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C 5630-2 : 2009 (IEC 62047-2 : 2006)
部長さの80 %以内の範囲で試験片の幅の2倍以上とすることが望ましい。
標点は,薄膜試験片の変形を妨げないように,また標点部分での残留応力及び応力集中が試験結果に影
響を及ぼさないように,試験片材料に比べて弾性率及び内部応力が低い薄膜材料で構成し,かつ,試験片
とのコントラストが得られる限りできるだけ薄いものが望ましい。具体的には,金属薄膜を推奨する。標
点の厚さは,試験片厚さの1 %を超えないことが望ましい(C.4参照)。
6 試験報告
試験報告書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。
a) この規格番号 (JIS C 5630-2)
b) 試験片の標識
c) 試験片の材質
− 単結晶の場合 : 結晶方位
− 多結晶の場合 : 配向性,粒径
− 内部応力
d) 試験片の形状及び寸法
e) 試験片の作製方法及びその詳細
− 成膜方法
− 熱処理条件
− 加工条件
f) 試験項目及びその結果
――――― [JIS C 5630-2 pdf 6] ―――――
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C 5630-2 : 2009 (IEC 62047-2 : 2006)
附属書A
(参考)
試験片の装着方法
A.1 静電チャック法
静電チャック法は,試験片の装着に静電力を用いるものである。
試験片としては,その自由端に大きなつかみ部をもつ片持ちはり(梁)のものを使用する。導電性材料
に対して,つかみ具(電極)と試験片との間に電圧を印加することによって試験片を固定する静電力を発
生させる。試験片の基板側は,真空吸着,静電力,ねじ止めなどの手段で固定する。
A.2 接着法
試験片を接着法によって装着するためには,つかみ具及び試験片の材質並びにつかみ具にかかる最大負
荷によって最適な接着剤を選択するのがよい。また,接着剤の塗布量は,試験片つかみ部の面積によって
決定する。接着剤の固化過程において試験片に負荷がかかるときは,試験片の位置(上下左右)を適宜調
整することが望ましい。接着剤には,紫外線照射によって固化するタイプを使用してもよい。
A.3 機械式クランプ法
機械式クランプ法は,試験片つかみ部を機械的に直接把持する単純な試験片の装着法である。この方法
は,比較的大きな力で試験片を把持することができるため,つかみ部でのすべりの問題を避けることが可
能で,比較的大きな負荷を必要とする試験片を把持することが可能である。また,負荷時の変位が比較的
大きい場合でも試験を実施することができる。しかしこの方式では,チャック切れを防ぐことが必要であ
る。このためには,試験片つかみ部を把持するとき,同つかみ部全体を均等な力で把持することが必要で
ある。そのため,両つかみ部表面は,十分に平滑で凹凸がなく,また,つかみ具の直進動は十分に正確で
あることが必要である。また,チャック切れを防ぐために,つかみ部に対し,試験部を十分に小さくする
ことが必要である。現状においてシリコン薄膜のようなぜい(脆)性材料では,試験片つかみ部に例えば
シリコン基板のような補強部を必要とする。試験片を把持するときは,把持力を調節可能であることが望
ましい。
A.4 引張機構一体化法(オンチップ法)
試験片及び引張機構の一部をシリコンチップに集積化することによって,試験片と試験機の引張駆動方
向との軸合わせ,試験片と把持機構との位置調整,及び試験片の把持動作がこの方法では不要である。試
験片の両端に変位を与える方法には,次の二つがある。一つは,チップ上に構成したシリコンのてこを外
部の針で押し下げ,この運動を引張動作に変換するもので,もう一つは熱膨張によってチップ上の構成要
素に引張りの動きを発生させる手法である。
A.5 ピンジョイント法
この方法では,試験片の自由端に円環状などの形状を作製する。そこに負荷機構のピンを引っ掛けて引
っ張る。この場合,引掛け部に応力集中及び曲げ応力が生じないように注意する。
――――― [JIS C 5630-2 pdf 7] ―――――
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C 5630-2 : 2009 (IEC 62047-2 : 2006)
附属書B
(規定)
試験条件
B.1 試験速度
ISO 6892は,上降伏点及び下降伏点を1回の試験で求める場合には,ひずみ増加率を0.000 25/s0.002 5/s
の範囲で可能な限り一定値に保つよう,規定している。また,引張強度を求める場合の塑性域におけるひ
ずみ増加率は0.008 /sを超えないよう規定している。この速度を規定する理由として,材料変形における
非平衡状態の影響の排除がある。しかし,薄膜形状のマイクロ部材においては通常の引張試験材料に比較
して熱応答時定数が格段に小さく,材料変形による熱的影響は,外部環境との熱平衡が速やかに達成され
るため急速に減少する。このため,一般の試験片よりも高速なひずみ増加率においても材料変形における
平衡状態が保たれる。
一方,薄膜試験片は,一般に長さが短い。長さの短い薄膜試験片において一般の試験片と同等のひずみ
増加率を実現するには,試験機の変位速度を小さくする必要がある。そのため,小さなひずみ増加率を高
精度に保証することは困難である。
ひずみ増加率は0.01 /s以上としてもよいが,慣性並びに測定値精度及び測定に要する時間を考慮すると,
ひずみ増加率は0.01 /sよりも遅い値で,かつ,可能な限り一定の値に保つことを推奨する。
このような微小な変位速度を実現するために,引張荷重の付加方法として,圧電アクチュエータ,自動
アクチュエータ駆動の光学ステージ及び磁わい(歪)アクチュエータを用いる。
B.2 荷重計精度
荷重計の精度が,フルスケールの1 %以上の数値である場合は,フルスケールが引張強さ(極限強さ)
の5倍よりも小さな荷重計を用いなければならない。
B.3 伸び測定
標点間の伸び変位を光学的に非接触で測定する方法としては,レーザを標点に照射して得られた反射光
の干渉を利用する方法,及び離れた二つの標点を一画面に取り込む2視野顕微鏡による2標点の同時測定
の方法がある。
標点のない試験片に対しては,光学測定に代わるほかの方法がある。この方法では,試験片の平行部の
長さを除く形状及び寸法が同じ二つの試験片で引張試験を行う。荷重負荷ステージの変位として測定する
二つの試験片の全伸びの差から平行部の正味の伸びが算出できる。しかし,この方法は,2回の個々の実
験誤差が加算されるので,標点の作製及び直接観察が困難な場合に限って適用する。
――――― [JIS C 5630-2 pdf 8] ―――――
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C 5630-2 : 2009 (IEC 62047-2 : 2006)
附属書C
(参考)
試験片
C.1 試験片の平面形状
既存のISO規格及びJISには,ここで取り扱うような微小薄膜試験片に対する形状の規定はないが,従
来の規格で制定されている試験片形状を比例縮小した形状であることが望ましい。
ISO 6892(JIS Z 2201もほぼ同等)における板厚(a) 0.10.3 mmの非比例試験片(ISO Type1試験片)は,
幅(b) 12.5 mm,標点間距離(L0) 50 mm,平行部長さ(Lc) 75 mm (>L0+b/2)と規定されており,標点間距離は,
試験片幅の4倍(L0/b=4)となっている。
また,板厚t=3 mm以上の比例試験片は,標点間距離(L0)は .565 S(ここで,S0は試験片の断面積)
0
の関係を満足するように規定している。この場合,b/a>8の条件下では,L0/b<2である。
例えば,薄膜試験片の代表的寸法として,幅(b) 20 m,厚さ(a) 2 mを想定すると,標点間距離(L0)は
35.7 mとなり,試験片幅のほぼ1.8倍(L0/b=1.8)となる。そこで,この規格で規定したように標点間距離
(L0)を幅(b)の2倍以上(L0/b>2)にすれば,試験片の形状が既存規格の比例縮小となり,データの比較に有
効である。
マイクロマシン材料としてよく用いられるシリコン薄膜試験片における引張試験の結果では,L0/b=5
と,L0/b=2とでの明確な差異は観察されなかったが,ほかのマイクロマシン材料についてその材料構造及
び標点間の欠陥分布との関係を検討及び考慮する必要がある。
また,試験片平行部(Lc)の長さが長ければ,つかみ部を含む試験片全体の曲げ剛性は小さくなる。この
ため,薄膜試験片を取り扱うときに試験片に損傷を与えないためには,補助部材を試験片に付加するなど
の工夫が必要である。
C.2 試験片のフォトマスク
試験部と固定部及びつかみ部との間は,応力集中によって試験部以外の部分で破断しないように適切な
曲率をもつ肩部で接続することが望ましい。肩部をフォトリソグラフィで作製する場合には,フォトマス
クの描画方法に注意しなければならない。
一般的なラスター描画によるフォトマスクの描画では,肩部をデジタル的に処理するので,実際のパタ
ーンでは微小なギャザー(段)となり,この部分が破壊の起点となる可能性がある。そのため,応力集中
に配慮してギャザーを減少する必要がある。肩部の描画には,ベクトル描画を推奨する。
C.3 試験片厚さの測定
SOIウエハ上の薄いシリコン層及びスパッタ,CVDなどで形成されるウエハ上の金属薄膜は,一般に±
20 %の厚さの不均一性がある。したがって,試験片の厚さを試験片ごとに測定しない限り,試験結果には
上記の誤差を含むので,全試験片の厚さを測定することが望ましい。それぞれの試験片の平行部の厚さ測
定を推奨する。しかし,厚さ測定の方法によって試験片にダメージを与える可能性がある場合又は試験片
全数の測定が困難な場合は,試験片近傍での厚さ測定結果を用いてもよい。このような場合には,近傍で
測定した厚さから試験片の厚さを推定することが必要である。ウエハの代表寸法が100 mm,試験片の代
表寸法が100 mであることから,試験片の代表寸法の50倍の範囲で厚さを測定すると,試験片厚さの測
――――― [JIS C 5630-2 pdf 9] ―――――
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C 5630-2 : 2009 (IEC 62047-2 : 2006)
定精度に及ぼす厚さ不均一性の影響を約±1 %にできる。
20 % (100 m 50)
1%
100 mm
薄膜の厚さ測定には試験片の厚さの1 %の精度が必要である。例えば,厚さ0.1 mの厚さを1 %の精
度で測定するには1 nmの精度で測定しなければならない。現状では,このような測定を多数の試験片に
ついて実施することは難しい。厚さ測定誤差があることに注意すべきである。厚さ測定方法については,
薄膜の物性に応じて,触針法,干渉計,エリプソメータなどの光学的手法又は蛍光X線法を,適宜,選択
するのがよい。
C.4 標点
標点の描画には,次の二つの観点から注意が必要である。第一点は,標点自体の強度が試験片の変形に
及ぼす影響を極力小さくすることである。第二点は,標点描画のためのプロセスによって試験片材質の変
性を生じさせないということである。
参考文献 JIS C 5630-1 マイクロマシン及びMEMSに関する用語
注記 対応国際規格 : IEC 62047-1:2005,Semiconductor devices−Micro-electromechanical
devices−Part 1: Terms and definitions (IDT)
JIS C 5630-2:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62047-2:2006(IDT)