JIS C 60721-3-7:1999 環境条件の分類―環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 携帯及び移動使用の条件 | ページ 2

4
C 0119 : 1999 (IEC 60721-3-7 : 1995/Amd. 1 : 1996)
5.1 気象条件 携帯及び可動使用の気象条件を分類7K1から7K5に規定する(この気象条件の分類は附
属書Aで記述する。)。これらは,製品に影響を与えるすべてのパラメータを考慮したものであり,長期間
にわたり世界中で経験してきたものである。例えば,屋外の気象条件,建物の構造,温度/湿度制御シス
テム,移動手段,各種機器からの熱発散や人間の存在などの内在的条件も考慮してある。これらの条件は
すべて通常の場合を対象にしており,例外的な事象は対象としない。
分類7K6及び7K7に規定する熱帯地域の気象条件は,附属書Eで記述する。
適切な分類を選択する際,屋内の環境条件は屋外の条件,特に気温,日射及び建物の構造に依存すると
いう事実に注意することが望ましい。断熱効果がよい,又は熱容量が大きい壁は,昼夜間,又は長時間の
外気温変化のピークを緩やかにする。断熱効果が悪い,又は熱容量の小さい壁は,そのような効果をもた
ず,昼間の日射及び夜間の建物からの放射の効果によって,温度変動が大きくなる。日射の効果は,畜熱
効果や温室効果によっても大きくなる。
屋外では,気象条件の影響が,製品又は製品の機能へ与える効果が屋内と比較して大きい。この場合特
に温度変動,日射,降水,風速,風の冷却効果などを考慮することが望ましい。
これらの効果の厳しさは建物の構造条件(材質の種類及び厚さ,表面の色,ケースの封じ状態と呼吸作
用,製品の熱など)及び稼働条件(設置場所の選択,風など天候にどの程度さらされるかなど)によって
影響を受けることがある。
5.2 特別な気象条件 熱放射,周囲空気の動き,雨以外の水,高温及び低圧などの特別な気象条件が他
の気象条件と組み合わされると新たな厳しさを生じる場合がある。これらの特別な条件を表2に規定する。
この場合,厳しさを増加させる事象が同時に発生すると仮定すると,不要な過剰設計につながることもあ
る。
5.3 生物学的条件 これらの条件については,定量的な厳しさを規定していない。表3のパラメータは
代表例であり,完全であるとは限らない。
5.4 化学的に活性な物質 自然大気中の汚染は,主に工業活動,自動車,暖房システムから放出される
化学物質によって生じる。さらに,化学的影響は海水の塩霧によっても生じる。汚染は,製品の機能及び
材質に影響を及ぼすことがある。
この分類で規定している値は,数年間の調査から得られたものである。短期間に高い濃度の汚染にさら
されると,その直接の影響で材料に急激な損傷を生じ,再生できないことがあるので,最大値を規定した。
製品の内部に対する長期間の影響も重要であるから,平均値も規定してある。
実際には,この規格で分類した汚染物質(パラメータ)が同時に存在するというわけではない。さらに,
これらの汚染物質が同時に,かつ,均一に増加するという可能性は低い。地域の状況によっては,1種類
の汚染物質の値だけが高いということもしばしばある。分類7C1で規定した値は,通常,田園地域及び工
業活動が低い地域の場合の値である。分類7C2で規定した値は,都市地域の値である。したがって,これ
らの二つの分類では,それぞれの規定したすべてのパラメータの複合作用を考慮する必要がある。しかし,
分類3C3及び3C4の厳しさは,不経済な過剰設計を避けるために,すべてのパラメータの複合作用を考慮
する必要はない。これらの分類の場合には,適用する場所に関係すると思われる単一のパラメータの厳し
さだけを選択することが可能である。例えば,その場所に存在している化学的に活性な物質について,分
類7C3又は7C4の単一のパラメータを選択した場合には,特に指定しない他のパラメータに対しては,分
類7C2の厳しさを適用する。
備考 この規格では,海塩以外の化学的に活性な液体及び固体は考慮しない。

――――― [JIS C 60721-3-7 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
C 0119 : 1999 (IEC 60721-3-7 : 1995/Amd. 1 : 1996)
5.5 機械的に活性な物質 砂とじんあいは同一の分類となっているが,これらの環境条件で生じる効果
が似ているからである。
5.6 機械的条件 振動(正弦波)の条件は,高い振動数範囲及び低い振動数範囲に対して,各々の加速
度振幅及び変位振幅の厳しさで分類する。
ランダム振動は,振動数範囲に対して,加速度スペクトル密度の厳しさで分類する。
衝撃を含む非定常振動は,一次の減衰していない最大衝撃応答スペクトルを用いて分類する(JIS C 0110
の6.1.3による。)。
自由落下の条件は,製品の質量に依存した落下の高さの厳しさで分類する。
  •  6. 環境条件の組合せの記号表示・・・・[5]
.で示したように,どのような場所で使用される製品についても,環境条件の組合せが規定できる。したがって,その組合せの数とフレキシビリティは非常に大きい。しかし,
このフレキシビリティは実際にいつも利点であるというわけではない。例えば,特定の場所に対する環境
条件の仕様を異なったグループで設計すると,いつもわずかな違いが生じ,混乱が生じることがある。
一般的な場合に対する環境条件の組合せの数を制限するために,標準的な組合せの分類を表7から選定
する。与えられた場所又は製品に対して,例えば,IE72というような条件を引用する。環境条件が,この
分類で包含できない場合は,5.で示すそれぞれの分類を引用する。さらに,組合せから外れたパラメータ
の厳しさについては,記号の後ろに例えば,[IE72,ただし,砂の条件は30mg/m3である。]というような
規定を追加する。
附属書Dに環境条件を組み合わせた分類の概要を示す。
表1 気象条件の分類
環境パラメータ 単位 分類(6)
7K1 7K2 7K3 7K4 7K5 7K68) 7K78)
a) 低温 ℃ +5 −5 −25 −40 −65 +5 −20
b) 高温 ℃ +407) +457) +70 +70 −65 +40 +55
c) 低相対湿度(1) % 5 5 5 5 4 30 4
d) 高相対湿度(1) % 85 95 100 100 100 100 100
e) 低絶対湿度(1) g/m3 1 1 0.5 0.1 0.003 6 0.9
f) 高絶対湿度(1) g/m3 25 29 48 62 78 36 27
g) 温度変化の速度 ℃/min +5/+30 −20/+30
+5/+25 −5/+25 −25/+30 −40/+30 −65/+30
h) 低圧(2) kPa 70 70 70 70 30 70 70
i) 高圧(3) kPa 106 106 106 106 106 106 106
j) 気圧変化の速度 kPa/min なし なし なし なし 6 6 6
k) 日射 W/m2 700 700 1 120 1 120 1 120 1 120 1 120
l) 熱放射 なし (5) (5) (5) (5) (5) (5)/ (5)
m) 周囲空気の動き m/s (5) (5) (5) (5) (5) (5) (5)
n) 結露 なし あり あり あり あり あり あり あり
なし
o) 降水(降雨,降雪,降ひょうなど) なし なし あり あり あり あり あり
p) 降雨量 mm/min なし なし 6 6 15 15 15
q) 低降雨温度(4) ℃ なし なし +5 +5 +5 +5 +5
r) 雨以外の水 なし (5) (5) (5) (5) (5) (5) (5)

――――― [JIS C 60721-3-7 pdf 7] ―――――

6
C 0119 : 1999 (IEC 60721-3-7 : 1995/Amd. 1 : 1996)
環境パラメータ 単位 分類(6)
7K1 7K2 7K3 7K4 7K5 7K68) 7K78)
s) 氷及び霜の生成 なし なし あり あり あり あり あり あり
注(1) 低相対湿度及び高相対湿度は低絶対湿度及び高絶対湿度によって制限されている。したがって,環境パラメータa)
とc)又は環境パラメータb)とd)では,表1に規定した厳しさが同時に起こることはない。温度と湿度との関係につ
いては附属書Bを参照する。
(2) 70kPaの厳しさの値は,高度3000mまでの屋外条件の限界である。場所によっては更に高い高度で使用されること
もある。高度の低い場所での限定した適用には,値は表2から選んでもよい。
(3) 鉱坑内の条件については考慮しない。
(4) ここでの降雨温度は,高温b)及び日射k)とともに考慮する。雨による冷却効果は製品の表面温度と関連させて考慮
しなければならない。
(5) 表2から選択した場所に関連して生じる条件。
(6) この規定の気象分類は,規定IEC 60721-3-2,JIS C 0116及びJIS C 0117 (IEC 60721-3-4) の気象分類を次のとおり
包含している。
7K1 : 2K1,3K3 7K3 : 2K3,3K6及び4K1 7K5 : 2K5,3K8及び4K4 7K7 : 1K11,3K10及び4K6 7K2 : 2K1,3K5 7K4 :
2K4,3K7及び4K2 7K6 : 1K10,3K9及び4K5
(7) 該当する場合には,表2から特別な値を選択してもよい。
(8) 分類7K6(熱帯湿潤)及び7K7(熱帯乾燥)の詳細は,附属書Eに記述する。
表2 特別な気象条件の分類
環境パラメータ 分類 単位 特別条件 Z
b) 高温 7Z14 ℃ +55
h) 低圧(11) 7Z15 kPa 84
k) 熱放射 7Z1 なし 無視できる。
7Z2 なし 熱放射がある条件,例えば,部屋暖房システムの近く。
7Z3 なし 熱放射がある条件,例えば,部屋暖房システム若しく
はオーブン又は加熱炉の近く。
l) 周囲空気の動き(9) 7Z4 m/s 5
7Z5 m/s 10
7Z6 m/s 30
7Z7 m/s 50
o) 雨以外の水(10) 7Z8 なし 無視できる。
7Z9 なし 滴水
7Z10 なし 散水
7Z11 なし はね
7Z12 なし 水噴射
7Z13 なし 波
注(9) 自然対流による冷却方式は,風によって,妨害されることがある。
(10) 水中の条件は考慮しない。
(11) 分類7Z15は約1 400mの高度に対応する。
表3 生物的条件の分類
環境パラメータ 単位 分類
7B1 7B2 7B3
a) 植物系 なし なし かび,菌など かび,菌など
b) 動物系 なし なし げっ歯動物及びその他 げっ歯動物及びその他
製品に有害な動物[白 製品に有害な動物(白
あり(蟻)を除く。] ありを含む。)

――――― [JIS C 60721-3-7 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
C 0119 : 1999 (IEC 60721-3-7 : 1995/Amd. 1 : 1996)
表4 化学的に活性な物質の分類
環境パラメータ 単位(12) 分類(13),(16)
7C1R 7C1L 7C1 7C2 7C3(14) 7C4(14)
最大値 最大値 最大値 平均値 最大値 平均値 最大値平均値 最大値
a) 海塩 なし なし なし なし(15) 塩霧 塩霧 塩霧
b) 二酸化硫黄 mg/m3 0.01 0.1 0.1 0.3 1.0 5.0 10 13 40
cm3/m3 0.003 7 0.037 0.037 0.11 0.37 1.85 3.7 4.8 14.8
c) 硫化水素 mg/m3 0.001 5 0.01 0.01 0.1 0.5 3.0 10 14 70
cm3/m3 0.001 0.007 1 0.007 1 0.071 0.36 2.1 7.1 9.9 49.7
d) 塩素 mg/m3 0.001 0.01 0.1 0.1 0.3 0.3 1.0 0.6 3.0
cm3/m3 0.000 340.003 4 0.034 0.034 0.1 0.1 0.34 0.2 1.0
e) 塩化水素 mg/m3 0.001 0.01 0.1 0.1 0.5 1.0 5.0 1.0 5.0
cm3/m3 0.000 660.006 6 0.066 0.066 0.33 0.66 3.3 0.66 3.3
f) ふっ化水素 mg/m3 0.001 0.003 0.003 0.01 0.03 0.1 2.0 0.1 2.0
cm3/m3 0.001 2 0.003 6 0.003 6 0.012 0.036 0.12 2.4 0.12 2.4
g) アンモニア mg/m3 0.03 0.3 0.3 1.0 3.0 10 35 35 175
cm3/m3 0.042 0.42 0.42 1.4 4.2 14 49 49 247
h) オゾン mg/m3 0.004 0.01 0.01 0.05 0.1 0.1 0.3 0.2 2.0
cm3/m3 0.002 0.005 0.005 0.025 0.05 0.05 0.15 0.1 1.0
i) 窒素酸化物 mg/m3 0.01 0.1 0.1 0.5 1.0 3.0 9.0 10 20
cm3/m3
(二酸化窒素の当量値 0.005 0.052 0.052 0.26 0.52 1.56 4.68 5.2 10.4
で表示)
注(12) 単位cm3/m3の数値は,単位mg/m3の数値から温度20℃,圧力101.3kPaにおいて,計算によって求めたもの。
数値は丸めた値である。
(13) 平均値は長期間の値。最大値は限界値又はピーク値で,1日につき30分以内で生じる。
(14) 分類7C3及び7C4は,規定のすべてのパラメータの組合せを満たすことが必ずではない。該当する場合,単一
のパラメータの値をこれらの分類から選択してもよい。この場合は,特に明記しないパラメータはすべて,分類
7C2の厳しさを適用する。
(15) 沿海地域又は海上の部分的な屋内では,塩霧が存在することがある。
(16) 7C1Rは3C1Rを包含している。7C1Lは3C1Lを包含している。7C1は3C1と4C1とを包含している。
7C2は3C2と4C2を包含している。7C3は3C3と4C3とを包含している。7C4は3C4と4C4とを包含してい
る。
表5 機械的に活性な物質の分類
環境パラメータ 単位 分類
7S1 7S2 7S3
a) 砂 mg/m3 30 300 10 000
b) じんあい(浮遊) mg/m3 0.2 5.0 20
c) じんあい(沈殿) mg/ (m2・h) 1.5 20 80
表6 機械的条件の分類
環境パラメータ 単位 分類
7M1 7M2 7M3
a) 定常振動,正弦波 :
変位振幅(片振幅) Mm 3.5 3.5 7.5
加速度振幅 m/s2 10 15 10 15 20 40
振動数範囲 Hz 29 9200 200500 29 9200 200500 29 9200 200500
b) 定常振動,ランダム :
加速度スペクトル密度 m2/s3 1 0.3 1 0.3 3 1
振動数範囲 Hz 10200 2002 000 10200 2002 000 10200 2002 000

――――― [JIS C 60721-3-7 pdf 9] ―――――

8
C 0119 : 1999 (IEC 60721-3-7 : 1995/Amd. 1 : 1996)
環境パラメータ 単位 分類
7M1 7M2 7M3
c) 非定常振動衝撃を含む(図1参
照)
衝撃応答スペクトルタイプI
ピーク加速度 a m/s2 100 100 300
衝撃応答スペクトルタイプII
ピーク加速度 a m/s2 なし 300 1 000
d) 自由落下 :
質量1kg以下
落下高 M 0.025 0.25 1.0
質量1kg10kg
落下高 M 0.025 0.1 0.5
質量10kg50kg
落下高 M 0.025 0.05 0.25
質量50kg以上
落下高 M 厳しさは,当事者間の協議事項である。
備考 表6に記載された振動レベルと振動数範囲は,その場所の構造を参考にする。携帯及び移動使用の製品は通常これらにしっかり
と固定されることはないので,もしこれらのデータを試験規格の仕様を決めるのに使用するのであれば,その特定の製品と場所
の性質を考慮しなければならない。
表7 環境条件の組合せの記号表示
環境条件 記号
IE71 IE72 IE73 IE74 IE75
気象 7K1 7K1 7K2 7K3 7K4
特別な気象 7Z2 7Z2 7Z2 7Z2 7Z2
7Z4 7Z4 7Z4 7Z6 7Z6
− − 7Z9 7Z9 7Z9
生物 7B1 7B1 7B2 7B2 7B2
7C2
化学的に活性な物質 7C2 7C2 7C2 7C2
7S1
機械的に活性な物質 7S1 7S2 7S2 7S2
機械的条件 7M1 7M2 7M2 7M3 7M3

――――― [JIS C 60721-3-7 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 60721-3-7:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60721-3-7:1995(IDT)
  • IEC 60721-3-7:1995/AMENDMENT 1:1996(IDT)

JIS C 60721-3-7:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60721-3-7:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称