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K 6717-2 : 2006 (ISO 8257-2 : 2001)
3.3.2.1 通則 PMMA成形材料は,ビカット軟化温度(VST)の値を表すコード番号及びメルトマスフロ
ーレイト(MFR)の値を表すコード番号,又は粘度数(VN)の値を表すコード番号を用いて表記する。
使用するコード番号など,この呼び方のシステムの詳細は,JIS K 6717-1による。PMMA材料の呼び方に
VST及びMFRのコード番号だけを含んでいる場合,試験片を成形するときの溶融樹脂温度は,MFRのコ
ード番号を用いて決定する(3.3.2.2参照)。PMMA材料の呼び方にVNのコード番号も含んでいる場合は,
溶融樹脂温度は,VST及びVNのコード番号を用いて決定してもよい(3.3.2.3参照)。成形材料のMFRが
1 g/10 min(コード番号015)から16 g/10 min(コード番号120)の間にある場合,MFRコード番号から計
算した溶融樹脂温度とVST及びVNコード番号から計算した溶融樹脂温度との差はほとんどないが,この
範囲外のMFRの成形材料についてはVST及びVNコード番号から計算した溶融樹脂温度を採用する。
MFRコードから求めた溶融樹脂温度は,±3 ℃以内に保持する。
3.3.2.2 MFRコード番号からの溶融樹脂温度決定方法 メルトマスフローレイト(MFR)のコード番号
を基にして,表1に従って溶融樹脂温度を選ぶ。
表 1 MFRコード番号と溶融樹脂温度との関係
MFRコード番号 溶融樹脂温度
℃
005 270
015 260
030 250
060 240
120 230
240 220
例 成形材料JIS K 6717-1-PMMA,MLN,108-030
MFRコード番号から求めた溶融樹脂温度=250 ℃
3.3.2.3 VST及びVNコード番号からの溶融樹脂温度の決定方法 溶融樹脂温度(℃)は,次の式によっ
て算出する。
参考 以下,温度を算出する計算式で使用するVSTコード番号は,JIS K 6717-1中では3けたのコー
ド番号として表記されるが,計算式中では2けた又は3けたの無次元の数値として取り扱う(例
えば,VSTコード076の場合は76とする。)。
溶融樹脂温度(℃)=VSTコード番号+130+αVN
ここに, αVN : 表2に基づいて,VNコード番号から求める定数。
表 2 粘度数(VN)コードと定数αVNとの関係
VNコード番号 αVN
43 0
53 10
63 20
73 30
83 40
93 50
例 成形材料JIS K 6717-1-PMMA,MLN,108-030-53
VST及びVNコード番号から求めた溶融樹脂温度=108+130+10=248(℃)
――――― [JIS K 6717-2 pdf 6] ―――――
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K 6717-2 : 2006 (ISO 8257-2 : 2001)
3.3.3 金型温度 金型温度(℃)は,次の式によって算出する。
金型温度=VSTコード番号−40
金型温度は,±3 ℃以内で一定に保つ。
例 成形材料JIS K 6717-1-PMMA,MLN,108-030-53
金型温度=68 ℃
3.3.4 平均射出速度 射出圧力を調整して,平均射出速度は,200 mm/s±100 mm/sになるように設定す
る。
3.3.5 保圧 保圧は,試験片にほんの少しだけ,ひけマークが見える程度に設定する。
3.3.6 冷却時間 冷却時間は,50 s±5 sに設定する。
4. 状態調節
試験片は,温度(VSTコード番号−25)℃のオーブン中で16時間状態調節する。このと
き,状態調節温度は,規定値±3 ℃で一定に保つ。オーブンで状態調節後,試験片は,温度(23±2) ℃及
び相対湿度(50±5) %の条件下で少なくとも24時間状態調節をする。ただし,表3及び表4に示す特定の
熱的及び他の物理的性質を測定するための試験片については,オーブンでの状態調節後,デシケーター中
で少なくとも(23±2) ℃,1時間冷却する。試験は,試験片をデシケーターから取り出した後,直ちに実施
する。
5. 諸性質の求め方
諸性質の求め方及びデータの提示は,JIS K 7140-1に規定する規格,補足事項及び
備考による。すべての試験は,表3及び表4で特に規定がなければ,標準状態の温度(23±2) ℃及び相対
湿度(50±5) %の条件下で行う。
表3に,JIS K 7140-1に規定するものの中から,成形用及び押出用PMMA材料に適切な性質を記載して
いる。これらの性質は,他の熱可塑性プラスチックのデータと比較するのに有用である。
表4には,表3に記載していない性質で,成形用及び押出用PMMA材料を特徴付けるのに重要な性質
又は一般に広く用いられている性質を記載する。
――――― [JIS K 6717-2 pdf 7] ―――――
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表 3 一般的性質及びその試験条件(JIS K 7140-1から抜粋)
性質 単位 試験法 試験片のタイプ 試験条件及び
mm 補足説明
レオロジー的性質
メルトマスフローレイト g/10 min JIS K 7210 成形材料 荷重37.3 N
(MFR)(1) cond.13 温度230 ℃(2)
メルトボリュームフローレイ cm3/10 min JIS K 7210 成形材料 荷重37.3 N
ト(MVR) cond.13 温度230 ℃(2)
機械的性質
引張弾性率 MPa JIS K 7162 JIS K 7139 試験速度
1A/1 タイプ1A 1 mm/min
引張破壊応力 MPa JIS K 7162 JIS K 7139 試験速度
1A/5 タイプ1A 5 mm/min
引張破壊ひずみ % JIS K 7162 JIS K 7139 試験速度
1A/5 タイプ1A 5 mm/min
シヤルピー衝撃強さ kJ/m2 JIS K 7111 80×10<×4(3) エッジワイズ
(ノッチなし) 1eU
シヤルピー衝撃強さ kJ/m2 JIS K 7111 80×10<×4(3) ノッチ
(ノッチ付き) 1eA r=0.25 mm
熱的性質
荷重たわみ温度 ℃ JIS K 7191-2 120×10<×4 エッジワイズ
120 ℃/h
1.8 MPa(4)
ビカット軟化温度(1) ℃ JIS K 7206 >10×>10×4 50 ℃/h,50 N(4)
B50
その他の性質
吸水率(23 ℃) % JIS K 7209 50×50×3 24時間浸せき(4)
1法
密度 g/cm3 JIS K 7112 >10×>10×4 (4)
注(1) IS K 6717-1に従って材料を区分するための性質。
(2) 成形材料は,取り扱う前に80 ℃のオーブン中で少なくとも4時間乾燥する。
(3) IS K 7139の多目的試験片タイプAの中央部を切削して作製した試験片でもよい。
(4) 試験片は,オーブンでの状態調節後,23 ℃±2 ℃のデシケーター中で少なくとも1時間冷却する。
――――― [JIS K 6717-2 pdf 8] ―――――
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K 6717-2 : 2006 (ISO 8257-2 : 2001)
表 4 成形用及び押出用PMMAに特に有用な追加の性質及び試験条件
性質 単位 試験方法 試験片のタイプ 試験条件及び
mm 補足説明
レオロジー的性質
粘度数(5) ml/g ISO 1628-6 成形材料 −
機械的性質
せん断弾性率 MPa JIS K 7244-2 60×10×1 周波数
0.110 Hz
機械的損失係数 − JIS K 7244-2 60×10×1 周波数
0.110 Hz
曲げ弾性率 MPa JIS K 7171 80×10×4(6) 試験速度
2 mm/min
曲げ破壊応力 MPa JIS K 7171 80×10×4(6) 試験速度
2 mm/min
曲げ破壊たわみ mm JIS K 7171 80×10×4(6) 試験速度
2 mm/min
アイゾット衝撃強さ kJ/m2 JIS K 7110 80×10×4(6) Vノッチ,
(ノッチ付き) 1A r=0.25 mm
圧縮強さ MPa JIS K 7181 10×10×4 試験速度
1 mm/min
ボール押込み硬さ N/mm2 ISO 2039-1 10×10×4 荷重358 N,
時間30 s
ロックウェル硬度 − JIS K 7202-2 10×10×4 Mスケール
物理的性質
屈折率 − JIS K 7142 − −
光線透過率 % JIS K 7361-1 3 mm厚さ −
液体化学薬品の影響 − JIS K 7114 − 7日間浸せき(7)
注(5) IS K 6717-1に従って材料を区分するための性質。
(6) IS K 7139の多目的試験片タイプAの中央部を切削して作製した試験片でもよい。
(7) 試験片は,オーブンでの状態調節後,23 ℃±2 ℃のデシケーター中で少なくとも1時間冷却する。
JIS K 6717-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
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