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B 8002-4 : 1998
4.2 調速項目
番号 用語 記号 定義
4.2.1 調速装置入力信号 機関回転速度を測定する調速装置への入力信号。
4.2.2 調速装置出力信号 燃料供給量を調節するために用いられる調速装置からの出力信号。
4.2.3 調速装置制御力 調速装置の出力軸又はアームが全行程を移動したとき,調速装置から得られる最
大作業量。
4.2.4 最大調節棒制御力 動程の任意の指定位置における調速装置制御力の最大値。
4.2.5 最大出力軸トルク 動程の任意の指定位置における調速装置出力トルクの最大値。
4.2.6 呼びスピードドループ r
調速装置を呼び負荷における呼び回転速度設定に固定した状態で,呼び無負荷回
転速度 (ni, r) と呼び負荷における呼び回転速度 (nr) との差を,呼び回転速度 (nr)
に対する百分率で表す。
ni,rnr
nst,r 100
nr
4.2.7 定常調速回転速度変動率 戀 一定出力における平均回転速度に対する回転速度変動幅△n(図6参照)を,呼
び回転速度に対する百分率で表す。
n
n 100
nr
機関の全運転範囲にわたる定常調速速度変動率に関する作動限界値は,出力及び
機関が被駆動装置に連結されているか否かによって異なる。これらの作動限界値
は機関の呼び回転速度によっても変化し,次のように規定する。
a) 機関が被駆動装置に連結されている場合
− n<0.5nr
− n≧0.5nrかつP>0.25Pr
− n≧0.5nrかつP<0.25Pr
b) 機関が被駆動装置に連結されておらず,無負荷最低調整回転速度で運転され
ている場合。
図13に示す曲線は,実験に基づいて作成されたものである。これらの曲線は,
次の式によって百分率で表すこともできる。
戀滿cnr−m
表1に指定するケースについて,c及びmの値を示す。
備考 この値は,系全体の慣性モーメント,調速装置の制御力及び全回転
速度域での機関出力によって決まり,注文者には重要な値である。
4.2.8 回転速度設定範囲 △ns 回転速度設定装置によって決まる無負荷最低調整回転速度と無負荷最高調整回
転速度との差。
4.2.9 機関回転速度設定変化率vn 遠隔制御による機関回転速度設定変化率をいい,1秒当たりの機関回転速度設定
(表1参照) を変える速さを,呼び回転速度の百分率で表す。
ni,maxni,min
vn 100
nrt
備考 船用機関の場合には,機関回転速度設定変化率は具体的な用途,機
関製造業者及び/又は注文者の要求によって決まる(例えば,操縦
及び正常加速/減速では機関回転速度設定変化率は異なる。)。
4.2.10 △P
並列運転時の負荷配分不平 各機関の負荷の比率と各機関の呼び出力の総和に対する比率との差をいい,百分
衡度 率で表す。
Pa Pa
P 100
pr pr
全機関を一つの軸上で駆動する並列運転の場合には,機関の負荷分配はスピード
ドループ及び調速装置の回転速度設定装置の精度によって異なる。自動負荷配分
装置を用いることによって,限界値を小さくすることもできる。調速装置と回転
速度設定装置を調整するとき,最低調整回転速度における最低機関出力及び呼び
回転速度における呼び出力の限界値はさらに小さくなければならない。負荷配分
――――― [JIS B 8002-4 pdf 6] ―――――
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番号 用語 記号 定義
限界値を維持するためには,スピードドループは表1に示す範囲内になければな
らない。
4.3 代表的な機関回転速度及び動特性
備考 過回転速度防止装置に関する代表的機関回転速度の用語の定義は,JIS B 8002-6による。
図4及び図5に示す例を参照。定速機関の例については,ISO 8528-2の図1を参照。
4.3.1 代表的な定常機関回転速度
番号 用語 記号 定義
4.3.1.1 機関回転速度 n 単位時間におけるクランク軸の回転数。
4.3.1.2 点火回転速度(1) nsf 燃料供給装置とは別の外部のエネルギー源を利用して,停止状態にある機関を自
力運転を可能にするために,機関を加速し到達させなければならない回転速度。
4.3.1.3 始動回転速度(1)(2) ns 燃料調節棒が停止位置にあるとき,始動装置によって機関(機械的に連結された
補機とともに)を加速できる最高機関回転速度。
4.3.1.4 連結回転速度 nc 被駆動装置が機関に連結される回転速度。
4.3.1.5 呼び回転速度 nr 呼び出力に対応する機関回転速度。
4.3.1.6 ni
無負荷回転速度(アイドル 無負荷状態における整定機関回転速度。
回転速度)
4.3.1.7 ni, r
呼び無負荷回転速度(ハイ 呼び回転速度nrと同じ回転速度設定にしたときの無負荷状態における整定機関
アイドル回転速度) 回転速度。
4.3.1.8 最大トルク回転速度 ntq 最大燃料制限状態における最大トルク時の機関回転速度(適用可能な場合には,
追加のトルク燃料設定を含む。)。
4.3.1.9 部分負荷出力回転速度 np 呼び回転速度と最低調整回転速度間の機関整定回転速度。
4.3.1.10 ni, p
部分負荷出力時回転速度に 部分負荷出力np時の回転速度と同じ回転速度設定にしたときの無負荷状態にお
基づく無負荷回転速度 ける機関整定回転速度。
4.3.1.11 np, l
部分負荷出力時最低連続回 プロペラ曲線又は別の指定負荷曲線における機関整定最低許容連続回転速度。
転速度
4.3.1.12 全負荷最低連続回転速度nf, l全負荷(燃料調節棒を呼び出力位置にしたとき)の機関整定最低許容回転速度。
4.3.1.13 最低調整回転速度 np, min
機関を連結しプロペラ曲線又は別の指定負荷曲線によって運転している状態に
おいて,回転速度設定装置によって選択することができる機関最低整定回転速
度。
4.3.1.14 ni, min
無負荷最低調整回転速度 無負荷状態における最低調整回転速度np・minと同じ回転速度設定にしたときの機
関最低整定回転速度。
備考 発電セットの場合には,この回転速度は調速装置の回転速度設定装
置によって設定することができる。
4.3.1.15 ni, f
ファストアイドル回転速度 機関の低温始動時及び機関の暖機運転中によく使用される高速の無負荷最低調
整回転速度。この回転速度は手動又は自動調整によって設定することができる。
4.3.1.16 過負荷回転速度 nov 機関が過負荷出力を出す回転速度。
4.3.1.17 ni, max
無負荷最高調整回転速度 無負荷状態における過負荷回転速度novと同じ回転速度設定にしたときの機関最
高整定回転速度。
備考 発電セットの場合には,この回転速度は,調速装置の回転速度設定
装置によって設定することができる。
注(1) 点火回転速度及び始動回転速度は,機関始動中の大気条件,機関始動中の運転条件及び始動装置の形式によっ
て異なる。
(2) 始動回転速度は補機の要求出力によって影響されることもあり,点火回転速度によって高くなる。
4.3.2 回転速度動特性 回転速度動特性(図6参照)は,次の事項によって決まる。
・機関のターボ過給機
・呼び出力における機関の正味平均有効圧Pme
・調速装置の特性
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・被駆動装置の運転特性
・機関及び被駆動装置の回転慣性モーメント
・機関と被駆動装置の連結の有無
被駆動装置の運転特性は機関製造業者には不明なため,機関の過渡特性についての仕様及び値をこの規
格に規定することはできない。
4.3.3 代表的な回転速度動特性
番号 用語 記号 定義
4.3.3.1 nd, max
オーバシュート回転速度 高い出力から低い出力に変化するとき,又は低い回転速度から高い回転速度に速
度設定が変化するときに起きる過渡的機関最高回転速度
4.3.3.2 nd, min
アンダシュート回転速度 低い出力から高い出力に変化するとき,又は高い回転速度から低い回転速度に速
度設定が変化するときに起きる過渡的機関最低回転速度
4.3.3.3
負荷増大時 (−) 及び負荷 負荷が変化しているときの調整中のアンダシュート回転速度(又はオーバシュー
減少時 (+) 瞬時速度変化dyn ト回転速度)と初期回転速度との一時的な差。初期回転速度に対する百分率で表
率 示する。
ni, p
nd, min
ndyn 100
np
np
nd, max
ndyn 100
np
(負の符号は負荷増大後のアンダシュート回転速度を表し,正の符号は負荷減少
後のオーバシュート回転速度を表す。)
4.3.3.4 整定時間 tn, de指定された負荷変化後の定常調速回転速度変動率から新しい回転速度における
指定定常調速回転速度変動率へ回転速度が変化して整定するまでの時間。
tn, in
5. 他の規則及び補足要求事項
5.1 船用及び海上設備用として使用される機関については,相互に適用を合意した基準を満たさなけれ
ばならない。
5.2 法的な規則による特殊要求事項を満たさなければならない場合には,注文者はその適用する公的機
関を注文前に指定する。他の補足要求事項は,受渡当事者間の合意によって決める。
6. 調速装置に対する技術的要求事項
注文者又は機関製造業者は,8.に従い,調速装置の運転制限値及
び精度についての要求事項を指定しなければならない。機関製造業者は,通常これらの要求事項に適合す
る調速装置を選択する。
速度設定範囲△nsは,機関の用途によって受渡当事者間の合意によって決める(図1及び図2参照)。
7. 調速装置の試験
調速装置は,受渡試験時又は必要な場合には,契約の中で合意された被駆動装置と
連結した機関の運転試験時に試験しなければならない(JIS B 8002-1参照)。限界値を確認し,記録する。
8. 性能の分類及び調速装置の定常限界値
調速装置の動特性は,用途と被駆動装置とによって異なるた
め,この規格には定常限界値だけを規定する(表1参照)。発電セットの限界値はISO 8528-5の15.による。
調速精度についての要求事項を,次の四つの性能等級に分類し規定する。
M1 あまり高くない調速精度で,広い範囲の機関回転速度に使用されるもの。
M2 一般的な調速精度で,広い範囲の機関回転速度に使用されるもの。
M3 高い調速精度が要求され,広い範囲の機関回転速度に使用されるもの。
――――― [JIS B 8002-4 pdf 8] ―――――
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M4 受渡当事者間の合意によって要求条件を定めるもの。
備考1. 注文者は,要求を満たす必要最小限の性能等級を選択することが望ましい。
2. 調速装置の運転特性の精度は,調速装置の熱ドリフト及び機関の負荷変動によって影響を受
ける。したがって,すべての測定は定常温度及び一定負荷においてなされる。
機関製造業者は,機関の始動後,表1に規定する限界値内に制御できる状態になるまでに要する通常の
時間を示さなければならない。
機関用途によって通常の時間が必要でないか,又は短縮しなければならない場合,時間及び技術的手段
は受渡当事者間の合意によって決める。
表1 運転限界値
番号 項目 記号 単位 参照項 運転限界値
性能等級
M1 M2 M3 M4
1 呼びスピードドループ r % 4.2.6 ≦15 ≦10 ≦5(3) AMC(4)
定常調速回転速度変動率 戀 % 4.2.7 図1参照 図2参照 図3参照
2 a) 被駆動装置に連結された機関 c m c m c m AMC(4)
n<0.5nr 48 0.44 70 0.545 48 0.53
n≧0.5nr及びP>0.25Pr 39 0.455 49 0.54 40 0.55
n≧0.5nr及びP<0.25Pr 48 0.44 70 0.545 48 0.53
b) 被駆動装置に連結されていない機関 c m c m c m AMC(4)
無負荷最低調整回転で運転さ 68 0.45 104 0.55 63 0.53
れている機関
3 機関回転速度設定変化率 vn %/s 4.2.9 AMC(4) AMC(4) AMC(4) AMC(4)
4 △P
並列運転時の負荷配分(複数の % 4.2.10 ≦10 ≦10 ≦10 AMC(4)
機関が一つの軸を駆動してい
る)(5)
注(3) 用途によっては,呼びスピードドループ0%の場合もある[アイソクロナス制御 (isochronous control) ]。
(4) MC (Agreement between Manufacturer and Customer) とは,受渡当事者間の合意によって定めることを表す。
(5) 軸駆動発電機付主機については,発電セットを用いた並列運転の場合には,要求される瞬時速度変化率と負荷
配分は受渡当事者間の合意によって決める。
機関製造業者と注文者との合意によって,場合によっては技術的条件のために(例えば,出力が異なるため,
回転速度制御装置が十分に有効な特性を示さない機関の並列運転の場合)△Pの値を上記の値より高く指定し
てもよい。しかしこの場合には,問題とする運転条件に対応する小さい方の機関の許容出力を超えてはならな
い。
――――― [JIS B 8002-4 pdf 9] ―――――
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図1 性能等級M1の運転限界値
図2 性能等級M2の運転限界値
――――― [JIS B 8002-4 pdf 10] ―――――
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JIS B 8002-4:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3046-4:1994(MOD)
JIS B 8002-4:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.020 : 内燃機関
JIS B 8002-4:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB8002-1:2005
- 往復動内燃機関―性能―第1部:出力・燃料消費量・潤滑油消費量の表示及び試験方法―一般機関に対する追加要求事項
- JISB8002-6:1998
- 往復動内燃機関―性能―第6部:過回転速度防止