この規格ページの目次
- 10.10 試験
- 10.11 文書化
- 11. 定期的に無人状態におかれる又は削除された人員当直による機関区域に対する追加要件
- 11.1 序文
- 11.2 一般要件
- 11.3 火災予防
- 11.4 浸水に対する保護
- 11.5 推進機関の制御
- 11.6 警報システム
- 11.7 保護(安全)システム
- 11.8 機関,ボイラ及び電気設備に対する特別要件
- 12. 試運転及び試験
- 12.1 完成設備試験
- 12.2 作動試験
- 13. 文書化
- 13.1 機器の説明
- 13.2 回路図
- JIS F 8076:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS F 8076:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS F 8076:2005の関連規格と引用規格一覧
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F 8076 : 2005 (IEC 60092-504 : 2001)
10.9.2.3 タスクの優先順位付け 前項に規定したオペレーティングシステムの下でタスクを割り当てら
れた個々のアプリケーションソフトウェアモジュールは,2個以上の機能に関係した作業を行うべきでは
ない。提供される機能に適する優先順位をタスクに割り当てなければならない。
10.9.2.4 分離 ハードウェア,例えば,入出力装置,通信リンク,記憶装置などが,故障の影響を最小限
化することを図った構成となっている場合,関係するソフトウェアは別のコンピュータタスクへ分離し,
同程度の独立性を確保しなければならない。
10.10 試験
10.10.1 一般 すべての試験は,文書化しなければならない。
これらの文書作成は,試験方法,要求する試験結果及び組み込まれたシステム又は連接したシステムで
他の供給者が実施した試験を含む試験結果の記述を含む。
10.10.2 ハードウェア ハードウェアは5.の規定によって試験しなければならない。
10.10.3 ソフトウェア
10.10.3.1 モジュールの試験 ソフトウェアモジュールは,対応するハードウェアにインストールする前
に試験しなければならない。
10.10.3.2 設置前試験 アプリケーションソフトウェアは,船内にインストールする前に十分に試験しな
ければならない。
10.10.4 システム試験
10.10.4.1 完成システム 試験は,承認されたテストプログラムに従って,実際のハードウェア構成品,
ソフトウェアモジュール及びアプリケーションソフトウェアで構築されたシステムの上で詳細に実施しな
ければならない。
10.10.4.2 機能テスト システム試験及び目視検査では,システムが機能仕様書を満足することを検証し
なければならない。
10.10.4.3 障害シミュレーション 障害はできるだけ現実的にシミュレーションされなければならない。
警報及び安全限界は,監視するパラメータの規定値を超過することで確認するのが望ましい。
10.10.4.4 動作条件 システムが,通常な動作及び異常な動作条件の下で所要の機能を果たすことを検証
しなければならない。
10.10.4.5 統合システム 統合システムは,それ以前に正しい機能性が発揮されたことを検証する試験を
しなければならない。
10.10.4.6 船内試験 係留運転及び海上運転では,相互接続されたすべてのシステムが所要の機能を発揮
する能力を検証しなければならない。
10.11 文書化
10.11.1 一般
10.11.1.1 明りょう性 すべての文書化は,明確であいまいさのない方法で関連するすべての情報を与え
るものでなければならない。
10.11.1.2 記号及び略語の使用 使用する記号及び略語は,説明するか又は適切な国際規格若しくはコー
ドを引用しなければならない。
10.11.2 ハードウェア 次のとおり文書化を行わなければならない。
a) システムのブロックダイアグラム,これは個々の構成品,入出力装置及び相互接続の配列を示す。
b) 結線系統図
c) 入出力装置の詳細
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d) 電源の詳細
10.11.3 システムの機能的な記述 文書化は,この規格の関連する規定を満足していることを検証するた
めに行わなければならない。例えば,
− システム仕様書
− 機器の正常操作及び不正操作に対するシステム性能
− 正常操作及び不正操作モードに対する取扱説明
− 制御の切換え
− 冗長モード又は復帰モード
− 試験設備
− 障害検知及び障害特定設備(自動及び手動)
− データ保全
− アクセス規制
− ユーザの注意を必要とする特記事項
更に,文書化には手続に関係した次の事項も必要である。
− 起動(スタートアップ)
− 機能の復旧
− 保守及び定期試験
− データバックアップ
− ソフトウェアの再読込み及びシステム再立上げ
− 障害箇所の特定及び修復
10.11.4 ソフトウェア
10.11.4.1 品質計画 ソフトウェアライフサイクルの実行に関する計画には,構成管理を含め,関連する
手続,責任及びシステムの文書化を引用したものを示さなければならない。
10.11.4.2 記述 ソフトウェアは,すべてにわたって記述しなければならない。例えば,
− 各ハードウェアユニットにインストールされた基本ソフトウェアの記述
− ネットワークのノードにインストールされた通信ソフトウェアの記述
− アプリケーションソフトウェアの記述(プログラムリストではない)
− システムの立上げ及びプロセス機器の構成に対するツール
10.11.4.3 アプリケーションソフトウェア アプリケーションソフトウェアの記述には,例えば,次の事
項を含まなければならない。
− 他のシステムへの依存を含み,機能を維持するために動作させなければならない,システムモジュ
ールの情報
− 機能を理解するに十分なレベルでの各モジュールの詳細
− 各機能を維持するために動作させなければならないソフトウェアモジュール間の関係
− ソフトウェアモジュール間のデータ及び制御の流れ
− ソフトウェアの構成,優先付けの構成を含む
− 冗長システムにおける切換構造
10.11.4.4 範囲及び限界 予期される機器の警報及び安全機能に対する動作範囲及び限界の詳細を示さな
ければならない。
10.11.5 ユーザインタフェース
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10.11.5.1 文書化された設計 制御場所の設計と配置は,動作原理を判断するに十分なレベルで,例えば,
各ユーザの入出力装置の図面,寸法,絵などを含み,詳細に示さなければならない。
10.11.5.2 画面を介しての対話 画面を介してのコンピュータとの対話の詳細は,次の事項を含めて作成
しなければならない。
− 各入力装置に割り当てられた機能の記述
− 個々の画面の詳細,例えば,説明図,カラー写真,など
− メニュー操作の記述
10.11.6 試験プログラム 試験プログラムは10.10に従い,作成しなければならない。
11. 定期的に無人状態におかれる又は削除された人員当直による機関区域に対する追加要件
11.1 序文
この条項は,定期的に無人となる機関区域をもつ船の船上における追加要件に関するもので
ある。
備考 当直人員の削減に関しては,次の項の適用は当該公的機関の決定による。
11.2 一般要件
設備は,操船時を含むすべての航海状態において,機関区域に人員が配置される船と同
等の安全性を確保するものでなければならない。
11.3 火災予防
次の場所の火災を初期の段階で探知し,かつ,警報を発する手段を設けなければならな
い。
− ボイラ燃焼空気供給ケーシング及び煙路
− 推進機関の掃気室。ただし,特別の場合において当該公的機関が必要ないと認めるときはこの限り
でない
11.3.1 オイルミストの監視 出力2 250 kW以上の内燃機関又はシリンダの内径が300 mmを超える内燃
機関には,クランク室のオイルミスト検出装置,機関軸受温度監視装置又はこれと同等の装置を設けなけ
ればならない。
11.3.2 火災探知及び警報 9.1による火災探知警報システムを,機関区域に装備しなければならない。
11.3.3 探知器の場所 火災探知システムは,機関区域のすべての場所において,予想される周囲温度の範
囲で要求する機関の通常の作動状態の下で,かつ,通風の変動の下で,火災の発生を迅速に探知し得るこ
とを図った設計とし,探知器を配置しなければならない。
熱探知器だけによる火災探知システムは認められない。ただし,高さが制限されている場所及び熱探知
器の使用が特に適切である場所に設置する場合を除く。
火災探知警報システムは,航海船橋上において及び責任ある機関士が聴き取り,かつ,視認することの
できる十分な場所において,火災表示以外の他のシステム警報と視覚及び聴覚において識別し得る可視可
聴警報を発しなければならない。航海船橋が無人の状態である場合には,警報は,乗組員の責任者が当直
している場所に発しなければならない。
火災探知システムは,その取付後,種々の機関の作動状態及び通風状態の下で試験しなければならない。
11.4 浸水に対する保護
11.4.1 ビルジウェル監視 定期的に無人の状態に置かれる機関区域のビルジウェルは,船の通常の縦傾斜
及び横傾斜角度で液体の貯留量が検知される方法で監視しなければならない。
少なくとも2個の液位センサを各機関区域に取り付け,これらが作動したときは個別の警報を発しなけ
ればならない。
監視装置は,どの区画で異常が生じたかを示すものでなければならない。
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11.4.2 自動ビルジ排出 ビルジポンプが自動的に始動することができるものである場合には,液体の流入
がポンプの能力を超えているとき,又はポンプが通常予想される頻度よりも高い頻度で作動しているとき
には,表示するための手段を設けなければならない。
自動制御されるビルジポンプを設ける場合には,油による汚染の防止に関する要件に対し特別の注意を
払わなければならない。
11.5 推進機関の制御
船橋からの推進機関の遠隔制御を設けなければならない(9.5参照)。
11.6 警報システム
11.6.1 機関故障の表示 機関警報は9.2を満足し,注意を必要とするすべての故障を表示しなければなら
ない。
11.6.2 可視及び可聴警報 警報システムは,機関区域及び設置されていれば機関制御室に,可視可聴警報
を発しなければならない。
それぞれの個別警報は,適切な場所に視覚的に表示しなければならない。
11.6.3 公室 警報システムは,機関士公室,及び選択スイッチを介して少なくとも機関士居室の一つに接
続しなければならない。
11.6.4 航海船橋 警報システムは,当直士官の行動又は注意を必要とするすべての状態について,航海船
橋において可視可聴警報を発しなければならない(特に,推進機関の自動減速又は緊急停止の場合)。
11.6.5 警報不履行 実行可能な限り,警報システムの故障は警報を発しなければならない。
11.6.6 機関士呼出し 警報が限られた時間内に警報場所で確認できない場合には,機関士全体呼出し装置
を作動しなければならない。
11.6.7 電源
11.6.7.1 予備電源 警報システムには連続的に給電し,かつ,通常電源が喪失した場合には,自動的に予
備電源に切り換わらなければならない。
備考 電源切換えは給電に瞬断があってもよい。すなわち,無停電電源を強制するものではない。
11.6.7.2 故障警報 警報システムの通常電源が故障した場合には,可視可聴警報を発しなければならない。
11.7 保護(安全)システム
11.7.1 自動緊急停止 人命に対し急激に危険な状態となる機関又はボイラの運転にかかわる重大な故障
の場合に,プラントの故障部分を自動的に緊急停止し,かつ,可視可聴警報を発する安全装置を設けなけ
ればならない。
11.7.2 システム設計 機関保護(安全)システムは,9.6によって設計しなければならない。
11.8 機関,ボイラ及び電気設備に対する特別要件
11.8.1 電源 主電源は,9.3の要件を満足しなければならない。
11.8.2 負荷の優先遮断 通常1台の発電機によって給電することができる場合には,船の推進及び操だの
ために必要な負荷への給電及び船の安全のための給電を連続的に行うために,適切な負荷優先遮断装置を
設けなければならない。運転中の発電機が停止の場合には,重要補機を自動的に再始動(必要なら,順次
始動を含む)し,船の推進及び操だ並びに船の安全を確保するために十分な容量をもつ予備発電機を自動
始動し,主配電盤に自動接続する設備を備えなければならない。
備考 当該公的機関は,1 600総トン未満の船について実行不可能と認める場合には,この要件を免除
することができる。
11.8.3 給電の連続性 通常2台以上の発電機の並行運転によって,給電する場合には,発電機の1台が停
止した場合に,船の推進及び操だ並びに船の安全を確保するために,残りの発電機が過負荷になることな
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く運転の継続を確実にする装置,例えば,負荷の優先遮断装置を備えなければならない。
11.8.4 自動切換え 船の推進のために不可欠な補機に対して予備機が要求される場合には,自動切換装置
を設けなければならない。
11.8.5 自動制御及び警報システム
11.8.5.1 主推進 制御システムは,必要な自動化設備を用いて,主推進機関及び補機の運転に要求される
機能を確保することができるものでなければならない。
11.8.5.2 自動切換え 予備機への自動切換えが行われた場合には,可視可聴警報を発しなければならない。
11.8.5.3 重要パラメータの監視 すべての重要な圧力,温度,液位及び他の重要パラメータに対しては,
11.6を満足する警報システムを設けなければならない。
11.8.5.4 集中警報システム 警報を表示し,かつ,必要な警報盤及び計器を配置した集中制御場所を設け
なければならない。
11.8.6 始動空気
11.8.6.1 圧力規制 主推進機関として内燃機関を用いる場合には,必要とする始動空気圧を保持するため
の手段を講じなければならない。
11.8.6.2 圧力低下警報 始動空気の圧力が低下したことを示す可視可聴警報を航海船橋及び機関区域に
設け,かつ,警報の設定値は主機を更に始動させ得るレベルでなければならない。航海船橋での表示は,
可逆主機関の場合にだけ要求される。
12. 試運転及び試験
12.1 完成設備試験
試験は,電気式制御,監視及び警報システムが正しく取り付けられ,使用開始前に
正常な作動状態にあるということを実証するために実施しなければならない。試験は,実行可能な限り,
実際的に行い,シミュレーションは避けなければならない。
設置完了後,規範的な試験プログラムに従い,制御機器全体の試験を実施しなければならない。
12.2 作動試験
最初の作動試験は,個々の制御システムの作動能力を調整し記録するために行い,これ
には,関連するアクチュエータ,変換器,指示計器及び記録計器,調節器,警報及びその他の制御機器を
含めなければならない。これらには,手動と自動,機側制御及び遠隔制御のすべての状態における運転並
びにその間の切換えの操作も含めなければならない。記録は適切に文書化しなければならない。
実行可能な限り,係留運転及び海上運転中に,すべての制御システムが満足に作動することを試験しな
ければならない(JIS F 8072参照)。
13. 文書化
13.1 機器の説明
各制御装置について,製造業者は,作動原理,技術的仕様,装備要領,始動及び試運
転手順,故障発見手順,保守及び修理に関する十分な情報を,必要な試験設備及び交換可能部品の一覧表
とともに引き渡さなければならない。
システム全体の内容が把握できる,十分な情報を入手できるものでなくてはならない。
13.2 回路図
耐久性のある材料に描いた回路図を,個々の制御装置ごとに,対象機器の中若しくはその
近くに目立つ方法で表示するか又は制御システムハンドブックに含めなければならない。
コンピュータ利用システムについては,10.11参照。
すべての設定値を記載した適切に文書化したものを用意しなければならない。
――――― [JIS F 8076 pdf 40] ―――――
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JIS F 8076:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60092-504:2001(IDT)
JIS F 8076:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.60 : 船及び海洋構造物の電気設備
JIS F 8076:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF8007:2004
- 船用電気機器―外被の保護等級及び検査通則
- JISF8061:2005
- 船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
- JISF8062:1996
- 船用電気設備 第201部 システム設計―一般
- JISF8063:2006
- 船用電気設備―第202部:システム設計―保護
- JISF8065:2003
- 船用電気設備―第302部:低圧配電盤及び制御盤
- JISF8072:2006
- 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験
- JISF8073:2017
- 船用電気設備―第501部:個別規定―電気推進装置
- JISF8074:2003
- 船用電気設備―第502部:タンカー―個別規定
- JISF8079:1989
- 船用電気設備 第204部 システム設計―電動及び電動油圧操だ装置