JIS X 5721:1991 開放型システム間相互接続―ファイルの転送,アクセス及び管理(FTAM)―第1部 通則 | ページ 2

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X 5721-1991 (ISO 8571-1 : 1988)
5.4.1 アクセスコンテキスト (access context) 転送又はアクセスのためにファイルを読み出すときに,
ファイルコンテンツにおける構造を規定する情報及び利用者情報の部分集合を定義するアルゴリズム。
5.4.2 データ要素 (data element) プレゼンテーションサービスによって転送する場合,識別情報を保持
する必要がある最小データの定義。一つのデータ要素でファイルコンテンツ情報,ファイル構造情報又は
プロトコル制御情報を運ぶことができる。
5.4.3 データ単位 (data unit) ファイルストア動作が操作できるファイルコンテンツの最小単位。各デ
ータ単位は,ファイルアクセス構造の節点に関係付ける。データ単位は一連のデータ要素からなる。
5.4.4 転送,削除,拡張,置換又は挿入動作を行う
ファイルアクセスデータ単位 (file access data unit)
ことができるファイルアクセス構造の単位。ファイルアクセスデータ単位は,0個以上のデータ単位で構
成する。
5.4.5 仮想、ファイルストアの定義の一部として規定した動作の
ファイルストア動作 (file store action)
一つ。
5.4.6 ファイルアクセスデータ単位を関係付けて,ファイ
ファイルアクセス構造 (file access structure)
ルアクセスデータ単位の識別,記述及び操作を可能にするファイルのデータ構造。
5.5 ファイル構造
5.5.1 弧 (arc) 二つの節点間の方向性のあるつながり。
5.5.2 弧長 (arc length)子節点と親節点の間の水準の差。正の整数で表す。
5.5.3 ある節点の出弧の終点となる節点。
(節点の)子 [child (of a node) ]
5.5.4 葉 (leaf)出弧がない木の節点。
5.5.5 根からその節点までの弧長の和。
(節点の)水準 [level (of a node) ]
5.5.6 長弧 (long arc) 弧長が1よりも大きい弧。
5.5.7 節点 (node) 木を構成する基本要素。
5.5.8 順序木 (ordered tree)木の各節点の子の順序付けを定義した木。
5.5.9 ある節点の入弧の始点となる節点。
(節点の)親 [parent (of a node) ]
5.5.10 経路 (path) 弧の定義された方向に沿って各々の弧を通過するように,ある節点と他の節点を結
ぶ弧のつながり。
5.5.11 根 (root) ある木において,入弧のない唯一の節点。根の水準は0とする。
ある節点と同じ親節点を共有する節点。
5.5.12 (節点の)兄弟 [sister (of a node) ]
5.5.13 部分木 (sub tree)部分木根節点としての任意の節点,及びその部分木根節点からの経路で到達す
ることができる他のすべての節点で構成する木の部分。
木において,各節点が1回だけ現れるような節点の順序付
5.5.14 トラバーサル順序 (traversal sequence)
け。その順序は,すべての木に適用するアルゴリズムによって決定する。
備考 一般に,幾つかの異なる木から同じトラバーサル順序を生成できることがある。
5.5.15 木 (tree) ただ一つの節点だけが入弧をもたず,他のすべての節点が一つの入弧をもつように,
すべての節点を方向性のある弧で結んだ接続構造。
5.6 制約集合
5.6.1 制約集合 (constraint set) はん(汎)用ファイルモデルヘの制約及び詳細化の集合。これによって,
特定の応用部類にも適合するように,はん(汎)用性の低いモデルを規定する。
5.6.2 ファイルモデル (file model) ファイルコンテンツのアクセス構造のモデル。

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5.6.3 はん(汎)用階層ファイルモデルに適用した場合,
フラット(制約集合) [flat (constraint set) ]
水準0及び水準1の二つの水準で構成し,葉節点だけにデータ単位をもち,根節点にはデータ単位をもた
ないアクセス構造を生成する制約集合。
5.6.4 ファイルアクセスデータ単位が階
はん(汎)用階層ファイルモデル (general hierarchical model)
層木を構成するモデル。
5.6.5 はん(汎)用階層ファイルモデルに適用した場合,
階層(制約集合) [hierarchical (constraint set) ]
階層的であるが,節点記述及びデータ単位の形式が制約されたアクセス構造を生成する制約集合。
5.6.6 はん(汎)用階層ファイルモデルに適用した場
非構造(制約集合) [unstructured (constraintset) ]
合,一つのデータ単位をもつ根節点だけで構成するアクセス構造を生成する制約集合。
5.7 ドキュメント型
5.7.1 (ドキュメントの)連結 [concatenation (ofdocuments) ]二つのドキュメントを組み合わせて,一
つのドキュメントを作ること。
5.7.2 適用可能な転送構文の集合,抽象構文及び部分的意味 (semantics) が
ドキュメント (document)
分かっている情報の集まり。
5.7.3 ドキュメント型 (documenttype)ドキュメントに必要な意味,抽象構文,転送構文及び動的特性
を示すドキュメントのクラスの仕様。
5.7.4 ドキュメントの連結及び単純化の特性。
(ドキュメントの)動的特性 [dynamics (of a document) ]
5.7.5 (ドキュメントの)緩和 [relaxation (of a document) ]ドキュメントのパラメタをより少ない制約
にすることによって,あるドキュメントから異なるドキュメントを抽出作成する過程。
5.7.6 あるドキュメントから構造情報を捨て
(ドキュメントの)単純化 [simplification (ofa document) ]
ることによって,異なるドキュメントを抽出作成する過程。
6. 略語 この規格群では,次の略語を使用する。
ACSE アソシエーション制御サービス要素 (association control service element)
ASE 応用サービス要素 (application service element)
CCR コミットメント,並行処理及び回復 (commitment, concurrency and recovery)
DU データ単位 (data unit)
EFS 外部ファイルサービス (extemal file service)
FADU ファイルアクセスデータ単位 (file access data unit)
FERPM ファイル誤り回復プロトコル機械 (file error recovery protocol machme)
FPDU ファイルプロトコルデータ単位 (file protocol data unit)
FPM ファイルプロトコル機械 (file protocol machine)
FTAM ファイルの転送,アクセス及び管理 (file transfer, access and management)
Id 識別子 (identifier)
IFS 内部ファイルサービス (intemal file service)
OSI 開放型システム間相互接続 (open systems interconnection)
OSI環境 (OSIE) 開放型システム間相互接続環境 (open systems interconnection environment)
PCI プロトコル制御情報 (protocol control information)
PDU プロトコルデータ単位 (protocol data unit)
PDV プレゼンテーションデータ値 (presentationdatavalue)

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PSDU プレゼンテーションサービスデータ単位 (presentation service data unit)
RSE 実システム環境 (realsystemenvironment)
第1章 FTAMの一般概念
7. OSIアーキテクチャの背景 ファイルサービスの標準化は,自システムがファイルを格納している場
合と同じように他システムが保有する情報を転送,アクセス又は管理したいと希望するファイル利用者に
対して,開放型システム間相互接続を実現することを目的とする。開放型システムで,応答側として規定
したファイルプロトコルに準拠するものは,仮想ファイルストアを提供するものとみなす。
すべての開放型システム間相互接続の規格と同様に,ここで使用するアーキテクチャ上の分割は,プロ
トコルの分類を反映する。この分割は,その実装を構築する方法をいかなる形でも制限しない。適合性の
試験は,相互接続性に限定する。
この規格群の各規格は,更に大きな開放型システム間相互接続規格の規格群の一部で,全体の関連はJIS
X 5003で規定されている。各種の利用領域に共通な相互接続プロトコルの諸側面は,それぞれの規格で規
定し,各種要素の論理的関係は,それらのサービスの定義によって提供する。
OSIの意図を理解するために,相互に関連した規格と,規格に規定されているプロトコルを使用する実
開放型システムのハードウェア及びソフトウェアによる実装とを慎重に区別しなければならない。この区
別から,次の二つの環境を識別することができる。
(a) 実システム内の応用プロセスを支援する実際のファシリティ及び資源の点から見た実装の側面は,実
システム環境 (RSE) を構成する。
(b) システムの相互接続を可能にする標準化されたサービス,プロトコル及びデータ構造の定義は,OSI
環境を構成する。OSI環境において見られる応用プロセスの動作を様式化する側面を,応用エンティ
ティとする。OSI基本参照モデルで定義された層をなす通信機能は,応用エンティティのアクティビ
ティを支援する。
実装の設計において,定義項目と実装との間の関連付けを決定する作業が発生する。この過程を図1に
示す。

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図1 RSEとOSI環境との間の情報の流れ
備考1. RSEとOSI環境との間の動作の流れは,通信要求の応用エンティティ利用者要素への写像を表現する。
2. 応用エンティティ間の応用PCI及び利用者データの流れは,合意した抽象構文での論理的な情報の流れと
し,特定の転送構文からは独立なものとする。
3. 応用エンティティとプレゼンテーションエンティティとの間の流れは,一つ以上の合意したプレゼンテー
ションコンテキストによる利用者データ及び応用プロトコル制御情報を含む論理的な情報の流れとする。
4. プレゼンテーションエンティティ間の流れは,折衝された転送構文で符号化したデータ及びプレゼンテー
ションプロトコル制御情報からなる。
8. ファイルサービスの特徴
8.1 ファイルアクティビティの制御 この規格群の目的を明らかにするため,ファイルアクティビティを
制御する方法を規定する。ファイル転送又はファイルアクセスの場合,どのような転送又はアクセス
においても,制御の主導権をもつエンティティ,元側仮想ファイルをアクセスするエンティティ及び
あて先仮想ファイルをアクセスするエンティティの三つのエンティティが関係する。制御側からは,
次の二つの情報の流れがある。
(a) 元側仮想ファイルの指定,及び転送を行う方法の制約に関して,元側ファイルをアクセスするエンテ
ィティに送られる情報。
(b) あて先仮想ファイルの指定,及び転送を行う方法の制約に関して,あて先ファイルをアクセスするエ
ンティティに送られる情報。
これらの情報の流れと転送との関係を図2aに示す。

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X 5721-1991 (ISO 8571-1 : 1988)
図2a ファイル転送における論理的な情報の流れ
図2b FTAMにおける実際の情報の流れ
転送の調整及び制御を単純化するためには,制御側が,二つのファイルプロトコルエンティティのうち
一つを介してこれらの情報を流し,そのエンティティに転送時の制御側の代理を行わせるのがよい(図2b
参照)。これは,制御側及び起動を行うファイルエンティティが,同じシステムにあることによる。
ここでは,図2bのA及びBにおける要素の相互接続を支援するサービスを定義する。A及びBは,サ
ービス定義で参照されるサービスの利用者とする。
8.2 会話の非対称性 ファイルプロトコルが支援する動作は,サービス及びプロトコル構造に反映され
る重要な非対称性を示す。この非対称性は,主従関係の形式をとる。
まず,各アクティビティは,何らかの目的をもつ1名のファイルサービス利用者(起動側,図2bのA)
から開始される。ファイルストアに関係したエンティティ(応答側,図2bのB)は,単にこの起動に従う。
これは,プロトコルが起動側のファイルストアに関する情報を運ぶ必要がないため,ファイルを一つのフ
ァイルストアから他のファイルストアに転送する場合にも適用できる。ファイルプロトコルは,応答側の
ファイルストアに関する情報だけを送る。ファイルアクセスデータ単位を応答側のファイルストアに向け
て転送する動作は,ファイルヘの局所的なアクセス,及び他のファイルヘのリモートアクセスを行う複写

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JIS X 5721:1991の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8571-1:1988(MOD)

JIS X 5721:1991の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 5721:1991の関連規格と引用規格一覧