JIS K 6950:2000 プラスチック―水系培養液中の好気的究極生分解度の求め方―閉鎖呼吸計を用いる酸素消費量の測定による方法 | ページ 2

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る。
6.2.2.6 溶液F(ビタミン液,任意) 100mlの水 (6.1) に,ビオチン0.6mg,ナイアシンアミド2.0mg,
p-アミノ安息香酸2.0mg,パントテン酸1.0mg,ピリドキサール塩酸塩10.0mg,シアノコバラミン5.0mg,
葉酸2.0mg,リボフラビン5.0mg,DL-6,8-チオクト酸5.0mg及び二塩化チアミン1.0mgを加える。又は酵
母抽出物15mgを100mlの水 (6.1) に溶かした溶液を用いる。除菌のためにメンブレンフィルターで溶液
をろ過する(7.4参照)。
備考 溶液E及び溶液Fの添加は任意であり,もし十分な濃度の植種源,例えば,活性汚泥,土壌又
はコンポストが使われる場合は必要ない。調製後,使用するまでは1mlずつ小分けして冷蔵し
ておくことが推奨される。
6.2.2.7 調製 1 000mlの試験培養液を調製するため,800mlの水 (6.1) に
− 溶液A 100ml
− 溶液BD それぞれ1mlを,EとFは任意
加え,さらに水 (6.1) を加えて全量を1 000mlにして,pHを測定する。
備考 培養液の正確な組成は,pHを測ることによって確認でき,7.0±0.2である。
6.3 ピロりん酸塩溶液 二りん酸四ナトリウム塩 (Na4P2O7) 2.66gを水 (6.1) に溶解し,全量を1 000ml
にする。
6.4 二酸化炭素吸収剤 望ましくはソーダ石灰又は他の適切な吸収剤。
7. 装置 すべてのガラス器具は,完全に洗浄され,特に有機物又は有害物質が付着してはならない。
通常の実験室の器具のほかに次のものを用意する。
7.1 閉鎖呼吸計 すべての必要な器具及びかくはん機を備えた試験容器(フラスコ)を含む閉鎖呼吸計。
恒温室又は,定温装置(例えば,恒温水槽)の中に設置する(例として附属書C参照)。
備考 十分な精度で生物化学的酸素要求量を測定できるいかなる呼吸計でもよいが,望ましくは,消
費酸素量を検知し,自動的にその酸素を補給する装置がよい。これによって分解過程における
酸素不足及び微生物活性の阻害が生じない。呼吸計の代わりに二相密閉瓶も使用できる(附属
書D参照)。
7.2 全有機炭素量 (TOC) 及び溶存有機炭素量 (DOC) を測定するための分析機器(ISO 8245参照)
7.3 硝酸塩及び亜硝酸塩を測定するための分析機器
備考 硝化反応が起こっているかどうかを調べるための定性試験を最初に行うことを推奨する。もし,
培養液中に硝酸塩/亜硝酸塩の存在が認められるならば,適切な試験方法(例えば,イオンク
ロマトグラフ法)による定量が必要である。
7.4 遠心分離機又は有機炭素を著しく吸着したり,放出したりしない膜フィルター(孔径0.45 をも
つろ過装置。
7.5 はかり 通常実験室で使用されるはかり。
7.6 pHメーター 通常実験室で使用されるpHメーター。

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8. 操作
8.1 試験材料 試験材料(1)は,質量が既知で,試験に用いる呼吸計でBODが測定可能な十分な量の炭素
を含んでいなければならない。ThOD(附属書A参照)及びTOC(例えば,ISO 8245を使用)を化学式か
ら計算するか,元素分析によって決定する。試験材料濃度は,少なくとも100mg/lとする。この濃度は,
ThODとして約170mg/l又はTOCとして約60mg/lに相当する。もし,呼吸計の感度に余裕がある場合,よ
り低い濃度を用いることもできる。試験材料濃度の最大値は,試験に使用する呼吸計の酸素供給力と試験
培養液によって決まる。最適化試験培養液 (6.2.2) を使用する場合,試験材料濃度はC/N比が約40 : 1に
なる約2 000mg/lを超えてはいけない。より高濃度での試験が必要な場合,試験培養液の窒素濃度を増や
さなければならない。
備考1. 自然環境中での生分解過程を模擬する場合,標準培養液を使用し,試験材料濃度を100mg/l
とすることを推奨する。
2. 試験材料(1)は,粉体を用いるべきであるが,フィルム,破片,断片又は成形品を用いてもよ
い。試験材料の形状は,生分解度に影響を及ぼすことがある。異なるタイプのプラスチック
間で分解度を比較する場合,同一の形状の試料を用いるべきである。粉体を試験材料とする
場合,限定した狭い範囲の粒度分布をもつ試料を使用すべきである。最大直径が250
度分布が推奨される。また,試験材料の形状によって使用する試験装置の大きさが決まる。
かくはん方式などの試験条件によって機械的な異常が発生しないことを調べておかなければ
ならない。試験材料を加工する場合は,試験材料の分解挙動に影響を与えてはいけない(例
えば,混合物の場合は粉体を使用する。)。任意としてポリマー試験材料の水素,酸素,窒素,
りん及び硫黄含量並びに,例えば,サイズ排除クロマトグラフ法によって分子量を測定する
(ASTM D 3536-91その他の標準法を参照)。可塑剤などの添加剤を含んでいないポリマーを
試験材料とすることが望ましい。試験材料中に,そのような添加物が含まれている場合,プ
ラスチック材料の正確な生分解度を評価するためには添加物の生分解性に関する情報が必要
である。
注(1) 一般にプラスチック材料の物性の比較をするときは,試験材料の形状を厳密に規定しているこ
とが多い。この規格を用いて異なるタイプのプラスチック間で生分解度を比較する場合,同一
形状(大きさ,形,厚み)の試験材料を用いる。同一形状の試験材料を用意できれば,試験時
期が異なるような場合の比較も可能であるが,一般には,時期が異なると同一形状の試験材料
を用意することは難しいので,同じ粒径の粉体を用いるのがよい。
水に難溶な物質の取扱いについての詳細は,ISO 10634を参照する。
8.2 対照材料 アニリン又は生分解度が既知のポリマー(例えば,微結晶セルロース粉体,灰分のな
いセルロースろ紙,又はポリ- 戀 ヒドロキシ酪酸)を対照材料とする。可能ならTOC,形状及び大きさは,
試験材料と同じにする。
陰性対照として,試験材料と同じ形状の非分解性ポリマー(例えば,ポリエチレン)を用いることがで
きる。
8.3 植種源の調製方法 主として,家庭下水を処理している下水処理場の活性汚泥が植種源に適する。
これは,活性な好気的環境から得られ,広範囲のプラスチック材料が試験されるどの地域でも利用できる。
代わりに,土壌及びコンポストの懸濁液を植種源として用いることもできる。幾つかのプラスチック材料
の分解には,菌類が重要な役目をしているので,特定の廃水処理系での生分解性を調べる場合,植種源は,
そのような環境から採取しなければならない。

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植種源は,十分な分解活性をもった多様な凝集微生物フローラを得るため,8.3.1及び8.3.2に記載され
た植種源又はそれらの混合物から調製する。植種源の内性呼吸量が大きい場合,使用前にばっ(曝)気を
行って植種源を安定化させる。試験温度を使用した植種源と調和させる(5.の備考参照)。
備考 使用する植種源のコロニー形成数 (CFU) を測定することは有益である。試験混合物は,少な
くとも106CFU/mlの菌数を含んでいなければならない。
8.3.1 廃水処理場から採取した植種源 主として,家庭下水を処理して正常に稼動している下水処理場又
は実験室プラントから活性汚泥を採取する。十分にかくはんし,好気条件に保ち,採取した日に使用する
ことが望ましい(少なくとも72時間以内に使用する。)。
使用する前に,懸濁固形物濃度を測定する(例えば,ISO 11923を使用する。)。必要に応じて活性汚泥
を濃縮して,試験系に添加する汚泥量が最小限量となるようにする。懸濁固形物濃度が30mg/l1 000mg/l
になるように適正量の汚泥を添加する。
備考1. 自然環境における生分解過程を模擬する場合や,炭素収支の測定を行う場合(附属書E),植
種源濃度は,懸濁固形物として30mg/lとすることが推奨される。固形物は,炭素収支の測定
を妨害するので,次の方法で植種源を調製することが推奨される。活性汚泥500mlを採り,
破砕混合機又はそれに相当する高速ミキサーを用いて中程度のスピードで2分間均一化する。
上澄み液に固形物がほとんど含まれなくなるまで,少なくとも30分間放置する。上澄み液を
デカンテーションで採り,試験液中濃度として1容量%5容量%となるように試験フラスコ
に添加する。このとき,汚泥粒子が混入するのを避ける。
2. 植種源は予調整を行ってよいが,通常は予暴露した植種源は使用しない。特に自然環境下で
の生分解挙動を模擬した標準試験の場合はそうである。試験の目的に応じて予暴露を行った
植種源を用いることができる。この場合,試験報告書には,予暴露した植種源を用いたこと
及び予暴露の詳細な方法を明記する(例えば,予暴露菌を用いた条件での生分解度=X%)。
予暴露した植種源は,種々の条件下で行っている適切な実験室内生分解試験(ISO/TR 15462
参照)又は関連した環境条件が存在する場所(例えば,環境中に物質が存在する地域又は工
場処理場)から採取することができる。
8.3.2 土壌及び/又はコンポスト植種源 10gの殺菌処理を施していない肥よくな土壌,若しくは主とし
て有機廃棄物を処理しているコンポスト工場から採取したコンポストを100mlの試験培養液(6.2.1又は
6.2.2)又は一般に土壌微生物学で使用されているピロりん酸溶液 (6.3) に懸濁させ,約30分間放置する。
上澄み液をデカンテーションし,粗い目のフィルターでろ過した後,1容量%5容量%濃度となるように
適正量を試験培養液に添加する。これより高濃度の植種源を使用することができるが,その場合炭素収支
の測定が難しくなる。コンポストを使用することによって試験フラスコ中の菌類数を増やしてプラスチッ
ク材料の分解性を向上させることができる。この場合,使用したコンポストの状態を試験報告書に記載す
る(例えば,熟成コンポスト,温度約50℃の高温相から採取したコンポストなど)。
高濃度の植種源濃度が必要な場合,より多くの土壌又はコンポストを試験培養液に懸濁させて,植種時
に適切な濃度に希釈する。
8.4 試験 少なくとも次の試験を含む数のフラスコを用意する。
a) 試験材料用フラスコ(略号FT) 2個(2)
b) 空試験用フラスコ(略号FB) 2個(2)
c) 対照材料を用いて植種源の活性を調べるためのフラスコ(略号FC)1個
必要に応じて次のフラスコを用意する。

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d) 加水分解などの非生物的分解又は非微生物的分解を調べるためのフラスコ(略号FS)1個。
FS中の試験溶液は,例えば,オートクレーブか塩化水銀(II) (HgCl2) の10g/l溶液5mlを添加するか,
その他の微生物活性抑制物質を添加することによって殺菌しなければならない。必要ならば,同量の
抑制物質を試験期間中加える。
e) 試験材料と同一形状の非分解性プラスチック材料を試験材料とする陰性対照用フラスコ(略号FN)1
個。
f) 試験材料の微生物活性阻害性を調べるためのフラスコ(略号FI)1個。
試験材料及び対照材料中の炭素量と培養液の窒素量は,少なくとも約C/N比を40 : 1にする。必要
に応じて窒素を添加する。
注(2) 試験の繰返し数を確保するため,試験材料,及び空試験用のフラスコを2個用意する。試験実施
上可能であれば,これらを3個ずつ,またc) f)のフラスコを複数にしてもよい。
表1に示されているように試験培養液 (6.2) 及び植種源 (8.3) の適正量を各試験フラスコに添加する。
各フラスコのpHを測定し,必要ならば7に調整する。二酸化炭素吸収剤 (6.4) を呼吸計(附属書C参
照)の吸収剤用容器に入れる。各フラスコに試験材料 (8.1),対照材料又は陰性対照材料 (8.2) を表1に従
って添加する。炭素収支を測定する場合(附属書E参照),試験開始時及び試験終了後に,DOC及びバイ
オマスの測定用に,各フラスコ又は別個に設けたフラスコから所定量の試験溶液を分取する。分取した液
量は,最終試験液量を調整するとき,又は試験結果を計算するときに考慮する。
これらの試験フラスコを恒温環境5.に置いて所定の温度になるまで放置する。試験フラスコを呼吸計に
接続し,かくはんを開始する。圧力計の目盛を読み取る(手動装置の場合)又は酸素消費量の記録計が正
常に作動しているかを確認する(自動測定呼吸計の場合)。その他の方法として附属書Dに示す二相密閉
瓶法を用いることができる。
表1 試験材料及び対照材料の構成
フラスコ 試験材料 対照材料 植種源
FT 試験 + − +
FT 試験 + − +
FB 空試験 − − +
FB 空試験 − − +
FC 植種源活性チェック − + +
FS 非生物的分解チェック(任 + − −
意)
FI 阻害対照(任意) + + +
FN 陰性対照(任意) − + +
BOD値が一定レベルに至り(定常期になる),それ以上は分解が進まないと考えられるときに,試験は
終了したとみなされる。最長の試験期間は6か月。長期試験の場合は,試験系(例えば,試験容器及び連
結部分の気密性)に特別の注意を払うべきである。
試験終了後に,フラスコFTのpH,硝酸及び亜硝酸濃度(備考6.参照)を直ちに測定するか,一部を分
取して測定材料として保存する。硝酸及び亜硝酸濃度は,硝化反応に対する分解度の補正に用いる。
備考 アリルチオ尿素は生分解されるので,短期間でしか硝化反応を阻害することができない。この
ため硝化反応の阻害剤としてアリルチオ尿素を添加することは推奨できない。しかし,経験的
に植種源濃度が低い場合(約1容量%),阻害剤を使用しなくても長期間硝化反応は起こらない
ことが分かっている。

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9. 計算及び結果の表示
9.1 計算 適切なタイプの呼吸計に対して製造業者から与えられた方法を使用して,それぞれのフラス
コごとに酸素消費量を測り,試験材料の特定の生物化学的酸素要求量BODSは,試験フラスコFTと空試験
フラスコFBの酸素消費量差を試験材料の濃度で割り,式(1)によって算出する。
BODt BODBt
BODS (1)
TC
ここに, BODS : 試験材料グラム当たりの特定BOD値 (mg)。
BODt : 時間tで試験材料に含まれるフラスコFTのBOD値
(mg/l)。
BODBt : 時間tで空試験対照FBのBOD値 (mg/l)。
フラスコFT,の反応混合物中の試験材料の濃度 (mg/l)。
理論上の酸素要求量に対する特定の生物化学的酸素要求量の比として生分解度百分率Dtは,次の式(2)
によって算出する[試験材料グラム当たりのThOD値 (mg)]。
BODs
Dt 100 (2)
同様な方法でBOD及び対照材料FCの生分解度百分率を算出する。もし,含まれているならば生分解で
はない分解度チェックFS,阻害対照FI及び陰性対照FNについても算出する。
備考 ThODの計算は附属書Aを参照。もし,亜硝酸塩及び硝酸塩の有意な濃度が測定されたら,酸
素要求量は硝化によるものとみなす(附属書B参照)。炭素収支を計算する場合は,附属書E
に与えられている情報を使用する。
9.2 結果の表示及び解釈 測定されたBOD値及び生分解度百分率を測定間隔ごとに,また,試験フラス
コごとに表を作って表示する。時間の関数としてフラスコごとのBOD曲線及び百分率表示の生分解度曲
線をプロットする。二つのフラスコの結果が似たようなものなら,平均曲線をプロットする。
生分解度曲線の定常期の平均値,又は例えば,曲線が下降また,更に定常期にゆっくり増加するときに
最高値として測定された最高レベルの生分解度は,その試験材料の生分解度の特性を表す。炭素収支が計
算されるならば,この収支結果は最終生分解度の特性を表す。
試験材料のぬ(濡)れ能力及び形状は,得られた結果に影響を及ぼすかもしれない。したがって,その
試験方法は,類似の化学構造のプラスチック材料の比較に限定されるかもしれない。
試験材料の毒性に関する情報は,低い生分解性を示す試験結果の解釈に有効であるかもしれない。
10. 結果の正当性 試験は,次のような場合に正当であると考える。
a) 対照材料の生分解度(植種源チェックFC)は,試験の終了時で60%以上でなければならない。
b) 試験終了時の空試験FB中のBOD量は,実験で得られた上限値を超えてはならない(この値は植種源
の量によるが,例えば,30mg/lの乾燥物を使用した場合,実験室間試験が示しているように60mg/l
である。)。
フラスコFI(阻害チェック)を含むならば,その生分解度百分率が25%以下で,試験材料の十分な分解
が見られないならば,試験材料は抑制的であると推定することができる。
フラスコFS(非生物的分解チェック)を含むならば,そのBODの有意な量(10%以上)が観測される
場合は,非生物的分解プロセスが生じているかもしれない。
フラスコFN(陰性対照)を含むならば,そのBODの有意な量は見られない。

――――― [JIS K 6950 pdf 10] ―――――

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