JIS C 60068-3-5:2006 環境試験方法―電気・電子―第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 | ページ 2

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C 60068-3-5 : 2006 (IEC 60068-3-5 : 2001)
図 2 温度差の例
3.10 温度極値 (temperature extremes) 温度安定化後に,有効空間内で観測された到達温度の最高値及び
最低値。

4. 温度試験槽の性能測定

4.1 試験場所の環境

 試験槽の周りの環境が,試験槽内の条件に影響を与えることがある。試験槽の性
能確認は,標準大気条件下で行うことが望ましい。
参考 測定及び試験のための標準大気条件は,JIS C 60068-1の5.3.1に次のように規定されている。
温度 : 15 ℃35 ℃,相対湿度 : 25 %75 %,気圧 : 86 kPa106 kPa
次の事項を考慮することが望ましい。
− JIS C 60068-1に規定する雰囲気条件を,基本的に満足しているか。
− 試験槽は,太陽光に直接さらされていないか。
− 試験槽は,電磁的干渉を受けていないか。
− 試験槽は,水平に保たれているか。
− 試験槽は,すべての機械的及び音響的振動の干渉を受けないような場所に固定されているか。
製造業者からの電力供給の要求事項に関する注意及び環境条件を考慮することが望ましい。
通常と異なることがあるときは,記録しておくことが望ましい。

4.2 温度測定システム

 測定システムの出力に関する測定の不確かさは,国際規格(ISO 10012参照)に
従ったトレーサブルな校正方法によって決定されていることが望ましい。通常用いる温度計は,抵抗形(JIS
C 1604に準拠しているもの)又は熱電対形(JIS C 1602に準拠しているもの)であることが望ましい。温
度計の大気中での50 %応答時間は,10秒40秒の間になければならない。システム全体の応答時間も,
40秒より短いことが望ましい。
−200 ℃+200 ℃の温度範囲における温度計の測定の不確かさは,JIS C 1604のクラスAに準拠して
いることが望ましい。

4.3 温度試験槽の試験用負荷

 次に規定するすべての測定は,有効空間内が空の状態で行う。試験槽全
体を空にできない場合は,その旨記録しておく。試験用負荷がある場合の測定については(発熱のあるな
しにかかわらず),IEC 60068-3-7によるのが望ましい。

4.4 温度検出器の設置

 温度測定用検出器は,有効空間のそれぞれの隅及び中心に置く(図3参照,最
少9個の検出器)。容量が2 000 Lを超える試験槽の場合は,各壁面の中心の前にも検出器を追加して置く
のが望ましい(図4参照,最少15個の検出器)。測定システムは,空の試験槽の温度分布に影響を与えな
いように配置する。到達温度を自動記録することが望ましい。

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C 60068-3-5 : 2006 (IEC 60068-3-5 : 2001)
図 3 2 000 L以下の試験槽のための温度検出器の位置
図 4 2 000 Lを超える試験槽のための最小限追加する必要がある温度検出器の位置
試験槽確認のための監視では,少なくとも1分間当たり1回のデータを記録するのが望ましい。試験槽
監視用検出器からのデータを記録するために用いる装置は,試験槽制御システムとは別系統になっている
ことが望ましい。

4.5 温度性能の決定

4.5.1  到達温度,温度変動,空間温度偏差及び温度こう配 試験槽の温度が安定した後に,温度測定シス
テムの出力(図3及び図4参照)によって,到達温度,温度変動及び有効空間内の温度こう配が決定され
る。温度測定システムの測定の不確かさを考慮して,その不確かさの大きさから許容度を算定することが
望ましい。
4.5.2 温度変化速度 温度変化速度を決定する手順は,次による。
− 試験槽を最低規定温度に合わせ,安定化するまで待つ。
− 試験槽を最高規定温度に合わせ,温度範囲の10 %点と90 %点との間の時間を監視する。
− 試験槽が最高規定温度で安定化するまで待つ。
− 試験槽を最低規定温度に合わせ,温度範囲の90 %点と10 %点との間の時間を監視する。
これによって,加熱及び冷却するための温度変化速度をK/minの単位で決定する(図5参照)。

――――― [JIS C 60068-3-5 pdf 7] ―――――

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C 60068-3-5 : 2006 (IEC 60068-3-5 : 2001)
加熱時間 冷却時間
時間
図 5 試験槽を加熱及び冷却するための温度変化速度

5. 標準的温度検査手順

 温度試験槽の性能確認に必要なデータを得るためには,次の検査手順による。
ただし,この手順は,推奨する最低限のものである。試験場所の条件は,4.1に従うことが望ましい。検査
手順を,次に示す。
− 試験室の温度条件から開始する。
− 試験槽を最高規定温度に合わせ,試験槽が安定化するまで待つ。
− 最高温度で性能を測定する。
− 試験槽を最低規定温度に合わせ,変化速度を監視し,試験槽が安定化するまで待つ。
− 最低温度で性能を測定する。
− 試験槽を最高規定温度に合わせ,変化速度を監視する。
− 試験槽を標準大気条件に合わせ,試験槽が安定化するまで待つ。
− 標準大気条件で性能を測定する。

6. 評価基準

 温度試験槽の性能は,すべての結果がJIS C 60068規格群の関連する規格の規定限界の範
囲内にあれば確認できる。

7. 性能試験報告書に記述する事項

− 試験場所の大気条件
− 試験槽及びその有効空間の,寸法及び体積
− 5.の各温度段階の温度変動,空間温度偏差及び温度こう配
− 加熱及び冷却の温度変化速度
− 温度極値
− 偏差(例えば,オーバシュートなど。)
− 試験用負荷(使用した場合)

――――― [JIS C 60068-3-5 pdf 8] ―――――

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C 60068-3-5 : 2006 (IEC 60068-3-5 : 2001)
− データ収集システムの詳細
− 測定の不確かさの評価

JIS C 60068-3-5:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-3-5:2001(IDT)

JIS C 60068-3-5:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60068-3-5:2006の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称