この規格ページの目次
4
C 8904-7 : 2011 (IEC 60904-7 : 2008)
注記1 例えば,分光放射照度計による照射スペクトルの測定方法は,CIE 063で規定している。
注記2 分光放射照度計の入射部,及び被測定太陽電池デバイスの入射部は,類似の入射角度依存
性及び視野角をもつことが望ましい。
5 分光感度特性の決定方法
分光感度特性の決定方法は,次による。
a) 被測定太陽電池デバイスの相対分光感度特性は,IEC 60904-8の規定によって測定する。
b) 校正に関わる文書がない場合,基準太陽電池デバイスの相対分光感度特性は,IEC 60904-8の規定に
よって測定する。
6 分光放射照度の決定方法
分光放射照度の決定方法は,次による。
a) 分光放射照度計の入射部を,被測定太陽電池デバイスの位置に取り付けるか,又はできるだけ近くに
取り付ける。取付けは,被測定太陽電池デバイスの面に対して±2°以内とする。
b) 照射スペクトルを記録する。ソーラシミュレータの測定では,スリット幅2 nm5 nmで波長送り2 nm
以下を推奨する。屋外(太陽光)測定では,スリット幅と波長送りとは,共に10 nmまで許容する。
測定中,放射照度の変化は,±2 %以内でなければならない。必要がある場合,実際の積分放射照度
の全ての測定点に対して,その強度を線形補正するか,又は±2 %以内で合致する範囲で繰返し測定
を行い,それらの平均値を相対分光放射照度とする。
c) 照射スペクトルの全波長領域の測定時間が,I-V特性の測定時間よりも長い場合,又は光源の分光放
射照度分布が時間的に不安定な場合[例えば,パルス発光形(発光幅によってフラッシュ形ともいう。)
ソーラシミュレータ又は自然太陽光],正確な照射スペクトルを決定するために特別な注意を払う。
注記1 パルス発光形ソーラシミュレータは,I-V特性測定の間,照射スペクトルが安定ではない
ことがある。また,パルスの立ち上がり期間及び立ち下り期間のスペクトルは,指定のス
ペクトルとは異なることがある。この場合,パルスの立ち上がり期間及び立ち下り期間を
含んだ時間でスペクトルを測定することは正しくないことがある。
注記2 屋外でのスペクトルは,大気状態の変化によって安定でないことがある。
7 スペクトルミスマッチ補正係数の決定方法
スペクトルミスマッチ補正係数は,次の式(3)によって求める。ここで,波長積分範囲は,基準太陽電池
デバイス及び被測定太陽電池デバイスの全感度波長帯域とする。
) Sref (
Eref ( ) d ) Ssample (
Emeas ( ) d
MM (3)
) Sref (
Emeas ( ) d ) Ssample (
Eref ( ) d
ここに, Eref(λ) : 基準スペクトルで,波長λでの単位波長幅当たりの放射照
度。すなわち,JIS C 8904-3に規定する値
Emeas(λ) : 測定時の照射スペクトルで,波長λでの単位波長幅当たり
の放射照度
Sref(λ) : 基準太陽電池デバイスの分光感度特性
Ssample(λ) : 被測定太陽電池デバイスの分光感度特性
注記1 分光放射照度及び分光感度特性は,絶対値又は相対値で与える。
――――― [JIS C 8904-7 pdf 6] ―――――
5
C 8904-7 : 2011 (IEC 60904-7 : 2008)
注記2 太陽光及びシミュレータのスペクトル形状は不規則であるから,分光感度特性は,分光放射
照度測定点ごとに内挿した値で与えることが望ましい。
注記3 式(3)は,単接合デバイスについて有効であるが,多接合デバイスにも適用できる可能性があ
る。多接合デバイスの場合,適切な分光透過率をもつフィルタを用いて対象とする接合部ご
との分光感度特性を測定し,計算する。多接合デバイスの試験報告書には,スペクトルミス
マッチ補正係数及び各接合部の基準要素セル電流比を記載する。
照射スペクトル及び分光感度特性が絶対値の場合,式(3)は,次の式(4)のようになる。
ISC,ref,Eref ISC,sample,Emeas
MM (4)
ISC,ref,EmeasISC,sample,Eref
ここに, ISC,sample,Eref : 基準スペクトルでの被測定太陽電池デバイスの短絡
電流
ISC,ref,Eref : 基準スペクトルでの基準太陽電池デバイスの短絡電
流
ISC,sample,Emeas : 測定時の照射スペクトルでの被測定太陽電池デバイ
スの短絡電流
ISC,ref,Emeas : 測定時の照射スペクトルでの基準太陽電池デバイス
の短絡電流
8 報告書
試験報告書には,IEC 60904-1の規定によって,次の事項を記載する。
a) EC 60904-1又はその他の規格に基づいた測定で,放射補正を行った場合,次の事項を記載する。
1) スペクトルミスマッチ補正係数(計算した値)
2) 被測定太陽電池デバイス及び基準太陽電池デバイスの特定,並びにそれらの分光感度特性(IEC
60904-8の報告書)
3) 照射スペクトル及び基準スペクトル
4) 用いた積分計算方法
5) 被測定太陽電池デバイスと基準太陽電池デバイスとの寸法(面積)が異なる場合は,その寸法
b) 被測定太陽電池デバイスと基準太陽電池デバイスとの相対分光感度特性にスペクトルミスマッチがな
い場合,次の事項を記載する。
1) 被測定太陽電池デバイス及び基準太陽電池デバイスの特定,並びにそれらの分光感度特性(IEC
60904-8の報告書)
2) 被測定太陽電池デバイスと基準太陽電池デバイスとの寸法(面積)が異なる場合は,その寸法
3) 被測定太陽電池デバイスの分光感度特性が測定できない場合,その同等性を決めた基準
――――― [JIS C 8904-7 pdf 7] ―――――
6
C 8904-7 : 2011 (IEC 60904-7 : 2008)
附属書JA
(参考)
不確かさの見積り方法
この附属書は,スペクトルミスマッチ補正係数の不確かさの要因及びその算出方法を示す。
なお,不確かさの見積りについては,JIS Z 8404-1及びISO/IEC Guide 98-3を参照する。
スペクトルミスマッチ補正係数の不確かさの基本的な要因は,式(1)の中のそれぞれの測定値に対する不
確かさである。さらに,ソーラシミュレータのスペクトルの時間的安定性も考慮しなければならない。表
JA.1に不確かさの要因を示す。これらの要因ごとの不確かさを合成することでスペクトルミスマッチ補正
係数の不確かさが得られる。ただし,式(3)は積分の形であり,それぞれの測定値の不確かさは,測定波長
ごとに異なる。したがって,不確かさの合成は,モンテカルロシミュレーションなどの方法を用いること
が望ましい。
表JA.1−スペクトルミスマッチ補正係数の不確かさの要因
要因 式(3)の記号 要因の詳細
入射光のスペクトルの測Emeas(λ) 分光放射計(標準電球の波長ごとの不確かさ,波長ごとの測定器の不確
定値 かさ,校正値と測定値との範囲での直線性)
入射光のスペクトルの時 − 被測定太陽電池デバイスを測定した時点と照射スペクトルを測定した時
間安定性 点との違いによる不確かさ
基準太陽電池デバイスのSref(λ) 分光感度測定装置の不確かさ(参照する標準の波長ごとの不確かさ,波
分光感度特性の測定値 長ごとの測定器の不確かさ,バイアス光重畳又はバイアス光重畳なしの
被測定太陽電池デバイスSsample(λ) 場合の不確かさ)
の分光感度特性の測定値
スペクトルミスマッチ補 − 不確かさは,繰返し測定でスペクトルミスマッチ補正係数を算出したと
正係数の再現性 きの,その標準偏差である。
参考文献 JIS Z 8404-1:2006 測定の不確かさ−第1部 : 測定の不確かさの評価における併行精度,再現
精度及び真度の推定値の利用の指針
ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement: GUM
CIE 063,The spectroradiometric measurement of light sources
JIS C 8904-7:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60904-7:2008(IDT)
JIS C 8904-7:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
JIS C 8904-7:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC8904-2:2011
- 太陽電池デバイス―第2部:基準太陽電池デバイスに対する要求事項
- JISC8904-3:2011
- 太陽電池デバイス―第3部:基準太陽光の分光放射照度分布による太陽電池測定原則
- JISC8990:2009
- 地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び形式認証のための要求事項
- JISC8991:2011
- 地上設置の薄膜太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認試験及び形式認証のための要求事項