JIS Q 10002:2019 品質マネジメント―顧客満足―組織における苦情対応のための指針 | ページ 2

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Q 10002 : 2019 (ISO 10002 : 2018)
を解決し,組織が,顧客サービスを含む,製品及びサービスを改善する能力を高めることによって,
顧客満足を高める。
b) 要員の教育・訓練を含む経営資源の十分な確保及び活用についてのトップマネジメントの参画及びコ
ミットメント
c) 苦情申出者のニーズ及び期待を認識し,対応する。
d) 苦情申出者のために,開かれており,効果的で,かつ,利用しやすい苦情プロセスを設ける。
e) 顧客サービスを含む,製品及びサービスの品質を改善するために,苦情を分析し,評価する。
f) 苦情対応プロセスの監査を行う。
g) 苦情対応プロセスの有効性及び効率についてレビューを行う。
この規格は,組織外の紛争解決又は雇用関連の紛争には適用されない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 10002:2018,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for complaints handling
in organizations(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2015,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015によるほか,次による。
注記 ある特定の文脈において特別の意味に限定されている概念は,その定義の前の<>内に主題の
分野を示した。
ISO及びIECは,次のURLにおいて,標準化に用いる用語データベースを維持する。
− ISO Online browsing platform: https://www.iso.org/obp
− IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1
苦情申出者(complainant)
苦情(3.2)を申し出ている人,組織(3.8)又はそれらの代理人。
(JIS Q 10001:2019の3.2参照)
3.2
苦情(complaint)
<顧客満足>製品若しくはサービス又は苦情対応プロセスに関して,組織(3.8)に対する不満足の表現
であって,その対応又は解決を,明示的又は暗示的に期待しているもの。
注記1 苦情は,組織が顧客(3.3)と相互に作用する他のプロセスに関して申し立てることもできる。
注記2 苦情は,組織に直接的に又は間接的に申し立てることができる。
(JIS Q 9000:2015の3.9.3を変更。注記1及び注記2を追加した。)

――――― [JIS Q 10002 pdf 6] ―――――

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Q 10002 : 2019 (ISO 10002 : 2018)
3.3
顧客(customer)
個人若しくは組織(3.8)向け又は個人若しくは組織から要求される製品・サービスを,受け取る又はそ
の可能性のある個人又は組織。
例 消費者,依頼人,エンドユーザ,小売業者,内部プロセスからの製品又はサービスを受け取る人,
受益者,購入者
注記 顧客は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。
(JIS Q 9000:2015の3.2.4参照)
3.4
顧客満足(customer satisfaction)
顧客(3.3)の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方。
注記1 製品又はサービスが引き渡されるまで,顧客の期待が,組織(3.8)に知られていない又は顧
客本人も認識していないことがある。顧客の期待が明示されていない,暗黙のうちに了解さ
れていない又は義務として要求されていない場合でも,これを満たすという高い顧客満足を
達成することが必要なことがある。
注記2 苦情(3.2)は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,苦情がないことが必ずしも顧
客満足が高いことを意味するわけではない。
注記3 顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い
ことを保証するものではない。
(JIS Q 9000:2015の3.9.2参照)
3.5
顧客サービス(customer service)
製品又はサービスのライフサイクル全般にわたる,組織(3.8)の顧客(3.3)との相互関係。
(JIS Q 9000:2015の3.9.4参照)
3.6
フィードバック(feedback)
<顧客満足>製品,サービス又は苦情対応プロセスへの意見,コメント,及び関心の表現。
注記 フィードバックは,組織(3.8)が顧客(3.3)と相互に作用する他のプロセスに関して与えるこ
ともできる。
(JIS Q 9000:2015の3.9.1を変更。注記を追加した。)
3.7
利害関係者(interested party),ステークホルダー(stakeholder)
ある決定事項若しくは活動に影響を与え得るか,その影響を受け得るか,又はその影響を受けると認識
している,個人又は組織(3.8)。
例 顧客(3.3),所有者,組織内の人々,提供者,銀行家,規制当局,組合,パートナ,社会(競争
相手又は対立する圧力団体を含むこともある。)
(JIS Q 9000:2015の3.2.3を変更。注記は,削除した。)
3.8
組織(organization)
自らの目標を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又はグループ。

――――― [JIS Q 10002 pdf 7] ―――――

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注記 組織という概念には,法人か否か,公的か私的かを問わず,自営業者,会社,法人,事務所,
企業,当局,共同経営会社,協会,非営利団体若しくは機構,又はこれらの一部若しくは組合
せが含まれる。ただし,これらに限定されるものではない。
(JIS Q 9000:2015の3.2.1を変更。注記2は,削除した。)

4 基本原則

4.1 一般

  効果的かつ効率的な苦情対応のために,4.24.15の基本原則を遵守することが望ましい。

4.2 コミットメント

  組織は,苦情対応プロセスを定め,実施することを,積極的にコミットメントすることが望ましい。

4.3 対応能力

  苦情対応のために,十分な経営資源を準備し,配置するとともに,効果的かつ効率的にマネジメントす
ることが望ましい。

4.4 透明性

  苦情対応プロセスは,顧客,要員及びその他の密接に関連する利害関係者に伝達することが望ましい。
個々の苦情申出者には,その申出者の苦情への対応に関する適切な情報を提供することが望ましい。

4.5 アクセスの容易性

  苦情対応プロセスは,全ての苦情申出者が容易にアクセスできることが望ましい。苦情の申出及び解決
の詳細についての情報を入手できるようにすることが望ましい。苦情対応プロセス及びサポート情報は分
かりやすく,使いやすいことが望ましい。情報は,分かりやすい言葉にすることが望ましい。苦情申出に
関する情報及び支援は,どのような苦情申出者も不利益を被ることがないように,大きい文字の印刷物,
点字印刷物,音声テープなどの代替形式を含め,製品及びサービスの提供又は引渡しの時点において当該
製品及びサービスに添付する情報のために用いた言語又は書式で,提供することが望ましい(附属書C参
照)。

4.6 応答性

  組織は,苦情対応に関する顧客のニーズ及び期待に取り組むことが望ましい。

4.7 客観性

  苦情はそれぞれ,苦情対応プロセス全体を通じて,公平で,客観的かつ偏見のない態度で対応すること
が望ましい(附属書D参照)。

4.8 料金

  苦情対応プロセスへアクセスするときは,苦情申出者に対して,料金を請求しないことが望ましい。

4.9 情報の完全性

  組織は,組織の苦情対応に関する情報が正確で,誤解を招くことがないこと,及び収集したデータが関
連していて,正しく,完全で,有意義かつ有用であることを確実にすることが望ましい。

4.10 機密保持

  苦情申出者個人を特定できる情報は,組織内での苦情対応の目的に限り,必要なところで利用可能とす
ることが望ましい。また,顧客又は苦情申出者が,その公開について明確に同意している場合,又は法令
によって開示が義務付けられている場合を除き,この情報を公開しないように,積極的に保護することが
望ましい。
注記 個人を特定できる情報とは,ある個人との関係で,その人物を特定するために用いることがで

――――― [JIS Q 10002 pdf 8] ―――――

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Q 10002 : 2019 (ISO 10002 : 2018)
きる情報であり,個人の氏名,住所,Eメールアドレス,電話番号又はこれに類する具体的識
別情報によって検索可能な情報である。この用語の正確な定義は,国によって異なる。

4.11 顧客重視のアプローチ

  組織は,苦情対応に関する顧客重視のアプローチを適用し,フィードバックを積極的に受け入れること
が望ましい。

4.12 説明責任

  組織は,苦情対応に関する組織の決定及び対応についての説明責任及び報告体制を確立し,維持するこ
とが望ましい。

4.13 改善

  苦情対応プロセスの有効性及び効率の向上は,組織の永続的な目標であることが望ましい。

4.14 力量

  組織の要員には,苦情に対応するために必要な個人的特質,技能,訓練,教育及び経験が備わっている
ことが望ましい。

4.15 適時性

  苦情は,苦情の性質及び利用されるプロセスの性質を考慮して,できる限り迅速に対応することが望ま
しい。

5 苦情対応の枠組み

5.1 組織の状況

  苦情対応プロセスを計画し,設計し,開発し,運用し,維持し,改善する際に,組織は,次の事項によ
ってその状況を考慮することが望ましい。
− 組織の目的に関連し,かつ,苦情対応の目標を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の
課題を特定し,取り組む。
− 苦情対応プロセスに関連する利害関係者を特定し,かつ,それらの利害関係者の密接に関連するニー
ズ及び期待に取り組む。
− その領域及び適用可能性を含め,組織の苦情対応プロセスの適用範囲を特定し,かつ,外部及び内部
の課題並びに先に示した利害関係者のニーズを考慮に入れる。

5.2 リーダーシップ及びコミットメント

  トップマネジメントは,効果的かつ効率的な苦情対応においてリーダーシップを実証し,組織は,その
苦情対応に,積極的に取り組むことが望ましい。組織のトップマネジメントがそのコミットメントを示し,
推進することが特に重要である。
苦情に対して対応するという強いリーダーシップ及びコミットメントによって,要員及び顧客の双方が
組織の製品,サービス及びプロセスの改善に貢献できる。
このリーダーシップ及びコミットメントは,苦情解決の方針及び手順の決定,適用及び普及に反映する
ことが望ましい。トップマネジメントは,教育・訓練を含む十分な経営資源を提供することで,リーダー
シップ及びコミットメントを示すことが望ましい。

5.3 方針

  トップマネジメントは,顧客重視の苦情対応方針を明確に設定することが望ましい。全ての要員がその
方針を入手でき,知ることができるようにすることが望ましい。顧客及びその他の密接に関連する利害関
係者も,その方針を入手できるようにすることが望ましい。方針は,プロセスに含まれる各機能及び要員

――――― [JIS Q 10002 pdf 9] ―――――

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Q 10002 : 2019 (ISO 10002 : 2018)
の役割についての手順及び目標によって裏付けられていることが望ましい。
苦情対応プロセスの方針及び目標を設定する場合には,次の要素を考慮に入れることが望ましい。
− 適用されるあらゆる法令・規制要求事項の特定
− 財務上,業務上及び組織上の要求事項
− 顧客,要員及びその他の密接に関連する利害関係者からのインプット
品質方針と苦情対応に関する方針とは,整合することが望ましい。

5.4 責任及び権限

5.4.1  トップマネジメントは,次の事項に責任をもつことが望ましい。
a) 苦情対応プロセス及び目標が,組織内で設定されることを確実にする。
b) 苦情対応プロセスが,組織の苦情対応方針に従って,計画,設計,開発,運用,維持及び継続的に改
善されることを確実にする。
c) 効果的かつ効率的な苦情対応プロセスに必要な経営資源を特定し,配分する。
d) 苦情対応プロセス及び顧客重視の重要性の認識を,組織全体にわたって高めることを確実にする。
e) 苦情対応プロセスに関する情報を,顧客,苦情申出者及び該当する場合,直接関係する他の当事者に,
容易に入手できる方法で伝達することを確実にする(附属書D参照)。
f) 苦情対応のマネジメント責任者を任命し,5.4.2の責任及び権限に加えて,その人の責任及び権限を明
確に定める。
g) 重大な苦情は,迅速かつ効果的にトップマネジメントに伝わるプロセスがあることを確実にする。
h) 苦情対応プロセスが,効果的かつ効率的に維持され,継続的に改善されることを確実にするために,
これを定期的にレビューする。
5.4.2 苦情対応のマネジメント責任者は,次の事項に責任をもつことが望ましい。
a) パフォーマンスの監視,評価及び報告のためのプロセスを確立する。
b) 苦情対応プロセスについて,改善提案を含めてトップマネジメントに対し報告を行う。
c) 適切な要員の採用及び教育・訓練,技術的要求事項,文書,処理目標時間及びその他の要求事項の設
定及び遵守,並びにプロセスのレビューを含む,苦情対応プロセスの効果的かつ効率的な運用を維持
する。
5.4.3 苦情対応プロセスに関わるその他の管理者は,自らの責任範囲において,適宜,次の事項に責任を
もつことが望ましい。
a) 苦情対応プロセスを実施することを確実にする。
b) 苦情対応のマネジメント責任者と連携する。
c) 苦情対応プロセス及び顧客重視の重要性についての認識を高めることを確実にする。
d) 苦情対応プロセスの情報が容易に入手できるようにすることを確実にする。
e) 苦情対応に関する処置及び決定について報告する。
f) 苦情対応プロセスが監視され,記録されることを確実にする。
g) 問題の是正,将来の再発防止のための処置をとり,その事実を記録することを確実にする。
h) 苦情対応データが,トップマネジメントレビューにおいて利用できることを確実にする。
5.4.4 顧客及び苦情申出者と接する全ての要員は,次の事項を実施することが望ましい。
− 苦情対応の教育・訓練を受ける。
− 組織が定めた,苦情対応についての報告に関する要求事項に従う。
− 丁寧に顧客に対応し,顧客の苦情に迅速に対処し,又は適切な担当者に振り向ける。

――――― [JIS Q 10002 pdf 10] ―――――

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JIS Q 10002:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10002:2018(IDT)

JIS Q 10002:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 10002:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称