この規格ページの目次
4
F 2805 : 2006
6. 高圧ガス容器カット装置
6.1 一般
カット装置及びもやい綱,又は作動索との結合は,容器弁が作動するまで,全荷重が作動機
構に伝達するように調整されたものでなければならない。膨脹式救命用の端艇及びいかだに用いるのを目
的とするカット装置では,容器弁が作動したときは,もやい綱にかかっている力は,えい航用パッチ又は
救命用の端艇及びいかだの係船索に移行するように装備されていなければならない。
ガス容積が5 L以上で,3.17 kgの炭酸ガスを充てんした認定済高圧ガス容器のカット装置は,周囲温度
1820 ℃の下で150 N以下の作動力とで200 mm以下の動きで完全に作動しなければならない。
カット装置は,耐食性材料で作られたものでなければならない。
アルミニウム合金で作られたカット装置は,表面処理がされていて,5.1.4の規定を満たさなければなら
ない。
作動索のねじれ又は膨脹式救命用の端艇及びいかだの生地を摩損させるのを防止するため,必要に応じ
て,防止対策が講じられていなければならない。
カット装置は,水の進入を止めるシールを施したものでなければならない。
高圧ガス容器は,膨脹式救命用の端艇及びいかだの布地がすり切れるのを防止するよう設計していなけ
ればならない。
6.2 試験
6.2.1 高温作動力試験 ガス容積が5 L以上で,3.17 kgの炭酸ガスを充てんした,認定済の高圧ガス容
器に,それぞれ取り付けた2個のカット装置を65 ℃の温度の高温槽の中に2時間置く。槽から取り出し
た後,高圧ガス容器を作動させに要する力を測定したとき,その作動力は,150 N以下としなければなら
ない。
6.2.2 低温作動力試験 ガス容積が5 L以上で,3.17 kgの炭酸ガスを充てんした認定済高圧ガス容器に,
それぞれ取り付けた2個のカット装置を,−30 ℃の低温槽の中に2時間置く。槽から取り出した後,カッ
ト装置を作動させるのに要する力を測定したとき,その作動力は,150 N以下としなければならない。
6.2.3 恒温作動力試験 ガス容積が5 L以上で,3.17 kgの炭酸ガスを充てんした認定済高圧ガス容器に,
それぞれ取り付けた2個のカット装置を,20±3 ℃の恒温槽に2時間置く。2時間後,カット装置を作動
させるのに要する力を測定したとき,その作動力は,150 N以下としなければならない。
6.2.4 塩水噴霧試験 認定済容器弁及び高圧ガス容器のそれぞれを取り付けたカット装置を1820 ℃の
周囲温度で,3 %の塩水中に18か月間,部分的に浸せきするか,又は35±3 ℃の温度で160時間,中断な
く塩水噴霧(5 %食塩水)にさらすかのいずれかを行う。
これらの試験のいずれかが終了後,カット装置を詳細に検査してから作動機構を作動させ,極端な腐食
又は腐食孔のこん跡がなく,カット装置は満足できる状態で機能を維持していなければならない。
6.2.5 衝撃試験 認定済容器弁に取り付けた1個のカット装置組立体を,−30 ℃で2時間低温槽中に放
置する。放置後,完全な組立体についてカット装置の頂部及び側部が十分な衝撃を受けるように堅木のシ
ートで覆った硬い床の上に2 mの高さから落下させる。
この試験を3回繰り返す。それぞれの試験の間では,カット装置組立体を低温槽中に置き−30 ℃の温度
を維持する。
カット装置には,目に見える損傷のこん跡がなく,作動させたとき満足できる状態で機能を維持し続け
なければならない。
6.2.6 浸水試験 認定済み容器弁及び高圧ガス容器にそれぞれ取り付けた2個のカット装置組立体をひ
ょう量してから30分間,4 mの深さの水中に沈める。
――――― [JIS F 2805 pdf 6] ―――――
5
F 2805 : 2006
次に水から取り出した後,それぞれのカット装置をひょう量する。水の浸入によって質量増加があって
はならない。
それぞれカット装置は,その後作動させ,高圧ガス容器中の内容物を完全に排出させる。その作動力は,
150 Nを超えてはならない。
排出後,各カット装置を検査のため解体する。解体後,システムの中に水の浸入があってはならない。
7. 高圧ホース組立体
7.1 一般
高圧ホースは,膨脹気室の注入マニホールド及び高圧ガス容器を連結するために用いられる
ものとしなければならない。
高圧ホースは,内側が滑らかで,耐腐食性補強をした天然ゴム,合成ゴム又は他の適切な材料で構成さ
れていなければならない。
高圧ホースには,ある程度の締めすぎに耐える十分な強度のある端末コネクタが取り付けられていなけ
ればならない。
備考 質量比で33 %より多く亜鉛を含む真ちゅう製の端末コネクタは,それが焼きなましなしで冷
間圧縮されたものの場合は,時期割れを起こすことがあるので避けなければならない。
ホースの端末の中に挿入する継手金具は,ホースの内側ライニングの損傷又は磨耗するのを防止し,円
滑なガスの流れがもたらされるようにするため,適切な形状に加工しなければならない。ホースの外側の
覆いは,損傷又は磨耗に対して適切に保護しなければならない。
ホースは,周囲温度が1820 ℃で21 MPaの最小破裂強度をもち,−45 ℃の温度で4.5 MPaの最小破裂
強度をもつものとする。
ホースは,−45+65 ℃の範囲の周囲温度で終始満足いく状態で機能しなければならない。
ホースは,−45 ℃の温度で直径50 mmの巻型の上で180度曲げたときに,ひび割れ又は損傷があって
はならない。
ホースは,12.5 MPaの水圧をかけたとき,ゆがみ又は損傷があってはならない。
すべてのホースは,製造業者の品質検査によって詳細に検査され,表示が付されていなければならない。
トレーサビリティーを確保するために,ホースは外側に
− 製造業者名 及び
− ロット又はバッチ番号
を明示していなければならない。
7.2 試験
7.2.1 炭酸ガス(CO2)/窒素ガス(N2)システム用ホース
7.2.1.1 周囲温度1820 ℃で3本のホースに破壊するまで内圧を加える。ホースの破裂圧力は,21 MPa
以上としなければならない。
7.2.1.2 3本のホースを72時間,−45 ℃の温度の低温槽内に放置した後,直ちに破壊するまで内圧を加
える。ホースの破裂圧力は,4.5 MPa以上としなければならない。
7.2.1.3 3本のホースに60秒間,12.5 MPaの液圧を内圧として加える。試験中,ホース及び端末取付け具
は詳細に検査し,漏れ,破損又は,ゆがみの兆候があってはならない。
7.2.1.4 水圧試験に用いた3本のホースを完全に乾燥させた後,−45 ℃の温度の低温槽中に2時間放置す
る。低温槽から取り出したホースは,直ちに直径50 mmの巻型の上で,180度曲げたとき,ひび割れ又は
損傷の兆候があってはならない。
――――― [JIS F 2805 pdf 7] ―――――
6
F 2805 : 2006
この試験の終了後に3本のホースは,このホースがまだ使用に役立つ状態であることを確かめるため
に,7.2.1.3で規定する水圧試験を行う。その場合には,室温まで温めてよい。
7.2.1.5 ホースと継手金具との結合部に,周囲温度1820 ℃で60秒間,180 kg(1 765 N)の引張荷重を
加える。終了時にホースを詳細に検査し,損傷又は端末継手部の外れの兆候があってはならない。
7.2.1.6 硬い台の上に置いたホースに,ホースの長さ方向に対して直角方向に,25 mm幅の横木を置いて
60秒間,45 kg(441 N)の荷重を加える。
流量計を用いて試験の前後に流量値を測定し,ホース内断面積に減少がないことを確認する。
7.2.2 圧縮空気/窒素ガスシステム用ホース
7.2.2.1 ホースは,7.2.1.17.2.1.6に規定された試験を受けなければならない。
7.2.2.2 3本のホースに周囲温度が,1820 ℃で60秒間高圧ガス容器の空気/窒素の使用圧力の2.5倍
の圧力を加える。ホースには,漏れ,ゆがみ又は損傷のこん跡があってはならない。
8. バルブ-圧力開放バルブ,膨脹/排気バルブ,逆止バルブ/送気バルブ
8.1 圧力開放バルブ
8.1.1 圧力試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブは適切なジグに設
置され,バルブが開放するまで徐々に空気圧を加える。その後,圧力をバルブが閉止するまで徐々に減少
させる。バルブは,1時間に0.01 L未満の漏れ量になったとき,閉止したとみなす。
バルブの開放及び閉止圧力を,記録する。これらの圧力は,製造業者によって規定された設計範囲内に
入っていなければならない。
備考 圧力開放バルブの開放圧は,一般には,バルブの噴出し圧力とする。
8.1.2 落下試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブは,固いコンクリ
ートの床の上に2 mの高さから12回落とす。落下試験の完了時に,バルブは詳細に検査をしてから適切
なジグの上で作動することを確認する。表層の破損以外は損傷の兆候がなく,バルブは満足いく状態で機
能しなければならない。
8.1.3 バルブフランジの取付け強度試験(適用可能な場合) 最小6個のバルブについて,試験を行わな
ければならない。各バルブを,適切なジグに取り付け,バルブフランジ全体に1 800 Nの引張試験力を,
バルブフランジをバルブからはがすように,3分間加える。バルブを90度回転させて同じ試験を繰り返す。
試験の終了後,バルブにはゆがみ又はバルブフランジからのはがれの兆候があってはならない。
8.1.4 反復荷重試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブを認定された
6人用救命いかだの一つの膨脹気室チューブに取り付ける。気室をバルブが開くまで膨脹させ,バルブが
開放するときと閉止するときの圧力を記録する。75 kg以上の質量の1人の人間を気室の上に25回上がら
せ,終了後気室の圧力を記録する。気室の圧力低下は,バルブ閉止圧の10 %以下としなければならない。
8.1.5 耐圧試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。8.1.4で用いた気室に取り
付けたバルブに栓をし,少なくともバルブの開放圧力(噴出し圧)の3倍の圧力に膨脹させる。
この圧力を5分間維持してバルブを詳細に検査する。バルブには何らかの損傷,又は気室からはがれた
兆候があってはならない。
8.1.6 流量試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。流量計及び適切なジグを用
い,周囲温度が1820 ℃でバルブが完全に開放した場合,次の割合でガスを排出できることを計測する。
――――― [JIS F 2805 pdf 8] ―――――
7
F 2805 : 2006
表 1 必要流量率
圧力 最小流量率
0.014 MPa(14 kN/m2) 1.30 m3/min
0.021 MPa(21 kN/m2) 1.85 m3/min
0.028 MPa(28 kN/m2) 2.45 m3/min
0.042 MPa(42 kN/m2) 3.40 m3/min
8.2 膨脹/排気バルブ
8.2.1 漏れ試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブを適切なジグに取
り付け,バルブが開放するまで徐々に加圧する。バルブが閉止するのを確認して,0.014 MPaの空気圧を
バルブの内側から加える。バルブからの漏れ率は,0.01 L/1時間未満でなければならない。
8.2.2 バルブ−取付け強度試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブを
適切なジグに取り付け,バルブフランジ全体に1 800 Nの引張試験力を,バルブフランジをバルブからは
がすように3分間加える。バルブを90度回転させて同じ試験を繰り返す。
試験の終了後に,バルブには,ゆがみ又はバルブフランジからのはがれの兆候があってはならない。
8.2.3 落下試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブは,固いコンクリ
ートの床の上に2 mの高さから12回落とす。落下試験の完了時に,バルブは,詳細に検査をしてから適
切なジグの上で作動することを確認する。表層の破損以外は,損傷の兆候がなく,バルブは,満足いく状
態で機能していなければならない。
8.2.4 流量試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。流量計及び適切なジグを用
いて,周囲温度1820 ℃で0.0140.028 MPaの圧力で完全に開口したとき,バルブからの空気流量は,
製造業者によって規定された設計範囲内に入ることを確認する。
8.3 逆止弁/送気バルブ
8.3.1 漏れ試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブを適切なジグに取
り付け,バルブが開放するまで空気圧を徐々に加える。
バルブが閉止するのを確認して,0.007 MPaの空気圧をバルブの内側から加える。
バルブから漏れる割合は,0.01 L/1時間未満でなければならない。この後に,この試験を0.014 MPaの
圧力を使って繰り返す。
8.3.2 バルブ/取付け強度試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブ
を,適切なジグに取り付け,バルブフランジ全体に1 800 Nの引張試験力を加えて,バルブフランジをバ
ルブからはがすように試験を行う。引張力を3分間以上加えてからバルブを90度回転させて同じ試験を繰
り返す。
試験の終了後に,バルブにはゆがみ又はバルブフランジからのはがれの兆候があってはならない。
8.3.3 落下試験 最小6個のバルブについて,試験を行わなければならない。各バルブは,固いコンクリ
ートの床の上に2 mの高さから12回落とす。落下試験の完了時に,バルブは,詳細に検査をしてから適
切なジグの上で作動することを確認する。表層の破損以外は損傷の兆候がなく,バルブは満足できる状態
で機能しなければならない。
――――― [JIS F 2805 pdf 9] ―――――
8
F 2805 : 2006
9. ガス膨脹システムの適合性
この規格に従って評価したガス膨脹システムの最終的な適合性は,その
システムが適用されるIMO決議A.689 (17) の改正版であるIMO決議MSC.81 (70) に従った最終製品の試
験によって決定する。システムを構成する部品は,一般には,寸法,数量及び最終製品を構成するシステ
ムの他の部品との関連性によって構成されている。
この規格の規定する要件に加えて,認定機関も,IMO LSA コードの1.2項にある一般の要件に照らして
膨脹システムを評価することが望まれる。
――――― [JIS F 2805 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS F 2805:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15738:2002(MOD)
JIS F 2805:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.99 : 造船及び海洋構造物に関するその他の規格