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の影響による抵抗の変化の監視も可能にする。ただし,表面抵抗は,材料本体の性質だけに依存するわけ
ではない。表面抵抗は,主に製造工程のパラメータ,環境条件,表面のエージングによる変化,汚損など
に依存する。
特定の用途に応じて,電極構成を選択することができる(附属書JA参照)。
5 試験方法
5.1 一般的事項
この規格では,一般的な測定において共通に有益な事項を記載している。この規格に特定な材料に対す
る方法を記載している場合には,その特定な方法を用いる。
特定の測定又は製品の要求に応じて表面抵抗を測定するためには,用途に適した形式の電極を用いるこ
とができる。例えば,曲面に対しては,小形ライン電極が有用である。ばね荷重電極は,製品に対する測
定が容易で,試験前に状態調節を行わなければならない材料の試験に適している。製品規格に規定がない
場合は,実際の使用条件を考慮して電極構成を選ぶ。
電極によってその寸法が大きく変わる材料(例えば,軟質ゴム)の試験片には,上記のような電極の使
用は適切ではなく,異なる電極構成を用いる。
電極に関して特に規定がない場合は,同心円環電極を推奨する(附属書JA参照)。
5.2 電圧
推奨測定電圧は,10 V,100 V,500 V,1 000 V及び10 000 Vとする。ただし,上記以外の電圧を用い
てもよい。個別規格に規定がない場合は,100 Vを用いる。
注記1 放電開始電圧を超えた場合に生じる部分放電は,測定誤差の原因となる。空気中では,340 V
以下で部分放電を生じることはない。
注記2 電源電圧のリップルは重要である。100 Vにおけるリップル電圧のP-Pの許容値は,0.005 % (5
mV)以下である。
5.3 試験装置
5.3.1 一般的事項
表面抵抗を測定する場合には,試験装置の支持部品又はケーブル絶縁体の抵抗のような,電極構成に並
列に派生する抵抗によって悪影響を受けないように注意するのがよい。
測定抵抗が1010 Ωを超える場合には,測定誤差を防ぐために,シールドケーブル及びシールドケースを
用いる。
表面抵抗及び表面抵抗率の測定には,用途に適した電極構成を使用できる。表面抵抗率の評価は,用い
る電極構成によって異なる。
5.3.2 精度
任意の適切な測定装置を用いてもよい。ただし,測定装置は,少なくとも総合的に未知抵抗を次の精度
で測定できるものとする。
− 測定抵抗 : 1010 Ω未満の場合,±10 %
− 測定抵抗 : 1010 Ω1014 Ωの場合,±20 %
− 測定抵抗 : 1014 Ωを超える場合,±50 %
5.3.3 電源
十分に安定な直流電圧電源が必要である。電池又は直流安定化電源が適切である。
――――― [JIS C 2139-3-2 pdf 6] ―――――
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5.3.4 電極構成A−ばね荷重電極
電極構成Aは,図1に示すように,長さ100 mmで10 mm間隔の2列の柔軟な金属のナイフエッジ列か
らなる。
ガード電極はない。金属のナイフエッジ列は,長さ5 mm以下で,厚さ0.3 mmのばね片からなり,互い
に0.3 mm間隔で並べる。接触荷重は,試験片の表面に全てのばね片が接触するために十分な強さとする。
ただし,表面をきずつけることのない程度にとどめる。
接触力を生成する金属片は,互いに十分に分離し,試験片に接触させる。
単位 mm
1 ガイドバー
(着脱可能)
2 金属ナイフエッジ
3 試験片
図1−電極構成A(ばね荷重電極の例)
5.3.5 電極構成B−小形ライン電極
電極構成Bは,試験片表面に接着し,形成した2本の平行線電極からなる。ガード電極はない。この電
極には,例えば,導電性銀ペイントによる幅1.5 mmで長さ25 mmの2本の線電極を,2 mm間隔で形成し
て用いる。これらの電極は,試験片の状態調節を行う前に形成する。2本の線電極は,図2に示すような
導電体の刃をもつ2端子の集電電極装置を介して測定装置に接続する。
――――― [JIS C 2139-3-2 pdf 7] ―――――
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図2−電極構成B用集電電極装置
5.3.6 電極構成C−同心円環電極
電極構成Cは,図3に示すように,3個一組の電極で構成する。試験片の片面に,円環状の電極を装着
する。試験片の反対側の面には,円環電極の外周の円よりも大きいガード電極を装着する。状態調節の前
に,導電性ペイントで電極を接着し,形成してもよい(5.6.4参照)。
凡例
1 試験片(厚さ a)
2 電極1
3 測定領域
4 電極2
5 電極3(ガード電極)
図3−電極構成C(同心円環電極)
特に規定がない場合,任意の電極寸法を用いてよい。よく用いる電極寸法を,表1に示す。比較試験に
は,表1の電極構成C1を推奨する。
表1−電極構成Cでよく用いられる電極寸法
単位 mm
電極構成 d1 d2 d3
C1 50 60 80
C2 76 88 100
C3 25 38 50
電極構成Cでは,電極1と電極2との間の表面抵抗を測定する。電極3は接地する。
――――― [JIS C 2139-3-2 pdf 8] ―――――
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材料が有限な導電率をもち,かつ,厚さが10 μm以下の材料の場合,電流計の入力抵抗が試験片の体積
抵抗よりも十分に小さくなっていることに留意する。
5.3.7 電極構成D−ライン電極
電極構成Dは,試験片表面に接着し,形成した2本の平行線電極からなる。ガード電極はない。電極の
寸法は,電極構成Aと同じ電極の長さ及び電極間隔とする。
この電極には,例えば,導電性銀ペイントによる幅1.5 mmで長さ100 mm±1 mmの2本の線電極を,
10 mm±0.5 mm間隔で用いる。これらの電極は,試験前に形成する。2本の線電極は,図2に示すような
導電体の刃をもつ2端子の集電電極装置を介して測定装置に接続する。
5.3.8 電極構成E−小形平板試験片用のライン電極
電極構成Eは,3端子の平行線電極によって構成する。この電極には,例えば,導電性銀ペイントによ
る幅12 mmで長さ50 mm±1 mmの線電極を,間隔5 mm±0.5 mmで用いる。これらの電極は,試験前
に形成する。2本の線電極は,図4 b)に示すように,3端子の集電電極装置を介して測定装置に接続する。
注記 電極構成Eは,JIS K 7140-1で用いる小形平板試験片用(60 mm以上×60 mm以上)として推
奨する。
5.4 測定回路
用いる電極構成によって,2端子測定又は3端子測定を行う(図4参照)。
同心円環電極(電極構成C)及び平行線電極構成Eでは,ガードされた保護電極を用いるため,3端子
測定回路が必要である。
その他の平行線電極(電極構成A,B及びD)では,2端子測定回路を用いる。
図4−3端子及び2端子電極による測定時の接続図
5.5 校正
測定装置は,測定する表面抵抗の値に応じて校正する。
注記 100 TΩ(1014 Ω)までの値の校正用標準抵抗が市販されている。
――――― [JIS C 2139-3-2 pdf 9] ―――――
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5.6 試験片
5.6.1 試験片の推奨寸法及び電極構成
試験片の寸法は,用いる電極構成を形成又は装着するために十分なものである必要がある。製品による
推奨寸法を,附属書Aに示す。
5.6.2 試験片の作製
試験片の作製方法及び形状は,供試材料の個別規格による。試験片の採取及び作製の間に,材料の状態
を変化させない。また,採取した試験片に損傷を与えない。
試験片表面の電極に接触する部分を機械加工する場合には,機械加工の種類機械の型名を報告書に記載
する。試験片の形状は幾何学的に単純なものとする(管,測定する箇所の両面が平行な平板など)。
製品から試験片を採取する場合は,可能な限り,製品の厚さのままとする。
5.6.3 試験片の個数
試験片の個数は,関連する製品規格の規定による。特に数量の規定がない場合,3個以上の試験片を試
験する。
5.6.4 電極の装着
導電性塗料の電極(電極構成B,C,D及びE)を用いる場合は,電極と試験片との接触面全体にわたっ
て適切な接触状態になるように注意する。状態調節のための適切な経過時間の後には,用いる電極材料は
表面抵抗の測定値に影響を与えないようにする。
注記 導電性銀ペイント及び導電性カーボン塗料(suspensions of graphite)は適切な材料である。
5.6.5 試験片の状態調節及び前処理
試験片の状態調節及びその他の前処理は,関連する製品規格の規定に従って実施する。
製品規格がない場合には,JIS C 2142に従って,温度23 ℃及び相対湿度50 %の標準雰囲気Bの中で,
4日間以上状態調節する。
特に規定がない場合,試験片はクリーニングしない。ただし,いかなる新しい汚損も避ける。
5.7 試験手順
特に規定がない場合,測定はJIS C 2142に従って,温度23 ℃及び相対湿度50 %の標準雰囲気Bの中で
行う。
試験片は,5.6.5に従って状態調節及び前処理を行う。処理後,直ちに電極を測定装置に接続する。
引き続き,状態調節又は前処理終了後2分以内に,電極間の表面抵抗RSを測定する。特に規定がない場
合,電圧を印加してから1分経過後に測定する。
6 表面抵抗率の計算
6.1 電極構成A,B,D及びEの計算式
電極1と2との間の抵抗RSA,RSB,RSD及びRSEについてそれぞれ測定した表面抵抗RSは,Ωの単位で
示す。
電極構成A,B,D及びEの場合,表面抵抗率σは,表面抵抗RS及び電極寸法から式(1)によって計算し,
Ωの単位で求める。電極の寸法が5.3.4,5.3.5,5.3.7及び5.3.8に規定する寸法と異なる場合でも,表面抵
抗率を算出することができる。
l
Y RSY (1)
g
ここに, l : 平行線電極の長さ
――――― [JIS C 2139-3-2 pdf 10] ―――――
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JIS C 2139-3-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧
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- 規格番号
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- JISC2139-3-1:2018
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