JIS B 0908:1991 振動及び衝撃ピックアップの校正方法―基本概念

JIS B 0908:1991 規格概要

この規格 B0908は、振動及び衝撃ピックアップの校正の方法について規定。感度を含むその他の特性の測定方法について規定。

JISB0908 規格全文情報

規格番号
JIS B0908 
規格名称
振動及び衝撃ピックアップの校正方法―基本概念
規格名称英語訳
Methods for the calibration of vibration and shock pick-ups -- Basic concepts
制定年月日
1991年8月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 5347-0:1987(IDT)
国際規格分類

ICS

17.160
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1991-08-01 制定日, 1996-02-01 確認日, 2001-09-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS B 0908:1991 PDF [19]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 0908-1991
(ISO 5347-0 : 1987)

振動及び衝撃ピックアップの校正方法−基本概念

Methods for the calibration of vibration and shock pick-ups−Basic concepts

日本工業規格(日本産業規格)としてのまえがき
この規格は,1987年第1版として発行されたISO 5347-0 (Methods for the calibration of vibration and shock
pick-ups−Part 0 : Basic concept) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”,“訳注”及び“参考図”は,原国際規格にはない
事項である。
0. 序文 振動及び衝撃の正確な測定に対する要求が高まるにつれて,振動及び衝撃ピックアップの校正
はますます重要性を増している。それらの校正のために幾つかの方法が用いられ,又は提案されている。
それらのうちの幾つかの方法をISO 5347のこの部に規定する。6.節には振動及び衝撃ピックアップの絶対
校正の方法を規定する。
この規格には振動及び衝撃ピックアップの両方の校正方法を規定する。これは,振動測定用と衝撃測定
用のピックアップを区別することが難しいことが技術的に立証されているからである。
この規格は,加速度,速度及び変位ピックアップの校正に限定する。力,圧力及びひずみ測定用ピック
アップは規定しないが,それらのうちのある種のものはこの規格の規定と同様な方法で校正することがで
きる。さらに,回転振動測定用のピックアップも除く。これは現在,この種のピックアップがごく少ない
ことと,校正の装置及び方法がこの規格に規定される並進ピックアップ用のものと多少異なるからである。
ISO 5347のこの部は,用語の定義及び基本的な絶対校正について規定する。さらに,振動及び衝撃ピッ
クアップの感度校正の種々の方法,並びに感度以外の特性を測定する方法について通則的事項を規定する。
校正の精度を明確にするために装置及び手順を詳細に記載しなければならない。校正の各方法に関するこ
の種の情報は,次に示すISO 5347の各部に示す。
Part 1 : Primary vibration calibration by laser interferometry
Part 2 : Primary shock calibration by light cutting
Part 3 : Secondary vibration calibration
Part 4 : Secondary shock calibration
Part 5 : Calibration by Earth's gravitation
Part 6 : Primary vibration calibration at low frequencies
Part 7 : Primary calibration by centrifuge
Part 8 : Primary calibration by dual centrifuge

――――― [JIS B 0908 pdf 1] ―――――

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B 0908-1991 (ISO 5347-0 : 1987)
Part 9 : Primary vibration calibration by comparison of phase angles
Part 10 : Primary calibration by high impact shocks
Part 11 : Testing of transverse vibration sensitivity
Part 12 : Testing of transverse shock sensitivity
Part 13 : Testing of base strain sensitivity
Part 14 : Resonance frequency testing of undamped accelerometers on a steel block
Part 15 : Testing of acoustic sensitivity testing
Part 16 : Testing of mounting torque sensitivity
Part 17 : Testing of fixed temperature sensitivity
Part 18 : Testing of transient temperature sensitivity
Part 19 : Testing of magnetic field sensitivity
備考 以上に示す各部のほかに目下研究中のものがある。
ピックアップはそれ自身を単独で校正することができる。それは接続ケーブル及び/又は調
整装置を含んでもよい。校正系は常に正確に記載しなければならない。
文章の末尾又は途中に記載してある角括弧内の番号は,参考文献の番号を引用している。
1. 適用範囲 この規格は振動及び衝撃ピックアップの校正の方法について規定するほか,感度を含むそ
の他の特性の測定方法について規定する。
絶対校正方法のうち,6.2.1に推奨できる方法を規定する。振動及び衝撃の比較校正方法についても規定
する(6.3参照)。より詳細な事柄については,ISO 5347の他の部で規定する。
2. 適用分野 ISO 5347-0は,連続して出力を発生する並進加速度,速度及び変位ピックアップに適用し,
信頼性及び再現性のある結果が得られる校正方法を規定する。
この規格は,回転振動ピックアップの校正には適用できない。
3. 引用規格
ISO 1101 Technical drawings−Geometrical tolerancing−Tolerancing of form, orientation, location and
run-out−Generalities, definitions, symbols, indications on drawings
ISO 2041 Vibration and shock−Vocabulary
参考 JIS B 0153 機械振動・衝撃用語 参照
ISO 2954 Mechanical vibration of rotating and reciprocating machinery−Requirements for instruments for
measuring vibration severity
参考 JIS B 0907 回転機械及び往復動機械の振動−振動シビアリティ測定器に関する要求事項
参照
4. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,ISO 2041によるほか,次による。
4.1 測定する機械的運動(例えば,ある方向の加速度)を,容易に測定又は
ピックアップ (pick-up)
記録できる量に変換する装置。
備考 ピックアップは,増幅器,必要な動作電力を供給する電源,その他必要な回路,出力の指示又
は記録などのための補助装置を含んでもよい。

――――― [JIS B 0908 pdf 2] ―――――

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B 0908-1991 (ISO 5347-0 : 1987)
4.1.1 動作範囲 (operating range) 規定されている公差の限界内で,線形ピックアップとして動作する
振動数及び振幅の範囲。
4.1.2 発生した力に対する加えた電流の比(速度が0になるよ
可逆ピックアップ (reciprocal pick-up)
うにピックアップを拘束したとき)が,発生した電圧に対する加えた速度の比(電流が0になるようにピ
ックアップを開回路にしたとき)に等しいピックアップ。例えば,電磁形ピックアップ及び圧電形ピック
アップ。
4.1.3 電気的励振が機械的効果を引き起こさない,例えば,
非可逆ピックアップ (unilateral pick-up)
変換素子にひずみゲージを用いたピックアップ。
4.2 入力信号 (input signal) ピックアップの入力側に加える信号。例えば,ピックアップの取付面に加
える加速度。
4.3 出力信号 (output signal) 与えられた入力信号に応じてピックアップに発生する信号。
4.4 感度 (sensitivity)線形ピックアップの取付面に,規定された受感軸に平行な正弦励振を加えたと
きのピックアップ入力に対する出力の比。通常,感度は振幅及び位相の両方の情報を含む。したがって,
振動数によって変わる複素量である。正弦入力運動は,次の式で表す。
d d exp j t 1
d cos t 1 jsin t 1 (1)
u j d u exp j t 1
2
u cos t 1 jsin t 1 (2)
2 2
a j u a exp j t 1
cos
a t 1 jsin t 1 (3)
x exp j
x t 2
cos
x t 2 jsin t 2 (4)
ここに. d : 変位の複素量
u : 速度の複素量
a : 加速度の複素量
x : 出力の複素量
d : 正弦変位のピーク値
u : 正弦速度のピーク値
a : 正弦加速度のピーク値
角振動数
び 位相角
t : 時間
j : 虚数単位
変位感度Sd(出力信号/m)は,次の式で表す。
x
Sd Sd exp j 1 2 (5)
d
ここに, x : 変位感度の大きさ
Sd
d

――――― [JIS B 0908 pdf 3] ―――――

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B 0908-1991 (ISO 5347-0 : 1987)
( 位相遅れ
速度感度Su[出力信号/ (m/s)]は,次の式で表す。
x
Su Su exp j 1 2 (6)
u 2
ここに, : 速度感度の大きさ
x
Su
u
: 位相遅れ
1 2 2
加速度感度Sa[出力信号/ (m/s2)]は,次の式で表す。
x
Sa Sa exp j 1 2 (7)
a
ここに, : 加速度感度の大きさ
x
Sa
a
( 位相遅れ
通常,変位ピックアップに対して変位感度,速度ピックアップに対して速度感度,加速度ピックアップ
2の関数である。
に対して加速度感度を求める。一般に,振幅及び位相角は,振動数f=
備考 変位,速度又は加速度ピックアップの場合に,振動数が零に近づくとき,それぞれの感度が零
にならないピックアップは零振動数応答(直流応答)があるという。一定加速度での感度は,
0( 振動数)での感度に相当し,位相遅れは零である。零振動数応答をもつピックア
ップの例としては,変換素子にひずみゲージ,ポテンショメータ,差動変圧器,力平衡(サー
ボ)又は可変リラクタンス回路を用いたピックアップがある。圧電形又は動電形ピックアップ
のようなサイズモ式ピックアップは,零振動数応答がないものの例である。
4.5 横感度比 (transverse sensitivity ratio, TSR)ピックアップの受感軸が入力と同じ方向に向いてい
るときの出力に対する,受感軸が入力に直角に向いているときの出力の比。
4.6 振動発生機 (vibration generator) 制御された運動をピックアップの取付面に加えるための装置。
備考 振動発生機を,励振機又は加振機ともいう。
5. 測定すべき特性
5.1 一般 ピックアップの校正の本来の目的は,ピックアップの受感軸に対して,その振幅及び振動数
範囲の校正係数を求めることである。
また,他の5自由度の運動に対する応答を知ることが重要である。例えば,並進加速度ピックアップに
ついては,受感軸に直角な方向の運動及び回転運動について応答を知ることが望ましい。その他の重要な
要素として,減衰,位相遅れ,非直線性(運動の振幅による応答の変化),温度及び圧力の変化の影響及び
接続ケーブルの運動のような外部的条件がある。
5.2 直接応答

――――― [JIS B 0908 pdf 4] ―――――

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B 0908-1991 (ISO 5347-0 : 1987)
5.2.1 振動数応答及び位相応答 振動発生機の運動の方向にピックアップの受感軸が平行になるように
ピックアップを置き,振動発生機によって加える運動,すなわち入力及びそのピックアップの出力を測定
することによってピックアップの感度を得る。連続指示方式及び最大値指示方式のピックアップはともに,
振幅及び振動数成分がそのピックアップの動作範囲内にある過渡励振で校正することもできる。共振の検
出に当たっては,振動発生機の振動数を,ピックアップの振動数範囲内でゆっくりと連続的に変えてピッ
クアップの出力を観測するのがよい。一般には,振幅感度校正に関する情報だけが振動数の関数として得
られる。しかしながら,振動ピックアップを,その振動数範囲の上限若しくは下限に近い振動数で用いる
とき,又は特別な用途に供するときは,位相応答が要求されることがある。位相応答は必要な振動数範囲
内で出力信号と機械的励振との間の位相遅れを測定して求める。
5.2.2 非直線性 ピックアップの出力の直線性からの偏差(振幅ひずみ)は,入力振幅をピックアップの
設計上の最小値から最大値へ増加させたときの出力振幅を測定して決定する。正弦振動発生機を使用する
とき,直線性の測定は幾つかの振動数で繰り返すことが望ましい。
非直線性には,いろいろな形態がある。ピックアップの感度は,振幅が大きくなるにつれて変化する場
合がある。ピックアップに振動又は衝撃を加えた場合,零点の変化を引き起こす永久的な変化が発生する
場合があるが,ピックアップの非直線性が急に増大することもある。
ピックアップの非直線性の形態及び大きさは,そのピックアップの振幅ひずみによって,又は共振曲線,
位相遅れ及び減衰を,理想化されたピックアップのそれと比較して表す。直線性からの許容偏差は,ピッ
クアップがどのような測定に使用されるかによって決定する。ピックアップの有効動作範囲の上限におい
て非直線性か発生することか多い。
5.3 スプリアス応答
5.3.1 温度依存性 多くのピックアップの感度,減衰比及び共振振動数は温度の関数として変化する。通
常は比較方法を用いて温度特性の校正を行う。標準ピックアップと供試ピックアップとを同一軸線上に取
り付ける。恒温槽の内側に供試ピックアップを置き,標準ピックアップは温度変化から保護するために恒
温槽の外側に置くか,又は校正中の周囲温度に対して感度の変化が2%以内に収まるように置く。振動発
生機は横運動が軸方向運動の25%未満であることが確認されている振動数以外では使用しない。校正を行
う振動数において,供試ピックアップと標準ピックアップとの間の相対運動が無視できるよう,振動発生
機の選定及び取付具の設計を行う。
温度特性の校正を行うための別の方法では,恒温槽の内側にある適当な取付具に標準ピックアップ及び
供試ピックアップを取り付ける。この校正方法は標準ピックアップの応答が既知である温度範囲に制限さ
れる。
静的加速度に応答するピックアップについては,最高温度及び最低温度において零点不平衡を測定する。
臨界減衰の10%より大きな減衰をもつピックアップの場合は,一つの振動振幅について四つ以上の振動
数及び室温に加えて四つの温度について校正することが望ましい。この方法は,コイルの作用を利用する
動電形のようなピックアップにも同様に適用できる。校正する振動数は,使用する振動数の範囲全域から
選ぶ。
圧電形ピックアップの内部静電容量及び内部抵抗の測定は,最高校正温度で安定した後に行わなければ
ならない。
最高校正温度において,使用増幅器の低振動数応答に影響するほど圧電形加速度ピックアップの内部抵
抗が低いときは,最高校正温度における低振動数応答の校正を行うことが望ましい。振動数応答を適切に
描けるように多くの振動数を選ばなければならない。校正は,校正する加速度ピックアップとともに用い

――――― [JIS B 0908 pdf 5] ―――――

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