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C 5630-28 : 2020 (IEC 62047-28 : 2017)
6.2 振動加速度
振動加速度は,試験の実施中に一定に保たなければならない。
6.3 波形
振動の波形は,正弦波とする。
6.4 外部負荷
外部負荷は,抵抗値が既知の抵抗器を使用しなければならない。外部負荷及び出力測定器の寄生容量も
測定しなければならない。
6.5 試験時間
試験時間は,発電の電気的出力を安定化させるために,振動周波数の周期及び振動加速度と比較して十
分長い時間にしなければならない。
6.6 試験環境
温度及び相対湿度は,試験の期間中一定に保つのがよい。
7 測定手順
7.1 一般
次の測定手順及び測定条件は,図1に示すMEMS発電デバイス用の振動試験機器に適用する。
7.2 振動周波数応答
振動周波数応答の測定手順のステップは,次のとおりである。
a) 周囲温度及び相対湿度を指定の値に設定する。
b) 振動発生装置の上に取付ブラケットを付けたDUTを固定する。
c) 外部負荷をDUTの出力端子間に接続する。
d) UTを装着した振動発生装置に入力電圧を印加して,正弦波の振動を発生させてDUTを振動させる。
e) UTへ印加される振動周波数及び振動振幅を測定する。
f) DUTの出力電圧及び出力電力を測定する。
7.3 振動加速度応答
振動加速度応答の測定手順のステップは,次のとおりである。
a) 周囲温度及び相対湿度を指定の値に設定する。
b) 加振器上に取付ブラケットを付けたDUTを固定する。
c) 外部負荷をDUTの出力端子間に接続する。
d) UTを装着した振動発生装置に適切な入力電圧を印加して,正弦波の振動を発生させてDUTを与え
られた周波数で振動させる。
e) UTの加速度を測定する。
f) DUTの出力電圧及び出力電力を測定する。
7.4 測定条件及び外部負荷の電気的特性
図1に示した測定条件及び外部負荷の電気的特性は,次のとおりである。
a) 周囲温度及び相対湿度を指定の値に設定する。
b) 図1に示した外部負荷及び出力測定器の抵抗値及び寄生容量値を測定する。
外部負荷としての抵抗器の種類は,抵抗値,寄生容量値,及びDUTを組み込む装置又はシステムを考
慮して指定するのがよい。
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C 5630-28 : 2020 (IEC 62047-28 : 2017)
8 試験報告
試験報告は,少なくとも次の情報を含まなければならない。
a) 必須記載事項
1) この規格の番号
2) 供試デバイスの形状,質量及び寸法
3) 試験装置
4) 出力測定器及びデータ記録器の細目
5) 振動発生装置上のエネルギー発電デバイスの固定方法
6) 試験条件
− 振動周波数
− 振動加速度
− 外部負荷
− 寄生容量
− 試験時間
− 試験環境(温度及び相対湿度)
7) 試験結果
− 出力電圧
− 出力電力
b) 任意記載事項
1) 試験の目的
2) 供試デバイスの構造
3) 発電原理
エレクトレットを用いた振動発電デバイスの測定の一例を,附属書Aに記載する。
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C 5630-28 : 2020 (IEC 62047-28 : 2017)
附属書A
(参考)
エレクトレットを用いた振動発電デバイスの測定の一例
A.1 一般
この附属書は,エレクトレットを用いた振動発電デバイスの測定の一例を示している。A.2A.5は,エ
レクトレット発電の原理及び測定方法を示している。
A.2 エレクトレットを用いた振動発電デバイスの計算用モデル
図A.1に面内振動型エレクトレット振動発電デバイスの基本構成を示す(参考文献[1]及び[2]を参照)。
X(t) は,規定した時間tに依存して,振動する対向電極とエレクトレットとがオーバーラップする領域
の長さである。図A.1に規定しているように,出力電圧である対向電極とベース電極との間の電位差V(t) は,
配線された外部抵抗の両端電圧(すなわち,対向電極とベース電極との電極間電圧)として観測すること
ができる。DUTへ加わる振動によって,振動子上の対向電極が振動し,これに誘起される電流I(t) によっ
て電位差V(t) が発生する。
ここで,V(t) とX(t) との関係は,式(A.1)式(A.5)を用いて得られる。
1 ベース電極上に取り付けられた 8 Ce : エレクトレット表面とベー 15 d : エレクトレットフィルムの厚
エレクトレット ス電極との間の容量 さ
2 R : 指定された外部抵抗器 9 w : 対向電極の幅 16 ε1 : 空隙の比誘電率
3 10 Ec : 対向電極とガード電極との
X(t) : エレクトレットと対向電極 17 ε2 : エレクトレットの比誘電率
とのオーバーラップ領域の長さ 間の静電界
4 11 Ea : 対向電極とエレクトレット
V(t) : 対向電極とベース電極との 18 ベース電極 : エレクトレットの
間の電位差 表面との間の静電界 底面の電極
5 12 Eb : エレクトレット表面とベー
I(t) : DUT部分の機械的な振動に 19 対向電極 : エレクトレットと空
よって誘起される電流 ス電極との間の静電界 隙を介して対向する電極
6 Cp : DUTの寄生容量 13 g : 対向電極とエレクトレットと 20 ガード電極 : 望ましくないフリ
の間隔(空隙の間隔) ンジ場を最小化するための追加
電極
7 Cg : エレクトレット表面と対向14 σ : 表面電荷密度
電極との間の容量
図A.1−面内振動型エレクトレット振動発電デバイス(DUT)の基本構成
――――― [JIS C 5630-28 pdf 8] ―――――
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C 5630-28 : 2020 (IEC 62047-28 : 2017)
図A.1に示す構成において,奥行方向は無限な構造体であるとし,一次元静電場であると仮定して次の
定式化を行う。σ,d,g及びεは,表面電荷密度,エレクトレットフィルムの厚さ,対向電極とエレクト
レットとの間隔(空隙の間隔),及びエレクトレット材料の比誘電率を示している。ガード電極は,フリン
ジ場及び寄生容量Cpを減らすために設けられている。外部負荷は,純抵抗Rであり,寄生容量の値は,
時間的な変動はないとみなす。エレクトレット表面にガウスの法則を適用すると,式(A.1)が得られる。
−ε2ε0Eb+ε1ε0Ea=σ (A.1)
ここに, Eb : エレクトレット表面とベース電極との間の静電界
Ea : 対向電極とエレクトレット表面との間の静電界
σ : (エレクトレット表面の)表面電荷密度
ε1 : 空隙の比誘電率
ε2 : エレクトレットの比誘電率
ε0 : 真空の誘電率
キルヒホッフの法則を使うと,式(A.2)及び式(A.3)が得られる。
V(t)+dEb+gEa=0 (A.2)
V(t)+(d+g) Ec=0 (A.3)
式(A.3)において, Ec : 対向電極とガード電極との間の静電界
電荷保存則に伴って,誘導電流I(t) は,式(A.4)によって得られる。
d
bX t
1i bw
i2 Xt It 0 (A.4)
dt
式(A.4)において, σi1 : エレクトレットとオーバーラップしている対向電極
上に誘起される電荷
σi2 : ガード電極とオーバーラップしている対向電極上に
誘起される電荷
b : 電極の奥行き深さ
誘起された電荷は,式(A.5)によって与えられる。
σi1=−ε1ε0Ea,及びσi2=−ε1ε0Ec (A.5)
式(A.1),式(A.2),式(A.3)及び式(A.5)を式(A.4)に代入することによって,出力電圧V(t) を得るための微
分方程式が数学的に得られる。対向電極に正弦波振動が加えられた場合は,オーバーラップ領域の長さ
X(t) も与えられた振幅及び周波数を伴った正弦波関数となる。
図A.2は,エレクトレットと対面する位置に分割された2枚の対向電極をもつ別の構成を示す(参考文
献[3]を参照)。この構成では,一対の対向電極が固定され,エレクトレット電極が振動する。誘起電流は,
一対の対向電極間に接続された負荷抵抗に流れる。寄生容量として主に寄与するのは,隣接する一対の対
向電極間の容量となる。
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C 5630-28 : 2020 (IEC 62047-28 : 2017)
1 ベース電極上に取り付けられた 8 Ce : エレクトレット表面とベー 15 ε1 : 空隙の比誘電率
エレクトレット ス電極との間の容量
2 R : 外部抵抗器 9 w : 対向電極の幅 16 ε2 : エレクトレットの比誘電率
3 10 Ea : 対向電極とエレクトレット
X(t) : エレクトレットと対向電極 17 ベース電極 : エレクトレットの
とのオーバーラップ領域の長さ 表面との間の静電界 底面の電極
4 11 Eb : エレクトレット表面とベー
V(t) : 対向電極とベース電極との 18 対向電極 : エレクトレットと空
間の電位差 ス電極との間の静電界 隙を介して対向する電極
5 12 g : 対向電極とエレクトレットと
I(t) : DUT部分の機械的な振動に
よって誘起される電流 の間隔(空隙の間隔)
6 Cp : DUTの寄生容量 13 σ : 表面電荷密度
7 Cg : エレクトレット表面と対向14 d : エレクトレットフィルムの厚
電極との間の容量 さ
図A.2−エレクトレットと対面する位置に分割された2枚の対向電極をもつ
面内振動型振動発電デバイス(DUT)の構成
図A.3は,エレクトレット層がくし(櫛)型電極の側壁に形成された,くし(櫛)型電極構造面内振動
型エレクトレット振動発電デバイスの構成及び動作を示す(参考文献[4]を参照)。振動方向に依存して,
オーバーラップ領域又は空隙間隔の変動によって,容量が変動する。
――――― [JIS C 5630-28 pdf 10] ―――――
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- IEC 62047-28:2017(IDT)