JIS G 1311-3:2012 フェロマンガン分析方法―第3部:けい素定量方法 | ページ 2

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し,室温まで冷却した後,水を加えて液量を1 000 mLとする。この溶液は使用の都度,ろ過して使用する。
6.2.4 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物150 gを温水500 mL及び硫酸
(1+1)200 mLを加えて溶解し,室温まで冷却した後,ろ紙(5種A)を用いてろ過する。ろ紙を水で数
回洗浄し,水を加えて液量を1 000 mLとする。
6.2.5 しゅう酸溶液 しゅう酸二水和物100 gを温水に溶解し,室温まで冷却した後,水を加えて液量を
1 000 mLとする。
6.2.6 マンガン けい素含有率0.000 5 %(質量分率)以下のマンガン。
6.2.7 鉄 けい素含有率0.001 %(質量分率)以下の鉄。
6.2.8 四ほう酸ナトリウム(無水) けい素含有率ができるだけ低いもの。
6.2.9 けい素標準液A(Si : 100 μg/mL) 二酸化けい素[99.9 %(質量分率)以上]を約1 000 ℃で強熱
し,デシケーター中で室温まで放冷してその質量をはかる操作を恒量(強熱前後の質量差が0.3 mg以下)
となるまで繰り返した後,その0.428 gを白金るつぼ(30番)に取り,炭酸ナトリウム2.5 gを加えて混合
し,加熱して融解する。放冷した後,融成物を水に溶解し,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入
れ,水で標線まで薄めて原液(Si : 200 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に2
倍に薄めて,けい素標準液Aとする。
6.2.10 けい素標準液B(Si : 50 μg/mL) 6.2.9の原液(Si : 200 μg/mL)を使用の都度,必要量だけ水で正
確に4倍に薄めて,けい素標準液Bとする。

6.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,表2に従って,0.1 mgの桁まではかる。
表2−試料はかりとり量及び酸の使用量
けい素含有率 試料はかりとり量 酸の使用量
%(質量分率) g mL
硝酸(1+1) 塩酸(1+1)
0.01以上 0.1未満 0.50 15 10
0.1以上 1.0以下 0.10 10 5

6.4 操作

6.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れる。
b) 硝酸(1+1)を試料のはかりとり量に応じて表2に従って加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分
解する。
c) 大部分の試料が分解してから,塩酸(1+1)を試料はかりとり量に応じて表2に従って加え,析出し
たマンガン酸化物などを分解する。
d) 温水20 mLを加えて加熱し,沸騰させて窒素酸化物を除去する。
e) 室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。
f) 溶液をろ紙(5種B)を用いて100 mLの全量フラスコにろ過し,不溶解残さ及びろ紙を少量の温水で
洗浄する。ろ液及び洗液は主液として保存する。不溶解残さ及びろ紙も保存する。
なお,このとき,ろ液と洗液との合量が約70 mLを超えないようにする。
6.4.2 不溶解残さの処理

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不溶解残さの処理は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1 f)で得た不溶解残さ及びろ紙を白金皿(30番)に移し入れる。
b) 加熱して乾燥した後,強熱してろ紙を灰化し,放冷する。
c) 四ほう酸ナトリウム(無水)(6.2.8)1.0 gを加えて混合し,白金るつぼに蓋をして初めは低温で加熱
する。
d) 内容物が融解してから,1 100 ℃で約30分間強熱して完全に融解し,放冷する。
e) 塩酸(1+1)20 mLを加え,穏やかに加熱して融成物を溶解する。
f) 常温まで冷却した後,溶液を6.4.1 f)で保存しておいた主液に加える。
g) 白金るつぼ及び蓋を水で洗い,洗液を主液に加える。
h) 水で標線まで薄める。
6.4.3 呈色
呈色は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2 h)で得た溶液を表3に従って分取し,100 mLの全量フラスコに移し入れる。
b) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(6.2.3)を表3に従って加え,振り混ぜて10分間放置する。
c) しゅう酸溶液(6.2.5)を表3に従って加えて振り混ぜ,30秒間以内に硫酸アンモニウム鉄(II)溶液
(6.2.4)5 mLを加えて振り混ぜた後,水で標線まで薄める2)。
注2) 呈色溶液は,液温が2030 ℃のときは,呈色した後,60分間は安定しているが,液温が15 ℃
以下,又は35 ℃以上のときは,低値を示す原因となるので,操作中の液温に注意する必要
がある。
表3−試料溶液の分取量及び試薬添加量
けい素含有率 分取量 七モリブデン酸六アンモニ しゅう酸溶液(6.2.5)
ウム溶液(6.2.3)添加量 添加量
%(質量分率) mL mL mL
0.01以上 0.1未満 20 15 25
0.1以上 1.0以下 10 10 15
6.4.4 吸光度の測定
吸光度の測定は,6.4.3 c)で得た呈色溶液の一部を分光光度計の吸収セルに取り,水を対照液として波長
810 nm付近における吸光度を測定する。
なお,波長810 nm付近で測定した吸光度が0.7を超える場合は,波長660 nm付近で測定する。ただし,
その場合には,検量線も波長660 nm付近で測定したものを使用する。

6.5 空試験

  空試験は,マンガン(6.2.6)及び鉄(6.2.7)を,試料中の含有率に応じて表4に従ってはかりとり,ビ
ーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。6.4.1 b)6.4.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並
行して行う。

6.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって試料と並行して行う。
a) けい素含有率の範囲ごとに数個のビーカー(200 mL)を準備する。
b) それぞれに表4に従ってはかりとったマンガン及び鉄を移し入れ,時計皿で覆う。
c) 6.4.1 b)6.4.2 g)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

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d) 表4に従って,けい素標準液A(6.2.9)又はけい素標準液B(6.2.10)を段階的に添加する。
e) 6.4.2 h)6.4.4の手順に従って試料と同じ操作を行い,得た吸光度とけい素標準液として加えたけい素
量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
表4−マンガン及び鉄のはかりとり量並びにけい素標準液添加量
けい素含有率 マンガン及び鉄のはかりとり量 けい素標準液添加量
%(質量分率) g mL
マンガン 鉄
(6.2.6) (6.2.7)
0.01以上 0.1未満 0.375 0.125 けい素標準液B(6.2.10)010.0
0.1以上 1.0以下 0.075 0.025 けい素標準液A(6.2.9)010.0

6.7 計算

  6.4.4及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線からけい素量を求め,試料中のけい素含有率を,次
の式によって算出する。
A1 A2
Si 100
m4
ここに, Si : 試料中のけい素含有率[%(質量分率)]
m4 : 試料はかりとり量(g)
A1 : 試料溶液中のけい素検出量(g)
A2 : 空試験で得られたけい素検出量(g)

7 ICP発光分光法

7.1 要旨

  試料を硝酸及び過酸化水素で分解し,不溶解残さを炭酸ナトリウムで処理後,ICP発光分光分析装置の
アルゴンプラズマ中に噴霧し,けい素の発光強度を測定する。

7.2 試薬

  試薬は,次による。ただし,水は全てけい素含有率の低い蒸留水を使用する。
7.2.1 硝酸(1+1)
7.2.2 過酸化水素
7.2.3 炭酸ナトリウム
7.2.4 マンガン溶液(Mn : 40 mg/mL) けい素含有率0.001 %(質量分率)以下のマンガン4.0 gをはか
りとってポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)製ビーカー(300 mL)に移し入れ,塩酸(1
+1)50 mLを加え,硝酸15 mLを数回に分けて添加し,加熱してマンガンを分解する。常温まで冷却し
た後,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
7.2.5 鉄溶液(Fe : 20 mg/mL) けい素含有率0.001 %(質量分率)以下の鉄2.0 gをはかりとってPTFE
製ビーカー(300 mL)に移し入れ,塩酸(1+1)30 mLを加え,硝酸10 mLを数回に分けて添加し,分解
する。反応が穏やかになったら加熱して鉄を分解する。常温まで冷却した後,100 mLの全量フラスコに水
を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
7.2.6 けい素標準液(Si : 200 μg/mL) 二酸化けい素[99.9 %(質量分率)以上]を1 000 ℃(9001 100 ℃)
で強熱し,デシケーター中で室温まで放冷してその質量をはかる操作を恒量(強熱前後の質量差が0.3 mg
以下)となるまで繰り返した後,その0.856 gを白金るつぼ(30番)に取り,炭酸ナトリウム4.0 gを加え

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て混合し,加熱して融解する。放冷した後,融成物を水に溶解し,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて
移し入れ,水で標線まで薄めて原液(Si : 400 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正
確に2倍に薄めてけい素標準液とする。

7.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は1.0 gとし,0.1 mgの桁まではかる。

7.4 操作

7.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって,PTFE製ビーカー(200 mL)に移し入れ,PTFE製蓋で覆う。
b) 蓋を少しずらして硝酸(1+1)20 mLを加え,加熱して分解する。反応が落ち着いたら過酸化水素を
数滴滴加し,加熱して試料及び遊離した炭素が完全に溶けるまで過酸化水素の滴加を繰り返して分解
する。
c) 放冷した後,PTFE製蓋の下面を水で洗って取り除く。温水約20 mLを加え,加熱して可溶性塩類を
溶解し,PTFE製ビーカー(200 mL)に,ろ紙(5種C)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。ろ液
及び洗液は主液として保存する。
なお,このとき,ろ液と洗液の合量が60 mLを超えないようにする。
d) 不溶解残さ及びろ紙を白金るつぼに入れ,加熱して灰化する。冷却した後,炭酸ナトリウム2.0 gを加
えて,約850 ℃以上に加熱して融解する。放冷した後,融成物を白金るつぼとともに主液を保存して
あるPTFE製ビーカーに移し入れ,加熱して融成物を溶解する。白金るつぼを水で洗って白金るつぼ
を取り出す。
e) 溶液を100 mLの全量フラスコに,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。常温まで冷
却した後,水で標線まで薄める。
7.4.2 発光強度の測定
7.4.1 e)で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長251.61 nm,
212.42 nm又は288.16 nmのいずれかのけい素の発光強度を測定する。

7.5 空試験

  PTFE製ビーカー(200 mL)に,試料中に含まれるマンガン,鉄の量と同量のマンガン溶液(Mn : 40 mg/mL)
(7.2.4)及び鉄溶液(Fe : 20 mg/mL)(7.2.5)を添加する。硝酸(1+1)20 mL及び試料溶液の調製に用
いた量の過酸化水素を添加し,PTFE製蓋で覆う。溶液を加熱して過酸化水素を分解する。次に7.4.1 c)
e)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と並行して行う。

7.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 数個のPTFE製ビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに試料中に含まれるマンガン,鉄の量と同量
のマンガン溶液(Mn : 40 mg/mL)(7.2.4)及び鉄溶液(Fe : 20 mg/mL)(7.2.5)をはかりとり,けい
素標準液(7.2.6)015.0 mL(けい素として03 000 μg)を,段階的に取り,PTFE製の蓋で覆う。
次に7.4.1 c)7.4.2の手順に従って試料と同じ操作を行う。
b) 7.4.2で得た発光強度とけい素量との関係を作成して検量線とする。

7.7 計算

  7.6で作成した検量線から7.4.2及び7.5で得た発光強度に対応するけい素量(g)を求め,試料中のけい
素含有率を,次の式によって算出する。

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G 1311-3 : 2012
A3 A4
Si 100
m5
ここに, Si : 試料中のけい素含有率[%(質量分率)]
A3 : 試料溶液中のけい素検出量(g)
A4 : 空試験で得られたけい素検出量(g)
m5 : 試料はかりとり量(g)

JIS G 1311-3:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1311-3:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG1301:2016
フェロアロイ―分析方法通則