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A 2102-2 : 2011
− ISO 10456に与えられる表の値
− 製品規格値
− 認定実施機関による技術承認値
− 適切な国際規格に従った測定値
測定値は,上記規格内に作表されたデータがなく,かつ,関連製品規格又は技術承認に従うデータがな
い場合に限り使用するものとする。測定に際しては23 ℃,相対湿度50 %で,恒量(24時間以上の0.1 %
以下の質量の変化)のサンプルで,熱伝導率測定の認定実施機関(JIS Q 17025に規定)によって,適切な
方法を用いて平均温度10 ℃において実施されなければならない。熱伝導率の値が当該材料の代表値であ
ること(すなわち,材料の変わりやすさ及び測定の不確かさを反映した値であること)を保証するため,
計算に用いる熱伝導率を測定データによって得るためには,次のいずれかの方法を用いなければならない。
− 熱伝導率はISO 10456の附属書C(90 %のフラクタイル値)に従う統計評価された測定データ[普通
の製品変化を代表するロット違いからの少なくとも三つの異なる試料(経年変化を考慮に入れた)]か
ら得られる宣言値である。
− 試料数が3以下の場合は,熱伝導率は1.25を乗じた平均値を使用する。
5.2 表面の放射率
通常,空気のある空間と境を接する表面の放射率は,0.9としなければならない。アルミニウム合金製フ
レーム,スチール補強材及びその他の金属又は合金のような金属表面は,より低い放射率をもつ。金属表
面の典型的な放射率の値を表A.3に示す。表A.3から引用する場合又は放射率測定の認定実施機関(JIS Q
17025に規定)で適切な規格を用いて測定する場合に限り,0.9より小さい値を使用できる。
測定値による場合,少なくとも三つの試料をISO 10456に規定する統計処置によって評価しなければな
らない。
5.3 境界
屋外側表面及び室内側表面熱伝達抵抗は,屋外側及び室内側環境への対流及び放射による伝熱に依存す
る。屋外側表面が通常の風状態にさらされなければ,端部又は2平面のつくる隅角部で,対流成分は減少
するであろう。水平の熱流に関する表面熱伝達抵抗は附属書Bに与えられる。この規格の計算では,天窓
も含め実際の窓の設置角度とは無関係にこの値を使用しなければならない。表面結露は,附属書Bの表面
抵抗を使用して計算する最も低い室内側表面温度に基づいて評価する。
充材の切断面及び周囲の材料との切断面は断熱条件(境界)としなければならない(図1及び附属書
D参照)。
基準温度条件は,室内側は20 ℃,屋外側は0 ℃としなければならない。
6 キャビティの扱い
6.1 概要
キャビティにおける熱流は,等価熱伝導率(λeq)を用いて表さなければならない。この等価熱伝導率は,
伝導,対流及び放射による熱流を含み,キャビティの幾何学的形状及び隣接する材料に依存する。
6.2 グレージング内の中空層
グレージングの板ガラス間にある換気のない中空層(複層ガラスの密閉中空層)の等価熱伝導率は,JIS
R 3107に従って決定しなければならない。結果として得られる等価熱伝導率は,端部を含む中空層全体で
使用するものとする。
注記 アスペクト比の大きいキャビティに対して,JIS R 3107で使用された相関関係では,等価熱伝
――――― [JIS A 2102-2 pdf 6] ―――――
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導率に対して低い値を与える傾向がある。より正確な相関関係はISO 15099を参照。
6.3 フレーム内部の密閉キャビティ
6.3.1 定義
空間が完全に密閉されているか又は幅2 mm以下のスリットによって外部又は内部に接続している場合,
その空間は換気がないもの(密閉キャビティ)とする(図1参照)。これは,熱流の方向に対する空間の
方向とは無関係に適用される。密閉キャビティと見なせない場合,その空間は換気のあるキャビティ又は
僅かに換気のあるキャビティ(半密閉キャビティ)として処理しなければならない(6.4参照)。
単位 mm
記号 キャビティ
境界(附属書B参照) E グレージング(6.2参照)
A 断熱境界 F 密閉キャビティ(6.3参照)
B 屋外側表面熱伝達抵抗 G 半密閉キャビティ(6.4.1参照)
C 室内側表面熱伝達抵抗 H 換気のよいキャビティ(6.4.2参照)
D 表面抵抗の増加部分
注記 図1に窓を示す。同じ原理が天窓に適用可能であるが,境界の断熱部分は異なる。天窓の例を図D.5に
示す。
図1−フレーム断面のキャビティ及び境界の扱い
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6.3.2 換気のない長方形のキャビティ
6.3.2.1 等価熱伝導率
キャビティの等価熱伝導率は,異方性をもつものである。図2に放射率ε1,ε2,ε3及びε4の四つのキャ
ビティ内表面をもつ寸法b×dの長方形キャビティを例示する。一般に等価熱伝導率は,図2で示される
方向1と方向2とで異なる。
キャビティの等価熱伝導率として使用する値は,方向1及び方向2の等価熱伝導率の大きい方とする。
この細分箇条では,6.3.2.2及び6.3.2.3とともに,方向1に対する等価熱伝導率の計算法を定める。
方向2に対する等価熱伝導率を計算するには,次の同じステップに従う。
・ dをbに置き換え,bをdに置き換える;
・ ε1及びε2の代わりにε3及びε4。
このキャビティ(密閉空気層)の方向1の等価熱伝導率(λeq)は式(1)によって算出する。
d
eq (1)
Rs
ここに, d : 方向1のキャビティの寸法,図2参照(m)
Rs : 式(2)によって与えられるキャビティの熱抵抗(m2・K/W)
1
Rs (2)
ha hr
ここに, ha : 対流熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hr : 放射熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
1 熱流方向1
2 熱流方向2
図2−長方形のキャビティ
6.3.2.2 対流熱コンダクタンス
対流熱コンダクタンス(ha)は次によって算出する。
――――― [JIS A 2102-2 pdf 8] ―――――
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b < 5 mmの場合,
a C1
h (3)
d
ここに, C1= 0.025 W/(m・K)
b ≧ 5 mmの場合,
C1 /1 3
ha max ;C2 T (4)
d
ここに, C1= 0.025 W/(m・K)
C2= 0.73 W/(m2・K4/3)
キャビティの最大表面温度差(K)
この規格に従った計算に対して 10 Kを用い,次によって算出する。
C1
ha max ;C3 (5)
d
ここに, C1= 0.025 W/(m・K)
C3= 1.57 W/(m2・K)
注記 より正確な対流熱コンダクタンスはISO 15099を参照。
6.3.2.3 放射熱コンダクタンス
放射熱コンダクタンス(hr)は次によって算出する。
1
1 1
hr 4 Tm3 1 (6)
E F
ここに, hr : 放射熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
σ : ステファンボルツマン定数5.67×10−8 W/(m2・K4)
E : 表面間の放射係数(−)
F : 長方形断面の形態係数(−)
1
1 1
E 1 (6')
1 2
ここに, ε1 : 図2に示す表面の放射率(−)
ε2 : 同上
2
1 d d
F 1 1 (6")
2 b b
ここに, b : 熱流に垂直な幅(m)
d : 熱流に平行な厚さ(m)
放射率の値は小数点以下2桁まで与えなければならない。その他の情報が入手できない場合は,ε1=ε2
=0.9を使用する。
注記1 金属表面に対する放射率データは,表A.3で与えられる。
この規格に従った計算に対してTm=283 Kを用い,次によって算出する。
.514
hr (7)
2
.0222
2
d d
1 1
b b
注記2 より正確な放射熱コンダクタンスは,附属書Eの文献[7]を参照。
――――― [JIS A 2102-2 pdf 9] ―――――
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6.3.3 換気のない長方形以外のキャビティ
長方形以外のキャビティ(T形,L形など)は,同一の面積(A=A')と同一のアスペクト比(d/b=d'/b')
をもつ長方形のキャビティに変換し,6.3.2を適用する(図3参照)。
記号
A 等価な長方形のキャビティの面積(m2)
d,b 等価なキャビティの厚さと幅(m)
A' 実際のキャビティの面積(m2)
d',b'この空間を取り囲む最小の長方形の厚さと幅(m)
εi 実際のキャビティの外周面iの放射率(−)
d'i 実際のキャビティの外周面iの長さ(m)
ε 等価な放射率(−)
図3−長方形以外のキャビティの変換
変換は,次の式で算出する。
b
b A (8)
d
d
d A (9)
b
等価な長方形の四つの面の各放射率は,対応する方向をもつ周囲部の放射率の面積加重平均によって決
定しなければならない(図3参照)。
d1 1 d2 2
(pdf 一覧ページ番号 )
d1 d2
一方の寸法が2 mm以下のキャビティ又は2 mm以下の断面を連結部としてもつキャビティは,分離し
ていると見なさなければならない(図4参照)。
――――― [JIS A 2102-2 pdf 10] ―――――
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JIS A 2102-2:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/FDIS 10077-2:2010(MOD)
JIS A 2102-2:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 2102-2:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0202:2008
- 断熱用語
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
- JISR3107:2019
- 建築用板ガラスの熱貫流率の算定方法