JIS B 0090-14:2010 光学素子及び光学システム用の製図手法―第14部:波面形状公差 | ページ 2

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B 0090-14 : 2010 (ISO 10110-14 : 2007)

5.2 コード番号

  波面形状公差のコード番号は,“13/”とする。

5.3 指示方法

  指示は,次の三つのうち一つを使用する。
− 13/A (B/C);λ=E
− 13/A (B/C) MSx (xは,JIS B 0091の3.3に規定するt,i又はaのいずれか)
− 13/―RMSx (xは,JIS B 0091の3.3に規定するt,i又はaのいずれか)
λ=546.07 nmの場合,“λ=E”(3種類の形式の最後に指示する項目)は省略することができる。
量Aは,次のいずれかである。
a) (シングルパス相当の)サジッタ偏差の最大許容値
b) サジッタ偏差の公差を指示していないことを示す横線“―”。
量Bは,次のいずれかである。
a) (シングルパス相当の)イレギュラリティの最大許容値
b) イレギュラリティ公差を指示していないことを示す横線“―”。
量Cは,(シングルパス相当の)回転対称なイレギュラリティの許容値である。この公差を指示しない
場合は,斜線“/”を,閉じる括弧“)”で置き換える。すなわち,13/A (B)とする。
公差を三つの波面形状の形式(A,B,C)のどの形式でも指示しない場合は,A,B,C,斜線“/”及び
括弧“)”は,一つの横線“─”で置き換える。すなわち,13/─とする。
量Dは,xで指示する形式のrms量の最大許容値である。ここに,xは,t(全rms),i(rmsイレギュラ
リティ)又はa(rms回転非対称なイレギュラリティ)のいずれかの文字である。これらの三つの偏差の定
義はJIS B 0091の3.3.5,3.3.6及び3.3.8による。一つ以上の形式のrms偏差を指示してもよい。これらの
指示は,箇条6の例7に示すように“;”(セミコロン)で分離する。
量Eは,波面形状を指示するための波長である。
波面形状公差は,光学的有効範囲内に適用する。ただし,光学的有効範囲よりも小さな,任意の被検領
域を,光学的有効範囲内のいずれの位置についても適用する場合には,公差表示に被検領域の直径を次の
ように追記する。
− 13/A(B/C) MSx 箇条6の例4参照。

5.4 位置

  位置は,該当する光学素子への引出し線によって指示する。
図1に示すように,光軸からの引出し線とともに指示してもよい。
光軸と光学素子の面法線とが一致しない場合は,光軸に垂直な断面における被検領域の波面形状を指示
する必要がある。
この場合は,波面形状の指示と被検領域とを関連付けなければならない(図2参照)。
複数の測定経路に沿った透過波面形状の指示を必要とする光学素子群に対しては,図3に示すように,
各測定経路を参照文字で指示しなければならない。波面形状の指示は,図3に示すように,入射と出射と
の測定経路の文字と関連付ける。

――――― [JIS B 0090-14 pdf 6] ―――――

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単位 mm
a)
b)
図2−測定領域に波面形状公差を関係付けている指示例
図3−複数の測定経路をもつ素子の波面形状公差の指示例

――――― [JIS B 0090-14 pdf 7] ―――――

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B 0090-14 : 2010 (ISO 10110-14 : 2007)

5.5 物点の位置の指示

  発散光又は収束光では,物点の位置を,図面に指示する(図4参照)。
図1,図2及び図3に示すように,物点の位置の指示がない場合は,平行光(平面波面)を意味する。
単位 mm
図4−物点の位置の指示例

5.6 像点の位置の指示

  像点の位置の指示は,寸法公差とともに指示してもよい。像の位置を指示する場合は,指示した位置に
関連付けた文字“im”によって,物体の位置と区別しなければならない(図5参照)。
注記 この公差を満たす限度の大きさであるサジッタ偏差は,像の位置を指示しない限り意味のある
ものではない。検査する光学システムの像の位置の指定に制限がない場合には,参照球面は近
似球面の波面と一致しており,サジッタ偏差は,ゼロであるとみなす。
単位 mm
図5−物点及び像点の位置の指示例

5.7 目標収差の指示

  ISO/TR 14999-2の附属書Aに定義された多項式の収差の一つ以上についての目標値を,用語“目標収差”
(“Target”)に続けて指示することができる。目標収差の指示の形式は,次による。
Ci 値

――――― [JIS B 0090-14 pdf 8] ―――――

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ここに, i : 求める多項式の項を特定する指数
値 : 目標の数値
(箇条6の例8を参照。)

6 公差指示の例

  この規格による図面への公差指示の例及びその説明は,次による。
例1 13/−(1);λ=632.8 nm
イレギュラリティは,シングルパス波面形状で1波長以下である。サジッタ偏差の公差は,
指示しない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nmである。
例2 13/5(−) MSi<0.05;λ=632.8 nm
(像点の指示を指示した寸法公差に対応する量に加えた)サジッタ偏差の公差は,シングル
パス波面形状で5波長である。イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な
公差は,指示しないが,rmsイレギュラリティはシングルパス波面形状で0.05波長未満でなけ
ればならない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nmである。
例3 13/600 nm (300 nm/150 nm);λ=632.8 nm
サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で600 nmである。全イレギュラリティは
300 nm以下である。回転対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状で150 nm以下で
ある。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nmである。
例4-a 13/3 (1/0.5) (allφ30)
波面形状公差は,直径30 mmの被検領域が光学的有効範囲内のいずれの位置にあっても適用
する。サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で3波長である。全イレギュラリティは,
シングルパス波面形状で1波長以下である。回転対称なイレギュラリティは,シングルパス波
面形状で0.5波長以下である。
例4-b 13/0.5―RMSi<0.05 (allφ12)
直径12 mmの被検領域が光学的有効範囲内のいずれの位置にあっても,(シングルパス)サ
ジッタ偏差は0.5波長以下である。また,rmsイレギュラリティは,シングルパス波面形状で
0.05波長未満でなければならない。
例5 13/3(1);λ=632.8 nm
サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で3波長である。全イレギュラリティは,シ
ングルパス波面形状で1波長以下である。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nmで
ある。
例6 13/―RMSt<0.07;λ=546.07 nm
サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し
ない。しかし,実際の波面と理論的波面の間の全rmsは,シングルパス波面形状で0.07波長未
満でなければならない。
例7-a 13/―RMSi<0.07;RMSa<0.03;λ=632.8 nm
サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し
ない。しかし,rmsイレギュラリティは,シングルパス波面形状で0.07波長未満でなければな
らない。またrms回転非対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状で0.03波長未満で
なければならない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nmである。

――――― [JIS B 0090-14 pdf 9] ―――――

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B 0090-14 : 2010 (ISO 10110-14 : 2007)
例7-b 13/―RMSt<0.07;RMSi<0.04
サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し
ない。しかし,実際の波面と理論的波面の間の全rmsは,シングルパス波面形状で0.07波長未
満でなければならない。また,rms回転非対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状
で0.04波長未満でなければならない。
例8 13/―(0.1);λ=632.8 nm
目標収差
8
C .124;
C15 .044
サジッタ偏差又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示しない。公称の理論的
波面は,参照球面に次の多項式を加えたものからなっている。
多項式 .124Z 8.044Z15
(この非球面の波面と比較した)イレギュラリティの公差は,シングルパス波面形状の0.1
波長である。すべての波面形状を規定する(目標収差を含む。)波長は,λ=632.8 nmである。
例9 CE : 13/3 (1)
CF : 13/1(0.2)
DE : 13/3 (1)
DF : 13/1(0.2)
図3に示すシングルパスの光線の経路CE及びDEの公差は,サジッタ偏差が3波長であり,
イレギュラリティが1波長である。シングルパスの光線の経路CF及びDFの公差は,サジッタ
偏差が1波長であり,イレギュラリティが0.2波長である。すべての波面形状を規定する波長
は,λ=546.07 nmである。
参考文献 ISO/TR 14999-1:2005 Optics and photonics−Interferometric measurement of optical elements and
optical systems−Part 1: Terms, definitions and fundamental relationships

JIS B 0090-14:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10110-14:2007(IDT)

JIS B 0090-14:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 0090-14:2010の関連規格と引用規格一覧