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6.4 自由音場等価骨導受話器出力レベル タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,骨
導受話器を含む語音オージオメータの出力の振動の力のレベルと全周波数応答は,自由音場等価音圧レベ
ルで規定される。用いられた骨導受話器の形式に対応するデータが存在しない場合には,6.5の規定による。
6.5 無補正の骨導受話器出力レベル 骨導受話器をもつタイプA及びタイプBのオージオメータの場合
には,骨導受話器を含む語音オージオメータの出力の振動の力のレベル及び全周波数応答は,JIS T 1201-1
の附属書6によるメカニカルカプラで測定された,無補正の振動の力のレベルで規定される。
6.6 校正信号 語音オージオメータの規定と試験方法は,録音された語音材料の校正信号レベルが,規
定の方法で測定されたときに,語音材料の平均レベルと同一であるという仮定に立脚している。校正信号
は例えば,13.1に定めるような加重雑音又は少なくとも1/3オクターブの帯域幅をもち1 000Hzに中心を
もつ帯域雑音又は周波数変調音とする。
参考 自由音場等価骨導受話器出力レベルを備えていない機器の骨導の周波数応答は,一般にメカニ
カルカプラで測定したとき,平たん(坦)ではなく,また受話器の形式によって異なる。その
場合には,校正信号の種類又は受話器の形式によって呈示される語音信号のレベルが異なるこ
とがある。
7. 信号レベル表示器
7.1 信号レベル表示器の装備,基準の指示値及び応答時間特性 信号レベル表示器は,校正及び語音の
入力信号すべてを監視するために,これを備えなければならない。このレベル表示器は,目盛の最大値よ
り少し低いレベルに基準の指示値をもち,VUメータとして知られ,IEC 60268-17に規定されたメータの
応答時間特性をもたなければならない。
7.2 信号レベル表示器の接続,利得の調整及びその調整手段 信号レベル表示器は,回路内で出力レベ
ル調整器の前段に接続されるものとし,増幅器は,入力信号のレベルによって,少なくとも20dBの範囲
で容易に利得を調整できなければならない。調整手段は,校正信号レベルを1dB以下の誤差で,基準の指
示値に調整できなければならない。
8. 語音信号の出力レベル調整器
8.1 語音信号の出力レベル調整器の目盛 出力レベル調整器は,単一の目盛と基準点をもたなければな
らない。5dB又はそれ以下の間隔で校正され,目盛が音圧レベル又は語音聴力レベルのいずれであるかを
明示する。タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,目盛は,音圧レベル (re 20 愀 ‰
用いることが望ましい。この場合の出力レベル調整器の基準位置は,14dBとする。タイプA及びタイプB
のオージオメータの場合には,目盛は,聴力レベルを用いることが望ましい。この場合の出力レベル調整
器の基準位置は,0dBとする。
8.2 語音信号の出力レベル調整器の調整範囲(スピーカ及びイヤホン) 出力レベル調整器は,基準位
置に対して,スピーカの出力の場合には,少なくとも−10dB80dB,イヤホンの出力の場合には−10dB
100dBの調整範囲をもたなければならない。
8.3 語音信号の出力レベル調整器の調整範囲(骨導受話器) 製造業者は,骨導受話器の出力レベルの
範囲を,振動の力のレベル又は聴力レベルのいずれかによって明示しなければならない。
9. 出力音圧レベルと振動の力のレベル 6.の基準条件と出力レベル調整器の基準位置において,レベル
指示器が基準の指示値になるような校正信号の出力音圧レベル (re 20 愀 ‰ 14dB±2dBとする。
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無補正の骨導受話器出力の場合には,これに対応する振動の力のレベル (re 1 は,49dB±5dBとす
ることが望ましい。
備考 14dBの音圧レベルと49dBの振動の力レベルは,一桁数字語表を検査材料とした場合における
一側耳での基準語音了解域値レベルにほぼ相当する。
10. 周波数応答
10.1 語音オージオメータの全周波数応答 6.に示す基準条件と10.1.1に示す検査条件において,2504
000Hzのどの周波数の試験信号についても,この信号によってスピーカ又はイヤホンに発生する出力音圧
レベルは,この周波数範囲の全試験信号の平均と±3dB以上の差があってはならない。250Hz未満125Hz
までの周波数範囲におけるこの許容範囲は100 dBとする。4 000Hzを超え6 300Hzまでの周波数については
±5dBとする。
アナログ録音語音材料の再生手段がオージオメータに附属している場合には,250Hz4 000Hzの範囲内
では±1dB,この範囲外で125Hz6 300Hzの範囲では±2dB,上記の許容範囲を広げる。
備考 デジタル録音された語音材料とそれに対応する再生装置とを用いれば,より高い長期間安定性
と,より厳密な周波数応答の許容範囲を得ることができる。
骨導受話器出力については,製造業者が250Hz4 000Hzの範囲の周波数応答及びその許容範囲を定め
る。
10.1.1 検査条件 録音語音材料の再生手段がオージオメータに附属している場合には,白色雑音を,ISO
266に定められた1/3オクターブ周波数を中心としIEC 61260による1/3オクターブフィルタを通して録音
された,周波数によらず均一なレベルの試験信号を用いて,試験を行う。再生手段がオージオメータに附
属していない場合には,上記と同じ試験信号を,オージオメータの電気入力に加える。製造業者は外部の
再生装置を含む装置全体について,10.1の要求事項との一致の程度を明示する。
試験信号のレベルは,1 000Hzを中心とする試験信号に対して,信号レベル表示器が基準の指示値を示
すように調整する。オージオメータの出力レベル調整器は,イヤホン出力及びスピーカ出力の試験に対し
ては70dBとし,骨導受話器出力に対しては40dBに設定する。
スピーカ,イヤホン及び骨導受話器の出力レベル測定においては,6.による基準の条件を適用する。
イヤホンが発生する出力音圧レベルは,製造業者が定めた音響カプラ又は人工耳を用いて測定する。タ
イプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,許容範囲に対する判定をする前に,使用する形式
のイヤホンに対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの周波数ごとの差を表す補正値を,測定され
たカプラ音圧レベルに加える。特定の形式のイヤホンについて,これらの補正値が附属書1に記載されて
いる。その他の形式のイヤホンについては,製造業者がこれを定める。
製造業者は,6.4及び6.5のそれぞれの基準条件について,骨導受話器の出力レベルの試験方法を定める。
10.2 マイクロホン入力の周波数応答 10.2.1に示す試験条件において,マイクロホン端子に発生するマイ
クロホンの出力電圧レベルは,125Hz8 000Hzの周波数範囲のどの入力試験信号に対しても,この周波数
範囲の全試験信号の平均レベルと±3dBを超えて異なってはならない。
オージオメータが,例えば,マイクロホンがオージオメータのきょう(筐)体に格納されているために,
上記に適合しないマイクロホンの周波数応答を補償する回路を備えている場合には,製造業者は,その補
償回路と合わせてマイクロホンが要求事項に適合することを保証する手段を用意する。
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10.2.1 試験条件 白色雑音を,ISO 266に定められた1/3オクターブ周波数を中心周波数としIEC 61260
による1/3オクターブバンドフィルタを通して作られた,80dBの一定音圧レベル (re 20愀 ‰ 信号を
用い,自由音場条件で行う。製造業者は,10.2の要求事項に適合するための,マイクロホンの使用方法(例
えば,入射角など)を示す。
11. 高調波ひず(歪)み
11.1 イヤホン出力 6.に示す基準条件において,イヤホン出力の全高調波ひず(歪)みは,2.5%を超え
てはならない。全高調波ひず(歪)みは,オージオメータの電気入力に加えられた試験周波数250Hz,500Hz
及び1 000Hzの純音に対して,信号レベル表示器 (7.) が基準の指示値より9dB高く,出力音圧レベルが
110dB (re 20 愀 ‰ 殊 定して測定する。
11.2 スピーカ出力 6.3に示す基準条件において,スピーカ出力の全高調波ひず(歪)みは,3%を超え
愀
てはならない。全高調波ひず(歪)みは,11.1と同じ入力条件で測定する。ただし,出力音圧レベル (re 20
は80dBとする。全高調波ひず(歪)みは,同じ周波数で100dBの出力音圧レベルの場合でも,10%未満
とする。
11.3 骨導受話器出力 11.1に示す試験条件において,製造業者は,骨導受話器の表示された最大出力レ
ベルにおける,全高調波ひず(歪)みを示す。
12. 信号−雑音比 どの変換器の入力端子の電圧レベルも,出力レベル調整器を70dBに設定し,録音さ
れた校正信号のレベルを信号レベル表示器の基準の指示値に調整したときに,JIS C 1502によるA特性の
周波数補正回路を用いた測定値が,再生装置が一時停止状態の場合よりも45dB以上高くなければならな
い。再生装置が語音オージオメータに附属していない場合には,製造業者は,この要求事項に適合する方
法を明示する。
備考 この試験は再生装置,オージオメータ及びすべての外部増幅器の性能測定を含んでいる。
13. マスキング音
13.1 マスキング音の種類及びスペクトルレベル 語音をマスキングするために,オージオメータが発生
するマスキング音は,加重不規則雑音とする。
スピーカ出力と6.の基準条件において,音場で音響的に測定されたこの加重不規則雑音のスペクトルレ
ベルは,125Hz1 000Hzは一定で,1 000Hz6 000Hzはオクターブ当たり12dBで下降しなければならな
い。この特性の許容範囲は±5dBとする。
無補正のイヤホンの出力音圧レベルは,音響カプラ又は人工耳で測定したときに,同じ規定に適合しな
ければならない。自由音場等価イヤホン音圧レベルの場合には,許容範囲に対する判定をする前に,使用
する形式のイヤホンに対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの周波数ごとの差を表す出力補正値
を,測定されたカプラ音圧レベルに加える。
13.2 レベル調整器及び校正方法 マスキングレベル調整器は,一つの目盛と一つの基準の位置をもつも
のとし,基準の位置は,6.の基準条件において,8.1で規定した語音信号の出力レベル調整器の基準の位置
と一致しなければならない。語音信号の出力レベル調整器の目盛が(基準の位置が14dBの)音圧レベル
35 愀
圧レベル (re 20 ‰ 地
表示の場合には,この基準の位置において,マスキング音が14
ければならない(音圧レベル目盛)。語音信号の出力レベル調整器の目盛が(基準の位置が0dBの)聴力
レベル表示の場合には,マスキング音を実効マスキングレベルで校正する。目盛が音圧レベル又は実効マ
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スキングレベルのいずれであるかについて明示することが望ましい。マスキングレベル調整器が実効マス
キングレベル目盛である場合には,校正の基準値を明示することが望ましい。また,13.1の規定と異なる
マスキング音を備える場合には,その校正方法を明示することが望ましい。
13.3 レベル調整の範囲 マスキングレベル調整器は,その基準の位置に対して,スピーカ及びイヤホン
の出力レベルを5dB又はそれ以下の間隔で,少なくとも0dB80dBまでの範囲で調整できなければならな
い。
14. モニタイヤホン又はスピーカ モニタイヤホン又はスピーカの発生する音圧レベル (re 20愀 ‰ 検
査者の必要を満たすように,例えば,50dB90dBの範囲で,出力レベルの調整とは無関係に調整できな
ければならない。この調整は,検査信号に何の影響も及ぼしてはならない。
15. 音声応答装置 音声応答装置は,検査素材に対する被検者の声による応答を聞くのに用いられる。こ
れは,通常被検者の近くに置かれるマイクロホン,レベル調整が可能な増幅器及び検査者が用いるイヤホ
ン又はスピーカから構成される。タイプA及びタイプA-Eのオージオメータは,音声応答装置を備えなけ
ればならない。音声応答装置の性能については規定しないが,広いレベル範囲の音声を明りょう(瞭)に
聴取できるように,十分によい再生品質をもつことが望ましい。
16. 断続スイッチ 検査信号とマスキング信号のための断続スイッチは,JIS T 1201-1の7.6(検査音の断
続)に規定する音呈示スイッチと同じ特性をもたなければならない。
17. 表示及び取扱説明書
17.1 表示 オージオメータには表1によるタイプの別を表す表示をする。製造業者名,形式及びこの規
格の規格番号と発効年を表示する。それに加えて,装置には組になる変換器(イヤホン及び骨導受話器)
を特定できる情報を表示する。検査信号のための変換器にも,対応する装置を区別する情報を表示する。
17.2 取扱説明書 オージオメータには取扱説明書を添付する。それにはJIS T 1201-1の10.2のa) c),
e) g),j) l)及びp) q)に規定される事項に加えて,次の情報を含まなければならない。
a) 6.による基準条件。
b) イヤホンの校正に用いられるカプラ又は人工耳の種類。
c) タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,附属するイヤホンの形式と125Hz6 300Hz
の範囲内の規定周波数のそれぞれについて,これらの周波数を中心とする,白色雑音の1/3オクター
ブバンドからなる試験信号に対する,イヤホンの自由音場感度レベルとカプラ感度レベルとの差。
骨導受話器出力レベルについては,周波数応答と,250Hz4 000Hzの周波数範囲にある上記の試験
信号に対する周波数応答及びその許容範囲。自由音場等価骨導出力レベルを備えている場合には,こ
の試験信号に対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの差。
d) 基準校正レベル 取扱説明書には,校正信号との関係が明示された録音語音材料だけを用いる旨の注
意を含める。語音と校正信号が同じレベルでない場合には,校正の方法を記述する。
備考 校正信号と語音材料との平均レベルが異なる場合には,語音検査材料の製作者の指示に従って,
校正及び検査の方法を変えることが望ましい。
e) 骨導受話器出力については,出力レベル範囲と高調波ひず(歪)みを8.3と11.3によって記述する。
f) 10.1,10.1.1,10.2,10.2.1,12及び表1に規定する要求事項を満足するための方法。
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g) 語音信号の出力レベル調整器の校正方法,すなわち,音圧レベル表示と聴力レベル表示とのいずれで
あるかについての記述が含まれていなければならない。
h) マスキング信号の出力レベル調整器の校正方法,すなわち,音圧レベル表示と実効マスキングレベル
表示のいずれであるかについての記述が含まれていなければならない。
表1 語音オージオメータにおける最低限の機能
タイプA タイプB
信号を出力する受話器又はスピーカの装備
2個のイヤホン ○ ○
自由音場等価イヤホン出力 (○) (1) (○) (1)
骨導受話器 ○
2個のスピーカ又は2個の電気信号出力(2) ○ ○
語音検査材料のモニタースピーカ又はイヤホン ○ ○
信号の入力手段
録音素材のための語音再生装置(3)又は電気信号入力 ○ ○
肉声による検査のためのマイクロホン ○
マスキングチャネルへの外部信号の電気入力 ○
マスキング音の種類
語音加重マスキング雑音 ○ ○
マスキングノイズを出力する受話器又はスピーカ
語音検査信号と同側耳のイヤホン ○
語音検査信号と同じスピーカ又は電気信号出力(2) ○
語音検査信号の反対側耳のイヤホン ○ ○
語音検査信号と別のスピーカ又は電気信号出力(2) ○ ○
出力レベル調整器 ○ ○
マスキングレベル調整器 ○ ○
断続スイッチ ○ ○
信号レベル表示器 ○ ○
音声応答装置 ○
注(1) 自由音場等価イヤホン出力は必す(須)ではないが,これを備えることを推奨する。これを
備える場合には,タイプ表示はA-E又はB-Eとする。
(2) オージオメータに出力増幅器及びスピーカが附属していない場合には,製造業者は(スピー
カによる検査について)この規格を満足させる方法を明示する。
(3) 再生装置はオージオメータの製造業者によって供給されるとは限らない。
――――― [JIS T 1201-2 pdf 10] ―――――
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JIS T 1201-2:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60645-2:1993(MOD)
JIS T 1201-2:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.50 : 電気音響
JIS T 1201-2:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1505:1988
- 精密騒音計
- JIST1201-1:2020
- 聴覚検査機器―第1部:純音聴力検査及び語音聴覚検査に用いる機器