JIS B 0908:1991 振動及び衝撃ピックアップの校正方法―基本概念 | ページ 3

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B 0908-1991 (ISO 5347-0 : 1987)
図2 干渉計による測定系の例
6.2.2 相反定理による校正([4],[6],[7]及び[8]参照) 一次校正は相反定理による校正の手法(訳注 :
相反法)を用いて行うこともできる。相反定理は,ピックアップの電気出力が校正に使用する振動発生機
の振動に直線的に比例する振幅範囲で,振動標準の校正に適用できる。この理論は,振動発生機の駆動コ
力 電位差
イルで,電流 と速度 とが等しいという相反関係を示している。
特定の振動数において,校正器の駆動コイルに電流が流れるとき,感度Sucは,取付テーブルの表面に
おける速度U (m/s) に対する速度検出コイルの電位差E13 (V) の比として,次の式(8)で定義される(参考
図1参照)。
E13
Suc (8)
U
相反法の目的は感度Sucを求め,電位差E13を測定することによって式(8)から速度Uを算出することで
ある。
なお,感度Sucは,次の式によって求められる。
Suc=S0+szZm (9)
ここに,Zmはピックアップの機械インピーダンス [N/ (m/s) ] である。
S0及びszは,次の二つの実験及び計算手順で求める。
実験1 数個のおもりを取付テーブルに取り付ける。各々のおもりを取り付けたとき,及びおもりを取
り外したときの,駆動コイルと速度検出コイルとの間の伝達アドミッタンスYe (A/V) を測定する。伝達ア
ドミッタンスは,次の式によって与えられる。
I
Ye (10)
E13
ここに, I : 駆動コイルの電流 (A)
E13 : 速度検出コイルに生じる電位差 (V)
実験2 校正器の取付テーブルを別の振動発生機に結合し,その振動発生機によって校正器の可動部に正
弦振動を加える(1)。

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注(1) 振動発生機の駆動部及び取付テーブルに機械的に結合した二つの駆動コイルをもつ動電形振動
発生機がある。この場合は別の振動発生機を必要としない。
Eを測定す
13
駆動コイルに生じる開回路電位差E15する速度検出コイルに生じる電位差E13の比 E15
る。
W
ewY
計算手順 実験1で取付テーブルに取り付けたおもりの質量に対して描かれる関数 Y の縦軸との交点J
e0
及びそのこう配Qを決定する。ここにYewは質量Wのおもりを取り付けたときのYeの値であり,Ye0はW
W
ewY
=0のときの値である。Y は実部及び虚部に分けられる。これによってJ及びQの実部及び虚部を決定
e0
する。式(9)のS0及びszは,次の式によって与えられる。
j JE13
S0 (11)
E15
E13
Sz Q (12)
j JE15
ここに, 角振動数 (rad/s)
j : 虚数単位
6.2.3 遠心機による校正
6.2.3.1 単一遠心機 鉛直軸の周りを一定の角速度で回転するつり合わせたテーブル又はアームで遠心
機を構成する。この装置を用いて,必要な時間の一定の加速度を加速度ピックアップに加えることができ
る。質量が数キログラムのピックアップに,6×105m/s2程度までの加速度を加える能力がある遠心機がつ
くられており,より小さい定格加速度の遠心機も市販されている。
零振動数応答がある並進加速度ピックアップだけが,遠心機で校正することができる。校正を行うには,
加速度ピックアップを遠心機の取付台又はアームに取り付けなければならない。そのとき,加速度ピック
アップの受感軸を正確に回転円の半径方向に向ける。ピックアップに加わる加速度a (m/s2) は,次の式に
よって与えられる。
a= (13)
ここに, 遠心機の角速度 (rad/s)
r : 回転軸からピックアップの質量要素の重心までの距離 (m)
ピックアップの質量要素の振れがrの大きさに比較して無視できるような位置に,ピックアップを取り
付けることが必要である。
多くのピックアップはrを直接測定するのは容易でない構造になっている。rの値は,ピックアップを
既知の距離 爰 冖 れた2点に取り付け,遠心機上で回転しているときのピックアップ出力から求めるこ
とができる。2点においてピックアップに同じ値の加速度が加えられるように速さを調整するのがよい。
r2で示される第2の位置のrは,次の式で表される。
r
r2 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                2 x1
1 2
1 x2
ここに, r=r1=r2− 爰 R の位置における角速度 (rad/s)
r=r2である第2の位置における角速度 (rad/s)
x1 : 角速度 ックアップ出力
x2 : 角速度 ックアップ出力
このr2及び角速度 いて,式(13)から加速度を求めることができる。
重力の加速度gまでの直線範囲をもつピックアップの場合は,rの決定を省略することができる。この

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ような場合には,まず,傾斜台によって,±gでピックアップを校正する。次にピックアップを遠心機に
取り付け,gに相当する出力のときの角速度 0 速度 速度は,次の式
による。
2
a g 21

(pdf 一覧ページ番号 )

  加えられる加速度は角速度の二乗に比例するから,角速度               向の距離rよりも正確に求める。
校正用に設計された多くの遠心機は,約2%以内の精度で回転数を直示する回転計を備えている。ストロ
ボスコープ法又は速さに比例した数のパルスを発生する他の装置(例えば,光電池又は磁石を使用した装
置)を使用すれば,より正確な回転数を求めることができる。電子式カウンタでパルスの周波数を求める
ことができる。
遠心機で電気機械ピックアップを校正する場合,スリップリング及びブラシを介して電流を通す。零振
動数応答をもつ加速度ピックアップは,比較的低インピーダンスの装置であるから,外界からの遮へい及
びケーブル雑音については特に問題はない。通常の環境では,よくなじんだスリップリング装置からの電
気的雑音は無視できる。しかし,検出素子としてひずみゲージを用いる加速度ピックアップは一つ又は二
つの能動素子を内蔵し,ホイートストンブリッジ回路内の一部の抵抗は外部に設置される。このようなピ
ックアップの場合には,スリップリング装置の抵抗の小さな変化によって生じる誤信号を避けるために,
回転テーブル上に全体のブリッジ回路を構成することが望ましい。ホイートストンブリッジ回路の代わり
にケルビンブリッジ回路を使用してもよい。
小さな加速度でピックアップを校正するとき,横加速度に感じやすいピックアップの場合は,重力は校
正に有意な効果をもたらす。できる限り,ピックアップの横感度が最大となる軸が水平面上にあるように
ピックアップを遠心機に取り付けることが望ましい。
振動数0において加速度ピックアップの感度を1%又はそれより高い精度で決定することができる遠心
機もある。遠心機による校正の場合は,ピックアップの有効振動数範囲の情報は得られない。
6.2.3.2 傾斜遠心機 遠心機の回転軸が地球の重力ベクトルと平行でないときは,遠心機に取り付けられ
たピックアップに加えられる加速度は,重力成分gsin 椀 ‰ 懿 これに求心加速度 爰
ここに, 転軸と鉛直軸との間の角である。ばね−質量系で近似されるピックアップに加わる重力成
分の影響は[9]で議論されている。r=0で そのピックアップに正弦加速度を加えること
ができる。この場合,重力による加速度は最小の不確かさで決定することができる。もちろん,回転によ
って発生する振動数とは関係なく,限界は±gである。最大振動数はその遠心機の構造と釣合状態によっ
て制限され,一般に数百ヘルツ未満である(参考図2参照)。
6.2.3.3 二重遠心機([10]参照) 二重遠心機は,大きな遠心機とその上に偏心して取り付けた小さな遠
心機とからなる(図3参照)。振動ピックアップAは小さな遠心機に取り付けて,独立に駆動するか又は
大きな遠心機と同心に空間に固定した滑車にベルトで結合する。二つの遠心機が一定角速度で駆動される
とき,ピックアップの受感軸は,ある振動数で大きな遠心機の中心に対して交互にその向きを変える。そ
の振動数 (Hz) は,大きな遠心機に対する小さな遠心機の回転数 (r/s) に等しい。ある時刻tにおけるピッ
クアップの受感軸に加わる加速度成分a (m/s2) は,次の式で表される。
a=rc r(
ここに, 大きな遠心機の角速度 (rad/s)
大きな遠心機に対する小さな遠心機の角速度 (rad/s)
rc : 二つの遠心機の中心間の距離 (m)

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r : ピックアップの質量要素の重心から小さな遠心機の中心まで
の距離 (m)
式(16)の複符号は, び 瀰 方向のときは正,反対方向のときは負である。
r( 溘 が無視できるとき,ピックアップの受感軸方向に加えられる加速度成分は,次の式(17)
のように正弦波になる。一方,高い横感度比をもつピックアップの場合は,この方法の適用を不可能にす
る受感軸に直角に加わる加速度成分も存在する。 び 瀰 地 方向反対なら ( 溘 は
る。
a=rc
この形式の二重遠心機が次のよくつくられるとき,式(17)によって,ピックアップの受感軸の方向の加
速度成分は正弦波になる。大きな遠心機と同心に一つの滑車を空間に固定する。同じ大きさのもう一つの
滑車を小さな遠心機と同心に固定し,ベルトによって上記の空間に固定した滑車と結合する。大きな遠心
機をモータで駆動する。両方の遠心機のそれぞれの中心に対する角速度は常に等しく,方向反対である。
二重遠心機は,0.710Hzの振動数範囲で,500m/s2までの正弦加速度を加えるのに有効である。
図3 二重遠心機
6.2.3.4 傾斜台校正器 傾斜台校正器は零振動数応答をもち,地球の重力を利用して横感度が無視できる
並進加速度ピックアップの校正に使用する。−gから+gまでの範囲にわたって有効である。校正するピッ
クアップをアームの取付台に取り付ける(参考図3参照)。アームの鉛直に対する角 の範
囲に設定することができる。アームには,目盛円盤で,角 み取る指針を備えている。 替 0の位置で,
ピックアップを取り付けた台を正確に水平に調整するように注意することが望ましい。正確な目盛円盤に
よって±0.1°以上のよい精度でアームの位置決めが可能である。
アームの方向の加速度成分は,次の式によって与えられる。
a=gcos (18)
角 化 速度の変化は次の式のようになる。
懿 −gsin 曰 (19)
加速度ピックアップには,受感軸に直角な方向に,式(20)に等しい加速度成分が加わる。
at=gsin (20)

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通常,この成分は横感度が無視できるピックアップの校正結果には影響を及ぼさない。
備考 満足できる校正結果を得るためには,試験装置の防振が必要な場合もある。電子式フィルタの
使用及び直流電圧検出装置における平均化は,校正台上の振動などの影響を減少させるのに有
効である。
6.2.4 衝撃校正方法 多くの絶対衝撃校正は,速度変化の原理に基づいている([6]及び[11]参照)。これ
は速度が実際に測定できる物理変数であるからである。通常は,校正されるピックアップを取り付けたア
ンビルを,停止位置に適当な方法でつり下げる([12]参照)。ある種のハンマでアンビルを打つと,アンビ
ルに過渡的な運動が生じる(参考図4参照)。衝突は,装置の応答範囲外に重要な振動数成分を生じさせな
いように,速度変化を制御しなければならない。校正される速度又は加速度ピックアップの質量は,取り
付けるアンビルの質量に比べて小さくなければならず,かつ,衝突の間の衝撃力の方向と受感軸方向とを,
正確に合わせることが望ましい。衝突の間,加速度ピックアップの出力対時間tの関係を記録する。衝突
後,直ちにアンビルの速度を測定する。
既知の距離をアンビルが通過する時間によって,速度を測定することができる。電気式タイマを始動す
るために,光電式又は磁気式ピックアップを使用することができる。その速度は衝突の間に加えられる加
速度によるものであって,次の式で表される。
1 t2
u at d (21)
t
ここに, 痿 速度の増分 (m/s)
a (t) : 時間的に変化する加速度 (m/s2)
t1 : 衝突の始めの時間 (s)
t2 : 衝突の終わりの時間 (s)
このとき,加速度ピックアップの出力er (t) は,次の式で表される。
er (t) =Sra (t) (22)
ここに,Srはピックアップの感度で,単位は[出力信号/ (m/s2) ]である。
式(21)と式(22)を結合して次の式を得る。
t2
er t dt
t1
Sr (23)
u
式(23)は,弾道衝突の間に記録される出力から線形加速度ピックアップの校正を可能にする。線形ばね
に衝撃を加えると,面積A=0.637hbの正弦半波パルスを生じる。ここに,h及びbはパルスの高さ及び幅
である。通常,衝撃発生機の種類に応じて,質量,衝突媒体,落下高さ,空気圧又はその他の物理的パラ
メータのような初期条件の変更によって,パルスの形状及び作用時間を調節する。
二つの方法(アンビルに対する衝突及び線形ばねに対する衝突)は,式(23)に必要な 田 霰
実際的である。高速オシログラフ又は記憶形オシロスコープ及び写真によって,衝突の間,時間の関数と
して加速度ピックアップの出力を記録することができる。記録に,校正された電位差信号ec,及び校正さ
れた時間信号tcを重ねることによって電位差及び時間の目盛を確かめることができる。電位差及び時間の
記録の振れがそれぞれyc及びxcであるとき,電位差及び時間の目盛係数K1及びK2は,次の式によって与
えられる。

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  • ISO 5347-0:1987(IDT)

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