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30分以上通じて脱気を行う。ガス流量は,400 mlの液量に対して50 ml・min−1以上とする。
c) 脱気用ガスでかくはんしている試験溶液に試験片を完全に浸し,速やかに電位測定用キャピラリーの
位置を調整し,直ちにポテンシオスタットで試験片の電位を−0.7 V[飽和甘こう電極基準(以下,
“SCE”と略す。)]に設定し,10分間のカソード処理を行う。次に電位設定を解除した後,脱気用ガ
スを電解槽試料室だけに流し,試験片を不通電状態の自然電位で10分間放置する。次いでポテンシオ
スタットによって自然電位から電位掃引速度20 mV・min−1の動電位法で,アノード分極曲線を測定す
る。終点の電位は+1.1 V(SCE)以上とする。電位を段階的(例えば,20 mVずつ)に上げる定電位
ステップ法のときは,電位の平均変化速度を20 mV・min−1とする。
d) 測定後,試験面を観察し,被覆部に明らかな腐食が認められる場合には測定結果から除外する。
注記 測定技術検定方法については,参考として附属書Aに示す。
7 測定結果
7.1 分極曲線の表示
測定した分極曲線は,横軸に直線目盛の電位(SCE,単位V),縦軸に対数目盛の電流密度(単位は,通
常 μA・cm−2)をとる。照合電極に銀・塩化銀電極を用いる場合は,測定した電位の値に表1の加算値を加
えると,SCEの電位値となる。アノード分極曲線の例を図3に示す。
その他の方法として,分極曲線で示す代わりに表2に示す特性値で示してもよい。
表1−SCEへの換算値表(30 ℃の場合)
銀・塩化銀電極内部電解液のKCl濃度(kmol・m−3)
3.3 4 飽和
加算値 (V) −0.038 3 −0.042 5 −0.047 3
7.2 試験条件の記録
測定結果には,次の試験条件について記録する。
a) 試験片の採取方法,加工方法及び表面処理方法
b) 試験溶液の濃度
c) 試験電極の形
d) 電位掃引方法の種類
1) 動電位法 : 掃引速度
2) 電位ステップ法 : 保持時間及び電位ステップ幅
――――― [JIS G 0579 pdf 6] ―――――
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図3−アノード分極曲線の例
表2−アノード分極曲線の特性値
記号 特性値
Ecorr 不通電状態で10分間放置後の自然電位(V)
icrit 不動態化のために現れる第1の山の最大電流密度(不動態化電流密度)
EP icritを示す電位(V)(不動態化電位)
iSA 不動態域で示される第2の山の最大電流密度
ESA iSAを示す電位(V)
iV 第1の山と第2の山との間の谷の最小電流密度
EV ivを示す電位(V)
(iSA,ESA,iV,EVは第2の山を認める場合だけ記録する)
i0.4 +0.4 Vにおける電流密度(不動態維持電流密度)
i1.0 +1.0 Vにおける電流密度
注記 表中のVは,SCEの電位。
――――― [JIS G 0579 pdf 7] ―――――
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附属書A
(参考)
ステンレス鋼のアノード分極曲線測定技術検定方法
序文
この附属書は,ステンレス鋼のアノード分極曲線に関する自己の測定技術を検定し,以後の分極曲線測
定の信頼性を確保するため,腐食試験用SUS304(試料記号304-78)1)の5 % 及び 20 %(いずれも質量
分率)硫酸水溶液中におけるアノード分極曲線の測定方法及び測定技術検定方法を示すもので,規定の一
部ではない。表A.1にSUS304-78の化学成分を示す。
注1) ステンレス協会[東京都千代田区岩本町1-10-5,電話 (03) 5687-7831]で頒布されている。
表A.1−化学分析結果
単位 %(質量分率)
鋼種 記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo Cu
SUS304 304-78 0.066 0.58 0.82 0.029 0.002 8.75 18.29 0.14 0.14
A.1 アノード分極曲線の測定
SUS304-78の圧延面だけを使用し,本体の箇条3箇条7の方法に従って,5 % 及び20 %(いずれも
質量分率)硫酸水溶液を用い,分極曲線を測定する。
A.2 測定技術の検定方法
測定した分極曲線が図A.1又は図A.2に示す分極曲線2)の2本の曲線の範囲内にあれば,十分再現性の
ある分極曲線が測定できる状態にあるものと判断する。この範囲を外れる曲線が測定されるときは,測定
装置,試験溶液,脱気方法,試験片の調製方法,被覆材,被覆方法などの測定技術に関する諸項について
再検討する。通例の検討事項のほかに表A.2の検討指針を参考にして検討するとよい。
注2) ステンレス鋼のアノード分極曲線測定方法工業標準原案作成委員会に属する20機関が参加し,
この規格に基づき測定・検討したアノード分極曲線の結果を範囲で示したものである。
表A.2−検討指針
得られた結果 検討項目
卑な自然電位,過大なicrit Cl−の混入,試験片被覆材,硫酸濃度,純度
貴な自然電位,過少なicrit 試験片被覆材,脱気不十分,硫酸濃度,純度
過大なicrit 掃引速度過大,大きいすき間の発生
ホルダーのリーク(不動態域も大きい)
硫酸濃度,純度
−0.2 V近傍で低い電流 脱気不十分
(極端な場合はカソード電流) 試験片被覆材
0.1 V0.9 Vにおける高めの電流 すきま腐食
0.5 V近傍でのふくらみ すきま腐食
0 V近傍での低い電流 液の再使用などによる汚染
(又はカソード電流)
注記 表中のVは,SCEの電位
――――― [JIS G 0579 pdf 8] ―――――
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図A.1−SUS304-78の5 %硫酸溶液中における分極曲線の範囲
――――― [JIS G 0579 pdf 9] ―――――
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図A.2−SUS304-78の20 %硫酸溶液中における分極曲線の範囲
JIS G 0579:2007の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 0579:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ8804:2012
- 液体の密度及び比重の測定方法