JIS C 6825:2009 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性 | ページ 2

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C 6825 : 2009
注記 対応国際規格 : IEC 60793-1-1 : 2002,Optical fibres−Part 1-1 : Measurement methods and test
procedures−General and guidance及びIEC 60793-2 : 2003,Optical fibres−Part 2 : Product
specifications−General(全体評価 : MOD)
JIS C 6823 光ファイバ損失試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60793-1-40 : 2001,Optical fibres−Part 1-40 : Measurement methods and test
procedures−Attenuation (MOD)
JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則
注記 対応国際規格 : IEC 60068-1 : 1988,Environmental testing. Part 1 : General and guidance (IDT)

3 光ファイバの種類

  この規格を適用する光ファイバは,JIS C 6820によって,表1のように分類する。
表1−光ファイバの種類
光ファイバの種類 JIS記号 対応国際規格IEC記号
石英系マルチモード光ファイバ SGI A1
多成分系マルチモード光ファイバ CSI −
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ RSI A3
全プラスチックマルチモード光ファイバ PSI,PGI A4
シングルモード1 310 nmゼロ分散形光ファイバ SMA B1.1
シングルモード1 550 nmカットオフシフト形光ファイバ SMA-T B1.2
シングルモード1 310 nmゼロ分散・低OH形光ファイバ SMA-U B1.3
シングルモード1 550 nm分散シフト形光ファイバ SMB B2
シングルモード分散フラット形光ファイバ SMC −
シングルモードノンゼロ分散シフト形光ファイバ SMD B4

4 試験状態

  試験場所の状態は,JIS C 60068-1の5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標準状態)]に規定の標
準状態(温度1535 ℃,相対湿度2575 %,気圧86106 kPa)とする。ただし,標準状態で試験する
ことが困難な場合は,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外で試験を行ってもよい。その場合は,試
験状態を記録する。

5 開口数 (NA) の試験方法

  マルチモード光ファイバの開口数 (NA) は,光ファイバの集光能力を表すのに重要なパラメータであり,
出射効率,融着における接続損失及びマイクロ/マクロベンド特性を予測するために用いる。

5.1 試験方法の概要

  マルチモード光ファイバの最大理論開口数NAthは,次の式によって定義する。
NAth sin m (1)
ここに, NAth : 最大理論開口数
θm : 光ファイバから放射される最大子午線角(ラジアン)
光ファイバ屈折率プロファイルで表すと,
2 2
NAth n1 n2 (2)

――――― [JIS C 6825 pdf 6] ―――――

                                                                                              3
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ここに, n1 : コア最大屈折率
n2 : クラッド屈折率
又は,
th
NA n1 2Δ (3)
ここに, Δ<<1であれば,
Δ n1 n2 /n1 (4)
開口数 (NA) の試験方法としては,光ファイバからの放射光強度の角度分布の測定結果から算出する
FFP法と光ファイバ端面の反射光強度の測定によって得られた屈折率分布から算出する反射法とがある。

5.2 基準試験方法

  FFP法を基準試験法とする。
全プラスチックマルチモード光ファイバの理論開口数測定には,反射法を用いてもよい。

5.3 FFP法

5.3.1  試験方法の概要
開口数NAffは,ファーフィールド法を用いて得られた光ファイバの強度パターンI (θ) の最大値の5 %
になる角度の半分の角度の正弦 (sine) として定義される。NAffは,短尺の光ファイバのファーフィールド
出射パターン又は光ファイバの屈折率分布の測定によって決定する。
5.3.2 試験装置
入射システム,出射システム及び検出系の構成は,附属書Aによる。
5.3.3 サンプリング方法及び試料
5.3.3.1 試料の長さ
試料の長さは,2.0 m±0.2 mとする。
5.3.3.2 試料の端面
試料の入射端及び出射端は,光ファイバの軸に直角で平たん(坦)な端面とする。端面が垂直でない場
合には,測定精度に影響を生じる。端面の傾きは,2度未満が望ましい。
5.3.4 手順
5.3.4.1 試料の端末を支持装置に置く。入射側端面を光源から放射される光の焦点像のほぼ中心に設置す
る。
5.3.4.2 光源を,要求される波長及びスペクトル幅に設定する。
5.3.4.3 直径に沿ってファーフィールド放射パターンを走査し,角度位置に対する強度を記録する。
5.3.5 計算
5.3.5.1 ファーフィールドと最大理論値との関係
ファーフィールド開口数と最大理論開口数との関係は,ファーフィールドとプロファイルとの測定波長
に依存する。ほとんどのファーフィールド測定は,850 nmで行われるが,プロファイル測定は,通常540
nm又は633 nmで行われる。これらの波長では,NAffとNAthとの関係は,式 (5) によって決まる。
NAff kNAth (5)
ここに, NAff : ファーフィールド開口数
プロファイル測定が540 nmで行われたときはk=0.95,633 nmで
行われたときはk=0.96とする。
NAth : 最大理論開口数

――――― [JIS C 6825 pdf 7] ―――――

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C 6825 : 2009
850 nmにおけるNAffを光ファイバの開口数とする。この値は,直接850 nmにおけるファーフィールド
測定又はプロファイル測定から式 (5) を用いて求める。
なお,表2に記載の全プラスチックマルチモード光ファイバのファーフィールド及びプロファイルの測
定波長は,通常633 nm又は650 nmとする。
表2−通常波長633 nm又は650 nmで測定する光ファイバの種類
PSI-485/500 PSI-735/750 PSI-980/1 000-A PSI-980/1 000-B PGI-500/750
5.3.5.2 5 %強度角θ5
走査されたパターンをピーク強度で規格化する。強度が最大値の5 %となるパターン上のポイントを記
録する。これらのポイント間の角度の半分の値をθ5として記録する。
5.3.5.3 開口数NAff
ファーフィールド開口数は,次の式によって算出する。
NAff sin 5 (6)
ここに, NAff : ファーフィールド開口数
θ5 : 5 %強度角(度)
5.3.6 結果
5.3.6.1 測定ごとに提供される情報
測定ごとに次の情報を報告する。
− 測定実施期日及び題目
− 試料の識別
− 850 nm以外の光源を使用した場合は,その波長
− 5.3.5から得た測定結果
5.3.6.2 要求に応じて提供される情報
要求があれば,次の情報を提供しなければならない。
− 使用した場合は,干渉フィルタの中心波長とスペクトル幅
− 使用した検出手法(附属書Aに記載された方法)
− 検出系の校正及び角度分解能
− 出射スポットの大きさと開口数
− クラッドモード除去の方法

5.4 反射法

5.4.1  適用
この方法は,全プラスチックマルチモード光ファイバの端面の反射光強度分布から,光ファイバのNA
を測定する方法である。
5.4.2 試験装置
試験装置の構成は,附属書Bによる。
5.4.3 サンプリング方法及び試料
5.4.3.1 試料の長さ
試料の長さは,特に規定しない。
5.4.3.2 試料の端面
試料の入射端及び出射端は,光ファイバの軸に直角で平たん(坦)な端面とする。端面が垂直でない場
合には,測定精度に影響を生じる。端面の傾きは,2度未満が望ましい。

――――― [JIS C 6825 pdf 8] ―――――

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C 6825 : 2009
5.4.4 手順
5.4.4.1 準備
あらかじめ,既知の屈折率n0をもつ平滑な面の反射光強度V0を測定する。樹脂剤に埋め込み端面を平
滑に研磨した被測定光ファイバを,XYステージ上にセットする。
5.4.4.2 測定
XYステージを動かし,座標 (x,y) での反射光強度V (x,y) を測定する。
5.4.5 計算
5.4.5.1 屈折率n (x,y)
式 (7) によって算出する。
2
n x, y 1
1 (7)
V x, y 2
1 R
V0
2
ここに, 1
0
R ··································································(8)
0 1
5.4.5.2 コア/クラッド境界
図1で示す屈折率分布から,最大比屈折率差をΔとしたとき,クラッドから0.05Δとなる境界をコア/
クラッド境界とする。
図1−屈折率分布
5.4.5.3 NA
NAは,式 (2) によって算出する。
5.4.6 結果
5.4.6.1 測定ごとに提供される情報
測定ごとに次の情報を報告する。
− 測定実施期日及び題目

――――― [JIS C 6825 pdf 9] ―――――

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C 6825 : 2009
− 試料の識別
− 光源波長
− 5.4.5から得た測定結果
5.4.6.2 要求に応じて提供される情報
次の情報は要求があれば,提供しなければならない。
− 光ファイバの端面上のビームスポット径
− コア及びクラッドの屈折率の測定点数
− コア及びクラッドの屈折率の測定値
− 検出系の校正及び分解能

5.5 仕様情報

  詳細は,次の仕様を明示する。
− 測定した光ファイバの種類
− 合否判定基準
− 報告される情報
− 適用する手順との差異

6 カットオフ波長の試験方法

  光ファイバケーブル,光ファイバ及びジャンパケーブルのカットオフ波長の試験方法について規定する。

6.1 カットオフ波長の種類

  理論的なカットオフ波長は,シングルモード光ファイバ中を基本モードだけが伝搬できる最も短い波長
であり,光ファイバの屈折率分布から計算される。光ファイバでは,マルチモード伝搬状態からシングル
モード伝搬状態への変化は,ある一点の波長で起こるのではなく,ある波長領域にわたって緩やかに起こ
る。通信ネットワークにおける光ファイバの性能を決定する場合には,理論的なカットオフ波長よりも光
ファイバを実際に配置して測定された値の方が実用的である。測定されたカットオフ波長(実効カットオ
フ波長)は,光ファイバに入射する高次モードを含む全パワーと基本モード (LP01) のパワーの比が0.1dB
となる波長として定義される。この定義に従うと第一次高次モード (LP11) は,基本モード (LP01) に比べ
19.3 dB大きい損失を生じる。実効カットオフ波長は長さと光ファイバの曲げに依存するため,得られるカ
ットオフ波長の値は,測定した光ファイバの設置状態及び長さ並びにケーブル化状態であるか否かで異な
る。そのため,カットオフ波長は,全部で三つの種類に分類される。
a) ケーブルカットオフ波長 (λcc) : 光ファイバ素線(方法A)又は光ファイバケーブル(方法B)で測定
する。
b) 光ファイバカットオフ波長 (λc) : 光ファイバ素線で測定する。
c) ジャンパケーブルカットオフ波長 (λcj) : 短い長さのケーブル(例えば,光ファイバコードなど)を一
周のループに配置して測定する。
特性を規定する上ではケーブルカットオフ波長が好ましい。
光ファイバカットオフ波長 (λc) はこの規格で定められた規定の長さ及び曲げ状態で測定され,一般的に
λccより大きな値となる。通常の敷設されたケーブル区間に対しては,測定されたλcの値は,システムでの
伝送波長よりも長い場合もある。したがって,ケーブルカットオフ波長の方が,システム性能・能力を表
すより有効な定義となる。この方法で定められたよりもピグテールが短いか又は曲げ半径の方が大きいよ
うなファイバケーブルに対しては,λccよりも長い波長でマルチモードになる可能性がある。ケーブル長が,

――――― [JIS C 6825 pdf 10] ―――――

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JIS C 6825:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60793-1-1:2002(MOD)
  • IEC 60793-1-43:2001(MOD)
  • IEC 60793-1-44:2001(MOD)
  • IEC 60793-1-45:2001(MOD)

JIS C 6825:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6825:2009の関連規格と引用規格一覧