JIS K 2536-5:2003 石油製品―成分試験方法 第5部:ガスクロマトグラフによる酸素化合物の求め方 | ページ 2

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6.1 ガスクロマトグラフの調整

 ガスクロマトグラフの調整は,次による。
a) ガスクロマトグラフは,製造業者の取扱説明書に従って設置し,試料中の炭化水素成分のピークとメ
タノール及びMTBEのピークができる限り分離するように,初期温度,昇温速度,キャリヤーガス流
量を設定する。試験条件の一例を表1に示す。
b) カラム槽温度を試験条件の第二段到達温度に設定し,基線が安定するのを待つ。
c) カラム槽を初期温度まで冷却し,昇温プログラム及び記録計をスタートさせ,空試験での基線が安定
していることを確認する。
表 1 試験条件(一例)
カラム 固定相液体 メチルシリコン
膜厚
長さ m 30
内径 mm 0.25
カラム槽昇温 初期温度 ℃ 5
プログラム 初期温度保持時間 min 10
第一段昇温速度 ℃/min 1
第一段到達温度 ℃ 20
第一段温度保持時間 min 0
第二段段昇温速度 ℃/min 20
第二段到達温度 ℃ 200
第二段温度保持時間 min 10
検出器 種類 水素炎イオン化検出器
検出器温度 ℃ 220
付加ガス種類 ヘリウム
付加ガス流量 mL/min 50
その他 キャリヤーガス種類 ヘリウム
キャリヤーガス流量 mL/min 1
スプリット比 100250 : 1
試料導入部温度 ℃ 220
試料導入量

6.2 検量線の作成

 検量線の作成は,次による。
a) メタノール,MTBE及び検量線作成用基材を混合して(2),表2の検量線作成用試料を調製する。
注(2) 温度による容量変化の影響をふせぐため,メタノール,MTBE及び検量線作成用基材が室温で
あることを確認した後,混合するとよい。
表 2 検量線作成用試料
単位 mL
混合試薬 検量線作成用試料
1 2 3 4
メタノール 0 1 2 3
MTBE 0 3 6 10
検量線作成用基材 100 96 92 87
備考 検量線作成用試料は,質量で混合し,各基材の密度を使用して容量%に換算してもよい。この
場合は,検量線作成用基材の密度は,JIS K 2249の規定によって測定し,メタノールの密度は
0.796 g/cm3(15 ℃)及びMTBEの密度は0.745 g/cm3を用いる。
b) あらかじめ冷蔵庫などで冷却した検量線作成用試料1 イクロシリンジに採り,ガスクロマトグ

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ラフに導入する。直ちに,昇温装置及びデータ処理装置を作動させ,溶出成分のクロマトグラムを記
録させる。
c) 同様に,調製したすべての検量線作成用試料について測定を行う。
d) 得られたクロマトグラムから,メタノール,MTBE及び他の全ピーク面積を測定し,メタノール及び
MTBEの全ピーク面積値に対するピーク面積百分率を求める。
e) メタノール及びMTBEについて,検量線作成用試料の濃度と得られたピーク面積百分率から検量線を
作成する。
備考 検量線は一連の試験操作前又は試験条件を変更するごとに作成する。また,検量線の直線性が
確認されていれば,試料の予期濃度を内挿する2点検量線でもよい。

7. 試料の採取方法及び調製方法

 試料は,JIS K 2251に規定する一次試料採取方法及び二次試料の調製
方法によるか,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。

8. 試験の手順

 試験の手順は,次による。
a) あらかじめ冷蔵庫などで冷却した試料1 イクロシリンジに採り,ガスクロマトグラフに導入す
る。直ちに,昇温装置及びデータ処理装置を作動させ,溶出成分のクロマトグラムを記録させる。ク
ロマトグラムの一例を図1に示す。

――――― [JIS K 2536-5 pdf 7] ―――――

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図 1 クロマトグラム(一例)

――――― [JIS K 2536-5 pdf 8] ―――――

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9. 計算方法

 計算方法は,次による。
メタノール及びMTBE含有量は,次の方法によって求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.1に丸
める。
a) 得られたクロマトグラムのメタノールとMTBEピークを同定し,それらの全ピーク面積値に対するピ
ーク面積百分率を計算する。
b) あらかじめ作成した検量線からメタノールとMTBEの含有量(容量%)を読み取る。
備考1. この方法によって,成分認証標準物質を定期的に測定し,その試験値と標準値との差が表3の
室間再現許容差を超える場合は,検量線又は試験条件を見直す。
2. 成分認証標準物質は,JIS Q 0034及びJIS Q 0035に従って認証されたもの。
参考 社団法人石油学会から供給されている。

10. 精度

 精度は,次による。
このガスクロマトグラフ法によって得られたメタノールとMTBEの試験結果の許容差(確率0.95)は,
次のとおりである。
備考 試験結果が許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6の規定よって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験装置で,引き続き短時間内に同一試料を2回
試験したとき,試験結果の差の許容差を表3に示す。
b) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験
したとき,2個の試験結果の差の許容差を表3に示す。
表 3 精度
単位 容量%
成分名 濃度範囲 室内併行許容差 室間再現許容差
メタノール 0.5 3.0 0.10X+0.07 0.21X+0.14
MTBE 2.010.0 0.07X 0.20X
備考 Xは,各成分の試験結果の平均値。

11. 試験結果の報告

 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) 日本工業規格(日本産業規格)番号 : JIS K 2536-5
c) 9.によって得られた結果
d) 特記事項

JIS K 2520:2000の国際規格 ICS 分類一覧