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C 3660-501 : 2019 (IEC 60811-501 : 2012,Amd.1 : 2018)
特に規定がない限り,老化前及び老化後の全ての試験片は,23 ℃±5 ℃の温度に3時間以上放置した後
に試験を実施する。
4.2 絶縁体
4.2.1 一般
この試験は,完成品ケーブルについて,老化処理なしの絶縁材料(半導電層を除いた),及び関連ケーブ
ル規格に規定された熱老化処理を行った絶縁材料について,引張強さ及び破断時伸びを測定する。
老化処理を行う試験片を準備する場合(JIS C 3660-401参照),試験片は老化処理なしの試験片に隣接し
た位置から採取する。また,引張試験を行う場合,老化処理なしの試験片及び老化処理ありの試験片に対
して,連続して試験する。老化処理を行う試験片及び老化処理なしの試験片の準備及び調整は同じにする。
注記 誤差の少ない信頼性の高い試験とするために,老化処理なし及び老化処理ありの試料を,共に
同じ作業者が同じ装置を用い,同じ試験室で準備することが推奨されている。
4.2.2 試験片の採取
試験のための各線心又は各線心から採取する絶縁体試料は,老化処理なしの引張試験用,及び要求され
る各老化処理後の引張試験用として,それぞれ5個以上の試験片を準備するために十分な寸法とする。そ
れぞれの試験片の準備に約100 mmが必要であることに留意する。
平形コードの線心は分離しない。
きずなどの機械的ダメージが加わった試料は試験に用いてはならない。
4.2.3 試験片の準備及び調整
試験片の準備及び調整は,次による。
a) 試験片の調整は,次による。
1) 昇温による調整 昇温での調整は,次による。
注記1 昇温での調整は熱老化ではない。この調整は,関連規格の要求がある場合,又は試験方
法に疑義若しくは不一致が生じて再試験が必要となった場合,試験片の安定性及び均一
性を確保するために実施される。機械的特性の初期値は,押出し及び冷却条件によって,
又は時間の経過及び熱履歴の違いによって,著しく変化することがある。
次のいずれかの場合,昇温による調整を行う。
− 関連ケーブル規格で規定されている。
− 試験結果に疑義があり,試験を繰り返す必要がある。
いずれの場合も,調整は,その後の処理(老化,適合性試験,油浸など)の前にケーブルから採
取した試験片に適用する。
− ダンベル状試験片の場合の調整は,次による。
(A) ケーブルから絶縁体を採取し,半導電層がある場合は,半導電層をぎ取った後,小片に
切り出す前に行う。
(B) 平行な面を得るために,研削(又は切削)した後で行う。
研削(又は切削)の必要がない場合,試験片の調整は,(A)の段階で行う。
− 管状試験片の場合の調整は,導体及びセパレータを取り除き,引張試験用の標点を付ける前に
行う。
関連ケーブル規格が昇温での調整を規定している場合,試験片の調整は,関連ケーブル規格が規定
する時間及び温度で行う。結果に疑義が生じ,再試験を行う場合,関連ケーブル規格で規定された,
ケーブルの最大定格温度又は連続通電可能な導体の最大定格温度で24時間調整する。
――――― [JIS C 3660-501 pdf 6] ―――――
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試験片を昇温で調整しても,規定された老化時間は変更しない。
2) 室温での調整 断面積の測定を行う前に,全ての試験片は,日光の直射を避けて,熱可塑性の場合
は23 ℃±2 ℃で,その他の材質の場合は23±5 ℃で,3時間以上放置する。
b) ダンベル状試験片 試験片には,可能な限りダンベル状試験片を適用する。試験片は,線心の長手方
向に切開し,導体を取り除いた絶縁体の試料から準備する。
絶縁体の内部及び/又は外部に半導電層がある場合は,機械的に取り除き溶剤は用いない。
各絶縁体の試料は,適切な長さの小片に切断する。小片は,切断された試料及び元の試料中での相
互の関連した位置を識別するために印を付ける。
絶縁体の小片は,後述する標線間の平行な滑らかな面を得るために,加熱しないように注意して,
研削又は切削する。切削による試験片作製機の例を,附属書Aに示す。ポリエチレン(PE)又はポリ
プロピレン(PP)の絶縁体は,切削だけを用い,研削してはならない。研削又は切削後,ばりを取り
除き,小片の厚さは0.8 mm以上で2.0 mm以下とする。厚さが0.8 mm以上のダンベル状試験片を準
備することができない場合は,管状試験片を用いる。管状試験片が適用できない場合は,0.8 mmより
薄いダンベル状試験片を用いてもよい。ただし,このときの引張速度は25 mm/minとする。
試験報告書には,規定したダンベル状試験片以外の試験片を用いた結果であることを記載すること
が望ましい。
注記2 (対応国際規格の注記2の内容は,規定であることから,この細別の“絶縁体の小片は”
で始まる段落の後に移した。)
注記3 オゾン試験(JIS C 3660-403)及び耐油試験(JIS C 3660-404)のように,試験片の最低厚
さを要求する試験がある。
準備した絶縁体の小片から図1に示す一つのダンベル状試験片又は可能であれば隣り合わせで二つ
のダンベル状試験片を打ち抜く。
結果の信頼性を上げるために,次を推奨する。
− 試験片の欠点を最小にするために,打抜器の刃は,非常に鋭利なものとする。
− 小片と基板との間には,厚紙又はこれと同等の支持物を置く。支持物には,打ち抜きによって,
刃の跡が残ってもよいが,完全に切れてはならない。
− 試験片の両サイドのばりは取り除く。
打ち抜きの結果,ばりの生じる材料には,次の方法を適用できる。
1) ダンベル状試験片の両端部に対応する打抜器の刃に,約2.5 mm幅,約2.5 mm深さの溝を設
ける(図3参照)。
2) 打ち抜いたダンベル状試験片の両端を,この細分箇条の要求に従い準備した小片から切り離
さず残す(図4参照)。
3) 附属書Aの機械で,ダンベル状打ち抜きで生じる可能性のあるばりを取り除くために,厚さ
0.10 mm0.15 mmをスライスし取り除くことができる。この操作が終わった後で,ダンベル
状試験片の両端を小片から切り離す。
線心の外径が小さく,図1のダンベル状試験片が得られない場合は,図2によって小形ダンベル状
試験片を,準備した小片から打ち抜く。
各試験片の中央部には,引張試験を行う直前に,ダンベル状試験片(図1)に対して20 mm,小形
ダンベル状試験片(図2)に対して10 mmの標線を付ける。
注記4 接触式伸び計を用いる場合,グリップの間隔が標線の長さとなる。
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破断が標線間で生じる場合は,端部の形状が規定に適合しないダンベル状試験片を用いてもよい。
c) 管状試験片 管状試験片は,ダンベル状試験片が準備できないサイズの場合にだけ用いる。
線心の試料は,約100 mmの長さに切断し,絶縁体を損傷しないように,導体を含む全ての外部被
覆物を取り除く。管状試験片は,準備した試料及び元の試料中での相互の関連した位置を識別するた
めに印を付ける。
導体の除去は,次の1)3) の作業の一つ又は組合せによって行う。
1) 硬い導体の場合は,導体にだけ引張り力を加えて伸長する(単線など)。
2) 試料にダメージを加えないようにできるだけ小さな力を加え絶縁線心を転がす。
3) より線導体,可とう導体などの場合,中心部のより線又は素線の1本以上を最初に抜き取る。
導体の除去後,セパレータがある場合は,これを除去する。セパレータの除去が困難な場合は,次
の作業の一つを行ってもよい。
− 紙のセパレータの場合,水中に浸せきする。
− ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータの場合,エチルアルコールへ浸せきする。
− 滑らかな表面上で絶縁体を転がす。
引張試験を行う直前に,中央部に20 mmの標線を付ける。
注記5 接触式伸び計を用いる場合,グリップの間隔が標線の長さとなる。
引張試験中において,試験片の内側に残っているセパレータの破片によって,試験片が不整な形態
を見せた場合は,結果を無効とする。
4.2.4 断面積の求め方
断面積の求め方は,次による。
a) ダンベル状試験片 試験片の断面積は,次の方法で求めた共通の幅及び最小厚さから求める。
幅の測定 :
− 任意に選んだ3個の試料片の幅をそれぞれ測定し,最小の幅を共通の幅とする。
− 幅が均一でない場合は,3個の試料片について,それぞれ3カ所の上部及び下部の幅を測定し,
それぞれの箇所の平均値を求める。得られた9点の平均値の最小値を共通の幅とする。
− 更に疑義が生じた場合には,それぞれの試験片の幅を測定する。
厚さの測定 :
− それぞれの試験片において,測定時に伸ばされる領域から3点を測定した最小値を最小厚さと
する。
測定装置は,光学測定装置又は測定圧力が0.07 N/mm2を超えないダイアルゲージを用いる。
測定精度は,厚さ測定には誤差0.01 mm未満,幅測定には誤差0.04 mm未満の測定装置を用いる。
疑義が生じた場合,技術的に可能であれば光学測定装置を用いる。その代わりに,最大測定圧力が
0.02 N/mm2のダイアルゲージを用いてもよい。
ダンベル状試験片の中央平面部が曲がっている場合は,先端接触部が球面のダイアルゲージを用い
るのが望ましい。
注記 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,この細別の“疑義が生じた場合”で
始まる段落の後に移した。)
b) 管状試験片 準備した試験片を採取する試料の中央部で,次のいずれかの方法によって測定し,試験
片の断面積A mm2を求める。疑義が生じた場合は,2) による。
1) 寸法から求める場合は,次の式による。
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A D
ここに, 絶縁体平均厚さ(mm)。JIS C 3660-201によって測定し,
小数点以下2桁に丸める。
D : 試験片の平均外径(mm)。JIS C 3660-203によって測定
し,小数点以下2桁に丸める。
2) 密度,質量及び長さから求める場合は,次の式による。
1 m
A
d l
ここに, m : 試験片の質量(g)。小数点以下3桁に丸める。
l : 長さ(mm)。小数点以下1桁に丸める。
d : 密度(g/cm3)。同一絶縁体(老化なし)の追加試料でJIS
C 3660-606によって測定し,小数点以下3桁に丸める。
3) 体積及び長さから求める場合は,体積はエチルアルコールに浸せきする方法によって決め,次の式
による。
V
A
l
ここに, V : 体積(mm3)。小数点以下2桁に丸める。
l : 長さ(mm)。小数点以下1桁に丸める。
浸せきしている間,試験片に気泡が付かないようにする。
c) 絶縁体が導体と一緒に老化される場合を除き,老化する試験片の断面積は,老化処理前に測定する。
4.2.5 熱老化処理
(空白)
注記 対応国際規格では,規定内容が4.2.1及び4.2.2と重複するため,本文が削除されている。
4.2.6 引張試験の手順
試験手順は,次による。
a) 試験は,23±5 ℃で行う。熱可塑性の絶縁体で疑義が生じた場合,試験は,23±2 ℃で行う。
b) グリップ間隔及び引張速度 引張試験機のグリップは,セルフタイトニング形又はノンセルフタイト
ニング形のいずれかを用いる。
グリップ間の全長は,次による。
− 図2に示す小形ダンベル状試験片の場合は,約34 mm
− 図1に示すダンベル状試験片の場合は,約50 mm
− セルフタイトニング形で試験する管状試験片の場合は,約50 mm
− ノンセルフタイトニング形で試験する管状試験片の場合は,約85 mm
引張速度は,ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)を除き,250±50 mm/minとする。疑
義が生じた場合は,25±5 mm/minとする。
PE,PP及びこれらの材料を含んだ絶縁体の引張速度は,25±5 mm/minとする。ただし,定期試験
では,250±50 mm/minまでの引張速度としてもよい。
c) 測定 試験片ごとに,試験中の最大引張力及び破断時の標線間の距離を測定し記録する。
グリップ部での損傷によって,試験片が破壊した場合の結果は無効とする。引張強さ及び伸びを計
算するために,4個以上の有効な結果を必要とする。有効な結果を得るために,繰り返し試験を行う。
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4.2.7 結果の表し方
3.3及び3.4に定義された引張強さ及び破断時伸びを算出する。
結果の中央値を決定する。
4.3 シース
4.3.1 一般
この試験は,完成品ケーブルについて,老化処理なしのシース材料及び関連ケーブル規格に規定された
熱老化処理を行ったシース材料の破断時における引張強さ及び破断時伸びを測定する。
熱老化試験を実施する試験片を準備する場合(JIS C 3660-401又はJIS C 3660-404参照),試験片は老化
処理なしの試験片に隣接した位置から採取する。引張試験を行う場合,老化処理なし及び老化処理ありの
試験片に対して,連続して試験する。
注記 誤差の少ない信頼性の高い試験とするために,熱老化処理なし及び熱老化処理ありの試料を,
同じ作業者が同じ装置を用い,同じ試験室で準備することが推奨されている。
4.3.2 試験片の採取
ケーブル又はコードから採取するシース試料は,老化処理なしの引張試験用,及び要求される熱老化処
理後の引張試験用として,それぞれ5個以上の試験片を準備するために十分な寸法とする。それぞれの試
験片の準備に約100 mmが必要であることに留意する。
きずなどの機械的ダメージが加わった試料は試験に用いてはならない。
4.3.3 試験片の準備及び調整
シースの試験片の準備及び調整は,4.2.3と同じ方法で実施する。
ダンベル状試料片は,シースをケーブルの長さ方向に沿ってぎ取る。シース以外の全ての部材を取り
除く。刻印又はひれがある場合,切削又は研削によって,これらを取り除く。PE,PP又はこれらと類似
のシースの場合,切削だけが認められる。
PEシースの場合,シースの両面が平滑であれば,ダンベル状試料片の厚さを2 mm以下にしなくてもよ
い。
注記 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の第3段落に移した。)
管状試験片を準備する場合,コア,充材,内部被覆などのシース以外の全ての部材を取り除く。
試料の調整は,4.2.3 a) による。
4.3.4 断面積の求め方
4.2.4に規定する絶縁体の断面積の求め方と同様に,試料の断面積を決定する。
シースの管状試験片の断面積を求める場合は,次を変更して適用する。
− 4.2.4 b) 1) の測定法を用いる場合,シースの厚さの測定はJIS C 3660-202,直径の測定はJIS C 3660-203
による。
− 4.2.4 b) 2) の測定法を用いる場合,シースの密度は,同じシースから採取した一つの追加試験片にて
測定する。
4.2.4 b) 2) の測定法を,多層シースに用いるのは望ましくない。多層シースにはb) 1) 又はb) 3) による
方法が妥当である。
注記 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の第3段落に移した。)
4.3.5 熱老化処理
(空白)
注記 対応国際規格では,規定内容が4.3.1及び4.3.2と重複するため,本文が削除されている。
――――― [JIS C 3660-501 pdf 10] ―――――
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JIS C 3660-501:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60811-501:2012(IDT)
- IEC 60811-501:2012/AMENDMENT 1:2018(IDT)
JIS C 3660-501:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3660-501:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC3660-100:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第100部:一般事項
- JISC3660-201:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第201部:一般試験―絶縁体厚さの測定
- JISC3660-202:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第202部:一般試験―非金属シース厚さの測定
- JISC3660-203:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第203部:一般試験―仕上寸法の測定
- JISC3660-401:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第401部:各種試験―加熱老化試験方法―エアオーブンによる加熱老化
- JISC3660-404:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第404部:各種試験―シースの耐油試験
- JISC3660-606:2019
- 電気・光ファイバケーブル―非金属材料の試験方法―第606部:物理試験―密度測定法