JIS C 6122-11-1:2010 光増幅器―測定方法―第11-1部:偏波モード分散パラメータ―ジョーンズマトリクス固有値解析(JME)法 | ページ 2

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C 6122-11-1 : 2010 (IEC 61290-11-1 : 2008)

4.9 偏光計

  偏光計を用いて,三つの偏光子の各々の挿入に対応する三つの出力偏波状態を測定する。偏光計の測定
波長範囲は,光源波長を含まなければならない。

5 手順

  JME法は,次の手順によって行う。
a) 偏波制御器を通して,偏光子と光源とを接続する。
b) UTの入力に,偏光子の出力を接続する。
c) 偏光計の入力に,DUTの出力を接続する。
d) 正規化したストークスパラメータを測定するための波長間隔Δλを決定する。(公称波長λ0の周りの)
許容できる最大のΔλは,式(1)によって求める。
2
0
max ≦ (1)
2c
ここに, c : 光速度
Δτmax : λ0±Δλ/2の範囲で予想されるDGDの最大値
例えば,DGDの最大値と波長間隔との積は,1 550 nmにおいては4 ps・nm未満,1 300 nmにおいて
は2.8 ps・nm未満でなければならない。この条件は,一つの測定波長から次の測定波長までの間の出
力偏波状態の回転がポアンカレ球上の主偏光軸周りに180°以下であることを保証する。Δτmaxの概算
ができないときは波長範囲全般にわたって一連のサンプル測定を行うが,ここでは光源のスペクトル
幅及び波長設定の最小ステップ幅に応じて,近接した波長間隔の二波長を使用する。このようにして
測定したDGDの最大値に安全係数3を乗じて,これを式(1)のΔτmaxの替わりに用い,実際の測定で用
いるΔλの値を計算する。測定のためのΔλが大き過ぎるときは,測定はより小さいΔλで繰り返せば
よい。DGD対波長のカーブの形とDGDの平均値とが基本的に変わらなければ,最初の波長間隔は適
切とする。
e) 測定データを採集する。各波長においてそれぞれの偏光子を挿入し,それに対応する正規化したスト
ークスパラメータを偏光計で測定する。
f) 測定した正規化ストークスパラメータから式(2)によってDOPを計算し,測定が有効であるかどうか
を決定する。
2 2 2
DOP s1 s2 s3 (2)
ここに, s1 : 1番目の正規化ストークスパラメータ
s2 : 2番目の正規化ストークスパラメータ
s3 : 3番目の正規化ストークスパラメータ
DOPが25 %より大きいとき,測定は妥当性がある。DOPが25 %より小さいときは,波長可変レー
ザのパワーを上げてe)を繰り返す。

6 計算

6.1 JME計算

  正規化したストークスパラメータから,各波長におけるジョーンズマトリクスを計算する。それぞれの
波長間隔において,周波数の高いほうのジョーンズマトリクスΤ (ω+Δω)と周波数の低いほうのジョーン
ズマトリクスの逆行列Τ -1(ω)との積を計算する。光角周波数ωはラジアン/秒で示し,ω=2πνによって光

――――― [JIS C 6122-11-1 pdf 6] ―――――

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周波数νと関連付ける。
特定の波長間隔に対するDGDは,式(3)によって求める。
1
Arg
2
Δ (3)
Δ
ここに, Δτ : DGD
ρ1及びρ2 : Τ (ω+Δω)Τ -1(ω)の複素固有値
Arg : 偏角関数
Arg(ηeiθ)=θ
θ : 偏角
データ分析のため,それぞれのDGD値は,対応する波長間隔の中点でのDGDに対応付ける。

6.2 DGD対波長の表示

  JME計算から得られるデータは,縦軸にDGD,横軸に波長をとって,図2のように示すことができる。
注記 この測定におけるDOPは,57 %79 %の範囲である。
図2−典型的な光増幅器のDGD測定例

6.3 平均DGD

  1回の測定から得られるPMD値は,波長間隔に対応して測定したDGD値の単純平均とする。サンプル
数を増すために異なった条件下で複数回の測定を行う場合は,アンサンブル平均を用いる。

6.4 最大DGD

  最大DGDは,波長帯域全体について測定したデータの最大値とする。

7 測定結果

  それぞれの測定において,次の情報を記録する。
a) 測定を行った波長範囲及び波長ステップサイズ(nm)
b) 各波長におけるDGDの値(ps)
c) 指定した波長範囲にわたって平均したDGD(ps)
d) 指定した波長範囲で最大のDGD(ps)

――――― [JIS C 6122-11-1 pdf 7] ―――――

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e) 指定した波長範囲で最小のDOP
f) 波長可変レーザの形名及びそのスペクトル線幅を含む測定装置
g) 例えば,OFAの場合であればポンプ光パワー,SOAの場合であれば電気的励起条件などの測定中にお
ける増幅器の動作条件
h) 周囲温度(必要な場合)

――――― [JIS C 6122-11-1 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
光増幅器のASEによる偏光度の減少
偏光計で正確にストークスパラメータを測定するためには,被測定信号のDOPは25 %以上でなければ
ならない。DUTで発生したASEは偏光していないので,偏光度の高い波長可変レーザ光源のDOPを減少
させる。OSAで観測した典型的なOFA出力スペクトルを,図A.1に示す。
注記 OSAの分解帯域幅は,0.5 nm。
図A.1−OFA出力のスペクトル
信号のDOPが十分に高く,ASEは偏光していないとき,DOPは式(A.1)によって求める。
Ps
DOP (A.1)
Ps N( )
ここに, Ps : 増幅された信号光パワー
N(λ) : ASEのパワースペクトル密度
N)( : ASEの総パワー
OFAに関しては,信号波長におけるNの値は,式(A.2)によって求める。
N FGh (A.2)
ここに, F : 光増幅器雑音係数
G : 利得
h : プランク定数
ν : 光周波数
十分に飽和したOAの典型的な値は,次のとおりである。
F=4 (6 dB)
G=100 (20 dB)
Ps=10 mW (+10 dBm)
hν=1.28×10-19では,Nは次のように計算する。
N=4×100×1.28×10-19=5.12×10-17 W/Hz6.4×10-6 W/nm=−21.9 dBm/nm
30 nmの帯域幅のとき,ASEの総パワーは0.19 mW=−7.2 dBmとなる。DOPは式(A.1)によって,10/(10

――――― [JIS C 6122-11-1 pdf 9] ―――――

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+0.19)=98 %となる。この値は,DGD測定により適している。
ただし,信号パワーが低下するとASEは増加する。低い飽和状態におけるOAの典型的な値は,次のと
おりである。
F=4 (6 dB)
G=1 000 (30 dB)
Ps=1 mW (0 dBm)
N=4×1 000×1.28×10-19=5.12×10-16 W/Hz6.4×10-5 W/nm=−11.9 dBm/nm
30 nmの帯域幅のとき,ASEの総パワーは1.9 mW=+2.8 dBmとなる。DOPは式(A.1)によって,1/(1+
1.9)=34 %となる。この値は,DGD測定に使うことができる下限に近い。
したがって,十分高いDOPを得るためにOAを適切な飽和状態にすることは,非常に重要である。
参考文献
JIS C 6121 光増幅器−通則
注記 対応国際規格 : IEC 61291-1,Optical amplifiers−Part 1: Generic specification(IDT)
JIS C 6123-4 光増幅器−性能仕様テンプレート−第4部 : マルチチャネル用光増幅器
注記 対応国際規格 : IEC 61291-4,Optical amplifiers−Part 4: Multichannel applications−Performance
specification template(IDT)
JIS C 6802 レーザ製品の安全基準
注記 対応国際規格 : IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and
requirements(IDT)
JIS C 6803 レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全
注記 対応国際規格 : IEC 60825-2,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre communication
systems (OFCS)(IDT)
IEC 60793-1-1,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures−General and guidance
IEC 60874-1,Connectors for optical fibres and cables−Part 1: Generic specification
IEC/TR 61282-9,Fibre optic communication system design guides−Part 9: Guidance on polarization mode
dispersion measurements and theory
IEC/TR 61292-5,Optical amplifiers−Part 5: Polarization mode dispersion parameter−General information

JIS C 6122-11-1:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61290-11-1:2008(IDT)

JIS C 6122-11-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧