5
B 1042 : 1998 (ISO 6157-2 : 1995)
3.3 裂けきず (Burst) 裂けきずは,金属の表面における開口である。
原因 裂けきずは,例えば鍛造時に,ナットの外部表面及びフランジ付きナットの外周部に,素材の表面欠陥の
ために発生する。
外観
限界 裂けきずが素材に起因するすじきずと関連して発生する場合,すじきずは面取り円にまで延びてもよいが
(3.4参照),裂けきずでは許されない。
側面の2平面の交線上に生じた裂けきずのために,対角距離が規格の最小値より小さくなってはならな
い。
側面と頂面又は底面との交線上の裂けきずの幅は, (0.25±0.02s) m(sは二面幅)を超えてはならない。
フランジ付きナットのフランジ円周部の裂けきずは,それが座面の直径dwの最小値を超えて延びておら
ず,かつ,その幅が0.08dc(dcはフランジの径)を超えていなければ許容される。
3.4 すじきず (Seam) すじきずは,材料の中の溶着していない開いたしわ状の,軸方向の表面欠陥で
ある。
原因 すじきずは普通,そのねじ部品の素材自体が本来もっているものである。
外観
限界 すじきずは,すべてのサイズのねじに対して,表面からの深さが0.05d(dはねじの呼び径)を超えなけれ
ば許容される。
――――― [JIS B 1042 pdf 6] ―――――
6
B 1042 : 1998 (ISO 6157-2 : 1995)
3.5 しわ (Fold) しわは,鍛造時にナットの表面に生じる金属の重なり合いである。
原因 しわは,ナットの鍛造時に,材料の移動によって直径が変化する部分若しくはその付近,又はナットの頂
面若しくは底面に形成される。
外観
限界 しわは許容されるが,フランジ付きナットのフランジ円周部と座面の交線上のしわは,座面へ延びてはな
らない。
3.6 ボイド (Void) ボイドは,鍛造又は据込み時に,金属が充満しきれなかったことによって起こるナ
ットの表面の浅い穴又はくぼみである。
原因 ボイドは,せん断時の欠けくずのこん跡か又は素材上のさびの形成によって発生する。このようなボイド
は据込み工程では縮小しない。
外観
限界 ボイドの深さh :
h≦0.02d(dはねじの呼び径) : 最大0.25mm
座面にあるボイドの総面積 :
d≦24mmのナットに対しては,座面面積の5%を超えてはならない。
d>24mmのナットに対しては,座面面積の10%を超えてはならない。
――――― [JIS B 1042 pdf 7] ―――――
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B 1042 : 1998 (ISO 6157-2 : 1995)
3.7 工具きず (Tool mark) 工具きずは,直線又は円弧状の,ごく浅い溝である。
原因 工具きずは,被加工物と製造工具の相対運動によって生じる。
工具きずは,大抵の場合,長さ方向に引き延ばされるか,又は円弧状となる。
外観
限界
座面上の工具きずは,JIS B 0601によって試験したとき,表面粗さRa=3.2 湎
の表面上の工具きずは許容される。
3.8 損傷 (Damage) 損傷は,ナットの任意の表面のへこみである。
原因 損傷[例えば,へこみ (dent) ,すりきず (scrape) ,打こん (nick) 及び溝 (gouge)]は,取扱いや輸送作業
時に,外からの作用によって生じる。
外観 損傷には,決まった幾何形状,位置又は方向はなく,外からの作用として識別できる。
限界 上に述べたような損傷は,使用性を損なわない限り,不合格と判定する理由とはならない。(3.の最初に規
定される要求事項も参照すること。)。
必要があれば,輸送中に生じる許容できない損傷を避けるため,特別な包装及び取扱い手順を用いても
よい。
4. 検査及び評価方法 サンプルの抜取りは,以下の手順を用いて,JIS B 1091によって実施する。
4.1 日常的受入検査 日常的な受入目的に対しては,製品がこの規格に合致するかどうかを確認するた
めに目視検査の一連の手順を用いてもよい。
4.2 非破壊試験 代表的なサンプルをJIS B 1091に従ってロットから抜き取り,倍率10倍の目視判定試
験,又は例えば磁気探傷試験若しくは渦流探傷試験のような他の適当な試験のいずれかを実施する。許容
できない表面欠陥が見つからなければ,そのロットは合格とする。使用者が全数検査を要求する場合には,
契約時にそのことを申し立てる。
4.3 破壊試験 表面の皮膜を除去した後,許容限界を超えるおそれがある表面欠陥が発見された場合に
は,破壊試験(JIS B 1085及びJIS B 1086参照)のために,最も重大な欠陥を有する部品を選ぶ。
4.4 判定試験 疑義が生じた場合の判定目的に対しては,ナットはJIS B 1086による拡張試験に合格し
なければならない。受渡当事者間の合意があれば,拡張試験のほかに,JIS B 1086による円すい形保証荷
重試験を実施してもよい。
4.5 評価 いずれかの製品に,目視検査で,焼割れ若しくはプリベリングトルク発生部のかしめ割れ,
又は限界を超える欠陥が発見されれば,そのロットは不合格と判定する。
――――― [JIS B 1042 pdf 8] ―――――
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B 1042 : 1998 (ISO 6157-2 : 1995)
いずれかの部品が,4.3及び4.4に規定される適当な破壊試験に合格しなかった場合,そのロットは不合
格と判定する。
JIS B 1042(締結用部品−表面欠陥 第2部 : ナット)改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 吉 本 勇 東京工業大学名誉教授
(幹事) 萩 原 正 弥 名古屋工業大学
大 橋 宣 俊 湘南工科大学
中 嶋 誠 通商産業省機械情報産業局
本 間 清 工業技術院標準部
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
稲 葉 元 成
新 井 正 日産自動車株式会社
華 井 智加朗 トヨタ自動車株式会社
田 仁 哲 社団法人日本工作機械工業会
辻 義 克 社団法人日本電機工業会
深 沢 一 男 株式会社フカサワ
田 中 誠之助 株式会社佐賀鉄工所
山 田 輝 一 株式会社フセラシ
高 橋 利 夫 株式会社サトーラシ
山 下 徳 郎 株式会社浅川製作所
伊 藤 隆 彦 株式会社青山製作所
中 村 智 男 日本ねじ研究協会
(解説作成者) 萩 原 正 弥
JIS B 1042:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6157-2:1995(IDT)
JIS B 1042:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.20 : ナット
JIS B 1042:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB1052:1998
- 鋼製ナットの機械的性質
- JISB1056:2019
- 締結用部品―プリベリングトルク形鋼製ナット―機能特性
- JISB1085:1995
- ナットの円すい形保証荷重試験
- JISB1086:1998
- ナットの拡張試験
- JISB1091:2003
- 締結用部品―受入検査