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Z 2243-1 : 2018 (ISO 6506-1 : 2014)
7 試験
7.1 試験は,通常,周囲温度1035 ℃の範囲内で行う。温度変化が試験結果に影響する可能性があるた
め,ブリネル試験を実施する者は,より狭い温度範囲,すなわち,23±5 ℃の温度を選択してもよい。
7.2 試験を実施する前に,附属書Aに従い試験機の検証が行われたことを確認しなければならない。
7.3 適用する試験力は,表2とする。表2に示されていない試験力及び試験力−直径係数を,受渡当事
者間の協議によって使用してもよい。
7.4 試験力は,くぼみの直径dが0.24D0.6Dになるように選択することが望ましい。くぼみの直径が
この条件から外れる場合には,くぼみの直径と球圧子の直径との比を試験報告書に記載しなければならな
い。表3に,試料(試験片)の材質及び硬さに応じて用いることが望ましい試験力−直径係数(0.102F/D2)
の値を示す。試料(試験片)の代表部位を最も広い範囲で試験するために,できるだけ直径の大きな圧子
を使用することが望ましい。
7.5 試料は頑丈な支持装置の上に置き,試験面は,異物(スケール,油,汚れなど)のないきれいな状
態にする。試料(試験片)は,試験中に動かないようにする。
7.6 圧子を試験面に接触させ,その面に対して垂直方向に,規定の値に達するまで試験力を加える。こ
のとき,衝撃,振動,過負荷などがないようにする。力を加え始めてから規定の試験力に達するまでの時
間は, 7 sとする。
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この試験力を 14 s保持する。一部の試料(試験片)には,これより長い保持時間が採用される場合が
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あるが,その場合の許容誤差は±2 sとする。
注記 時間範囲の要求が非対称な許容値で示されている。例えば, 7 1
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sは,許容範囲は,2秒(7 s−
5 s)から8秒(7 s+1 s)であるが,7秒間が公称時間であることを示している。
7.7 試験機は,試験の間中,試験結果に影響を及ぼすような衝撃及び振動を受けないよう保護する。
7.8 くぼみの中心から試料(試験片)の縁までの距離は2.5d以上とする。また,隣接するくぼみの中心
間の距離は,3d以上とする。
7.9 くぼみの直径の測定は,手動又は自動測定装置のいずれで行ってもよい。光学装置の視野は,均等
に照明を当てることが望ましい。照明のタイプは,試験機の直接・間接検証及び日常点検中に用いたもの
から変えてはならない。
手動測定の場合,くぼみのほぼ直交する2方向の直径を測定し,算術平均したくぼみの平均直径から,
ブリネル硬さを求める。
研削面をもつ試料(試験片)の場合には,くぼみの直径の測定方向は,研削方向に約45°とすることが
望ましい。
注記 異方性をもつ材料,例えば,強い冷間加工をしたような場合,2方向のくぼみの直径の長さの
差が異なることがあり,注意することが望ましい。
自動測定システムを用いる場合に,平均直径を計算するのに他の検証されたアルゴリズムを用いてもよ
い。これらのアルゴリズムには,次を含む。
− 複数方向の直径の平均
− くぼみの投影面積からの評価
7.10 平面上の試験に対するブリネル硬さ値は,表1の式を用いて計算し,結果を有効数字3桁に丸める。
JIS Z 2243-2のブリネル硬さ算出表を用いてブリネル硬さを決めてもよい。
――――― [JIS Z 2243-1 pdf 6] ―――――
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表2−硬さ記号及び試験条件
硬さ記号 圧子の直径 試験力−直径係数 試験力
D 0.102F/D2 F
mm N/mm2
HBW10/3 000 10 30 29.42 kN
HBW10/1 500 10 15 14.71 kN
HBW10/1 000 10 10 9.807 kN
HBW10/500 10 5 4.903 kN
HBW10/250 10 2.5 2.452 kN
HBW10/100 10 1 980.7 N
HBW5/750 5 30 7.355 kN
HBW5/250 5 10 2.452 kN
HBW5/125 5 5 1.226 kN
HBW5/62.5 5 2.5 612.9 N
HBW5/25 5 1 245.2 N
HBW2.5/187.5 2.5 30 1.839 kN
HBW2.5/62.5 2.5 10 612.9 N
HBW2.5/31.25 2.5 5 306.5 N
HBW2.5/15.625 2.5 2.5 153.2 N
HBW2.5/6.25 2.5 1 61.29 N
HBW1/30 1 30 294.2 N
HBW1/10 1 10 98.07 N
HBW1/5 1 5 49.03 N
HBW1/2.5 1 2.5 24.52 N
HBW1/1 1 1 9.807 N
表3−材質及び硬さに対する試験力−直径係数(0.102F/D2)
材質 ブリネル硬さ 試験力−直径係数
HBW 0.102F/D2
N/mm2
鋼,ニッケル合金,チタン合金 30
鋳鉄a) <140 10
≧140 30
銅及び銅合金 <35 5
35200 10
>200 30
軽金属及びそれらの合金 <35 2.5
3580 5
10
15
>80 10
15
鉛,すず 1
焼結金属 ISO 4498による。
注a) 鋳鉄に対しては,圧子の直径は,2.5 mm,5 mm又は10 mmのいずれ
かとする。
――――― [JIS Z 2243-1 pdf 7] ―――――
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8 測定結果の不確かさ
不確かさの完全な評価は,参考文献[1]によって行うことが望ましい。
要因のタイプには関係なく,硬さの不確かさの評価は,次の二つの方法によって行うことができる。
− 直接検証に関わる全ての要因の評価を基にする方法(EURAMETガイドライン[2]が,参考になる。)。
− 硬さ基準片(認証標準物質)を使用した間接検証を基にする方法(参考文献[2][5]を参照)。附属書
Cに不確かさを求めるためのガイドラインを示す。
常に,全ての識別された不確かさ成分を定量化することができない場合がある。この場合,タイプAの
標準不確かさの見積りは,試料(試験片)の繰り返されたくぼみの統計分析から求めることができる。タ
イプA及びタイプBの標準不確かさを合成する場合は,これらの寄与が重複しないように注意することを
推奨する(参考文献[1]の4.3.10参照)。
注記 タイプAは,様々な不確かさの成分を,観測値の標準偏差によって評価することである。タイ
プBは,タイプA以外の方法による評価で,測定実験データ以外の様々な情報による,標準偏
差に相当する大きさの推定である。
9 試験報告書
少なくとも次の情報を記録し,受渡当事者間の協定のない限り,試験報告書に含めなければならない。
a) この規格によって試験した旨の表示(すなわち,JIS Z 2243-1)
b) 試料(試験片)の識別に必要な情報
c) 試験日
d) 試験温度(1035 ℃以外の場合)
e) くぼみの直径と球圧子の直径との比(0.240.60の範囲外の場合)
f) 得られた試験結果,HBW(4.2の表記に従い報告する)
g) 他の硬さスケールに換算した場合,換算の基準及び方法を規定しなければならない(参考文献[6]を参
照)。
注記 ブリネル硬さを他の硬さスケール及び引張強さに正確に換算する一般的な方法はない。
h) この規格に規定していない,追加要求事項
i) 試験結果に影響を及ぼしたかもしれない出来事があれば,その詳細
――――― [JIS Z 2243-1 pdf 8] ―――――
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附属書A
(規定)
使用者による試験機の日常点検の手順
試験機の点検は,試験機を使用する日ごとに,試験をする材料とほぼ同じ硬さレベルで,使用するそれ
ぞれのスケールに対して行わなければならない。
日常点検では,JIS B 7736に従って校正された硬さ基準片上に作られた少なくとも1個のくぼみを含む。
平均測定硬さと認証値との差異がJIS B 7724の表3(試験力・直径係数が30の場合に対する試験機の繰返
し性及び誤差)及び表4(他の試験力・直径係数の場合に対する試験機の繰返し性及び誤差)に示す誤差
の許容差以下の場合は,その試験機は,要求を満足しているとみなすことができる。誤差の許容差を超え
る場合には,JIS B 7724の箇条7(間接検証)で規定するように間接検証を行わなければならない。
注記 長期にわたる試験結果の記録を維持し,記録を再現性の測定及び試験機のドリフトをモニタす
るのに用いることは,よい計量的実践(metrological practice)である。
――――― [JIS Z 2243-1 pdf 9] ―――――
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附属書B
(規定)
くぼみの平均直径と試料(試験片)の最小厚さとの関係
表B.1−試料(試験片)の最小厚さ(6.3参照)
単位 mm
くぼみの平均直径 試験片の最小厚さ
d D=1 D=2.5 D=5 D=10
0.24 0.12
0.3 0.18
0.4 0.33
0.5 0.54
0.6 0.80 0.29
0.7 0.40
0.8 0.53
0.9 0.67
1.0 0.83
1.1 1.02
1.2 1.23 0.58
1.3 1.46 0.69
1.4 1.72 0.80
1.5 2.00 0.92
1.6 1.05
1.7 1.19
1.8 1.34
1.9 1.50
2.0 1.67
2.2 2.04
2.4 2.46 1.17
2.6 2.92 1.38
2.8 3.43 1.60
3.0 4.00 1.84
3.2 2.10
3.4 2.38
3.6 2.68
3.8 3.00
4.0 3.34
4.2 3.70
4.4 4.08
4.6 4.48
4.8 4.91
5.0 5.36
5.2 5.83
5.4 6.33
5.6 6.86
5.8 7.42
6.0 8.00
――――― [JIS Z 2243-1 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2243-1:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6506-1:2014(IDT)
JIS Z 2243-1:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2243-1:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7724:2017
- ブリネル硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7736:2017
- ブリネル硬さ試験―基準片の校正
- JISZ2243-2:2018
- ブリネル硬さ試験―第2部:硬さ値表