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始める前の乾燥処理として必要となる場合がある。そのような予備状態調節は,通常,状態調節時及び試
験時と異なる環境の下で処理する。
試料の周りの媒質(例えば,油など)は,試料の特性にエージングなどの影響を与えないものに限る。
試験前の履歴の影響を取り除き,試験結果の再現性を高めるために,複数の予備状態調節環境を必要と
する場合がある。試験を液体中で行う場合には,油又は液体への浸せきだけが必要である。予備状態調節
に用いる液体は,試験する特性に影響を及ぼす場合があるので,試験前及びJIS C 60068-1に規定の修復
処理の前に更に状態調節を必要とすることがある。試料の特性は,あらかじめ適切な処理を行っていない
場合には,試験の時間枠内で変化することがある。
5 状態調節の所要時間
状態調節の所要時間は,通常,試験する材料の種類によって異なるため,関連する個別材料規格又は試
験方法の規格で規定することが望ましい。
一般に,状態調節のための所要時間は,試験片が周囲の雰囲気に対して十分な平衡状態に到達するまで
の時間を要しない。平衡状態に到達する速さは,試験片の性質及び寸法によって大きく異なる。したがっ
て,平衡状態となるのに必要な暴露時間は,例えば薄い紙の場合には,僅か数分程度であるが,一方,硬
質ゴムなどの場合には,何か月もの時間を要する。
状態調節の所要時間は,表4に示す数値から選択することが望ましい。
6 予備状態調節,状態調節及び試験時の雰囲気調節のための手順
試験は,可能な場合は常に,試験実施中を通じて規定の状態を保つことができる部屋又は適切なチャン
バの中で行うことが望ましい。
試験室の雰囲気の状態が,試験時の規定の状態と実質的に同じとみなせる場合には,試験片を適切なチ
ャンバの中で状態調節し,すばやく試験室の雰囲気中に移してもよい。ただし,このように取り扱うこと
ができるのは,規定の状態調節の雰囲気から実際の試験時の雰囲気に移しても,試験する材料の特性に明
らかな影響がないとみなせる場合に限る。試験要項には,試験片の移動から試験までの最大許容時間の明
示があることが望ましいが,最大許容時間が規定されていない場合には,このような移動から数分以内に
試験を行うことが望ましい。
試験前及び試験時に試験片に対して必要な環境条件を整えるためには,例えば温度及び湿度を管理した
部屋(恒温恒湿室),適切なチャンバ,その他,どのような技術的方法を用いてもよい。予備状態調節,状
態調節及び試験実施時を通して規定の条件を維持しなければならない。
全ての試験片に状態調節雰囲気が均一に行きわたるように,また,各試験片の周囲の状態調節雰囲気全
体にわたって一様な状態を保つように注意することが望ましい。
試験開始前に乾燥を促進する必要があり,かつ,関連する個別材料規格及び試験要項に規定がない場合
には,表2に記載の50 ℃の高温・乾燥雰囲気を用いて,4時間以上の処理を行ってもよい。
高温・乾燥状態を用いる場合には,オーブン内の空気を循環させる。オーブンの換気(又は循環)につ
いては,JIS C 2143-4-1に規定がある。
ある種の材料では,状態調節中に試験に悪影響を及ぼす成分を生じることがある。このような場合には,
他の材料の試験片を汚損から守ることが重要である。
測定用の配線がチャンバの壁面を貫通する場合には,電極又は測定装置に並列な漏れ電流経路,例えば,
配線の絶縁物表面に沿うような経路が生じないように注意することが望ましい。
――――― [JIS C 2142 pdf 6] ―――――
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注記 飽和塩水溶液,グリセリン水溶液及び硫酸水溶液による調湿方法を,附属書JAに示す。
7 液体浸せきにおける状態調節時及び試験時の推奨温度
液体浸せきにおける状態調節時及び試験時の推奨温度を,表3に示す。試験片は,規定がある場合には
予備状態調節を行い,個別材料規格が規定する時間,規定温度の液体中に浸せきするのがよい。
全ての試験片に液体が均一に行きわたるように,また,試験片の周囲の液体が全体にわたって一様な状
態を保つように注意することが望ましい。
ある種の材料では,液体浸せきによる状態調節中に,試験に悪影響を及ぼす成分を生じることがあり,
このような場合には,他の材料の試験片を汚損から守ることが重要である。
注記 例えば,ある種の試験片からの成分の溶出による汚損がある。
試験片を液体中で試験できない場合,試験前に液体から取り出して,表面の液体を清潔な乾いたろ(濾)
紙又は吸取紙で押さえて除くか,又は清潔な吸収性のある布で拭き取るのがよい。
試験は,余分な液体を取り除いた後直ちに開始し,できるだけ速やかに終了する。試験片を液体から取
り出して測定するまでの最大許容時間は,個別材料規格で規定することが望ましい。
8 基準雰囲気
試験要項に規定がない場合には,表2の標準雰囲気B,すなわち,温度23 ℃±2 ℃及び相対湿度(50
±5)%の雰囲気を状態調節及び試験時の推奨環境雰囲気として使用することが望ましい。絶縁材料を使用
する環境条件が予期できる場合には,それと異なる条件を用いない方がよい。
基準雰囲気と異なる温度及び/又は湿度で得られた試験結果を,基準雰囲気と関連付けることはできな
い。
9 予備状態調節,状態調節及び試験を規定する記号
予備状態調節,状態調節及び試験時に用いる条件について,記号を用いて表示する場合は,表1に示す
記号を用いることが望ましい。
表1−予備状態調節,状態調節及び試験で用いる記号
状態調節 記号
受理状態 R
雰囲気の予備状態調節及び状態調節(時間)h/(温度)℃/(相対湿度)%
液体浸せきによる状態調節 (浸せき時間)h/(温度)℃/液体の名称
試験実施(M)時 M/(温度)℃/(相対湿度)%
状態調節の時間が週単位の場合には,記号の時間の部分はhの代わりにW(週)で表示してもよい。
状態調節の前に予備状態調節を行う場合には,二つの記号をプラス(+)の記号で連結する。試験の記
号と状態調節の記号とを区別するには,セミコロン(;)を用いるのがよい。
例えば,試験片を,温度50 ℃,相対湿度20 %未満の雰囲気中で48時間の予備状態調節を行い,次に
温度23 ℃,相対湿度50 %の雰囲気中で96時間の状態調節し,続いて同じ雰囲気中で試験した場合,そ
の記号は,次のとおりである。
48 h/50 ℃/<20 %+96 h/23 ℃/50 %;M/23 ℃/50 %
――――― [JIS C 2142 pdf 7] ―――――
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予備状態調節を行わない場合は,記号の初めの部分(48 h/50 ℃/<20 %)を省く。
表2及び表3に規定する許容差より厳しい許容差が必要な場合は,例えば,96 h/20±0.5 ℃/93±1 %の
ように,記号に許容差を含めることが望ましい。
10 報告
報告の事項は,個別の試験方法の規格の規定に従うことを優先する。さらにこの規格によって,試験片
を処理した予備状態調節,状態調節及び試験時の状態を箇条9に規定する記号で表示することが望ましい。
――――― [JIS C 2142 pdf 8] ―――――
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表2−状態調節及び試験における標準雰囲気条件
状態の呼び方a) 名称 温度b) 相対湿度b) )
℃ %
R 受理状態 − −
(時間)h/15-35 ℃/45-75 % 標準周囲条件d) ) 1535 4575
(時間)h/20 ℃/65 % 標準雰囲気A 20 ±2 65 ±5
(時間)h/23 ℃/50 % 標準雰囲気B 23 50
(時間)h/27 ℃/65 % 標準雰囲気C 27 65
(時間)h/23 ℃/93 % 湿潤 23 93 ±2
(時間)h/40 ℃/93 % 湿潤−加温 40 93
(時間)h/50 ℃/93 % 50 93
(時間)h/55 ℃/93 % 55 93
(時間)h/85 ℃/85 % 85 85
(時間)h/15-35 ℃/<1.5 % 乾燥d) ) 1535 1.5未満
(時間)h/50 ℃/<20 % 乾燥−高温 50 ±2 低湿(20未満)
(時間)h/55 ℃/<20 % 55
(時間)h/70 ℃/<20 % 70
(時間)h/90 ℃/<20 % 90
(時間)h/105 ℃/<20 % 105
(時間)h/120 ℃/<20 % 120
(時間)h/130 ℃/<20 % 130
(時間)h/155 ℃/<20 % 155
(時間)h/180 ℃/<20 % 180
(時間)h/200 ℃/<20 % 200 ±3
(時間)h/220 ℃/<20 % 220
(時間)h/250 ℃/<20 % 250
(時間)h/275 ℃/<20 % 275 ±5
(時間)h/320 ℃/<20 % 320
(時間)h/400 ℃/<20 % 400
(時間)h/500 ℃/<20 % 500 ±10
(時間)h/630 ℃/<20 % 630
(時間)h/800 ℃/<20 % 800 ±20
(時間)h/1 000 ℃/<20 % 1000
(時間)h/−10 ℃/− 低温 −10 ±3
(時間)h/−25 ℃/− −25
(時間)h/−40 ℃/− −40
(時間)h/−55 ℃/− −55
(時間)h/−65 ℃/− −65
注a) 予備状態調節及び状態調節の時間[1列目の(時間)で表す。]は,個別材料規格で規定することが望ましい。
また,予備状態調節及び状態調節の時間は,表4の中から選択することが望ましい。
b) 特別な場合,より厳しい許容差を用いてもよい。例えば,±1 ℃(温度),±2 %(相対湿度)。
c) 試験規格に予備状態調節及び状態調節の時間の規定がある場合,実施してもよい全体の温度の限界と,規定
の相対湿度の限界を維持するための温度の限界とを区別して考えることが重要である。例えば,3列目の温度
の許容差は,4列目で要求している相対湿度を満足しないことがある。
d) 温度の幅 15 ℃35 ℃が広すぎる場合は,温度の幅を18 ℃28 ℃に狭めてもよい。
e) 温度(t)をこの幅の中で選択する場合には,状態の呼び方の中に“(時間)h / 温度t ℃ / 相対湿度 %”の
ように明示することが望ましい。
――――― [JIS C 2142 pdf 9] ―――――
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表3−状態調節及び試験における標準液体浸せき条件
状態の呼び方a) 名称 液体 温度b)
℃
(時間)h/23±0.5 ℃/水 標準水中浸せきc) 蒸留水又は同等の純度の水 23 ±0.5
(脱イオン水)
(時間)h/20 ℃/液体 液体浸せき 指定による。 20 ±2
(時間)h/23 ℃/液体 23
(時間)h/27 ℃/液体 27
(時間)h/50 ℃/液体 50
(時間)h/70 ℃/液体 70
(時間)h/90 ℃/液体 90
(時間)h/105 ℃/液体 105
(時間)h/120 ℃/液体 120
(時間)h/130 ℃/液体 130
注a) 浸せきの時間[1列目の(時間)で表している。]は,個別材料規格で規定することが望ましい。また,
浸せきの時間は,表4の中から選択することが望ましい。
b) 特別な試験で,例えば,±2 ℃を±0.5 ℃の狭い許容差を規定している場合がある。
c) この浸せき条件は,JIS K 7209による。
表4−予備状態調節及び状態調節における処理時間の例
時間 1 2 4 8 16 24 48 96
時間(週) 168(1) 336(2) 672(4) 1 344(8) 2 688(16) 4 368(26) 8 736(52)
――――― [JIS C 2142 pdf 10] ―――――
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