JIS Z 8762-1:2007 円形管路の絞り機構による流量測定方法―第1部:一般原理及び要求事項 | ページ 2

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Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
T Ru T2 Z
μJT 又は μJT pT
pH pCm,
p
ここに, T : 絶対温度
p : 管路の流体の絶対圧力
H : エンタルピー
Ru : 気体定数
Cm,p : 定圧のモル比熱
Z : 圧縮係数
備考 ジュールトムソン係数は,気体の性質によって変わり,また,温度,圧力によって変わるが,
計算することができる。
3.3.5 流出係数(C) 非圧縮性流体の流れによって決められる係数をいい,実際の流量と理論流量との比
である。
非圧縮性流体の場合は,次の式で定義する。
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qm 1
C
d2 2 p 1
4
備考1. 非圧縮性流体(液体)による標準の絞り機構の校正は,その絞り機構におけるレイノルズ数
だけに依存する。
Cの数値は異なった装置においても,絞り機構が幾何学的に相似であり,かつ,流れが同
じレイノルズ数であれば,同じである。
JIS Z 8762の規格群で与えられるCの式は,すべて実験的に求められた数値に基づく。
Cの値の不確かさは,適切な実験設備で校正をすることによって小さくすることができる。
1
2. は,近寄り速度係数といい,これと流出係数との積
4
1
1
C は,流量係数という。
4
1
3.3.6 気体の膨張補正係数(ε) 流体の圧縮性を考慮に入れる係数。
4
qm 1
d2C 2 p 1
4
備考 絞り機構の圧縮性流体(気体)による校正は,次の比がレイノルズ数に依存し,また,圧力比,
アイゼントロピック指数によることを示している。
4
qm 1
d2 2 p 1
4
これらの変化を表すのに用いられている方法は,同一のレイノルズ数で液体によって校正さ
れた絞り機構の流出係数(C)と気体の膨張補正係数(ε)とを乗じたものである。
気体の膨張補正係数(ε)は,流体が非圧縮性(液体)であるときは1.0であり,流体が圧縮性
(気体)であるときは1.0未満である。

――――― [JIS Z 8762-1 pdf 6] ―――――

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Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
この方法は,εが実用的にはレイノルズ数に関係ないことを実験の結果が示しており,圧力
比及びアイゼントロピック指数によることを示しているからである。
JIS Z 8762-2に与えられるオリフィス板のεの値は,実験による。ノズル(JIS Z 8762-3参照)
及びベンチュリ管(JIS Z 8762-4参照)の値は,熱力学的な一般の式を等エントロピー膨張に
適用した。
3.3.7 算術平均粗さ(Ra) 粗さ曲線の中心線からの偏差の絶対値の平均値差。
備考1. 平均線は,それと実際の表面の距離の二乗平均が最小になる線である。実用上,Raは切削表
面を標準の測定器で測定するが,粗い管の内面に対しては推定値を用いる(JIS B 0633参照)。
2. 管に対しては管内面の粗さ(k)を使用する。この値は実験的に決められる(7.1.5参照)又は表
を用いる(附属書B参照)。

4. 記号及び添字

4.1 記号

 この規格で用いる記号は,表1による。
表 1 記号
記号 記号の名称 次元(a) 単位
C 流出係数 −
Cm,p 定圧モル比熱 ML2T 2 1
mol 1
J/(mol・K)
d 使用状態における絞り孔径 L m
D 使用状態における絞り機構の上流側管径 L m
又は円すい形ベンチュリ管の上流側円筒部の直径
mol
H エンタルピー ML2 T 2 1
J/mol
k 管内壁の粗さ L m
2
V に対する圧力損失の比)
K 圧力損失係数(動圧 −
2
l 絞り機構と圧力取出し口との間の距離 L m
L 絞り機構と圧力取出し口との間の距離の管径に対する −

l
L
D
T
p 流体の静圧(絶対圧力) ML 1 2
Pa
1
qm 質量流量 MT kg/s
qv 体積流量 L3T 1
m3/s
R 半径 L m
Ra 算術平均粗さ L m
Ru 気体定数 ML2T 2 1
mol 1
J/(mol・K)
Re レイノルズ数 −
ReD Dに関するレイノルズ数 −
Red dに関するレイノルズ数 −
t 流体の温度 θ ℃
T 流体の絶対(熱力学的)温度 θ K
U' 相対不確かさ −
1
V 管路内の管軸方向の平均流速 LT m/s
Z 圧縮係数 −
d −
β 絞り直径比
D
γ 比熱比(b) −
δ 絶対不確かさ (c) (c)

――――― [JIS Z 8762-1 pdf 7] ―――――

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Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
表 1 記号(続き)
記号 記号の名称 次元(a) 単位
1 T
2
Δp 差圧 ML Pa
1 T
2
Δpc 整流装置の圧力損失 ML Pa
1 T
2
Δ 絞り機構の圧力損失 ML Pa
ε 気体の膨張補正係数 −
κ アイゼントロピック指数(b) −
λ 摩擦係数 −
T
μ 流体の粘度 ML 1 1
Pa・s
μJT ジュールトムソン係数 M 1LT 2
K/Pa
v 流体の動粘度 v L2T 1
m2/s
ξ 相対圧力損失(差圧に対する圧力損出の比) −
ρ 流体の密度 ML3 kg/m3
τ 圧力比 P2 −
P1
曰 円すい管の角度 rad
注(a) =質量,L=長さ,T=時間,θ=温度
(b) γは,定積比熱に対する定圧比熱の比を表す。理想気体では,アイゼントロピック指数と同
じである(3.3.3参照)。この値は,気体の性質による。
(c) 次元及び単位の量によって決まる。

4.2 添字

 添字は,表2による。
表 2 添字の意味
添字 意味
1 上流側圧力取出し口の軸を含む平面上の値
2 下流側圧力取出し口の軸を含む平面上の値

5. 測定方法の原理及び計算

5.1 測定方法の原理

 測定方法の原理は,流体が管路を満たして流れている管路に,絞り機構(オリフ
ィス,ノズル及びベンチュリ管)を挿入することが基本である。挿入された絞り機構の上流側とスロート,
又は下流側に圧力差が発生する。流量は,この圧力差の測定値,流れている流体の性質及び絞り機構が使
われている使用条件から計算することができる。絞り機構は,校正されたものと幾何学的に相似であり,
更に,校正時と同一の条件下で用いられることを前提とする(JIS Z 8762-2,JIS Z 8762-3及びJIS Z 8762-4
参照)。
質量流量は,JIS Z 8762の規格群に規定する不確かさの範囲内で,差圧との間に式(1)の関係があるので
求めることができる。
C
qm d2 2 p 1 (1)
1 4 4
同様に,体積流量は,式(2)によって計算できる。
qm
qV (2)
ここに, 体積流量を表す温度,圧力における流体の密度

――――― [JIS Z 8762-1 pdf 8] ―――――

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Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)

5.2 絞り機構の絞り直径比の決定方法

 実際に式(1)を使って管路に設置する絞り機構の絞り直径比を決
めるときに,一般的には(C)及び(ε)は決まっていない。次の事項は,事前に決められている必要がある。
− 使用する絞り機構の種類
− 流量とそれに対応する差圧の大きさ
この差圧(Δp)と質量流量(qm)とを式(1)に代入し,置き換えると,
C 2 4qm
1 4 D2 2 p 1
上記によって,絞り直径比は繰返し計算によって求めることができる(附属書A参照)。

5.3 流量の計算

 流量の計算は,数学的なプロセスで,式(1)の右辺の各項を数値に置き換えればよい。
ベンチュリ管の場合を除き,Cの値はRe によって変化し,また,レイノルズ数はqmに依存する。この
ような場合に最終的な,Cの値及びqmの値は繰返し計算によって得られる。附属書Aに示す最初の数値
の決定,及び繰返し計算の方法を参照する。
上記に規定する,絞り孔径(d)及び管路径(D)は使用状態における値である。これ以外の条件下での測定
値は,測定時の温度,圧力による膨張及び収縮の補正が必要である。
使用状態における流体の密度及び粘度を知る必要がある。また,圧縮性流体の場合には,使用状態にお
ける流体のアイゼントロピック指数を知る必要がある。

5.4 密度,圧力及び温度の決定

5.4.1  一般 流体の密度,静圧及び温度の決定は,次のいずれかの方法でもよい。ただし,測定面におい
て流れの分布に影響しないような方法でなくてはならない。
5.4.2 密度 上流側圧力取出し口位置の流体の密度を知らなくてはならない。直接測定するか,又は絶対
静圧,絶対温度及び流体の組成から適切な方程式によって求めてもよい。
5.4.3 静圧 流体の静圧は,個々の管壁の圧力取出し口又は数個の圧力取出し口をまとめるか,若しくは
絞り機構の圧力取出し平面で,環状室が差圧測定に許される場合はそれによって測定する(JIS Z 8762-2
の5.2,JIS Z 8762-3の5.1.5,5.2.5,5.3.3及びJIS Z 8762-4の5.4を参照)。
絞り機構の上流側,下流側,又はスロートの4個の圧力取出し口を接続するには,図1による接続を用
いるのが最適である。“トリプルT”接続は,ベンチュリ管に用いられることもある。
静圧測定用の圧力取出し口は,差圧測定用の圧力取出し口と分離すべきであるが,差圧測定に影響しな
いことが明らかな場合,分離しなくてもよい。

――――― [JIS Z 8762-1 pdf 9] ―――――

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Z 8762-1 : 2007 (ISO 5167-1 : 2003)
上流側 : 断面A-A
下流側 : 断面B-B
図 1 “トリプルT”接続
5.4.4 温度
5.4.4.1 流体の温度は,絞り機構の下流側で測定するのが望ましい。温度測定には,特別の注意が必要で
ある。温度計のポケット又はウエルは,できるだけ小さいことが望ましい。温度計が絞り機構の下流側に
取り付けられているときは,その間隔は少なくても5 D(気体の場合は最大15 D)必要である[ベンチュ
リ管の場合は,この距離(5 D)はスロートの圧力取出し口を含む平面から測定し,拡大管の出口から少な
くても2 D下流でなくてはならない。]。ポケットが上流側に置かれる場合は,絞り機構の種類によってJIS
Z 8762-2,JIS Z 8762-3又はJIS Z 8762-4の規定に従った値でなくてはならない。
JIS Z 8762の規格群の適用範囲内では,上流側及び下流側の流体の温度は,絞り機構の位置の流体の温
度と同じであることを前提としている。しかし,流体が理想気体でない場合,高い精度を必要とする場合,
又は,上流側の圧力取出し口の位置と温度計の位置との間に大きい圧力降下がある場合には,下流側の温
度から上流側の温度を,二点の間(絞り機構から5 Dと15 Dとの間の距離)で等エンタルピー変化すると
仮定して,計算しなくてはならない。計算を行ううえで,圧力損失(Δ )は絞り機構の種類に従って,
JIS Z 8762-2の5.4(圧力損失),JIS Z 8762-3の5.1.8,5.2.8,5.3.6及びJIS Z 8762-4の5.9によって計算
する。上流側の圧力取出し口と,下流の温度測定位置との間の温度降下(ΔT)は,3.3.4で規定するジュー
ルトムソン係数(μJT)によって求められる。
T μJT
備考1. 実験結果(参考文献[1]参照)は,この方法がオリフィス板に対して有効であることを示して
いる。他の絞り機構に対して正しいことをチェックする必要がある。
2. 上流側圧力取出し位置と下流側温度測定位置との間で,等エンタルピー変化を仮定している
が,これは上流側圧力測定位置とスロート又は縮流位置との間で等エントロピー膨張を仮定
することと矛盾しない。

――――― [JIS Z 8762-1 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8762-1:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5167-1:2003(IDT)

JIS Z 8762-1:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8762-1:2007の関連規格と引用規格一覧