を示している。G*P (f) の形は,表2にフィルタの数値の組合せとして定
義される。f1,f2,f3,f4,max [G*P (f) ] ,a*P12及びa*P34は表4に示す。
6. 許容値

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6.1 SEAT値 (Seat Effective Amplitude Transmissibility factor)特定の入力スペクトルクラスに対して
設計された運転員の座席は,表1に示すSEAT値を満足しなければならない。
表1 入力スペクトルクラスによるSEAT値
入力スペクトルクラス SEAT値
EM 1 <1.1
EM 2 <0.9
EM 3 <1.0
EM 4 <1.1
EM 5 <0.7
EM 6 <0.7
EM 7 <0.6
EM 8 <0.8
EM 9 <0.9
備考 よい運転員の座席は,高めの周波数範囲においてサスペンション系の効果によって著しく振動
が減少するようになっているので,低めの周波数範囲においては若干振動が増加する。入力ス
ペクトルクラスEM 1EM 4では試験するパワースペクトル密度PSDが低い周波数範囲に限ら
れている。低い周波数範囲では,衝撃負荷が重要であり,これに対し高い減衰特性が必要とさ
れる。このため,座席の測定試験を行うとSEAT値が1に近いか若干上回ることになる。
6.2 ダンピング特性 垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率H (fr) =aS (fr) /aP (fr) は,次の値未満
とする。
入力スペクトルクラスEM 1,EM 2,EM 3,EM 4及びEM 6では1.5
入力スペクトルクラスEM 5,EM 7,EM 8及びEM 9では2.0
7. 座席の識別 座席の分かりやすい位置に容易に消えない銘板によって座席の識別を表示する。銘板は,
次の事項を含む。
− 製造業者の名称又はロゴ
− 型式名称(例えば,部品番号)
− “JIS A 8304 : 2001による”という語に続けて入力スペクトルクラス(例えば,EM 1,EM 2ほか)
8. 試験報告 試験報告は,この規格の適用結果の理解,解釈,使用のためのすべての必要な事項を含む。
試験結果は,座席の許容基準によって照査され図11及び図12に示す報告書様式で記録する。試験報告
書は,次の事項を含む。
a) 製造業者の名称及び住所
b) 座席の型式,製品番号及び製造番号
c) 試験期日
d) ならし運転の詳細
e) 測定ディスクの形式 : 半剛体,剛体
f) 入力スペクトルクラス
g) 模擬入力振動試験における人体への振動伝達 :
− 振動試験台の振動 awP12
− 運転員の座席の測定ディスクでの振動 awS12
− 運転員の体重(質量) 単位kg

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− SEAT値
h) 共振周波数における振動伝達率
i) 試験責任者の氏名
j) 試験機関の名称
k) 銘板の位置(7.参照)
表2 入力スペクトルクラスの定義
入力振動のスペクトルクラス G*P (f)
EM 1 2.82 (HP24)2 (LP24)2
EM 2 2.72 (HP24)2 (LP24)2
EM 3 1.93 (HP24)2 (LP24)2
EM 4 0.60 (HP24)2 (LP24)2
EM 5 1.11 (HP24)2 (LP6)2
EM 6 0.79 (HP12)2 (LP12)2
EM 7 9.25 (HP48)2 (LP48)2
EM 8 1.45 (HP24)2 (LP12)2
EM 9 2.10 (HP24)2 (LP12)2
(LP6)=1/ (1+S)
(LP12)=1/ (1+1.414S+S2)
(LP24)=1/ (1+2.613S+3.414S2+2.613S3+S4)
(LP48)=1/ (1+5.126S+13.137S2+21.846S3+25.688S4+21.846S5+13.137S6+5.126S7+S8)
(HP12)=S2/ (1+1.414S+S2)
(HP24)=S4/ (1+2.613S+3.414S2+2.613S3+S4)
(HP48)=S8/ (1+5.126S+13.137S2+21.846S3+25.688S4+21.846S5+13.137S6+5.126S7+S8)
ここに,
S=jf/fc
j 1
f=周波数 (Hz)
fc : 表3に示すフィルタの遮断周波数 (Hz)
備考 HP及びLPはButterworthタイプの高域フィルタ及び低域フィルタを示す。上の表は遮断
周波数及び減衰特性によってフィルタの特性を記述する。
表3 フィルタの遮断周波数
入力スペクトルクラス フィルタの遮断周波数fc (Hz)
フィルタの定義
(LP6) (LP12) (LP24) (LP48) (HP12) (HP24) (HP48)
EM 1 − − 2.5Hz − − 1.5Hz −
EM 2, EM 3, EM 4 − − 3.0Hz − − 1.5Hz −
EM 5 3.5Hz − − − − 1.5Hz −
EM 6 − 9.0Hz − − 6.5Hz − −
EM 7 − − − 3.5Hz − − 3.0Hz
EM 8 − 3.0Hz − − − 3.0Hz −
EM 9 − 4.0Hz − − − 3.5Hz −
備考 HP及びLPは,Butterworthタイプの高域フィルタ及び低域フィルタを示す。付随する番号
は,フィルタの減衰特性をオクターブ当たりのデシベル値で示す。上の表は,遮断周波数及
び減衰特性によって帯域フィルタの特性を記述する。

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表4 各種の機械に対する模擬入力振動の特性
機械の形式 入力スペ G*P (f) 周波数範囲f1f2 周波数範囲f3f4
クトルク (m/s2)2 f1及びf2 a*P12 a*wP12 SEAT f3及びf4 a*P34 a*wP34
ラス /Hz max Hz m/s2 m/s2 Hz m/s2 m/s2
アーティキュレートフレーEM 1 2.21 f1=0.89 1.71 1.26 1.1 f3=1.50 1.41 1.00
ム式及び固定フレーム式ダ f2=11.22 f4=2.50
ンパ>4 500kga)
スクレーパで,車軸又はフEM 2 2.41 f1=0.89 2.05 1.59 0.9 f3=1.50 1.78 1.33
レームにサスペンションを f2=11.22 f4=3.00
もたないものb)
ホイールローダ>4 500kga)
EM 3 1.71 f1=0.89 1.73 1.34 1.0 f3=1.50 1.50 1.12
f2=11.22 f4=3.00
グレーダ EM 4 0.53 f1=0.89 0.96 0.75 1.1 f3=1.50 0.83 0.62
f2=11.22 f4=3.00
ホイール式トラクタドー EM 5 0.76 f1=0.89 1.92 1.65 0.7 f3=1.50 1.43 1.23
ザ,タンピングローラ及び f2=17.78 f4=5.00
バックホウローダ
クローラ式トラクタドーザEM 6 0.34 f1=0.89 1.63 1.41 0.7 f3=5.00 1.40 1.28
≦50 000ga) c), ローダ及び不 f2=17.78 f4=12.00
整地運搬車
コンパクトダンパ EM 7 5.56 f1=0.89 2.25 2.05 0.6 f3=2.90 1.81 1.63
f2=11.22 f4=3.60
コンパクトローダ EM 8 0.40 f1=0.89 1.04 0.97 0.8 f3=2.50 0.87 0.82
f2=17.78 f4=5.00
コンパクトローダ(スキッEM 9 0.78 f1=0.89 1.63 1.59 0.9 f3=3.00 1.33 1.31
ドステア式) f2=17.78 f4=6.00
備考 上記の値は, 替 0.001HzきざみでTR Z 0006 : 2000の附属書Aに定義する複素関数(帯域制限)を用いて計算
したものである。きざみ 更したり,近似式を用いると,若干の差異が生じるかもしれない。
a) 運転質量(JIS A 8320参照)
b) サスペンション機構をもつスクレーパには,サスペンション機構をもたない運転員の座席か,減衰特性の高いサスペ
ンションをもつものを使用してもよい。
c) 50 000kg以上のクローラ式トラクタドーザでは,クッションタイプの運転員の座席でも,運転員の座席の性能要求は
満足される。
(f) (m/s2)2/Hz max
G*P 座席取付け部の垂直振動のパワースペクトル密度の目標値
a*P12 周波数f1f2の間において,座席取付け部の補正前の垂直加速度実効値の目標値 m/s2
a*wP12 周波数f1f2の間において,座席取付け部の補正垂直加速度実効値の目標値 m/s2
SEAT 運転員の座席の振幅実効値伝達係数
a*P34 周波数f3f4の間において,座席取付け部の補正前の垂直加速度実効値の目標値 m/s2
a*wP34 周波数f3f4の間において,座席取付け部の補正垂直加速度実効値の目標値 m/s2

――――― [JIS A 8304 pdf 10] ―――――

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  • ISO 7096:2000(IDT)

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