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C 60891 : 2019
のI-V補正パラメータが含まれており,これらは異なる測定及び照度条件におけるI-V曲線の測定によっ
て決定する。一般的に,短絡回路電流(α)及び開回路電圧(β)の温度係数のほかに,温度に伴う内部直
列抵抗(及び曲線因子)の変化を説明するための追加の温度係数(κ')を用いる。
補正手順は,電流及び電圧について,式(4)及び式(5)で定義する。
G2
I2 I1 1 relT2 T1 (4)
G1
G2
V2 V1 VOC1 T2
rel T1 a In RS I2 I1 I2 T2 T1 (5)
G1
ここに, I1,V1 : 測定した特性の座標点
I2,V2 : 補正したI-V曲線上にある対応する点
G1 : 基準デバイスで測定した照度
G2 : 補正したI-V特性の目標照度
T1 : 試験体の測定温度
T2 : 試験体の目標温度
VOC1 : 試験条件における開回路電圧
αrel及びβrel : 1 000 W/m2で測定した試験体の相対電流及び相対電圧
温度係数である。これらは,STCでの短絡回路電流及
び開回路電圧に関連する。
a : 開回路電圧の照度補正係数であり,pn接合のダイオー
ド熱電圧D及びモジュール内で直列接続した太陽電
池セルの数nSに関連する。
R'S : 試験体の内部直列抵抗
κ' : 内部直列抵抗R'Sの温度係数
注記1 照度補正係数aの標準値は,0.06である。
注記2 補正手順2のR'Sの数値は,補正手順1のRSとは異なることに注意するのがよい。
3.4 補正手順3
3.4.1 概要
この手順は,二つの測定したI-V特性の線形補間又は外挿に基づいている。ここでは,二つ以上のI-V
特性を用いて,補正パラメータ及び適合パラメータを必要としない。測定したI-V特性を,式(6)及び式(7)
を適用して,標準試験条件又は他の選択した温度及び照度値に補正する。
V3 V1 a V2 V1 (6)
I3 I1 a I2 I1 (7)
(I1,V1)及び(I2,V2)の組は,I2−I1=ISC2−ISC1となるように選択する。
ここに, I1,V1 : 照度G1及び温度T1における測定した特性の座標点
I2,V2 : 照度G2及び温度T2における測定した特性の座標点
I3,V3 : 照度G3及び温度T3における補正した特性の対応する座
標点
ISC1,ISC2 : 試験体の測定した短絡回路電流
a : 補間の定数であり,照度及び温度と式(8),(9)の関係にあ
る。
G3 G1 a G2 G1 (8)
T3 T1 a T2 T1 (9)
――――― [JIS C 60891 pdf 6] ―――――
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この方法は,ほぼ全ての太陽光発電技術に適用できる。式(6)式(9)は,照度補正,温度補正,並びに照
度及び温度の同時補正に用いることができる。
3.4.2 測定した二つのI-V特性を活用した照度及び温度の補正
I-V特性を(G1,T1)及び(G2,T2)の照度及び温度で測定した二つのI-V特性から,(G3,T3)の照度
及び温度に補正するための手順を次に示す[図1 a) 及び図1 b)]。
a) 1,T1及びG2,T2の照度及び温度で,二つのI-V特性をそれぞれ測定する[図1 a) の実線]。ISC1及
びISC2の値を求める。
b) 式(8)又は式(9)を用いてaを計算する。例えば,二つのI-V曲線を次の条件で測定し,aを計算する。
G1=1 000 W/m2及びT1=50 ℃
G2=500 W/m2及びT2=40 ℃
関心のある照度がG3=800 W/m2の場合 :
式(8)からa=0.4を用いる。
また,式(9)からT3=46 ℃を用いる。
c) -V特性1の点(V1,I1)を選択する。I2−I1=ISC2−ISC1[図1 b)]の関係を満たすような特性2の点(V2,
I2)を特定する。
d) 式(6)及び式(7)を用いて,V3及びI3を計算する。
e) -V特性1のデータ点集合(V1,I1)を複数選択し,手順c) 及びd) を用いてそれぞれについて(V3,
I3)を計算する。
f) 照度G3及び温度T3のI-V特性3は,データ点集合(V3,I3)によって得られる[図1 c) の破線]。
図1 a) 及び図1 b) に照度補正の例,図1 c) に温度補正の例,及び図1 d) に照度及び温度の同時補正を
示す。0 G1,G2,T1及びT2が固定されている場合は,それらは式(8)及び式(9)に規定する関係にあるため,G3及
びT3を個別に選択することはできない(図2参照)。
例えば,G1=1 000 W/m2,T1=20 ℃,G2=0 W/m2,T2=60 ℃(60 ℃での濃いI-V曲線)の場合,G3=750
W/m2で新しい曲線を求める場合,aは式(8)によって0.25と計算できる。したがって,式(9)からT3は30 ℃
となる。
――――― [JIS C 60891 pdf 7] ―――――
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a) b)
Isc1 G1, T1 Isc1 G1, T1
t
t
n
n
(V1, I1)
e
e
電 電
r
r
r
r
Isc1Isc2 Isc1Isc2
Cu
Cu
流 流
G3, T3
G2, T2 G2, T2 Isc1Isc2
Isc2 Isc2
(V2, I2)
Voltage
電圧 Voltage
電圧
IEC2414/09 IEC2415/09
Isc1Isc2 c) Isc1 G1, T1 d)
Isc1
G2, T2Isc1Isc2
Isc2
G1, T1
t
t
Isc1Isc2
n
G3, T3 n
e
e
電 電
r
r
G3, T3 Isc1Isc2
r
r
Cu
Cu
流 (V1, I1) 1a 流
(V2, I2)
(V3, I3)
Isc1Isc2 G2, T2
Isc2
Voltage
電圧 Voltage
電圧
IEC2416/09 IEC2417/09
a) 及びb) に照度補正,c) に温度補正,d) に照度及び温度の同時補正を示す。
図1−式(6)及び式(7)によるI-V特性の補正例
注記1 通常は,外挿より補間の方が正確な結果が得られる。
注記2 ISC1≠ISC2であって,開回路電圧周辺で補正したI-V特性が必要となる場合は,測定した特性
はVOCを超える。
注記3 完全にI2=I1+(ISC2−ISC1) を満たすデータ点が測定できなかった場合,V2及びI2は,I-V曲線
2のデータ点を補間することで計算できる。
――――― [JIS C 60891 pdf 8] ―――――
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温度及び照度の
Simultaneous
(G1, T1)
correction of irradiance
同時補正
e
and temperature
atur
a
r
温
mpe
度 (G3, T3)
Te
(G2, T2) 1a
Irradiance
照度 IEC2418/09
実線及び破線は,それぞれ補間及び外挿によって計算するG3及びT3の範囲を示す。
図2−式(8)及び式(9)によって得られる固定値T1,G1,T2,及びG2の照度並びに温度の同時補正で
選択できるG3及びT3の関係の略図
3.4.3 測定した三つのI-V特性からの照度及び温度の補正
3.4.2で規定する手順を組合せることで,様々な範囲の照度及び温度にI-V特性を補正できる。例えば,
(Ga,Ta),(Gb,Tb),及び(Gc,Tc)の照度並びに温度で測定した三つの特性は,図3 a) に示す場合,あ
らゆる照度及び温度(Gn,Tn)のI-V特性は,次のとおり計算できる。
a) (Gm,Tm)での特性は,(Ga,Ta)及び(Gb,Tb)での特性によって計算する。
b) (Gn,Tn)での特性は,(Gm,Tm)及び(Gc,Tc)での特性によって計算する。
例えば,(Ga,Ta),(Gb,Tb),(Gc,Tc),及び(Gn,Tn)がそれぞれ(950 W/m2,15 ℃),(850 W/m2,
25 ℃),(1 100 W/m2,30 ℃),及び(1 000 W/m2,25 ℃)の場合,(Gm,Tm)は,(900 W/m2,20 ℃)であ
る。
Iscc (Vc, Ic)
Gn, Tn Gc, Tc
(Gc, Tc)
(Vn, In) sccIsca
Ga, Ta
(Gn, Tn)
e
r
(Gb, Tb)
u
t
t
n
Isca (Va, Ia)
a
e
r
温 電
r
e
r
mp
度 流
Cu
(Gm, Tm)
Te
(Vm, Im) IscaIscb
Gb, Tb
Iscb
(Ga, Ta) (Vb, Ib)
照度
Irradiance 電圧
Voltage
IEC2419/09 IEC 2420/09
a) b)
a) b)
a) の影付きの部分は,補間によって計算できる範囲を示す。b) は,a) に対応するI-V特性の例を示す。
図3−測定した三つの特性を基に様々な範囲の照度及び温度にI-V特性を補正する際の略図
――――― [JIS C 60891 pdf 9] ―――――
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3.4.4 測定した四つのI-V特性からの照度及び温度の補正
図4のように,(Ga,Ta),(Gb,Tb),(Gc,Tc),及び(Gd,Td)の照度並びに温度で測定したI-V特性が
四つある場合,照度及び温度(Gn,Tn)におけるI-V特性は,次のように計算できる。この方法は,広い
範囲の照度及び温度におけるI-V特性を補正することができる。(Gn,Tn)での特性を計算する(Gl,Tl)
及び(Gm,Tm)の組は一意ではないが,一般に (Ga−Gl)/(Ga−Gb)=(Gc−Gm)/(Gc−Gd) が満たされたとき
に良好な補正結果が得られる。あらゆる照度及び温度(Gn,Tn)のI-V特性は,次のとおり計算できる。
a) (Gl,Tl)での特性は,(Ga,Ta)及び(Gb,Tb)での特性によって計算する。
b) (Gm,Tm)での特性は,(Gc,Tc)及び(Gd,Td)での特性によって計算する。
c) (Gn,Tn)での特性は,(Gl,Tl)及び(Gm,Tm)での特性によって計算する。
例えば,(Ga,Ta),(Gb,Tb),(Gc,Tc),(Gd,Td),及び(Gn,Tn)がそれぞれ(500 W/m2,55 ℃),(400
W/m2,31 ℃),(1 000 W/m2,60 ℃),(950 W/m2,32 ℃),及び(800 W/m2,45 ℃)の場合,(Gl,Tl)及
び(Gm,Tm)は,それぞれ(450 W/m2,43 ℃),及び(975 W/m2,46 ℃)と算出できる。
図4の影付き部分に示されている範囲の照度及び温度におけるI-V特性は,補間によって計算する。
影付き部分以外の範囲の特性は,外挿を用いて計算する。ただし,広範囲にわたる外挿によって,補正
結果の質及び補正の精度が低下しないよう注意する必要がある。
(Gc, Tc)
(Ga, Ta)
tue
r
(Gn, Tn)
ra
温 (Gm, Tm)
mpe
度 (Gl, Tl)
Te
(Gb, Tb) (Gd, Td)
Irradiance
照度
IEC2421/09
影付きの部分は,補間によってだけ計算できる範囲を示す。
図4−測定した四つの特性を基に様々な範囲の照度及び温度にI-V特性を補正した場合の略図
4 温度係数の求め方
4.1 概要
太陽電池デバイスでは,一般に,次のパラメータに温度係数を用いる。
− 短絡回路電流(α)
− 開回路電圧(β)
− ピーク電力(δ)
これらのパラメータは,自然光又は疑似太陽光での測定によって決定する。決定した係数は,測定を行
った照度において有効となる。線形太陽電池デバイスの場合,この水準の±30 %の照度範囲で有効となる。
――――― [JIS C 60891 pdf 10] ―――――
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JIS C 60891:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60891:2009(MOD)
JIS C 60891:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
JIS C 60891:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC8904-1:2019
- 太陽電池デバイス―第1部:I-V特性の測定
- JISC8904-10:2017
- 太陽電池デバイス―第10部:線形性の測定方法
- JISC8904-2:2011
- 太陽電池デバイス―第2部:基準太陽電池デバイスに対する要求事項
- JISC8904-7:2011
- 太陽電池デバイス―第7部:太陽電池測定でのスペクトルミスマッチ補正の計算方法
- JISC8904-9:2017
- 太陽電池デバイス―第9部:ソーラシミュレータの性能要求事項
- JISC8960:2012
- 太陽光発電用語