この規格ページの目次
- 6 非圧縮性流体に対するサイジング式
- 6.1 乱流
- 6.2 差圧
- 6.3 非乱流(層流及び遷移領域での流れ)
- 7 圧縮性流体に対するサイジング式
- 7.1 一般
- 7.2 差圧
- 7.3 比熱比係数,Fγ
- 7.4 膨張係数,Y
- 7.5 圧縮係数,Z
- 7.6 非乱流(層流及び遷移領域での流れ)
- 8 非圧縮性及び圧縮性流れに共通の補正係数
- 8.1 種々の配管形状係数,(FP,FLP及びxTP)
- 8.2 配管形状係数,FP
- 8.3 継手を接続する場合の液体圧力回復係数と配管形状係数との組合せ係数,FLP
- JIS B 2005-2-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS B 2005-2-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS B 2005-2-1:2019の関連規格と引用規格一覧
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B 2005-2-1 : 2019 (IEC 60534-2-1 : 2011)
称容量係数に及ぼす影響は重要になる。この影響を明確に説明するために補正係数を導入する。さらに,
係数は,調節弁の流れの容量に影響を及ぼす流体の物性を考慮した幾つかの係数を導入する。
調節弁のサイジングにおいて,この規格に規定する関係式を用いて算出する容量係数は,図1に示すAB
間の全てのヘッド損失を含むものと仮定する。
l1=配管呼び径の2倍
l2=配管呼び径の6倍
図1−サイジングのための基準配管区間
6 非圧縮性流体に対するサイジング式
6.1 乱流
非圧縮性流体の乱流領域での基本的な流れのモデルは,式(1)による。
psizing
Q CN1FP (1)
1
0
注記1 数値定数N1は,一般的サイジング式に用いる単位及び容量係数であるKv又はCvによる。
注記2 バルブに隣接した配管の径が同じ場合,配管形状係数FPは1とする。評価及び追加情報は,
8.1を参照。
この流れのモデルによって,非圧縮性流体を扱う調節弁に対する流量,容量係数,流体の物性,関連す
る取付けの係数及び流体条件の間での関係が明確になる。式(1)は,Q,C,Δpのうち与えられた二つを使
って,Q,C,Δpのいずれかを計算するために使用する。
この流れのモデルは,厳密には単一成分,単相流(多相混合流でなく,多成分の混合流でもない。)に限
って適用する。ただし,ある条件下では,この流れのモデルを,液相の多成分の混合流に対しても使用し
てもよい。次の条件に合う液−液混合流体が,この流れのモデルの基礎になる前提を満足するためである。
・ 均質な混合物
・ 化学的及び熱力学的に平衡な混合物
・ 流れの全プロセスの状態は,多相状態から十分に離れて発生している。
これらの条件を満足したとき,流体密度ρ1を混合流の密度に置き換えることで式(1)が適用できる。
――――― [JIS B 2005-2-1 pdf 6] ―――――
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6.2 差圧
6.2.1 サイジング差圧,Δpsizing
流量の予測又は必要容量係数の計算では,式(1)で使用する差圧の値は,実際の差圧又は閉塞差圧の小さ
い方の値とする。
p if p< pchoked
psizing (2)
pchokedif p≧ pchoked
6.2.2 閉塞状態での差圧,Δpchoked
上流圧力が一定の下で,差圧が更に増加しても,調節弁を通過する流量が増加しない状態を“閉塞流れ”
と呼ぶ。このような現象が起こる場合の圧力降下を,閉塞差圧と定義し,式(3)による。
2
FLP
pchoked p1 FF pv (3)
FP
2
FLP F
注記 バルブ径と隣接した配管径が同一の場合, は,FL2となる。詳しくは8.1参照。
P
6.2.3 液体臨界圧力比係数,FF
FFは,液体臨界圧力に対する補正係数である。この補正係数は,入口温度における液体の蒸気圧に対す
る閉塞流れ条件での見掛けの最縮流部圧力の比である。蒸気圧が0に近い場合,この補正係数は0.96であ
る。既知のFFの値は,ユーザが与えてもよい。単一成分の流体においては,FFの値は図D.3の曲線から求
めるか,又は式(4)で近似してもよい。
pv
FF .096 .028 (4)
pc
多成分混合流れの閉塞の初生を表すために式(4)を使用するには,フラッシングモデルに現れる適切な状
態パラメータを適用できるかどうかで決まる。
6.3 非乱流(層流及び遷移領域での流れ)
式(1)で表した流れのモデルは,完全に発達した乱流に限って適用する。特に流量がかなり少ないか,又
は,流体粘度がかなり大きい場合には,非乱流条件になる。式(1)の適用可能性を確認するためには,バル
ブレイノルズ数[式(23)参照]の値を計算する。Rev≧10 000で式(1)を適用する。非乱流状態の場合,附属
書Aに基づき計算する。
7 圧縮性流体に対するサイジング式
7.1 一般
圧縮性流体の乱流領域での基本的な流れモデルは,次の式で与える。
W CN6FPY xsizing p1
1 (5)
このモデルは,圧縮性流体を扱う調節弁について,流量,容量係数,流体の物性,関連する取付けの要
因及び流体条件の関係を定めている。従来使用しているデータ形式に適応するように,式(5)に等価な二つ
の式を示す。
――――― [JIS B 2005-2-1 pdf 7] ―――――
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B 2005-2-1 : 2019 (IEC 60534-2-1 : 2011)
xsizingM
W CN8FP p1Y (6)
T1Z1
xsizing
Qs CN9FP p1Y (7)
MT1Z1
注記 Mの値は,附属書Dを参照。
式(6)は,理想気体の状態方程式から計算した流体密度を式(5)に代入して導く。式(7)は,標準容積単位で
の流量を表す。式(5)式(7)は,三つの量のうちいずれか二つを与えて,必要な容量係数,流量又は動作差
圧の計算に使用する。
7.2 差圧
7.2.1 サイジング圧力降下比,xsizing
流量を予測し,又は要求する容量係数を計算するには,式(5)式(7)の中で使用する圧力降下比の値とし
て,実際の圧力降下比と閉塞圧力降下比とのうちで小さい方の値を使用する。
x if xxsizing (8)
xchokedif x≧ xchoked
ここに,
p
x 1p
(pdf 一覧ページ番号 )
7.2.2 閉塞圧力降下比,xchoked
閉塞圧力降下比は,圧力降下比を増加しても流量が増加しなくなる圧力降下比であり,次の式で与える。
xchoked=FγxTP (10)
注記 弁呼び径及び接続配管呼び径が同一の場合,xTPはxTとなる。詳細は8.1参照。
7.3 比熱比係数,Fγ
係数xTは,比熱比1.40の流動流体として大気圧に近い空気を基準としている。流体の比熱比が1.40で
ない場合には,係数Fγを用いてxTを補正する。比熱比係数は,次の式を用いて計算する。
Fγ (11)
1.40
注記 γ及びFγの値については,附属書Dを参照。
式(11)は,完全気体の状態変化を仮定し,空気及び蒸気試験に基づくオリフィスプレートのモデルを調
節弁に拡張して,創出した式である。1.08<γ<1.65の範囲での前述モデルの解析によって,式(11)が表す
線形モデルを得る。この範囲内では,元来のオリフィスモデル及び他の理論モデルと式(11)との差は小さ
い。しかし,この範囲外では,式(11)の誤差が大きくなる。最大の精度を得るためには,このモデルに基
づく流れ計算は,比熱比をこの範囲に限定し理想気体の状態変化に限って適用するのがよい。
7.4 膨張係数,Y
膨張係数Yは,流体がバルブの入口からベナコントラクタ(噴流面積が最小となるオリフィスのすぐ下
流側に位置する。以下,縮流部という。)まで通過するときの密度の変化を表す。Yは,また,差圧が変化
したときの縮流部面積の変化を表している。
理論的には,Yは次の全ての事項の影響を受ける。
a) ボディ入口面積に対するポート面積比
――――― [JIS B 2005-2-1 pdf 8] ―――――
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B 2005-2-1 : 2019 (IEC 60534-2-1 : 2011)
b) 流路の形状
c) 差圧比x
d) バルブレイノルズ数Rev
e) 比熱比γ
上記a),b),c)及びe)による影響は,空気試験によって確定する差圧比係数xTで表す。このxTについて
は,8.4に規定する(JIS B 2005-2-3参照)。
レイノルズ数は,調節弁最縮流部での流体の慣性力と粘性力との比である。圧縮性流体の場合には,ほ
とんど常に乱流であるために,レイノルズ数は膨張係数に影響を及ぼさない。
差圧比係数xTは,流体の比熱比の影響を受ける。
Yは,式(12)による。
xsizing
Y 1 (12)
3xchoked
注記 膨張係数Yは,閉塞流状態で2/3の極限値をとる。
7.5 圧縮係数,Z
サイジング式の幾つかは,上流側条件における実際の流体密度の項を含んでいない。その代わりに,理
想気体法則に基づいて入口圧力及び温度から密度が推定できる。ある条件下では,実在気体の変化は,理
想状態から大きく変わる場合がある。このような場合,圧縮係数Zを導入して,その差を補償しなければ
ならない。Zは,換算圧力及び換算温度の関数である。換算圧力prは,該当する流体の熱力学的臨界絶対
圧力に対する実際の入口絶対圧力の比として定義する。換算温度Trも同様に定義する。
p1
pr (13)
pc
T1
Tr (14)
Tc
注記 pc及びTc値については,附属書Dを参照。
7.6 非乱流(層流及び遷移領域での流れ)
式(5)式(7)によって表す流れのモデルは,完全に発達した乱流に限って使用する。特に流量が非常に少
なく又は流体の粘性がかなり大きい場合には,非乱流の条件になることがある。この乱流モデルを適用で
きるかどうかを確認するために,バルブレイノルズ数[式(23)参照]を計算するのがよい。Rev≧10 000の
場合には,この乱流モデルを適用する。
8 非圧縮性及び圧縮性流れに共通の補正係数
8.1 種々の配管形状係数,(FP,FLP及びxTP)
種々の配管形状係数(FP,FLP及びxTP)は,調節弁本体の上流及び/又は下流に設置した継手による影
響を評価するために必要となる。係数FPは,閉塞流れが生じない同一条件において,継手を接続した調節
弁を通る流量と,調節継手を接続していない調節弁を通る流量との比である(図1参照)。指定した流量
精度±5 %を満足するためには,全ての配管形状係数を,JIS B 2005-2-3の試験によって決定する。
配管形状係数の予測値を使用することを許容する場合,調節弁に直結した同心レデューサ及びエクスパ
ンダについては,8.2以降に示す式を用いてもよい。これらの式は,継手によって生じる付加的な抵抗及び
静圧と動圧との配分変更を解析的に考慮して得る。
この方法の有効性は,バルブ及び附属品が,水力学的又は空気力学的にどの程度独立かによって決まる。
――――― [JIS B 2005-2-1 pdf 9] ―――――
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B 2005-2-1 : 2019 (IEC 60534-2-1 : 2011)
すなわち,それぞれの累積的効果が加算で表すことがきる範囲が有効である。この状態は,多くの実際の
運用に対して適用できる。しかしながら,バタフライ弁,ボール弁などの一部の形式においては,バルブ
ボディの内部よりも主として下流配管において圧力回復が起こりやすい。下流配管部を任意の配管継手と
交換することによって,回復域が変わる場合がある。このような条件では,単純な流れ抵抗の修正法によ
ってこの方法の有効性を適正に表すことはできない。
8.2 配管形状係数,FP
係数FPは,継手が接続された調節弁を流れる流量と,閉塞流れが生じない同一条件において,継手を接
続した調節弁を通る流量と調節継手を接続していない調節弁を通る流量との比である(図1参照)。
計算値を使用することを許す場合,式(15)を用いる。
1
FP (15)
2
ζ C
1
N2 d2
この式において,係数Σζは,調節弁に取り付けられている全ての継手の有効速度水頭損失係数の代数和
である。調節弁自体の速度水頭損失係数は含まれない。
Σζ=ζ1+ζ2+ζB1−ζB2 (16)
調節弁の上流と下流との配管径が異なる場合,係数ζBは,式(17)で計算する。
4
d
ζB1 (17)
D
入口及び出口の継手が短い市販の同心円状のレデューサである場合,係数ζ1及びζ2は,式(18)及び式(19)
で近似できる。
入口レデューサ
2
2
d
ζ10.5 1 (18)
D1
出口レデューサ(エクスパンダ)
2
2
d
ζ21.0 1 (19)
D2
同一寸法の入口及び出口レデューサ
2
2
d
ζ1ζ2 1.5 1 (20)
D
上記の係数ζによって計算したFPの値を用いると,一般には,必要とする容量係数より大きめのバルブ
を選ぶことになる。附属書Cに計算方法を示す。FPの図式近似については,図D.1 a)及び図D.1 b)を参照。
8.3 継手を接続する場合の液体圧力回復係数と配管形状係数との組合せ係数,FLP
FLは,継手を接続しない場合の調節弁の液体圧力回復係数である。この係数は,閉塞流れにおいてバル
ブ内部形状がバルブ容量に与える影響を計算に入れるものである。この係数は,理論非閉塞流量に対する
閉塞状態実最大流量の比で定義し,この理論非閉塞流量は適用する圧力差が弁入口圧力と閉塞状態にある
見掛けの縮流部圧力との差であるとして計算した流量である。係数FLは,JIS B 2005-2-3に基づく試験に
――――― [JIS B 2005-2-1 pdf 10] ―――――
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JIS B 2005-2-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60534-2-1:2011(IDT)
JIS B 2005-2-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.40 : 工業計測及び制御
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.060 : 弁 > 23.060.40 : 圧力調整弁
JIS B 2005-2-1:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB2005-1:2012
- 工業プロセス用調節弁―第1部:調節弁用語及び一般的必要条件
- JISB2005-2-3:2004
- 工業プロセス用調節弁―第2部:流れの容量―第3節:試験手順