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C 5630-6 : 2011 (IEC 62047-6 : 2009)
5 試験方法及び試験機
5.1 一般
試験機は,使用する試験片に対して適切なつかみ機構をもつとともに,繰返し負荷を与える機構をもつ
ことが望ましい。試験片に与える繰返し負荷は,基本的に引張−引張負荷であることが望ましい。
一定力振幅試験の場合は,試験機は,最大力及び最小力,又は平均力及び力振幅範囲をモニタする機構
をもたなければならない。また,力振幅範囲を一定に制御する機構をもつことが望ましい。
一定変位振幅試験の場合は,試験機は最大変位及び最小変位,又は平均変位及び変位振幅範囲をモニタ
する機構をもたなければならない。また,変位振幅範囲を一定に制御する機構をもつことが望ましい。
試験機は,試験片の破断を検出する機構をもつことが望ましい。試験では,破断までの力,又は変位の
繰返し数を記録しなければならない。
5.2 試験片のつかみ方法
試験片は,試験機の荷重軸と試験片の軸とが一致するように装着しなくてはならない。試験片の両端を
装着する場合は,試験片に不要な力及び/又は曲げ応力が加わらないよう,注意しなくてはならない。試
験片のつかみ方法としては,JIS C 5630-2の附属書A(試験片の装着方法)に示す方法が望ましい。また,
試験機には,試験片の軸が試験機の荷重軸に一致するように調整できる機構をもつことが望ましい。
5.3 静的引張強さ試験
疲労試験の試験条件を設定するために,疲労試験に先立ち,静的引張強さ試験を行うことが望ましい。
静的引張強さ試験は,JIS C 5630-2に示す手順によって実施しなければならない。
5.4 負荷方法
1サイクル目の負荷の途中で試験片が破壊した場合は,その破壊応力を記録するとともに,試験報告書
に記載しなければならない。一定力振幅試験の場合は,試験の間,最大力及び最小力,又は平均力及び力
振幅範囲を一定に保たなくてはならない。一定変位振幅試験の場合は,試験の間,最大変位及び最小変位,
又は平均変位及び変位振幅範囲を一定に保たなくてはならない。
負荷力測定には,加えた力の5 %の精度を保証する,十分に精度の高いロードセル(荷重計)を使用し
なければならない。ロードセルのドリフトは,試験を通じてフルスケールの1 %未満であるのが望ましい。
ロードセルの精度に関しては,JIS C 5630-2の附属書B(試験条件)を参照する。
一定変位振幅試験の場合は,加えた変位の5 %の精度を保証する,十分に精度の高い変位測定を行わな
ければならない。附属書Cを参照する。
5.5 試験の繰返し速度
応力負荷の繰返し周波数は,試験環境,使用する試験機の種類,及び試験片の剛性に依存するため,個々
の条件の組合せに対して最適な値に設定しなければならない。一般的に,繰返し周波数は薄膜材料を実際
に用いる条件も考慮して,適切に設定することが望ましい。さらに,繰返し負荷による試験片のひずみエ
ネルギーは急速に熱エネルギーに変換されてしまうため,繰返し周波数は,試験片の温度上昇が起きない
ように設定しなければならない。
なお,粘弾性特性をもつ試験片は,この規格では規定しない。
5.6 試験環境の制御
薄膜の疲労特性については環境の影響が大きいため,試験中の温度及び相対湿度は常にモニタしなけれ
ばならない。試験中の温度及び相対湿度は,それぞれ±1 ℃及び±5 %以内に制御するのが望ましい。試
験環境の影響については,附属書Dを参照する。試験中の温度及び相対湿度を制御することが困難な場合
も,モニタした温度及び相対湿度は試験報告書に記載しなければならない。
――――― [JIS C 5630-6 pdf 6] ―――――
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C 5630-6 : 2011 (IEC 62047-6 : 2009)
6 耐久性(試験の終了)
疲労試験は,試験片が破壊する,又はあらかじめ設定した繰返し数に達したときに終了しなければなら
ない。試験報告書には,いずれの条件(試験片の破壊,又はあらかじめ設定した繰返し数)で試験を終了
したかを記載しなければならない。
7 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。
次の事項は,必須とする。
a) この規格番号 JIS C 5630-6
b) 試験片の材質
− 単結晶の場合 : 結晶方位
c) 試験片の作製方法 次の作製方法を記載する。
− 成膜方法
− 加工条件
− 熱処理条件
d) 試験片の形状及び寸法
e) 疲労試験条件 次の疲労試験条件を記載する。
− 平均応力(一定変位振幅試験の場合,平均変位)
− 応力振幅範囲(一定変位振幅試験の場合,変位振幅範囲)
− 試験環境(温度及び相対湿度)
− 波形(正弦波,三角波,のこぎり状波)
− 周波数
f) 疲労試験結果 次の疲労試験結果を記載する。
− 破断までの繰返し数。ただし,あらかじめ定めた繰返し数で破壊が生じなかった場合は,繰返し
数,及び“破断なし”と記述する。
− 破断様式
なお,次の事項は,任意とする。
a) 微細構造
− 多結晶薄膜の場合,配向性及び粒径
b) 内部応力
c) 試験片の表面粗さ
d) 破壊形態の簡単な記載
――――― [JIS C 5630-6 pdf 7] ―――――
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C 5630-6 : 2011 (IEC 62047-6 : 2009)
附属書A
(参考)
この規格の技術的背景
A.1 薄膜軸荷重疲労試験の意義
MEMSデバイスは,一般的に基板上に形成した薄膜から作製する。デバイス作製に用いるマイクロマシ
ニング技術は,半導体プロセスで用いる堆積法及びエッチングの技術と同様のものである。そのため,薄
膜の微細構造及び表面粗さはプロセス条件に依存し,作製プロセスで微小欠陥が生じることもある。これ
らの欠陥は,薄膜の機械的特性に影響を与える。したがって,薄膜の機械的特性は,実デバイスと同様の
プロセスで作製した試料を用いて測定することが望ましい。特に薄膜の疲労特性は,MEMSデバイスの信
頼性及び耐久性設計のためには欠くことのできないデータである。これまでも薄膜を含む微小寸法部材に
対する疲労試験が行われており,薄膜から作ったオンチップ形の試験構造[2][3][4]又は微小試験片[5][6]を
用いた試験が行われてきた。しかし,これらの手法は標準化していないため,違う機関で行った疲労試験
結果を比較することは難しい。これまで,通常サイズ材料の疲労試験法については,ISO 1099[8] 及びASTM
E 466-96[9]で規格化している。これらの規格では,軸荷重疲労試験方法を初めに定め,その後,S-N曲線
のようなデータ処理を含む派生的な試験法を規定している。このように,軸荷重疲労試験は,静的荷重に
おける引張強さ試験と同様に,物質の疲労特性を評価する基本的な試験法である。したがって,薄膜の軸
荷重疲労試験方法を最初に規定することによって,MEMSデバイスにおける疲労特性の一般的な議論が可
能となる。
A.2 日本で行ったラウンドロビン試験の概要[10]
この規格は,2003年2005年にわたり日本で行った薄膜の軸荷重疲労試験に関するラウンドロビン試験
の結果に基づいて,薄膜材料の軸荷重引張−引張力疲労試験方法について規定したものである。
ラウンドロビン試験は,日本の幾つかの大学及び研究機関の参加のもとで行われた。使用した材料は,
単結晶及び多結晶シリコン薄膜,並びに多結晶アルミニウム薄膜で,これらの薄膜は,シリコン基板上に
成膜した。微小試験片は,フォトリソグラフィ技術を用いJIS C 5630-2に準拠して,同一の基板上の薄膜
層から作製した。試験片の形状はそれぞれの研究機関の試験機に適合するよう作製したが,試験片平行部
の大きさはJIS C 5630-2に準拠した。軸荷重疲労試験は,主として荷重力制御で行い,力の印加方法,力
測定法及び変位測定法について検討した。また,疲労寿命に及ぼす試験環境(主に湿度)の影響について
も試験した。試験結果は,S-N曲線としてまとめ,疲労寿命の相互比較を行った。標準試験法としての妥
当性を検証し,この規格としてまとめた。
――――― [JIS C 5630-6 pdf 8] ―――――
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C 5630-6 : 2011 (IEC 62047-6 : 2009)
附属書B
(参考)
試験片
試験片の形状及び寸法は,JIS C 5630-2で規定する試験片に準拠するのが望ましい。試験片の降伏応力
及び破壊強度に基づいて,軸荷重疲労試験の条件を決定する。したがって,引張強さ試験と同じ形状の試
験片を用いることによって,疲労試験の条件設定が容易に行えることになる。
なお,JIS C 5630-2で規定する試験片の断面は,ISO 6892[11]で規定する引張試験片の断面を比例縮小し
た形状となっている。
――――― [JIS C 5630-6 pdf 9] ―――――
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C 5630-6 : 2011 (IEC 62047-6 : 2009)
附属書C
(参考)
変位測定
試験片に標点が付いている場合,レーザ光を標点に照射して得た反射光の干渉を利用する方法,又は離
れた二つの標点を1画面に取り込む2視野顕微鏡による2標点の同時測定の方法によって変位量を測定す
るのが望ましい。標点を試験片に付けるのが困難な場合,又は(力の繰返し周波数が高いため)標点間距
離を測定できない場合は,つかみ具又はアクチュエータの変位をもって変位量とすることもできるが,そ
のことを報告書に記載する。
――――― [JIS C 5630-6 pdf 10] ―――――
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JIS C 5630-6:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62047-6:2009(IDT)
JIS C 5630-6:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 5630-6:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5630-2:2009
- マイクロマシン及びMEMS―第2部:薄膜材料の引張強さ試験方法