この規格ページの目次
5
C 1805-2 : 2001
入力スパンの100%に達するまで,あらかじめ決められたすべての値に対してこの動作を繰り返す。そ
の後,入力信号を入力スパン100%のすぐ下の試験値までゆっくりと下降させ,そして入力スパン0%にな
るまで,他のすべての値に対して順次下降させてゆき,測定サイクルを終える。
表2 測定サイクルの回数・試験点の数・分布
試験点の分布
試験の種類 測定サイクルの回数 試験点の数
(入力スパンの%)
性能評価 6 0-20-40-60-80-100
3又は5
形式試験 11 0-10-20-30-40-50-60-70-80-90-100
定常試験
1 5 0-25-50-75-100
抜取試験
4.1.6 測定値の処理 上昇,下降させた場合それぞれについて,各試験点で得られた出力信号の値と,そ
れに対応する理想値との差を出力誤差として記録する。
一般に誤差は出力スパンの%で表す。ある種の機器(例えば,記録計,又はゲインの調節が可能な機器)
では,公称の入力スパンの%で誤差を表現するほうがより便利であろう(JIS C 1805-1の7.16参照)。
それぞれの測定点において,連続して行う測定サイクルで,上昇,下降の誤差の読取り値を別々に平均
し,上昇平均値,下降平均値とし,それらを平均してその測定点の平均値とする。
このようにして得られたすべての誤差の値は表にし(表3参照),平均値はグラフに表す(図1参照)。
4.1.7 正確さに関する要因の確定 測定の数は限られていることから(4.1.3参照),正確さに関する要因
は数学的に単純な方法で誤差を処理することによって確定し,統計的手法にはよらない。個々の処理方法
を次に示す。
4.1.7.1 最大誤差 最大誤差は,表3から,個々の試験サイクルにおいて入力を増加,減少させたときの,
理想値に対する測定値の正と負の最大偏差を選ぶことによって確定し,これを出力スパンの%で報告する。
4.1.7.2 最大測定誤差 最大測定誤差は,表3の上昇平均誤差,下降平均誤差から,正又は負の最大値を
選ぶことによって確定する。
4.1.7.3 非直線性 入出力特性が直線で表される機器において,非直線性は対応する上昇平均誤差,下降
平均誤差の総合平均値を表示した曲線から確定される(表3及び図1参照)。
この平均値曲線と近似直線との間の最大の正又は負の偏差を,出力スパンの%で表したものが非直線性
であり,不感帯 (dead band) とヒステリシス (hysteresis) は含まない。
a) 両端基準非直線性 両端基準非直線性は,レンジ下限値とレンジ上限値で,平均校正(表3で求めら
れた)曲線と一致するように近似直線を引いて確定する。
備考 作業場で校正,又は現場で調節がなされる場合は,両端基準非直線性だけが実用的である。他
の非直線性の表現方法も時々用いられる。
b) 独立非直線性 独立非直線性は,平均曲線の全体を通して最大偏差を最小にするように近似直線を引
くことによって確定する。それは水平である必要はないし,平均校正曲線の両端を通る必要もない。
c) ゼロ基準非直線性 ゼロ基準非直線性は,レンジ下限値(ゼロ)で平均校正曲線に一致させ,最大偏
差を最小にするように近似直線を引くことによって確定する。
――――― [JIS C 1805-2 pdf 6] ―――――
6
C 1805-2 : 2001
表3 校正表の例
――――― [JIS C 1805-2 pdf 7] ―――――
7
C 1805-2 : 2001
図1 校正曲線の例
4.1.7.4 非一致性 非一致性(両端基準非一致性,独立非一致性,ゼロ基準非一致性)という用語は,非
直線性の入出力関係(例えば,対数,平方根など)をもつ機器に用いる。
非一致性は非直線性と同じ手順を用いて確定し,表示する。
4.1.7.5 ヒステリシス ヒステリシスは表3に示す偏差値から直接確定する。それは,どれか一つの試験
サイクルの同一試験点における連続する上昇と下降の出力値の差である。
すべての試験サイクルから観測される最大値を報告し,出力スパンの%で表示する。要求があれば,与
えられた測定点に関し,ヒステリシスの値から不感帯の値を引くことによってヒステリシス誤差を確定し,
その最大値を出力スパンの%で報告してもよい。
備考 不感帯は,4.2.2に述べてある通常の不感帯試験によって確定できる。
4.1.7.6 非繰り返し性 非繰り返し性は,同一入力,同一動作条件,同一方向で,全レンジにわたって,
短時間のうちに,数回の繰り返し測定によって得られる出力の最も外れた両極端の値の代数的な差である。
非繰り返し性は一般に出力スパンの%で表し,ヒステリシスは含まない。
非繰り返し性は,表3から直接確定する。上昇曲線,下降曲線それぞれについて,同一入力信号値に対
するすべての出力値の間で偏差の最大値を調べ,出力スパンの%で表す。上昇又は下降の一方から得られ
る最大値を非繰り返し性として報告する。
4.1.8 結果の提示 試験中に行われた測定の結果は,表3及び図1に対応する図表を含めて報告書の中に
提示し,これらの図表は試験報告書に含める。
最大誤差,最大測定誤差,非一致性,ヒステリシス又は非繰り返し性の値は4.1.7に従って確定し,試験
――――― [JIS C 1805-2 pdf 8] ―――――
8
C 1805-2 : 2001
報告書の中で一覧表にしておく。
製造業者によって規定された,正確さに関連する要因に対応する値は,試験で得られた結果と並べて表
にしておく。
正確さに関する要因に関し,製造業者によって次のいずれかのように表現してもよい。
− 最大誤差(ヒステリシス及び非繰り返し性を含む)及びヒステリシス
− 最大測定誤差(ヒステリシスを含む)及びヒステリシス
− 非直線性/非一致性(ヒステリシスを含まず),ヒステリシス及び不感帯
4.2 不感帯確定の試験手順と事前の配慮
4.2.1 試験レンジと事前調節の選択 不感帯は,4.1.1(表1)及び4.1.2にある,正確さに関する要因を
確定する場合と同じレンジ及び事前の調節によって測定する。
4.2.2 測定手順 不感帯が無視できるほど小さいことがわかっているのでない限り,以下の手順で測定を
行う。スパンの10%,50%及び90%の3個の測定点それぞれについて,3回測定を行う。
a) 被測定機器の出力変化が検出できるまで,入力信号をゆっくりと増加させる。
b) その入力信号の値を記録する。
c) 被測定機器の出力変化が検出できるまで,入力信号をゆっくりと減少させる。
d) その入力信号の値を記録する。
それぞれの方向で全レンジにわたって,少なくとも3回,できれば5回出力値を観測し,記録をとる。
この入力を変化させた場合の変化分[上記のb)とd)の差]がその点での不感帯である。
4.2.3 結果の提示 それぞれの試験点における不感帯の最大値を,入力スパンの%で,試験報告書の中に
一覧表にして示す。
全体の中の最大値を,その被測定機器の不感帯として報告する。
もし不感帯が製造業者によって規定されている場合は,その値を試験で確定された値と並べて報告する。
5. 動特性
5.1 一般的考察 この規格のこの部分の目的は,被試験機器の動的な性能を一定の方式で,比較可能な
方法で特性づけるデータを得ることである。
この目的のために,必要に応じ,正弦波及びステップ入力信号を用いる。
正弦波の試験データは,数学的解析,制御問題のグラフによる解決,及び線形系の動特性を表すのに,
最も一般的で便利である。
ステップ入力試験はむだ時間の測定を可能にし,被試験機器の非直線性の定性的評価を可能にする。
具体的な試験回数を決めるに際しては,5.2に従い,大部分の機器では,単一の出力負荷と必要最小限の
入力信号を適用する。
規定されたステップと正弦波の試験から得られるデータでは,被試験機器の非直線性を完全に表すには
不十分であるが,この規格は単純な機器に対しては動特性を明確にするデータを,複雑な機器に対しては
定性的なデータを得ることを目的としている。特殊なケースの場合には,もっと詳細な試験方法を試験プ
ログラムの中に規定してもよい。
備考 規定された出力負荷と幾つかの入力信号レベルがあれば,ほとんどの一般的な試験の要求に対
して有効なデータを得ることができ,また,一般的でない大きく変化する信号の影響に対して
も,定性的な把握をするのに十分である。
――――― [JIS C 1805-2 pdf 9] ―――――
9
C 1805-2 : 2001
5.2 一般的な試験手順と事前の配慮 試験は,スパンを最大,最小スパンのほぼ平均値に調節し,レン
ジ下限値はほぼ許容調節範囲の中点に設定して実施する。もし被試験機器の動特性を調節できるような調
節機能(例えば,フイルタ,ダンパなど)が付いている場合,試験は,まずこれらの調節を最小にして実
施する。そして,要求があれば,それらを最大の影響が出るように設定して行う。
電気出力をもつ機器の動特性を評価する試験においては,試験計画で特に指定がなければ,抵抗負荷と
並列に0.1 ンデンサを接続して実際の負荷を模擬することができる。
5.3 周波数応答 関数発生器で正弦波信号を被試験機器の入力に加える。
正弦波信号のP-P振幅値はスパンの20%を超えないようにし,出力のひずみ又は飽和のない有効な測定
を行うのに十分なものとする。
入力信号の周波数は,静的なゲインを確認できる十分低い最初の周波数から,出力が最初の振幅の10%
以下に減衰するまで,又は位相遅れが300°になるまで,一定の割合で増加させる。少なくとも1回はす
べての周波数ステップの各点で,入力,出力を同時に記録する。
これらの試験結果は,次の様式にあるようなグラフで表す(図2参照)。
− ゼロ周波数のときのゲインに対応する相対ゲインを,周波数に対し対数目盛上に表示する。
− 入出力間の位相遅れを,周波数に対し対数目盛上に表示する。
グラフから,次の値が得られる
a) 相対ゲインが0.7になる点での周波数
b) 位相遅れが45°になる点での周波数
c) 位相遅れが90°になる点での周波数
d) 相対ゲインの最大値及びそのときの周波数と位相遅れ
備考 上記の推奨周波数レンジと周波数ステップは,調節計には有効ではない(IEC 60546-1参照)。
5.4 ステップ応答 一連のステップ状の変化を被試験機器に加える。このステップ入力の立上り時間は,
被試験機器の応答時間に比べ十分小さくなければならない。入力のステップ変化と出力応答は,同時に記
録する。
次のような入力のステップ変化を加える。
− 出力変化を10%から90%に,ついで90%から10%にする,出力スパンの80%に相当するステップ状
変化。
− 次に示すような出力の上下方向の変化を与える,出力スパンの10%に相当するステップ状変化。
5%から15%;45%から55%;85%から95%
上記のステップ入力を実現することが難しい場合は,次のステップ入力を用いてもよい。
− 上昇を0%から100%,下降を100%から0%とする,入力スパンの100%に相当するステップ状変化。
− 上昇を0%から10%,下降を10%から0%とする,入力スパンの10%に相当するステップ状変化。
出力が最終定常値に対し出力スパンの1%以内に到達するまでの時間(整定時間)をそれぞれの試験条
件で測定する。もしむだ時間及び過渡的な行過ぎ量があれば記述する(図3参照)。
備考 ステップ応答時間又は時定数を測定しておくことも有効である。
6. 機能的特性
6.1 一般的事項 これらの試験の幾つかだけは被試験機器に電源を入れておくことが要求される。それ
らの試験は,スパンを最大最小スパンのほぼ平均値に調節し,また,レンジ下限値は許容調節範囲のほぼ
中点に設定して実施する。それぞれの試験に対しては,更に個別の設定を定める。
――――― [JIS C 1805-2 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 1805-2:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61298-2:1995(MOD)
JIS C 1805-2:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.40 : 工業計測及び制御
JIS C 1805-2:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0155:1997
- 工業プロセス計測制御用語及び定義
- JISC1010-1:2019
- 測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性―第1部:一般要求事項
- JISC1805-1:2001
- プロセス計測制御機器―性能評価の一般的方法及び手順―第1部:一般的考察