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B 9623 : 2002 (ISO 14981 : 2000)
4.1.2 環状入射モード 照射は環内にわたって均一であるものとする。もし,試料の反射特性がその面で
回転させても不変であるならば,照射は環内にわたって均一である必要はない。
備考 印刷物が,指向性にあまり敏感に影響を受けないことが分かっている場合で,環内均一性が得
られないときには,下記の方法で照射してもよい。
入射光は方位角90度の位置にある2個の光源,より望ましくは,等しい方位角に置いた2
個以上の光源からくるものとする。もし,0/45/90度の各方向設定で濃度測定を5回繰り返した
結果,その平均が濃度差0.03以内ならば,指向依存度は無視できる範囲である。
照射輝度の角度成分の分布はサンプリングアパーチャの中心部において,45±2度でその最大値となり,
また,最大角度から5度以上離れた角度において無視できる範囲であるものとする。図1を参照。
受光部は,サンプリングアパーチャに対し垂直に受けるものとする。受光部感度の角度成分の分布はサ
ンプリングアパーチャの中心において,その垂直線から2度以内で最大値となり,また,最大角度から5
度以上離れた角度において無視できる範囲でなければならない。図1を参照。
4.1.3 環状反射モード 受光部の感知は環状とし,その感度は環内にわたって均一でなければならない。
試料の反射特性が,その水平面で回転させても一定であるならば,受光部の感度分布は環内にわたって均
一である必要はない。
備考 印刷物が,指向性にあまり敏感に影響を受けないことが分かっている場合で,環内均一性が得
られないときには,次の方法で受光してもよい。
入射光は方位角90度の位置にある2個の受光部,より望ましくは,等しい方位角に置いた2
個以上の受光部からなるものとする。もし,0/45/90度の各方向設定で濃度測定を5回繰り返し
た結果,その平均が濃度差0.03以内ならば,指向依存度は無視できる範囲である。
受光部感度の角度成分の分布はサンプリングアパーチャの中心部において,45±2度でその最大値とな
り,また,最大角度から5度以上離れた角度において無視できる範囲でなければならない。
凡例
1 : サンプリングアパーチャ
実線 : 最大値及びその許容度の公称角度
点線 : 最大値を得る角度から2度ずれた例
また,照射Eの分布,受光感度sを余緯度θに対して示す。
図 1 環状入射モード-サンプリングアパーチャ中心部での放射すいを示す断面
――――― [JIS B 9623 pdf 6] ―――――
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光源は,サンプリングアパーチャに対し垂直に照射する。照射光束の角度成分の分布はサンプリングア
パーチャの中心において,その垂直線から2度以内で最大値となり,また,最大角度から5度以上離れた
角度において無視できる範囲であるものとする。
4.2 機構的アパーチャとサンプリングアパーチャ
機構的アパーチャの内側の境界は,サンプリングア
パーチャ境界の0.5mm以上外側に置く。円形のサンプリングアパーチャの直径は,スクリーン幅の15倍
以下としないことが望ましいが,実用される最も粗いスクリーン線数のスクリーン幅の10倍以下としては
ならない。4.7を参照。非円形サンプリングアパーチャの面積は,円形サンプリングアパーチャで要求され
る面積より小さくしてはならない。
備考 サンプリングアパーチャの最少サイズとスクリーン幅の関係は,附属書C[3]及びJIS B 9622
に記載されているものと同一である。
凡例
1 : サンプリング領域
2A : サンプリング領域より小さい照射領域
2B : サンプリング領域より大きい照射領域
図 2 サンプリング領域の境界と起こり得る2種の照射領域の模式図
4.3 照射領域
すべての照射領域の境界は,サンプリングアパーチャ境界から内側又は外側に0.5mm以
上離す。図2参照。
備考1. この要求は,反射率係数を測定するとき,測定器受光部サンプリングアパーチャ内の光が試
料の半透明性によって,内側から外側へと横方向に拡散するために生じる横方向の測定誤差
を減少させる。通常,反射率係数は,全反射光を集めた場合より低くなる。
2. 実際には,照射領域はサンプリングアパーチャよりも小さくするほうが好ましい。
3. 通常,印刷における濃度測定は,均一なトーンバリューをもつコントロールパッチを非常に
小さいサンプリングアパーチャで行うため,均一性については規定していない。
4.4 分光条件
4.4.1 入射スペクトル 試料に照射する分光エネルギー分布は,分布温度2 856Kに相当するCIE標準A
光源とする。許容誤差は,±100Kとする。
備考 印刷材料,特に印刷支持体は,蛍光性がある場合もあるので,この要求事項は特に重要である。
蛍光性が問題とならなければ,同一の分光反射率係数データを測色値やステータス濃度の計算
に使用してもよい。
――――― [JIS B 9623 pdf 7] ―――――
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4.4.2 分光積 黒や灰色のような無彩色の測定では,分光積はISO 5-3で規定されるISO視感反射濃度に
従って求める。シアン,マゼンタ及びイエローという有彩色の測定においては,三つの有彩色に対する測
定器の分光応答度の分光積は,ステータスT,I又はEの濃度についてISO 5-3で規定された分光積と合っ
ていなければならない。特に,シアンの分光応答度はISO 5-3で,“赤”と書かれた分光データに,マゼン
タの分光応答度は“緑”と書かれた分光データに,イエローの分光応答度は“青”と書かれた分光データ
に一致させる。
4.5 分光データからの反射濃度算出
ステータス濃度は,次のいずれかで決定できる。
− 反射分布の分光的重み付けのため,受光部の分光感度に合わせた光学フィルタを使用する測定器,又
は
− ステータス濃度を分光的に測定し算出する測定器。
分光的適合性確認には,2番目の方法を使用する。4.6.3を参照。
計算による濃度の算出は,次の方法で行う。
分光反射率係数は10nm間隔を基本として,分光感度関数は,感度の半値幅が10nmの三角形であ
る。もし,測定データがその測定波長間隔とバンドパスが10nmより狭いときは,ISO 13655の附属書
Aで与えた方法を使用して,データのバンドパスを広げることができる。反射率係数データの測定は,
少なくとも400nmから700nmまで行う。分光反射率係数は,4.1.2又は4.1.3に適合する測定器で,4.2,
4.3及び4.4.1に従って測定する。
反射濃度を計算するために次の式を使う。
(R )・ ( )
D g1 (1)
( )
ここに, D : 反射濃度
R(λ) : 波長λにおける反射率係数
Π(λ) : ISO 5-3で規定された波長λにおける分光積
1g : 10を底とする対数
積算は,分光積データに規定された範囲で行う。
反射率係数データが分光積データの最短波長(λ1)より長い波長(λ4)で始まる場合は,その波長(λ4)
以下の全分光積を合計し,その波長(λ4)の分光積に加算する。また,反射率係数データが分光積データ
の最長波長(λn)より短い波長(λn−3)で終わる場合は,その波長(λn−3)以上の全分光積を合計し,
その波長(λn−3)の分光積に加算する。
備考1. この手順は,ISO 13655で規定する測色計算の記載事項と同様である。
2. 分光反射率係数が波長によって急速に変化する場合は,10nmデータの使用は適切ではなく,
算出したステータス濃度は,連続感度関数を用いて求めた値と異なるであろう。
参考 反射率係数データ範囲と分光積データ範囲が異なる場合の算出方法を参考図1に示す。
――――― [JIS B 9623 pdf 8] ―――――
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参考図 1 反射濃度算出説明図
4.6 適合性
4.6.1 概要 測定器が,4.6.2及び4.6.3の要求事項を満たせば,この規格に適合する。測定器が偏光フィ
ルタを装備している場合には,4.6.4の追加要求事項を満足しなければならない。
4.6.2 直線性 四つのカラーチャネルを5.2に従って調整した後,ISO 15790に適合するCRMの反射濃
度を測定する。少なくとも0.0±0.2,1.0±0.2及び2.0±0.5の公称反射濃度をもつ三つのCRMにおいて,
測定濃度は,0.02%又は2%の誤差範囲内でCRMの添付文書記載の濃度と一致しなければならない。偏光
フィルタ付き測定器では,使用されるCRMは,附属書Aの要求事項も満足しなければならない。
備考 附属書Aに適合するCRMは,偏光フィルタをもたない測定器にも使用できる。
4.6.3 分光積の適合性 次に5.2に従って調整され,かつ4.6.2に適合する測定器に関して述べる。この
状態のままで,5.3.2及び5.3.4に従って求めた反射濃度は,プロセスインキのシアン,マゼンタ,イエロ
ー及びブラックのベタ部において,0.03%又は3%の誤差範囲内でなければならない。5.3.2及び5.3.5に従
って求めた反射濃度にも同様の条件が適用される。
備考 この直線性と分光積の複合要求は,実際にそのような測定器が使用されていることに由来する。
この複合要求は,試験前に個々の調整が許される直線性と分光積の独立した試験より厳しい条
件を測定器に要求する。
4.6.4 偏光 偏光フィルタ付き測定器では,5.4の試験方法による光沢抑制係数は,各々のカラーチャン
ネルにおいて50より小さくならないものとする。
4.7 表記事項
この規格に適合していると表示する測定器には,供給者は測定器に次の事項を添付しな
ければならない。
− その測定器で測定したステータス濃度。
− 偏光フィルタの有無。
− サンプリングアパーチャサイズ及び照射領域の明示。単位 : mm
− 測定可能なハーフトーンスクリーン線数の下限,4.2を参照。
− 測定器の校正,必要であれば,調整に関する説明及び方法。
――――― [JIS B 9623 pdf 9] ―――――
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供給者は,ISO 14807に明記された方法で測定器の性能仕様書を用意するのが望ましい。その文書では,
ステータス反射濃度は,完全反射面及び完全拡散面に対するものであることを一般使用者に対し明示する
ことが望ましく,それ以外の場合は反射という言葉の前に“相対”という形容詞を付ける。
5. 試験方法
5.1 概要
反射濃度の測定は,JIS B 9622に従って行う。バッキング材は,拡散反射性,分光的に非選
択性で,1.50±0.20のISO視感反射濃度をもつものを使用する。国の標準試験機関が報告する測定値には,
測定器の幾何光学系,ステータス条件を明示することが望ましい。
備考 次に述べる試験方法は,製造業者又は適切な装備をもつ研究施設を対象とするもので,一般使
用者を対象とするものではない。
5.2 調整
測定器を最適な状態で使用するため,校正,必要であれば調整を行う。調整内容には,ハー
ドウエア,必要であればソフトウエアが含まれる。
5.3 分光条件
5.3.1 CRMは,分光特性がISO 2846-1:1997の附属書Cの特性に適合し,色特性はこの規格の表1の
各L*,a*,b*値に±5の許容差で整合するものを用意する。適切なCRMがないときは,ISO 2846-1に準
拠するオフセットプロセスインキを用意し,表1で与えられた各L*,a*,b*値±5となるようにコート紙
に印刷したCMYKベタパッチを用意する。
5.3.2 印刷物を,5.1を満足するブラックバッキングの上に置き,測定器でプロセスインキのベタ4色を
測定する。
5.3.3 次の仕様を満たす精密分光光度計を用意する。
− バンド幅10nm以下
− 幾何光学系以外はISO 13655に適合
− この規格に適合した幾何光学系
− 性能は,国の標準試験機関で追試が可能で,測定作業に合った不確かさ水準で確認できるCRMで検
証されたもの。不確かさ水準は,4.6.3で記載された許容範囲で規定される。
偏光フィルタ付き測定器を試験する場合は,精密分光光度計にも偏光フィルタを備えること。5.1に従い,
少なくとも400nmから700nmの範囲で,ブラックバッキング上で4色プロセスインキの分光反射率係数
を測定する。波長ごとに5から10回測定した分光反射率係数を平均する。
5.3.4 式(1)と4.5の手順で,5.3.3の平均反射率係数から反射濃度を計算する。
5.3.5 測定器の使用目的によって,その他のインキセット又は色材セットを使用して,5.3.1から5.3.4の
手順を繰り返す。
備考 濃度測定が印画紙,染料熱昇華又はインクジェット材料を用いたオフプレスのカラープルーフ
の工程管理に使用する場合は,5.3.5の手順は特に重要である。
表 1 分光適合性試験に使うCRMのCILEAB値
単位 : 1
色 L* a* b*
シアン 54 −37 −50
マゼンタ 47 75 −6
イエロー 88 −6 95
ブラック 18 0 −1
備考 JIS B 9622に従って測定(ブラックバッキング,2°視野,D50,0/45又は45/0)
――――― [JIS B 9623 pdf 10] ―――――
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JIS B 9623:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14981:2000(IDT)
JIS B 9623:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 37 : 映像技術 > 37.100 : グラフィック技術 > 37.100.01 : グラフィック技術一般
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.180 : 光学及び光学的測定 > 17.180.30 : 光学測定機器
JIS B 9623:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9622:2000
- 印刷技術―反射濃度及び測色データの工程管理並びに画像評価への応用